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第三章 冒険編 私の理想郷
理想郷の真実
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「“外の世界”って……あなたは?」
すると男は黙って酒場の横にある裏路地へと、足を運んで行く。
「……ここじゃなんだ、人気の無い場所で話そう……ついて来な」
そう言いながら男は、裏路地の中へと入り、姿を消してしまった。
「……どうする?」
「どうするって言ってもな……ついて行くしか無いんじゃないか?」
「罠かもしれませんよ?」
「オラもぞう思うだぁ」
突然真緒達の前に現れ、外の世界と口にする謎の男。あまりにも信用出来ない部分が多い。そんな謎多き男について行くかどうか、意見が分かれてしまった。
「確かに罠かもしれない……だけどこのまま何も分からず迷っているよりも、少しでも情報を得られるのだったら、ついて行くべきだと私は思う」
現状、ここが何処なのか全く理解出来ていない。そんな状況のまま、街の中を歩くのは危険だと判断した真緒は、少しでも情報を得る為に裏路地に入って行った謎の男について行くべきだと提案した。
「そうですね……何も情報が無い今の状況から考えても、情報を得られる機会を逃す訳にはいかないかもしれませんね……分かりました、私はマオさんの言う通りあの男について行きます」
「オラもぞうずるだぁ」
「よし……それじゃあ行こう……」
意見がまとまった真緒達は、謎の男が入って行った裏路地へと足を踏み入れて行くのであった。
***
裏路地の中は湿気で非常にじめじめとしており、建物同士の影が重なり合う事で、太陽の光を遮っていた。
「あのー、何処にいるんですか?」
返事は無い。薄暗い裏路地を覚束無い足取りで歩く真緒達は、先に入って行った謎の男に対して声を掛けるも、謎の男から返事は来なかった。
「あれ、おかしいな……先に入って行った筈なのに……っ!!?」
真緒達が不思議に思っていると待ち伏せていたのか、先程の男が突然上空から真緒達目掛けて剣を振り下ろしながら、落下して来た。
「おらぁあああああ!!!」
「あ、危ない!!」
咄嗟の出来事に驚きを隠せない真緒達だったが、持ち前の反射神経を生かして、何とか避ける事に成功した。
「ほぉー、完全な死角からの不意打ちだったんだが……やるじゃないか」
「ちょ、ちょっといきなり何をするんですか!?」
「悪いな……まずはお前達にはここで死んで貰う!!」
すると謎の男は、返事を待たずに真緒達目掛けて剣を振り下ろし、襲い掛かって来た。
「きゃあ!? こうなったら仕方がありません!! 戦いましょう!!」
襲い掛かる謎の男に対して、真緒達は各々武器を構えるのであった。
「よーし、早速クロスボウの威力を試させて貰うぜ」
武器を構える中、フォルスがクロスボウを取り出し構えていた。
「ちょっと!? そのクロスボウ、結局貰ったんですか!?」
「あぁ、これで更に強くなれるからな!! ええっと……どうやって使うんだったかな……?」
クロスボウを自慢気に語っていたが、取り扱い方が分からず、動作が遅れてしまった。
「隙だらけだぞ!!」
「ぐわぁ!!?」
「フォルスさん!!」
打つのに時間が掛かっていると、謎の男に蹴り飛ばされてしまった。
「何やっているんですかフォルスさん!! ここは私に任せて下さい!! このイヤリングによって底上げされた魔法をお見舞いします!!」
蹴り飛ばされるフォルスを他所に、リーマが懐からイヤリングを取り出し、高らかに掲げると耳に取り付けようとする。
「……痛!! ……痛!! 鏡が無いと、上手く取り付けられませんね……」
手探り状態でイヤリングを耳に取り付けようとしている為、無駄に時間が掛かってしまっていた。
「お前ら、やる気あるのか!?」
「あっ、しまっ……きゃあ!!」
