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第九章 冒険編 蘇る英雄達
修行の成果
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地面から這い出て来た五人の死体。所謂、ゾンビと呼ばれる存在だが、五人から発せられる威圧感はまるで生身であるかの様に錯覚させる。
そんな中、魔王サタニアが右腕を真緒達に向ける。すると五人のゾンビは、それぞれ武器を構え始める。そして魔王サタニアが合図を掛ける。
「殺れ」
「「「「「あぁああああ!!!」」」」」
その合図を切っ掛けに、ゾンビ達は一斉に真緒達へと襲い掛かる。
「来るぞ!!!」
真緒達がゾンビ達を迎え撃とうと武器を構えた次の瞬間!!
「「「「「ぐぎゃあああああ!!!」」」」」
「「「「「!!?」」」」」
空は雲一つ無い晴天なのに対して、何故かゾンビ達は雷に打たれてしまい、真っ黒に焼け死んでしまった。
「こ、これはいったい……?」
「あーあ、とっておきの技として隠して置きたかったのに……まさかこんなにも早くお披露目する事になるとはね」
声のする方向に顔を向けると、そこに立っていたのは魔王軍新四天王の一人であるエレットであった。得意気に右手の人差し指を立てており、その指からは少し煙が流れていた。
「ま、まさか今のはエレットさんが!?」
「そうだよ。これが修行で新たに身に付けた技。その名も“スコールライトニング”さ!!」
「凄い……あのゾンビ達を一撃で……」
エレットの新技“スコールライトニング”によって、魔王サタニアが生み出したゾンビ達は一瞬で全滅した。
「ほぅ……あのサキュバス、中々の手練れだな。ならば、スキル“大死霊編成”」
すると再び地面の底から、武装したゾンビ達が這い出して来た。その数は、先程よりも十倍近く多かった。
「“スコールライトニング”!!」
エレットは透かさず上空に右手の人差し指を向けた。するとゾンビ達目掛けて雷がピンポイントで撃ち込まれる。
「くっ、さすがに多いね」
が、それでも半分しか削る事が出来なかった。残りもう半分が真緒達目掛けて襲い掛かる。
「“ジャイアントフレイム”!!」
「「「「「!!?」」」」」
その時、真緒達の背後に巨大な炎の巨人が現れた。巨人はゾンビ達をその巨大な手で薙ぎ払い、その巨大な足で踏み潰し、見事全滅させた。
「い、今のって……?」
「成長したのはエレットさんだけじゃありませんよ」
そう答えるのはリーマだった。いつも魔導書を開かないと魔法を唱えられなかったが、今の魔法は魔導書を開かずに唱えていた。
「もう一々、魔導書を開かなくても魔法を唱えられる様になりました!!」
「凄い皆……これが修行の成果……」
「これは俺達も、のんびりしてられないな」
「…………“ダーク・ファンタジア”」
「!!?」
仲間達の成長に歓喜していると、魔王サタニアが魔法を唱える。すると空中にいるフォルスを囲う様に無数の黒い玉が生成された。黒い玉は、まるで踊っているかの様にフォルスを中心に、上下に揺れながら回り始めた。更に無数の黒い玉は、フォルスを覆い隠す様に包み込み始めた。最終的に、無数の黒い玉はドーム状の檻を作り出した。
「これは!!?」
「見せてみろ……貴様の実力を……」
「フォルスさん!! 今、助けます!!」
「いや、その必要は無い」
「えっ?」
身動きが取れないフォルスを見かねて、真緒が助け船を出そうとするが、フォルス本人が助けは要らないと言った。
「良い機会だ。修行の成果を確かめさせて貰う」
そう言うとフォルスは、その場で回転し始めた。次第に回転の勢いは増していき、遂には小規模な竜巻を発生させた。
「はぁあああああ!!!」
そして竜巻は、フォルスの周りを取り囲んでいた無数の黒い玉を消し飛ばした。
「やった!!」
「まだまだ!! これからだ!!」
するとフォルスは竜巻のまま、魔王サタニアの下へと近付いて行く。
「ふん、そのまま突撃とは……安直な発想だな」
「確かに……このままだったらな!!」
「何?」
次の瞬間、竜巻の中から矢が飛び出す。しかし、魔王サタニアがいる方向とはまるで違う方向に飛ばされる。
「……いったい何の真似だ?」
「見て分からないのか? 攻撃しているんだよ!!」
そう言いながらフォルスは、竜巻の中から次々と矢を放ち始める。しかしそのどれもが検討違いの方向で、魔王サタニアには一発も当たっていない。
「ガッカリだな。そんな当たるかどうかも分からない技な……?」
そう言いかけた時、足元に何かが突き刺さった。確認して見ると、それは紛れもない“矢”だった。恐らくフォルスが放った矢の一本が偶然にも足元に突き刺さったのだろう。
