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第一章「あなたの妻です」
第三話「はじめての恩返し」
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「あの…………誰?」
あれから、さらに30秒。
フィンがようやく乾いた喉から絞り出した言葉がそれだった。
「誰だなんて水くさいじゃないですか! あなたの妻ですよ!」
少女は舌をペロッと出してサムズアップをキメた。
「悪い、勢いだけで話を進めないでくれ。とりあえず名乗ってもらえるか」
「これは失礼いたしました」
そう言うと少女は、また深々と頭を下げる。
「わたくし、魔王イビルデスクレイン……じゃなかった! クレイ・イスビルデと申します! 受けたご恩を返しに参りました!」
「は……? イビル、デス……クレイン……?」
イスビルデなんて貴族めいた名前よりも、魔王の名がフィンを驚かせる。
自分は今日、その傷を癒やしたばかりなのだ。
高レベルの魔物は、人の姿に身をやつすことができると聞いたことがある。
しかしそれはあくまでも伝承の中だけのこと。
年寄りが子供たちに語って聞かせるおとぎ話にすぎない。
しかしただの少女が、ドアを粉々にできないのも、確かなことだ。
にわかに信じられることではないが。
「証拠は……あるのか?」
「しょうこ、といいますと?」
「君が君自身である証明だ」
それを聞くと、少女はぽっと頬を赤らめた。
「わかりました……では……」
「………………!」
すうっ、と少女の身体が浮かび上がる。
そしてその背中から、すすけた狭い部屋に大きく広がるのは――見忘れるわけもない。
まばゆい神々しさは、天の使いか。
人知を超えた威厳は、悪魔の眷属か。
それはあの森で見た、美しく輝く銀色の翼だった。
「嘘だろ……そんなバカな……」
「旦那さま、わたくしのすべてが見たいなんて……」
少女の翼は、薄暗い部屋をまばゆく照らす。
「早速ですか!? 初めてを捧げる瞬間が来ましたか!?」
「とりあえず、それはしまってもらえるかな。えっと、イビルデス、クレイン……」
するるる、と翼が収まって、少女は再び床に降り立った。
「旦那さま、わたくしのことはクレイ・イスビルデとお呼びください……いえ、今日からはクレイ・バーチボルトです」
「……旦那さま? 俺が? 待ってくれ、頭が追いつかない」
「スピードSSSですから! 世界最速は伊達じゃありません!」
ドアの破片の上で、クレイはくるりと回った。
「しかしその、君はなんで俺のところに……というかなんでドア壊したの?」
「ノックですよ。部屋に入る前にドアを叩き壊すのは、人間の作法でしょう?」
「壊すはね、いらないんだ。叩くだけでいいんだ」
クレイはルビー色の目を丸くして、フィンを見つめた。
「でも、叩くと壊れますよ?」
「いいかい、ドアはそんなに悲しい存在じゃない」
フィンが弓矢をベッドに置くと、クレイはにっこりと笑う。
そこで、廊下の向こうから階段を上る音が聞こえてきた。
「なにをドタドタやってんだい!」
宿の女主人だ。
「まずいぞ……」
ずかずかとこっちに歩いてくる。
「こっちは腰も膝も痛くて、階段なんざ上りたくもないんだよ……ってなんだいコレは!?」
クレイは木の破片をひとつ拾い上げた。
「知らないんですか? ドアです」
「違うよ。それは“ドアだったもの”であって、ドアじゃない」
「なぁにやってんだいフィン・バーチボルト!!」
女主人ががなり立てた。
「女を連れ込んだあげくドアまで壊して! いい加減にしなこの穀潰しが!」
「旦那さま、“穀潰し”ってなんですか?」
きょとんとした顔で、クレイが尋ねた。
「その、あまり良い意味の言葉じゃないな……」
「侮辱ですか? 旦那さまはいま、侮辱されたのですか?」
「まあ、そういうことになるけど……」
止める暇もない。
フィンが言い終わるか終わらないかのうちに、クレイの白く滑らかな手は、すでに女主人の首を掴んでいた。
――グググググ
「おぷっ、お、おごぷっ」
そのまま、その首を高く吊るし上げる。
「待て待て待て! ちょっと、なにやってんの!?」
「え、だって旦那さまを侮辱したんですよ? こいつ“摂理”わかってなくないですか?」
――メリメリメリ
クレイの白い指が、女主人の枯れ木のような首にめり込んでいく。
「あぶっ、お、おあぶっ」
女主人は白目を剥いて泡を吹いた。