イヤリングを取り付けるのに時間が掛かっていると、リーマもフォルスと同じ様に謎の男に蹴り飛ばされてしまった。
「リーマ、大丈夫!!?」
「は、はい……何とか……」
「どいつもこいつも……お前ら戦う気があるのかよ!!?」
「二人の仇……私が取るよ。はぁあああああ!!!」
「ぬっ!?」
蹴り飛ばされた二人の仇を取る為、真緒は一人謎の男目掛けて斬り掛かる。対して謎の男は、真緒の剣を自身の剣で受け止める。
「やるな……だが、これならどうだ!!」
謎の男は真緒の剣を弾くと、真緒目掛けて剣を何度も振り下ろす。
「ふっ!! はっ!! やぁあああああ!!」
ぶつかり合う剣。飛び散る火花。金属同士のぶつかり合う高音が、裏路地に響き渡る。
「出来るな……」
「あなたこそ……」
命を削る敵同士の筈だが、そこには不思議と嫌悪感は感じられなかった。寧ろ好感を抱いていた。
「……そろそろ終わりにして、話して頂けませんか?」
「?」
「あなたからは全く敵意を感じ取れません。隙だらけだったフォルスさんやリーマが死んでいないのが、良い証拠です」
「…………」
真緒の言う通りだった。本気で殺す気があったのなら、既にフォルスとリーマは剣で殺されていただろう。しかし実際は生きている。それこそが、この男に殺す気が無い決定的な証拠である。
「ははは……バレてたか……」
真緒に見透かされたと言わんばかりに、謎の男は持っていた剣を鞘に収めた。
「悪かったな、お前達を試させて貰っていた」
「試ずっで……どうじでぞんな事を?」
「それは勿論……この理想郷という名の“偽りの世界”を壊せるかどうかさ」
「“偽りの世界”!? いったいどういう事なんですか!?」
「取り敢えず一旦落ち着け、まずは自己紹介からさせて貰おう。俺の名は“アレリテ”、お前達と同じ外の世界からやって来た」
「アレリテさんですか、よろしくお願いします。私は佐藤真緒って言います」
「オラの名前はハナコだぁ」
「私はリーマです。蹴り飛ばされた事は忘れませんからね」
「俺はフォルスだ。リーマ同様に蹴り飛ばされた事は忘れない」
“アレリテ”と名乗る男に、真緒達は各々自己紹介を済ませる。そんな中、蹴り飛ばされたリーマとフォルスの二人は、嫌みたらしく忘れないと宣言した。
「だから悪かったって、器が狭い連中だな……」
「何だと!!?」
「フォルスさん、落ち着いて下さい。リーマも魔導書を広げないで」
「……分かりました」
アレリテの言葉に、苛立ちを覚えるリーマとフォルスは、敵意を剥き出しにする。そんな二人を、真緒とハナコが落ち着かせる。
「それでアレリテさん……さっき外の世界からやって来たって言っていましたが……どう言う意味なんですか?」
「お前達も、異様な見た目をした生き物に追いかけ回された後、奇妙な館に足を踏み入れたんだろ?」
「そ、そうです」
「そして館を出たら、この街に辿り着いてしまった……違うか?」
「その通りです!!」
「俺もお前達と同じ様に、この街にやって来たんだ」
真緒達と全く同じ方法でやって来たと言うアレリテ。同じ方法で来たというだけあって、親近感が沸いて来る。
「この街は理想郷と呼ばれている場所だ。自分が望んだ物や人物が、全て手に入る。まさに夢の様な場所だ」
「だがお前、この世界は偽りの世界って言ってなかったか?」
「……そうだ、この世界は一見素晴らしい街に思えるかもしれない。だがそれは、この理想郷の真実を知らない場合の話だ」
「理想郷の真実?」
するとアレリテは、懐から小さな小瓶を取り出した。その中には、透明な液体が入っていた。
「ほら、この瓶越しに街の住人を観察して見な」
そう言うと取り出した小瓶を、真緒達に向けて放り投げる。アレリテから投げられた小瓶を、真緒が慌ててキャッチする。
「こ、これは……?」
「いいから見て見ろ」
「は、はぁ……」
突然小瓶を渡された真緒は、困惑しながらも瓶越しに、街を行き交う人々を観察し始める。
