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第十章 冒険編 反撃の狼煙
脱獄大作戦
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遡る事、数十分前……。ロージェがいなくなり、地下牢には真緒達とそれを見張る看守だけとなっていた。
「いったいこれからどうしたら……」
「うがぁあああああ!! ごんな檻、オラのパワーで破壊してやるだぁ!!」
真緒が一人思い悩んでいると、遠くの方からハナコの叫び声が聞こえて来た。どうやら鉄格子を壊すつもりらしい。
「そ、そう言えばハナちゃん、初めて会った時は幾つもの檻を壊していて、商人に怒られていたんだっけ?」
「それなら今回も壊せるんじゃないですか!?」
破壊神の称号を持つハナコ。まさかそれがここで活躍する事になる等、誰が予想出来ようか。生まれた微かな希望に賭ける一同。ハナコは呼吸を整え、両手で鉄格子を握る。
「ぐぎぎぎぎぎっ!!」
ハナコの全力。顔を真っ赤にさせながら引っ張る。鉄格子がミシミシと嫌な音を立てる。
「この調子なら行けるんじゃないですか!?」
「ハナちゃん、頑張れ!!」
「どりゃあああああ!!」
仲間達の声援を受けながら、ハナコは持てる全ての力を注ぐ。鉄格子は今にも壊れそうだった。
「あっ、ちょっと待って!! こんなに煩くしてたら、看守に気づかれちゃうんじゃ……って、あれ?」
看守の存在を忘れていた真緒は、慌てて看守のいる方向に目線を向ける。するとそこには壁に寄り掛かり、ニヤニヤと不適な笑みを浮かべながらこちらの様子を伺う看守がいた。
「どうして? 脱獄を図ろうとしているのに、何であんなに余裕な笑みを浮かべているの?」
「そんなのどうだって良いじゃないですか。ハナコさんが檻を破壊してしまえば、後はこっちの物ですよ!!」
「えっ、あっ、うん……そうだよね……」
何か引っ掛かる真緒だったが、リーマの言う通り、相手が油断している今なら脱獄する事が出来るかもしれない。真緒は看守の存在を意識から外し、ハナコの応援に集中した。
***
「ごぁあああああ!!」
「「…………」」
あれから数分が経過し、全員漸く違和感に気が付いた。どんなに力を入れても、ミシミシと嫌な音を立てても、鉄格子は一向に壊れないのだ。
「ぐっ……はぁ……はぁ……はぁ……」
やがて力を使い果たしたハナコは、鉄格子から両手を離してしまう。汗だくになりながら、仰向けになって倒れてしまった。
「ハナちゃんのパワーでも壊れないなんて……」
「それなら私の魔法で壊します!! いくら頑丈な檻だって所詮は鉄……炎に当ててしまえば、簡単に溶ける筈です!!」
ハナコの失敗で諦めず、今度はリーマが脱出を試みる。魔導書は牢屋に入れられる前に奪われてしまったが、リーマには修行で身に付けた魔導書要らずの魔法がある。
「“ジャイアントフレイム”!!」
リーマが魔法を唱えると、炎の巨人が現れ、鉄格子目掛けて拳を直撃させた。それにより、鉄格子はメラメラと燃え上がる。
「まだまだ更にダメ押しです!! “ジャイアントフレイム”!! “ジャイアントフレイム”!! “ジャイアントフレイム”!!」
念には念を入れる。そして炎を追加投入する事で、温度を上げて鉄格子が溶ける可能性を高める。
「これならもしかして!?」
「はぁ……はぁ……リーマぢゃん、頑張るだぁ……」
仲間達から声援を受けるリーマ。何処かで見た事のある展開だが、リーマは途切れる事無く魔法を放ち続ける。
「“ジャイアントフレイム”……はぁ……はぁ……」
やがてMPを使い果たし、膝から崩れ落ちるリーマ。
「リーマ、大丈夫!?」