「独特の価値観ちょっと待って! おばさんカルチャーショックで死にかけてるから! 下ろしてあげて!」
「旦那さまがそう仰るなら」
クレイが腕を軽く振ると、女店主は廊下を転がっていった。
「下ろしました」
「ひとまずありがとう! どうしよう、医者を呼ばないと……」
フィンが走りだそうとすると、クレイがその袖をつまんだ。
「アレ、治療が必要ですか?」
「よくわかったね! 白目を剥いてビクンビクン痙攣してる人間は治療しないといけないんだよ!」
「旦那さまがそれをお望みとあらば、このわたくしにお任せください」
クレイは死にかけている女店主に向けて手を広げる。
「【ヒーーーーール】ッッッ!!!」
次の瞬間、女主人の身体が緑色に輝いた。
それはもう、回復術師のサンティにかけてもらったヒールの比ではないほどに、まばゆく、ギンギラギンに。
「うおっ、まぶしっ!」
「【ヒール】を施しました」
「いまのが【ヒール】だって!?」
すべての魔物を統べると言われる魔王イビルデスクレインだ。
それぐらいできて当たり前なのかもしれない。
――そう思っていると。
「グルルルルルルルルルォオオオオオ……」
女主人がゆらりと立ち上がった。
――ムク――ムク――ムクク……
どんどん筋肉が膨れ上がっていく。
エビのように曲がっていた小さな背中には、いまやたくましい鬼の形相が浮かびあがろうとしている。
「あれ、なにが起こってるの」
「さあ? 知らない現象ですね」
「無責任すぎない?」
女主人の体は3倍ほどに膨れ上がった。
パツパツになった袖が、とうとう弾け飛ぶ。
「フシュルルルルルルゥゥゥ……」
剥き出しになった二の腕は、まるでオークがカカシに見えるほどの太さだ。
「ウォオオオオオオオオオオオンアア!!」
宿屋を震わす咆哮。
いつも不機嫌そうにキルトを編んでいる老婆の姿はそこにはない。
女主人の内なるマッチョが爆発している。
「君は、なにをしたのかな?」
「だから【ヒール】ですよ、旦那さま。アレを回復させました」
「力がァアアアア……漲るゥウウウウウウ……」
女主人が血に飢えた戦士のように、ゴキンッ、ゴキンッ、と関節を鳴らす。
否、回復しすぎた肉体は、鍛え上げられた戦士の次元を超え、すでに神話の領域へと達していた。
「あのね、普通は【ヒール】を使ってもあんなふうに仕上がらないんだ」
「人間は不思議な生き物ですね」
「フィィイイインンンン……バァァアアチボルトォォオオオオ……!!」
逃げる以外の選択肢が見当たらなかった。
フィンはクレイの腕を掴むと、ダッシュで階段を駆け下りた。
「やぁああああああちぃいいいいいいんんんんんんァアアアア……!!」
背後で女店主の雄たけびが上がる。
「駄目だ、ああなってしまっては救えない」
「人間って悲しい生き物ですね」
「俺はそのひとことで自分の凶行を片付ける君が悲しいよ」
フィンはあてどもなく、再び夜の街へと走り出した。
魔王を名乗る、ひとりの少女とともに。
あれから、さらに30秒。
フィンがようやく乾いた喉から絞り出した言葉がそれだった。
「誰だなんて水くさいじゃないですか! あなたの妻ですよ!」
少女は舌をペロッと出してサムズアップをキメた。
「悪い、勢いだけで話を進めないでくれ。とりあえず名乗ってもらえるか」
「これは失礼いたしました」
そう言うと少女は、また深々と頭を下げる。
「わたくし、魔王イビルデスクレイン……じゃなかった! クレイ・イスビルデと申します! 受けたご恩を返しに参りました!」
「は……? イビル、デス……クレイン……?」
イスビルデなんて貴族めいた名前よりも、魔王の名がフィンを驚かせる。
自分は今日、その傷を癒やしたばかりなのだ。
高レベルの魔物は、人の姿に身をやつすことができると聞いたことがある。
しかしそれはあくまでも伝承の中だけのこと。
年寄りが子供たちに語って聞かせるおとぎ話にすぎない。
しかしただの少女が、ドアを粉々にできないのも、確かなことだ。
にわかに信じられることではないが。
「証拠は……あるのか?」
「しょうこ、といいますと?」
「君が君自身である証明だ」
それを聞くと、少女はぽっと頬を赤らめた。
「わかりました……では……」
「………………!」
すうっ、と少女の身体が浮かび上がる。
そしてその背中から、すすけた狭い部屋に大きく広がるのは――見忘れるわけもない。
まばゆい神々しさは、天の使いか。
人知を超えた威厳は、悪魔の眷属か。