「えっ…………えぇえええええ!!?」
すると突然、真緒は驚きの声を上げながら尻餅をついてしまった。
「な、何だどうした!!?」
「マオさん!!?」
「マオぢゃん、どうじだだぁ!!?」
驚きの表情を浮かべる真緒に、三人が慌てて駆け寄り、声を掛ける。
「こ、こ、これを見て下さい……」
真緒は震える手で、液体の入った小瓶をリーマ達に手渡した。
「「「…………」」」
リーマ達は素直に受け取ると、そのまま瓶越しに街を行き交う人々を観察した。
「「「!!?」」」
するとそこには、奇妙な館に入る前に出会った異様な見た目をした生き物達が、我が物顔で歩いている景色が広がっていた。真緒達は慌てて小瓶を下に下げ、自身の目で直接確認する。しかしそこには、普通の人間が幸せそうに歩いている景色が広がっていた。再び、瓶越しに街の人達を観察する。するとまたしても、異様な見た目をした生き物達が歩いている景色に変わっていた。
「こ、これはいったい……?」
「これが……この理想郷の真実さ」
「ど、どうして街の人が!? それにこの小瓶はいったい!? 中に入っている液体のお陰なんですか!? それをどうしてアレリテさんが持っているんですか!?」
「と、と、取り敢えず落ち着け!! ちゃんと一から説明する!!」
「ご、ごめんなさい……」
「全く……まず、その小瓶に入っている液体は……只の水だ」
「……み、水?」
「あぁ、俺がこの街に足を踏み入れる以前から持っていた物だ」
そう言うとアレリテは、懐から給水袋を取り出し、真緒達に見せ付ける。
「そしてあの街の連中は、異様な見た目をした生き物達が、巧妙に偽装した姿なのさ」
「そんな……ここまで広範囲の魔法……見た事も聞いた事もありません」
「そりゃあそうだ、これはそんな生易しい物じゃない。もっと恐ろしい何かだ」
「アレリテさん……そんな恐ろしい何かを、あなたは何故知っているんですか?」
「……今から話すのは、俺がこの街に足を踏み入れた時の話だ……」
そう言うとアレリテは話始めた。理想郷とは名ばかりの、恐ろしい真実を…………。
すると男は黙って酒場の横にある裏路地へと、足を運んで行く。
「……ここじゃなんだ、人気の無い場所で話そう……ついて来な」
そう言いながら男は、裏路地の中へと入り、姿を消してしまった。
「……どうする?」
「どうするって言ってもな……ついて行くしか無いんじゃないか?」
「罠かもしれませんよ?」
「オラもぞう思うだぁ」
突然真緒達の前に現れ、外の世界と口にする謎の男。あまりにも信用出来ない部分が多い。そんな謎多き男について行くかどうか、意見が分かれてしまった。
「確かに罠かもしれない……だけどこのまま何も分からず迷っているよりも、少しでも情報を得られるのだったら、ついて行くべきだと私は思う」
現状、ここが何処なのか全く理解出来ていない。そんな状況のまま、街の中を歩くのは危険だと判断した真緒は、少しでも情報を得る為に裏路地に入って行った謎の男について行くべきだと提案した。
「そうですね……何も情報が無い今の状況から考えても、情報を得られる機会を逃す訳にはいかないかもしれませんね……分かりました、私はマオさんの言う通りあの男について行きます」
「オラもぞうずるだぁ」
「よし……それじゃあ行こう……」
意見がまとまった真緒達は、謎の男が入って行った裏路地へと足を踏み入れて行くのであった。
***
裏路地の中は湿気で非常にじめじめとしており、建物同士の影が重なり合う事で、太陽の光を遮っていた。
「あのー、何処にいるんですか?」
返事は無い。薄暗い裏路地を覚束無い足取りで歩く真緒達は、先に入って行った謎の男に対して声を掛けるも、謎の男から返事は来なかった。
「あれ、おかしいな……先に入って行った筈なのに……っ!!?」
真緒達が不思議に思っていると待ち伏せていたのか、先程の男が突然上空から真緒達目掛けて剣を振り下ろしながら、落下して来た。