「え、えぇ……MPは殆ど残っていませんが、これだけ撃ち込めばさすがに……え?」
その時、リーマは自身の目を疑った。あれだけの炎を撃ち込んだのだから、全部とはいかないまでも、三分の一位は溶けているだろうと考えていた。しかし目の前の鉄格子は炎を撃ち込む前と、何も変わってはいなかった。
「そんな!? どうして!?」
「どうかしたの、リーマ!?」
「鉄格子が……鉄格子が全く溶けていません!!」
「「!!?」」
非情な現実に打ちのめされるリーマ。また、その場にいる全員が溶けなかったという事実に驚きの表情を隠せなかった。
するとその様子を見ていた看守が、突然笑い声をあげる。
「無駄無駄、その檻はどう頑張っても壊せない。何故ならその檻は、あの八英雄が一人、サタニア・クラウン・ヘラトス二世様が持ち運んだ。一級品のマジックアイテムだからな」
「マジックアイテム!? この檻が!?」
「そ、そう言えばよく見て見ると、僅かに魔力を感じます……」
「その檻は物理、魔法は勿論、合鍵やピッキング等では絶対に開けられない代物なのさ。つまりその檻を開けるには、この“鍵”を使う以外に方法は無いって事さ」
そう言いながら看守は、腰に付けてある一本の鍵を真緒達に見せびらかす。
「そして俺は決してお前らの側には近付かない。こっちの控え室でゆっくりと仮眠させて貰う。お前らの硬いベッドと違って、ふかふかのベッドでな。まぁ、しばらく監獄生活を楽しむんだな。あははははは!!」
そうして高笑いしながら、看守は控え室へと引っ込んでしまった。それからすぐに男性のイビキが聞こえて来た。
「そうなると……ここを脱出するにはあの鍵を奪わないといけないのか……でもいったいどうしたら!?」
「こんな時、エレットさんがいてくれれば……女の魅力であの看守をメロメロにしてくれるんですけどね……」
「私達じゃ……ちょっと厳しいかな……」
それなりに可愛い真緒達だが、エレットの様なセクシーさは無かった。唯一、胸が大きいハナコであればチャンスがあるかもしれないが、あの喋り方では寄って来る可能性は期待出来ない。
「オラが熊じゃなぐで、ネズミどが小ざな種類だっだら、ごんな檻……簡単に抜げられるのになぁ……」
「ネズミか……」
「それか私の魔法で生き物を生み出す事が出来れば、鍵を取って来る様に命令出来るんですけど……」
「生み出す……」
ハナコとリーマ、それぞれの言葉が気になる真緒。だが、いくら考えても良いアイデアが生まれず、困り果てて遂には腰を冷たい床に下ろした。
「ん? 今、何か腰に硬い物が当たった気が……」
武器や持ち物は殆ど奪われた筈、不思議に感じつつ、真緒は鞄の中を調べる。
「あっ、これって……」
そこに入っていたのは、一本のペンだった。今は無き、クイト一族から託されたロストマジックアイテム。
「そっか……これだけは見つからずに残っていたんだ。でもこれじゃあ……いや、ちょっと待って……もしかするとこれなら……」
何かを思い付いた真緒は、床にペンを走らせる。キュッ、キュッという音が地下牢に響き渡る。
「マオさん? 何をしているんですか?」
「マオぢゃん?」
「ここをこうして……出来た!!」
書き上げたのは“小さなネズミ”だった。やがてその絵は、ロストマジックアイテムの効果により、まるで本物の生き物の様に動き出した。
「動いた!! えっと私の言葉は理解出来る?」
するとネズミの絵は、小さく頷いて見せた。
「良かった!! それじゃあこの牢屋を出て、控え室で寝ている男性が腰からぶら下げている鍵を取って来てくれないかな? どう、出来そう?」
ネズミの絵は再び小さく頷いて見せると、足早に牢屋から出て、控え室に向かった。
「マオさん、今のって!?」
「ネズミだがぁ!?」
「お願い、成功して……」
