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十二話 元公爵令嬢、自己紹介で注目を浴びる
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「つ……疲れた……」
この展開、なんだかデジャヴね……。
でも正直、昨日の朝食会よりも何倍も疲れたわ。無事に部屋に帰って来た時の安心感がこんなにすごいとは思わなかったもの……。
なんせ今日の入学式は、情報量が多すぎたわね。
友人ができたのは喜ばしいことだけれど、流石にもう一人の転生者と出会うなんて、思っていなかったわけだし。
……しかもここが乙女ゲームの世界だなんて、小説より何倍も意味が分からない展開だわ。
そんなことを考えながら、制服のままベッドに寝転がる。
私は比較的学園が近いので通学組だけれど、フリージアは寮組だ。情報を交換できる場が少ないのは不便ね……。
「……学校は無理でしょうし……それなら、ここに呼べばいいのかしら?」
____そうよ、フリージアを伯爵邸に招待すればいいのだわ!! そうと決まれば、早速明日フリージアを誘ってみないと……!
***
「え、私がセシリア様の家に……!?」
翌日、朝のHRが始まる前に早速フリージアに声をかける。すると、フリージアは大層驚いた様子で両手を口で覆った。
「えぇ、その……ゲームのことで、話したいこともあるし……ね」
「確かに! この間の説明じゃまだ全然語り切れてないもんね~、セシリア様の魅力!!」
「そこはなんでもいいのよ……。とにかく、どうかしら? 予定が合えば今日にでも」
「え、今日!?」
「だめかしら?」
「う、ううん! ちょっと推しの家に訪問イベントとか急展開過ぎて、情緒ぐっちゃぐちゃになりかけただけだから……。 行きたい! めっちゃ楽しみにしてる!」
……なんだかよくわからないけれど、これは快諾してくれたってことで……いいのよね?
「決まりね。なら、帰りは一緒に馬車で向かいましょう」
「お、推しの馬車……!! 気絶するかも……!」
「しないでちょうだい」
そんな軽口を叩いていると、担任と思われる女性が教室に入ってきた。その途端、周りの生徒たちが一斉に静かになる。
流石、貴族が集まっている学園ね。
「皆さん、ごきげんよう。今日は全員揃っておりますので、一日遅れてしまいましたが自己紹介を行いましょうか」
あら、自己紹介? てっきり昨日終わってしまったと思っていたのに……。私とフリージアがいなかったから、延期にしてくれたのかしら。
そうだとしたら、優しい先生ね。
自己紹介は前世に散々経験したけれど……せっかくだもの、他の生徒の自己紹介を聞いてからが嬉しいわよね。
何より、一人目でフォーマットが決まってしまうんだもの。伯爵令嬢には荷が重いわ。
まぁ、後ろの端に座っているから大丈夫でしょうけど……。
「では……そうですね、一番後ろ、窓際に座っている方からお願いします」
____全然大丈夫じゃなかったわ。
はぁ、とため息を吐いてしまいそうになるのを笑顔で堪える。隣に座っているフリージアが「ファイト!」と小声で応援してきた。
この子、私の次は自分の番だってこと気付いていないのかしら……。
そんなことを考えながら、ゆっくりと立ち上がる。もちろん、一切姿勢は崩さない。
「セシリア・ランカスターと申します。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします」
ざわっ、と周囲がどよめいた気配を感じた。でも、絶対に笑顔は崩さない。
そして、最後に軽く一礼して、着席。
……わかっていたけど、セシリアの悪評は私が思っているよりも広まっていそうね。この先が思いやられるわ……。エドナとソフィアがにこやかに拍手をしてくれたことだけが救いね。
一方で、担任は感心したように拍手をして満足気に笑っている。
「はい、セシリアさん、お手本のような素晴らしい自己紹介をありがとうございます。では次、お隣の方どうぞ」
「えっ!? わ、私!?」
……本当に気付いていなかったのね。やっぱりこの子、抜けてるわ……!!
***
「は~~~……朝の自己紹介、めっちゃ焦った~~!」
「私の真似をすればいいだけなんだから、簡単じゃない」
「セシリア様の真似はね、元庶民にはできないの! 教室の半分くらいはセシリア様の名前に反応してたけど……もう半分は、セシリア様の所作に驚いてたんだから!」
「そうだったの?」
放課後、フリージアと話しながら校門までの道を歩く。
フリージアは私の返事にやれやれと言った様子で、「これだからセシリア様は……好き!」と叫んでいた。勘弁してちょうだい。
「さて……これが、伯爵家の馬車よ」
校門で待ってくれていた御者に手を振ってから、フリージアを馬車に誘導する。
「うわぉ……うちの馬車と豪華さが違いすぎる……」
「これでも前世に比べれば、大分落ち着いてる方だと思うけれどね。さて、乗りましょうか。……エスコートしてあげる」
「~~~~~っ! だから、ずるいって本当に……! 私はもう攻略済みだってばぁ!!」
真っ赤になって叫ぶフリージアに手を貸しながら、私達は馬車に乗り込んだのだった。
____そういえば、ギルバートって攻略対象だったわよね? 本来のヒロインであるフリージアと会ったら、どうなるのかしら。
……まぁ、細かいことは今考えても仕方ないわよ、ね……?