「おらぁあああああ!!!」
「あ、危ない!!」
咄嗟の出来事に驚きを隠せない真緒達だったが、持ち前の反射神経を生かして、何とか避ける事に成功した。
「ほぉー、完全な死角からの不意打ちだったんだが……やるじゃないか」
「ちょ、ちょっといきなり何をするんですか!?」
「悪いな……まずはお前達にはここで死んで貰う!!」
すると謎の男は、返事を待たずに真緒達目掛けて剣を振り下ろし、襲い掛かって来た。
「きゃあ!? こうなったら仕方がありません!! 戦いましょう!!」
襲い掛かる謎の男に対して、真緒達は各々武器を構えるのであった。
「よーし、早速クロスボウの威力を試させて貰うぜ」
武器を構える中、フォルスがクロスボウを取り出し構えていた。
「ちょっと!? そのクロスボウ、結局貰ったんですか!?」
「あぁ、これで更に強くなれるからな!! ええっと……どうやって使うんだったかな……?」
クロスボウを自慢気に語っていたが、取り扱い方が分からず、動作が遅れてしまった。
「隙だらけだぞ!!」
「ぐわぁ!!?」
「フォルスさん!!」
打つのに時間が掛かっていると、謎の男に蹴り飛ばされてしまった。
「何やっているんですかフォルスさん!! ここは私に任せて下さい!! このイヤリングによって底上げされた魔法をお見舞いします!!」
蹴り飛ばされるフォルスを他所に、リーマが懐からイヤリングを取り出し、高らかに掲げると耳に取り付けようとする。
「……痛!! ……痛!! 鏡が無いと、上手く取り付けられませんね……」
手探り状態でイヤリングを耳に取り付けようとしている為、無駄に時間が掛かってしまっていた。
「お前ら、やる気あるのか!?」
「あっ、しまっ……きゃあ!!」
イヤリングを取り付けるのに時間が掛かっていると、リーマもフォルスと同じ様に謎の男に蹴り飛ばされてしまった。
「リーマ、大丈夫!!?」
「は、はい……何とか……」
「どいつもこいつも……お前ら戦う気があるのかよ!!?」
「二人の仇……私が取るよ。はぁあああああ!!!」
「ぬっ!?」
蹴り飛ばされた二人の仇を取る為、真緒は一人謎の男目掛けて斬り掛かる。対して謎の男は、真緒の剣を自身の剣で受け止める。
「やるな……だが、これならどうだ!!」
謎の男は真緒の剣を弾くと、真緒目掛けて剣を何度も振り下ろす。
「ふっ!! はっ!! やぁあああああ!!」
ぶつかり合う剣。飛び散る火花。金属同士のぶつかり合う高音が、裏路地に響き渡る。
「出来るな……」
「あなたこそ……」
命を削る敵同士の筈だが、そこには不思議と嫌悪感は感じられなかった。寧ろ好感を抱いていた。
「……そろそろ終わりにして、話して頂けませんか?」
「?」
「あなたからは全く敵意を感じ取れません。隙だらけだったフォルスさんやリーマが死んでいないのが、良い証拠です」
「…………」
真緒の言う通りだった。本気で殺す気があったのなら、既にフォルスとリーマは剣で殺されていただろう。しかし実際は生きている。それこそが、この男に殺す気が無い決定的な証拠である。
「ははは……バレてたか……」
真緒に見透かされたと言わんばかりに、謎の男は持っていた剣を鞘に収めた。
「悪かったな、お前達を試させて貰っていた」
「試ずっで……どうじでぞんな事を?」
「それは勿論……この理想郷という名の“偽りの世界”を壊せるかどうかさ」
「“偽りの世界”!? いったいどういう事なんですか!?」
「取り敢えず一旦落ち着け、まずは自己紹介からさせて貰おう。俺の名は“アレリテ”、お前達と同じ外の世界からやって来た」
「アレリテさんですか、よろしくお願いします。私は佐藤真緒って言います」
「オラの名前はハナコだぁ」
「私はリーマです。蹴り飛ばされた事は忘れませんからね」
「俺はフォルスだ。リーマ同様に蹴り飛ばされた事は忘れない」
“アレリテ”と名乗る男に、真緒達は各々自己紹介を済ませる。そんな中、蹴り飛ばされたリーマとフォルスの二人は、嫌みたらしく忘れないと宣言した。