最早、残された希望はあのネズミの絵のみ。真緒は無事に戻って来る事を願い続ける。控え室からはガタカダと物音が聞こえたかと思うと、それまで聞こえていたイビキが聞こえなくなった。
「まさか!?」
気付かれてしまったのか。そんな不安が一瞬過った。が、その後直ぐに一本の鍵を加えたネズミの絵が戻って来た。
「やった!!」
ネズミの絵から鍵を受け取ると、役目を終えたかの様にネズミの絵は普通の動かない絵に戻ってしまった。
「ありがとう」
役目を果たしてくれたネズミの絵にお礼を述べる真緒。そして受け取った鍵を使い、見事牢屋から脱出した。
「マオぢゃん、凄いだぁ!!」
「さすがマオさんです!!」
「皆、今出してあげるね!!」
そう言うと真緒は次々と牢屋の鍵を開け、囚われていたハナコ、リーマ、そしてクロウトを含む全ての仲間達を救い出した。
「マオぢゃん、助がっだだぁ」
「マオさん、ありがとうございます」
「本当にありがとうございます」
「ちょっと遅れちゃったけど、ここからが本番だよ!! 皆の力で真の平和を取り戻そう!!」
「「「「おぉ!!!」」」」
真緒達が一致団結していると、仮眠を取っていた看守が目を覚まし、こちらの様子を確認しに来た。
「おい、静かにしてろ!! 煩くて眠れない……じゃ……ないか……」
目の前には牢屋から脱出した真緒達。看守は慌てて腰の鍵を確かめるが、勿論無くなっている。
「ま、不味い……だ、脱獄だぁあああああ!!」
看守は大声を上げながら、上の階へと走り出した。
「どうやら見つかってしまった様ですね」
「仕方ない。まずは奪われた武器を先に取り戻そう」
「皆さん、武器ならここにありますよ!!」
クロウトが奪われた皆の武器と持ち物を控え室で見つけ出し、真緒達に持って来る。
「ありがとうクロウト!! これで準備万端!! 皆、一気にこの屋敷を制圧するよ!!」
「「「おぉ!!!」」」
こうして真緒達の脱獄大作戦は成功するのであった。
「いったいこれからどうしたら……」
「うがぁあああああ!! ごんな檻、オラのパワーで破壊してやるだぁ!!」
真緒が一人思い悩んでいると、遠くの方からハナコの叫び声が聞こえて来た。どうやら鉄格子を壊すつもりらしい。
「そ、そう言えばハナちゃん、初めて会った時は幾つもの檻を壊していて、商人に怒られていたんだっけ?」
「それなら今回も壊せるんじゃないですか!?」
破壊神の称号を持つハナコ。まさかそれがここで活躍する事になる等、誰が予想出来ようか。生まれた微かな希望に賭ける一同。ハナコは呼吸を整え、両手で鉄格子を握る。
「ぐぎぎぎぎぎっ!!」
ハナコの全力。顔を真っ赤にさせながら引っ張る。鉄格子がミシミシと嫌な音を立てる。
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「ハナちゃん、頑張れ!!」
「どりゃあああああ!!」
仲間達の声援を受けながら、ハナコは持てる全ての力を注ぐ。鉄格子は今にも壊れそうだった。
「あっ、ちょっと待って!! こんなに煩くしてたら、看守に気づかれちゃうんじゃ……って、あれ?」
看守の存在を忘れていた真緒は、慌てて看守のいる方向に目線を向ける。するとそこには壁に寄り掛かり、ニヤニヤと不適な笑みを浮かべながらこちらの様子を伺う看守がいた。
「どうして? 脱獄を図ろうとしているのに、何であんなに余裕な笑みを浮かべているの?」
「そんなのどうだって良いじゃないですか。ハナコさんが檻を破壊してしまえば、後はこっちの物ですよ!!」
「えっ、あっ、うん……そうだよね……」
何か引っ掛かる真緒だったが、リーマの言う通り、相手が油断している今なら脱獄する事が出来るかもしれない。真緒は看守の存在を意識から外し、ハナコの応援に集中した。
