君に死ねと叫んだあの日

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縋る人

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『本当にごめん』

これが、彼から私への

5度目の通知の内容だった。

4度目までは
『おはよう、寝坊しかけたわ』だとか
『今日は物理の課題忘れた』だとか

おまえは私とのトークを
日記か何かだと思ってんのかと

突っ込みたくなるような内容だったが

どれも既読すらつけない私に
本格的にやばいと思っての行動だろう。

だけれど私はその通知を見ても、

既読をつけたり……
ましてや返事をする気は起きなかった。

今日は休日で学校に行かなくて済む。

だから、あの人に会えるかもと
浮気されてもなお考える
自分に怯えなくて済む。

昨日の放課後、学校帰りに

買った好きな作家の小説を読んでいても

結局意識は小説より通知の事に向く。

そろそろ返事を
した方がいいのではないか。

心の中ではそう思った。

それと対照的に頭の中は

浮気された悲しみでいっぱいだった。

謝ってきた……
すがりついてきたあの日から

何日経ったのだろうか。

確認する気も起きなかった。

その何日かの間に
友達と遊びに行ったこともあったが

どこか上の空な私にみんな心配していた

寂しい。

家の中では
お母さんの掃除機の音が響いているが

自分の部屋に一人で
居る孤独が辛かった。

友達と遊びに行った時の
写真などを見返して浸っていると

彼との写真が出てきた。

写真の中の私は幸せそうで、

その隣の彼もどこか嬉しそうだった。

そんな奴の顔を見て居たら

自然と涙が溢れてきた。

どうして他の女へ行ったの。

どうして何も言ってくれなかったの。

いつから浮気していたの。

それは私のせいなの?

私のどこがダメだったの?

疑問ばかりを生み出し続ける私に、

誰か答えを教えて欲しい。

人の意見じゃなくて、
ちゃんとした答えが欲しい。

そう思っても

相談出来るほど
信頼している友達は居ないし

親には話したくもない。

本当に、『誰か』が欲しい。

あぁ……今まではその『誰か』が

彼だったのか。

ようやく考えていた事が
一段落ついたところで

付けっぱなしだった
スマホの画面が見えた

変わることなく笑顔でいる彼に

やっぱり好きだと思った。
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