「だから悪かったって、器が狭い連中だな……」
「何だと!!?」
「フォルスさん、落ち着いて下さい。リーマも魔導書を広げないで」
「……分かりました」
アレリテの言葉に、苛立ちを覚えるリーマとフォルスは、敵意を剥き出しにする。そんな二人を、真緒とハナコが落ち着かせる。
「それでアレリテさん……さっき外の世界からやって来たって言っていましたが……どう言う意味なんですか?」
「お前達も、異様な見た目をした生き物に追いかけ回された後、奇妙な館に足を踏み入れたんだろ?」
「そ、そうです」
「そして館を出たら、この街に辿り着いてしまった……違うか?」
「その通りです!!」
「俺もお前達と同じ様に、この街にやって来たんだ」
真緒達と全く同じ方法でやって来たと言うアレリテ。同じ方法で来たというだけあって、親近感が沸いて来る。
「この街は理想郷と呼ばれている場所だ。自分が望んだ物や人物が、全て手に入る。まさに夢の様な場所だ」
「だがお前、この世界は偽りの世界って言ってなかったか?」
「……そうだ、この世界は一見素晴らしい街に思えるかもしれない。だがそれは、この理想郷の真実を知らない場合の話だ」
「理想郷の真実?」
するとアレリテは、懐から小さな小瓶を取り出した。その中には、透明な液体が入っていた。
「ほら、この瓶越しに街の住人を観察して見な」
そう言うと取り出した小瓶を、真緒達に向けて放り投げる。アレリテから投げられた小瓶を、真緒が慌ててキャッチする。
「こ、これは……?」
「いいから見て見ろ」
「は、はぁ……」
突然小瓶を渡された真緒は、困惑しながらも瓶越しに、街を行き交う人々を観察し始める。
「えっ…………えぇえええええ!!?」
すると突然、真緒は驚きの声を上げながら尻餅をついてしまった。
「な、何だどうした!!?」
「マオさん!!?」
「マオぢゃん、どうじだだぁ!!?」
驚きの表情を浮かべる真緒に、三人が慌てて駆け寄り、声を掛ける。
「こ、こ、これを見て下さい……」
真緒は震える手で、液体の入った小瓶をリーマ達に手渡した。
「「「…………」」」
リーマ達は素直に受け取ると、そのまま瓶越しに街を行き交う人々を観察した。
「「「!!?」」」
するとそこには、奇妙な館に入る前に出会った異様な見た目をした生き物達が、我が物顔で歩いている景色が広がっていた。真緒達は慌てて小瓶を下に下げ、自身の目で直接確認する。しかしそこには、普通の人間が幸せそうに歩いている景色が広がっていた。再び、瓶越しに街の人達を観察する。するとまたしても、異様な見た目をした生き物達が歩いている景色に変わっていた。
「こ、これはいったい……?」
「これが……この理想郷の真実さ」
「ど、どうして街の人が!? それにこの小瓶はいったい!? 中に入っている液体のお陰なんですか!? それをどうしてアレリテさんが持っているんですか!?」
「と、と、取り敢えず落ち着け!! ちゃんと一から説明する!!」
「ご、ごめんなさい……」
「全く……まず、その小瓶に入っている液体は……只の水だ」
「……み、水?」
「あぁ、俺がこの街に足を踏み入れる以前から持っていた物だ」
そう言うとアレリテは、懐から給水袋を取り出し、真緒達に見せ付ける。
「そしてあの街の連中は、異様な見た目をした生き物達が、巧妙に偽装した姿なのさ」
「そんな……ここまで広範囲の魔法……見た事も聞いた事もありません」
「そりゃあそうだ、これはそんな生易しい物じゃない。もっと恐ろしい何かだ」
「アレリテさん……そんな恐ろしい何かを、あなたは何故知っているんですか?」
「……今から話すのは、俺がこの街に足を踏み入れた時の話だ……」
そう言うとアレリテは話始めた。理想郷とは名ばかりの、恐ろしい真実を…………。
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