***
「ごぁあああああ!!」
「「…………」」
あれから数分が経過し、全員漸く違和感に気が付いた。どんなに力を入れても、ミシミシと嫌な音を立てても、鉄格子は一向に壊れないのだ。
「ぐっ……はぁ……はぁ……はぁ……」
やがて力を使い果たしたハナコは、鉄格子から両手を離してしまう。汗だくになりながら、仰向けになって倒れてしまった。
「ハナちゃんのパワーでも壊れないなんて……」
「それなら私の魔法で壊します!! いくら頑丈な檻だって所詮は鉄……炎に当ててしまえば、簡単に溶ける筈です!!」
ハナコの失敗で諦めず、今度はリーマが脱出を試みる。魔導書は牢屋に入れられる前に奪われてしまったが、リーマには修行で身に付けた魔導書要らずの魔法がある。
「“ジャイアントフレイム”!!」
リーマが魔法を唱えると、炎の巨人が現れ、鉄格子目掛けて拳を直撃させた。それにより、鉄格子はメラメラと燃え上がる。
「まだまだ更にダメ押しです!! “ジャイアントフレイム”!! “ジャイアントフレイム”!! “ジャイアントフレイム”!!」
念には念を入れる。そして炎を追加投入する事で、温度を上げて鉄格子が溶ける可能性を高める。
「これならもしかして!?」
「はぁ……はぁ……リーマぢゃん、頑張るだぁ……」
仲間達から声援を受けるリーマ。何処かで見た事のある展開だが、リーマは途切れる事無く魔法を放ち続ける。
「“ジャイアントフレイム”……はぁ……はぁ……」
やがてMPを使い果たし、膝から崩れ落ちるリーマ。
「リーマ、大丈夫!?」
「え、えぇ……MPは殆ど残っていませんが、これだけ撃ち込めばさすがに……え?」
その時、リーマは自身の目を疑った。あれだけの炎を撃ち込んだのだから、全部とはいかないまでも、三分の一位は溶けているだろうと考えていた。しかし目の前の鉄格子は炎を撃ち込む前と、何も変わってはいなかった。
「そんな!? どうして!?」
「どうかしたの、リーマ!?」
「鉄格子が……鉄格子が全く溶けていません!!」
「「!!?」」
非情な現実に打ちのめされるリーマ。また、その場にいる全員が溶けなかったという事実に驚きの表情を隠せなかった。
するとその様子を見ていた看守が、突然笑い声をあげる。
「無駄無駄、その檻はどう頑張っても壊せない。何故ならその檻は、あの八英雄が一人、サタニア・クラウン・ヘラトス二世様が持ち運んだ。一級品のマジックアイテムだからな」
「マジックアイテム!? この檻が!?」
「そ、そう言えばよく見て見ると、僅かに魔力を感じます……」
「その檻は物理、魔法は勿論、合鍵やピッキング等では絶対に開けられない代物なのさ。つまりその檻を開けるには、この“鍵”を使う以外に方法は無いって事さ」
そう言いながら看守は、腰に付けてある一本の鍵を真緒達に見せびらかす。
「そして俺は決してお前らの側には近付かない。こっちの控え室でゆっくりと仮眠させて貰う。お前らの硬いベッドと違って、ふかふかのベッドでな。まぁ、しばらく監獄生活を楽しむんだな。あははははは!!」
そうして高笑いしながら、看守は控え室へと引っ込んでしまった。それからすぐに男性のイビキが聞こえて来た。
「そうなると……ここを脱出するにはあの鍵を奪わないといけないのか……でもいったいどうしたら!?」
「こんな時、エレットさんがいてくれれば……女の魅力であの看守をメロメロにしてくれるんですけどね……」
「私達じゃ……ちょっと厳しいかな……」
それなりに可愛い真緒達だが、エレットの様なセクシーさは無かった。唯一、胸が大きいハナコであればチャンスがあるかもしれないが、あの喋り方では寄って来る可能性は期待出来ない。