しかし、その矢は何処か可笑しかった。形状など、見た目の話では無い。突き刺さっているその方向だ。本来、フォルスから放たれた矢の場合、目の前から迫り来るフォルスに対して、矢尻が魔王サタニアの方に向いていないと可笑しい。
だがこの矢は完全な真横を向いていた。まるで魔王サタニアを真横から狙って撃ったかの様な突き刺さり方をしていた。
「!!!」
その矢を目にした瞬間、魔王サタニアは後方へと大きく跳躍し、急いでその場から離れた。そして、魔王サタニアがその場を離れたと同時に、複数本の矢が次々と魔王サタニアが先程までいた場所に突き刺さっていく。
「驚いたか? 竜巻の回転力を利用して、放った矢の方向を強制的に曲げる事で死角から相手に攻撃を仕掛ける。これが俺の新たな技だ」
「フォルスさん……凄い……」
「ふっ、ふははは……これは驚かされたな。前言撤回しよう。貴様は強い」
「このままお前を倒してやる!! 今さら後悔したって、もう遅いからな!!」
「後悔? する訳が無いだろう。所詮、我が考案した修行を後追いしているに過ぎないのだからな。スキル“破滅の歌”」
突然、魔王サタニアが歌い始めた。その歌声は先程までのいかつい声とは真逆で、清らかな美しい歌声をしていた。
「な、何だ!? 体が急に……!!?」
魔王サタニアの歌声を聞いた途端、体が徐々に動かなくなって来た。そして遂には完全に動きが停止し、竜巻も収まってしまった。また翼も動かせない事から、重力に従って地上に落下していく。
「フォルスさん!!」
地面に激突し、土煙が舞い上がる。慌てて真緒達が駆け寄ると、命に別状はなかった。
「フォルスさん、大丈夫ですか!?」
「あぁ……俺なら心配は要らない。それより気を付けろ、あの歌声……体の自由を奪うみたいだ」
「……私が行きます」
圧倒的な強さを見せ付ける魔王サタニア。そんな相手に真緒は一人で立ち向かおうとする。
「オラも行ぐだぁ」
しかし、真緒は首を横に振る。
「皆はここでフォルスさんの手当てをお願い。これ以上、怪我人を出す訳にはいかない」
「でも!!」
「大丈夫……必ず生きて帰って見せる」
「…………」
それは覚悟を決めた目だった。最早、ハナコ達は何も言わなかった。真緒はたった一人で魔王サタニアに戦いを挑む。
「小娘よ……正気か?」
「勇者って言うのは結局最後、たった一人で魔王に立ち向かっていく運命なんです」
「死ぬぞ?」
「私の死に場所はここじゃない」
その言葉を切っ掛けに、二人は激しくぶつかり合う。真緒の持つ剣と魔王サタニアの拳。攻撃がぶつかり合う度、大量の火花が散る。
「スキル“ロストブレイク”!!」
「スキル“ヘルブラスト”!!」
両者から放たれる渾身の一撃。ぶつかった瞬間、周囲を激しい白い光が包み込むのであった。
そんな中、魔王サタニアが右腕を真緒達に向ける。すると五人のゾンビは、それぞれ武器を構え始める。そして魔王サタニアが合図を掛ける。
「殺れ」
「「「「「あぁああああ!!!」」」」」
その合図を切っ掛けに、ゾンビ達は一斉に真緒達へと襲い掛かる。
「来るぞ!!!」
真緒達がゾンビ達を迎え撃とうと武器を構えた次の瞬間!!
「「「「「ぐぎゃあああああ!!!」」」」」
「「「「「!!?」」」」」
空は雲一つ無い晴天なのに対して、何故かゾンビ達は雷に打たれてしまい、真っ黒に焼け死んでしまった。
「こ、これはいったい……?」
「あーあ、とっておきの技として隠して置きたかったのに……まさかこんなにも早くお披露目する事になるとはね」
声のする方向に顔を向けると、そこに立っていたのは魔王軍新四天王の一人であるエレットであった。得意気に右手の人差し指を立てており、その指からは少し煙が流れていた。
「ま、まさか今のはエレットさんが!?」
「そうだよ。これが修行で新たに身に付けた技。その名も“スコールライトニング”さ!!」
「凄い……あのゾンビ達を一撃で……」
エレットの新技“スコールライトニング”によって、魔王サタニアが生み出したゾンビ達は一瞬で全滅した。
「ほぅ……あのサキュバス、中々の手練れだな。ならば、スキル“大死霊編成”」
すると再び地面の底から、武装したゾンビ達が這い出して来た。その数は、先程よりも十倍近く多かった。
「“スコールライトニング”!!」
エレットは透かさず上空に右手の人差し指を向けた。するとゾンビ達目掛けて雷がピンポイントで撃ち込まれる。
「くっ、さすがに多いね」
が、それでも半分しか削る事が出来なかった。残りもう半分が真緒達目掛けて襲い掛かる。
「“ジャイアントフレイム”!!」
「「「「「!!?」」」」」
その時、真緒達の背後に巨大な炎の巨人が現れた。巨人はゾンビ達をその巨大な手で薙ぎ払い、その巨大な足で踏み潰し、見事全滅させた。
「い、今のって……?」
「成長したのはエレットさんだけじゃありませんよ」
そう答えるのはリーマだった。いつも魔導書を開かないと魔法を唱えられなかったが、今の魔法は魔導書を開かずに唱えていた。