この展開、なんだかデジャヴね……。
でも正直、昨日の朝食会よりも何倍も疲れたわ。無事に部屋に帰って来た時の安心感がこんなにすごいとは思わなかったもの……。
なんせ今日の入学式は、情報量が多すぎたわね。
友人ができたのは喜ばしいことだけれど、流石にもう一人の転生者と出会うなんて、思っていなかったわけだし。
……しかもここが乙女ゲームの世界だなんて、小説より何倍も意味が分からない展開だわ。
そんなことを考えながら、制服のままベッドに寝転がる。
私は比較的学園が近いので通学組だけれど、フリージアは寮組だ。情報を交換できる場が少ないのは不便ね……。
「……学校は無理でしょうし……それなら、ここに呼べばいいのかしら?」
____そうよ、フリージアを伯爵邸に招待すればいいのだわ!! そうと決まれば、早速明日フリージアを誘ってみないと……!
***
「え、私がセシリア様の家に……!?」
翌日、朝のHRが始まる前に早速フリージアに声をかける。すると、フリージアは大層驚いた様子で両手を口で覆った。
「えぇ、その……ゲームのことで、話したいこともあるし……ね」
「確かに! この間の説明じゃまだ全然語り切れてないもんね~、セシリア様の魅力!!」
「そこはなんでもいいのよ……。とにかく、どうかしら? 予定が合えば今日にでも」
「え、今日!?」
「だめかしら?」
「う、ううん! ちょっと推しの家に訪問イベントとか急展開過ぎて、情緒ぐっちゃぐちゃになりかけただけだから……。 行きたい! めっちゃ楽しみにしてる!」
……なんだかよくわからないけれど、これは快諾してくれたってことで……いいのよね?
「決まりね。なら、帰りは一緒に馬車で向かいましょう」
「お、推しの馬車……!! 気絶するかも……!」
「しないでちょうだい」
そんな軽口を叩いていると、担任と思われる女性が教室に入ってきた。その途端、周りの生徒たちが一斉に静かになる。
流石、貴族が集まっている学園ね。
「皆さん、ごきげんよう。今日は全員揃っておりますので、一日遅れてしまいましたが自己紹介を行いましょうか」
あら、自己紹介? てっきり昨日終わってしまったと思っていたのに……。私とフリージアがいなかったから、延期にしてくれたのかしら。
そうだとしたら、優しい先生ね。
自己紹介は前世に散々経験したけれど……せっかくだもの、他の生徒の自己紹介を聞いてからが嬉しいわよね。
何より、一人目でフォーマットが決まってしまうんだもの。伯爵令嬢には荷が重いわ。
まぁ、後ろの端に座っているから大丈夫でしょうけど……。
「では……そうですね、一番後ろ、窓際に座っている方からお願いします」
____全然大丈夫じゃなかったわ。
はぁ、とため息を吐いてしまいそうになるのを笑顔で堪える。隣に座っているフリージアが「ファイト!」と小声で応援してきた。
この子、私の次は自分の番だってこと気付いていないのかしら……。
そんなことを考えながら、ゆっくりと立ち上がる。もちろん、一切姿勢は崩さない。
「セシリア・ランカスターと申します。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします」
ざわっ、と周囲がどよめいた気配を感じた。でも、絶対に笑顔は崩さない。
そして、最後に軽く一礼して、着席。
……わかっていたけど、セシリアの悪評は私が思っているよりも広まっていそうね。この先が思いやられるわ……。エドナとソフィアがにこやかに拍手をしてくれたことだけが救いね。
一方で、担任は感心したように拍手をして満足気に笑っている。
「はい、セシリアさん、お手本のような素晴らしい自己紹介をありがとうございます。では次、お隣の方どうぞ」
「えっ!? わ、私!?」
……本当に気付いていなかったのね。やっぱりこの子、抜けてるわ……!!
***
「は~~~……朝の自己紹介、めっちゃ焦った~~!」
「私の真似をすればいいだけなんだから、簡単じゃない」
「セシリア様の真似はね、元庶民にはできないの! 教室の半分くらいはセシリア様の名前に反応してたけど……もう半分は、セシリア様の所作に驚いてたんだから!」
「そうだったの?」
放課後、フリージアと話しながら校門までの道を歩く。
フリージアは私の返事にやれやれと言った様子で、「これだからセシリア様は……好き!」と叫んでいた。勘弁してちょうだい。
「さて……これが、伯爵家の馬車よ」
校門で待ってくれていた御者に手を振ってから、フリージアを馬車に誘導する。
「うわぉ……うちの馬車と豪華さが違いすぎる……」
「これでも前世に比べれば、大分落ち着いてる方だと思うけれどね。さて、乗りましょうか。……エスコートしてあげる」
「~~~~~っ! だから、ずるいって本当に……! 私はもう攻略済みだってばぁ!!」
真っ赤になって叫ぶフリージアに手を貸しながら、私達は馬車に乗り込んだのだった。
____そういえば、ギルバートって攻略対象だったわよね? 本来のヒロインであるフリージアと会ったら、どうなるのかしら。
……まぁ、細かいことは今考えても仕方ないわよ、ね……?
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