「オラが熊じゃなぐで、ネズミどが小ざな種類だっだら、ごんな檻……簡単に抜げられるのになぁ……」
「ネズミか……」
「それか私の魔法で生き物を生み出す事が出来れば、鍵を取って来る様に命令出来るんですけど……」
「生み出す……」
ハナコとリーマ、それぞれの言葉が気になる真緒。だが、いくら考えても良いアイデアが生まれず、困り果てて遂には腰を冷たい床に下ろした。
「ん? 今、何か腰に硬い物が当たった気が……」
武器や持ち物は殆ど奪われた筈、不思議に感じつつ、真緒は鞄の中を調べる。
「あっ、これって……」
そこに入っていたのは、一本のペンだった。今は無き、クイト一族から託されたロストマジックアイテム。
「そっか……これだけは見つからずに残っていたんだ。でもこれじゃあ……いや、ちょっと待って……もしかするとこれなら……」
何かを思い付いた真緒は、床にペンを走らせる。キュッ、キュッという音が地下牢に響き渡る。
「マオさん? 何をしているんですか?」
「マオぢゃん?」
「ここをこうして……出来た!!」
書き上げたのは“小さなネズミ”だった。やがてその絵は、ロストマジックアイテムの効果により、まるで本物の生き物の様に動き出した。
「動いた!! えっと私の言葉は理解出来る?」
するとネズミの絵は、小さく頷いて見せた。
「良かった!! それじゃあこの牢屋を出て、控え室で寝ている男性が腰からぶら下げている鍵を取って来てくれないかな? どう、出来そう?」
ネズミの絵は再び小さく頷いて見せると、足早に牢屋から出て、控え室に向かった。
「マオさん、今のって!?」
「ネズミだがぁ!?」
「お願い、成功して……」
最早、残された希望はあのネズミの絵のみ。真緒は無事に戻って来る事を願い続ける。控え室からはガタカダと物音が聞こえたかと思うと、それまで聞こえていたイビキが聞こえなくなった。
「まさか!?」
気付かれてしまったのか。そんな不安が一瞬過った。が、その後直ぐに一本の鍵を加えたネズミの絵が戻って来た。
「やった!!」
ネズミの絵から鍵を受け取ると、役目を終えたかの様にネズミの絵は普通の動かない絵に戻ってしまった。
「ありがとう」
役目を果たしてくれたネズミの絵にお礼を述べる真緒。そして受け取った鍵を使い、見事牢屋から脱出した。
「マオぢゃん、凄いだぁ!!」
「さすがマオさんです!!」
「皆、今出してあげるね!!」
そう言うと真緒は次々と牢屋の鍵を開け、囚われていたハナコ、リーマ、そしてクロウトを含む全ての仲間達を救い出した。
「マオぢゃん、助がっだだぁ」
「マオさん、ありがとうございます」
「本当にありがとうございます」
「ちょっと遅れちゃったけど、ここからが本番だよ!! 皆の力で真の平和を取り戻そう!!」
「「「「おぉ!!!」」」」
真緒達が一致団結していると、仮眠を取っていた看守が目を覚まし、こちらの様子を確認しに来た。
「おい、静かにしてろ!! 煩くて眠れない……じゃ……ないか……」
目の前には牢屋から脱出した真緒達。看守は慌てて腰の鍵を確かめるが、勿論無くなっている。
「ま、不味い……だ、脱獄だぁあああああ!!」
看守は大声を上げながら、上の階へと走り出した。
「どうやら見つかってしまった様ですね」
「仕方ない。まずは奪われた武器を先に取り戻そう」
「皆さん、武器ならここにありますよ!!」
クロウトが奪われた皆の武器と持ち物を控え室で見つけ出し、真緒達に持って来る。
「ありがとうクロウト!! これで準備万端!! 皆、一気にこの屋敷を制圧するよ!!」
「「「おぉ!!!」」」
こうして真緒達の脱獄大作戦は成功するのであった。
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