「もう一々、魔導書を開かなくても魔法を唱えられる様になりました!!」
「凄い皆……これが修行の成果……」
「これは俺達も、のんびりしてられないな」
「…………“ダーク・ファンタジア”」
「!!?」
仲間達の成長に歓喜していると、魔王サタニアが魔法を唱える。すると空中にいるフォルスを囲う様に無数の黒い玉が生成された。黒い玉は、まるで踊っているかの様にフォルスを中心に、上下に揺れながら回り始めた。更に無数の黒い玉は、フォルスを覆い隠す様に包み込み始めた。最終的に、無数の黒い玉はドーム状の檻を作り出した。
「これは!!?」
「見せてみろ……貴様の実力を……」
「フォルスさん!! 今、助けます!!」
「いや、その必要は無い」
「えっ?」
身動きが取れないフォルスを見かねて、真緒が助け船を出そうとするが、フォルス本人が助けは要らないと言った。
「良い機会だ。修行の成果を確かめさせて貰う」
そう言うとフォルスは、その場で回転し始めた。次第に回転の勢いは増していき、遂には小規模な竜巻を発生させた。
「はぁあああああ!!!」
そして竜巻は、フォルスの周りを取り囲んでいた無数の黒い玉を消し飛ばした。
「やった!!」
「まだまだ!! これからだ!!」
するとフォルスは竜巻のまま、魔王サタニアの下へと近付いて行く。
「ふん、そのまま突撃とは……安直な発想だな」
「確かに……このままだったらな!!」
「何?」
次の瞬間、竜巻の中から矢が飛び出す。しかし、魔王サタニアがいる方向とはまるで違う方向に飛ばされる。
「……いったい何の真似だ?」
「見て分からないのか? 攻撃しているんだよ!!」
そう言いながらフォルスは、竜巻の中から次々と矢を放ち始める。しかしそのどれもが検討違いの方向で、魔王サタニアには一発も当たっていない。
「ガッカリだな。そんな当たるかどうかも分からない技な……?」
そう言いかけた時、足元に何かが突き刺さった。確認して見ると、それは紛れもない“矢”だった。恐らくフォルスが放った矢の一本が偶然にも足元に突き刺さったのだろう。
しかし、その矢は何処か可笑しかった。形状など、見た目の話では無い。突き刺さっているその方向だ。本来、フォルスから放たれた矢の場合、目の前から迫り来るフォルスに対して、矢尻が魔王サタニアの方に向いていないと可笑しい。
だがこの矢は完全な真横を向いていた。まるで魔王サタニアを真横から狙って撃ったかの様な突き刺さり方をしていた。
「!!!」
その矢を目にした瞬間、魔王サタニアは後方へと大きく跳躍し、急いでその場から離れた。そして、魔王サタニアがその場を離れたと同時に、複数本の矢が次々と魔王サタニアが先程までいた場所に突き刺さっていく。
「驚いたか? 竜巻の回転力を利用して、放った矢の方向を強制的に曲げる事で死角から相手に攻撃を仕掛ける。これが俺の新たな技だ」
「フォルスさん……凄い……」
「ふっ、ふははは……これは驚かされたな。前言撤回しよう。貴様は強い」
「このままお前を倒してやる!! 今さら後悔したって、もう遅いからな!!」
「後悔? する訳が無いだろう。所詮、我が考案した修行を後追いしているに過ぎないのだからな。スキル“破滅の歌”」
突然、魔王サタニアが歌い始めた。その歌声は先程までのいかつい声とは真逆で、清らかな美しい歌声をしていた。
「な、何だ!? 体が急に……!!?」
魔王サタニアの歌声を聞いた途端、体が徐々に動かなくなって来た。そして遂には完全に動きが停止し、竜巻も収まってしまった。また翼も動かせない事から、重力に従って地上に落下していく。
「フォルスさん!!」
地面に激突し、土煙が舞い上がる。慌てて真緒達が駆け寄ると、命に別状はなかった。
「フォルスさん、大丈夫ですか!?」
「あぁ……俺なら心配は要らない。それより気を付けろ、あの歌声……体の自由を奪うみたいだ」
「……私が行きます」
圧倒的な強さを見せ付ける魔王サタニア。そんな相手に真緒は一人で立ち向かおうとする。
「オラも行ぐだぁ」
しかし、真緒は首を横に振る。
「皆はここでフォルスさんの手当てをお願い。これ以上、怪我人を出す訳にはいかない」
「でも!!」
「大丈夫……必ず生きて帰って見せる」
「…………」
それは覚悟を決めた目だった。最早、ハナコ達は何も言わなかった。真緒はたった一人で魔王サタニアに戦いを挑む。
「小娘よ……正気か?」
「勇者って言うのは結局最後、たった一人で魔王に立ち向かっていく運命なんです」
「死ぬぞ?」
「私の死に場所はここじゃない」
その言葉を切っ掛けに、二人は激しくぶつかり合う。真緒の持つ剣と魔王サタニアの拳。攻撃がぶつかり合う度、大量の火花が散る。
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