それはあの森で見た、美しく輝く銀色の翼だった。
「嘘だろ……そんなバカな……」
「旦那さま、わたくしのすべてが見たいなんて……」
少女の翼は、薄暗い部屋をまばゆく照らす。
「早速ですか!? 初めてを捧げる瞬間が来ましたか!?」
「とりあえず、それはしまってもらえるかな。えっと、イビルデス、クレイン……」
するるる、と翼が収まって、少女は再び床に降り立った。
「旦那さま、わたくしのことはクレイ・イスビルデとお呼びください……いえ、今日からはクレイ・バーチボルトです」
「……旦那さま? 俺が? 待ってくれ、頭が追いつかない」
「スピードSSSですから! 世界最速は伊達じゃありません!」
ドアの破片の上で、クレイはくるりと回った。
「しかしその、君はなんで俺のところに……というかなんでドア壊したの?」
「ノックですよ。部屋に入る前にドアを叩き壊すのは、人間の作法でしょう?」
「壊すはね、いらないんだ。叩くだけでいいんだ」
クレイはルビー色の目を丸くして、フィンを見つめた。
「でも、叩くと壊れますよ?」
「いいかい、ドアはそんなに悲しい存在じゃない」
フィンが弓矢をベッドに置くと、クレイはにっこりと笑う。
そこで、廊下の向こうから階段を上る音が聞こえてきた。
「なにをドタドタやってんだい!」
宿の女主人だ。
「まずいぞ……」
ずかずかとこっちに歩いてくる。
「こっちは腰も膝も痛くて、階段なんざ上りたくもないんだよ……ってなんだいコレは!?」
クレイは木の破片をひとつ拾い上げた。
「知らないんですか? ドアです」
「違うよ。それは“ドアだったもの”であって、ドアじゃない」
「なぁにやってんだいフィン・バーチボルト!!」
女主人ががなり立てた。
「女を連れ込んだあげくドアまで壊して! いい加減にしなこの穀潰しが!」
「旦那さま、“穀潰し”ってなんですか?」
きょとんとした顔で、クレイが尋ねた。
「その、あまり良い意味の言葉じゃないな……」
「侮辱ですか? 旦那さまはいま、侮辱されたのですか?」
「まあ、そういうことになるけど……」
止める暇もない。
フィンが言い終わるか終わらないかのうちに、クレイの白く滑らかな手は、すでに女主人の首を掴んでいた。
――グググググ
「おぷっ、お、おごぷっ」
そのまま、その首を高く吊るし上げる。
「待て待て待て! ちょっと、なにやってんの!?」
「え、だって旦那さまを侮辱したんですよ? こいつ“摂理”わかってなくないですか?」
――メリメリメリ
クレイの白い指が、女主人の枯れ木のような首にめり込んでいく。
「あぶっ、お、おあぶっ」
女主人は白目を剥いて泡を吹いた。
「独特の価値観ちょっと待って! おばさんカルチャーショックで死にかけてるから! 下ろしてあげて!」
「旦那さまがそう仰るなら」
クレイが腕を軽く振ると、女店主は廊下を転がっていった。
「下ろしました」
「ひとまずありがとう! どうしよう、医者を呼ばないと……」
フィンが走りだそうとすると、クレイがその袖をつまんだ。
「アレ、治療が必要ですか?」
「よくわかったね! 白目を剥いてビクンビクン痙攣してる人間は治療しないといけないんだよ!」
「旦那さまがそれをお望みとあらば、このわたくしにお任せください」
クレイは死にかけている女店主に向けて手を広げる。
「【ヒーーーーール】ッッッ!!!」
次の瞬間、女主人の身体が緑色に輝いた。
それはもう、回復術師のサンティにかけてもらったヒールの比ではないほどに、まばゆく、ギンギラギンに。
「うおっ、まぶしっ!」
「【ヒール】を施しました」
「いまのが【ヒール】だって!?」
すべての魔物を統べると言われる魔王イビルデスクレインだ。
それぐらいできて当たり前なのかもしれない。
――そう思っていると。
「グルルルルルルルルルォオオオオオ……」
女主人がゆらりと立ち上がった。
――ムク――ムク――ムクク……
どんどん筋肉が膨れ上がっていく。
エビのように曲がっていた小さな背中には、いまやたくましい鬼の形相が浮かびあがろうとしている。
「あれ、なにが起こってるの」
「さあ? 知らない現象ですね」
「無責任すぎない?」
女主人の体は3倍ほどに膨れ上がった。
パツパツになった袖が、とうとう弾け飛ぶ。
「フシュルルルルルルゥゥゥ……」
剥き出しになった二の腕は、まるでオークがカカシに見えるほどの太さだ。
「ウォオオオオオオオオオオオンアア!!」
宿屋を震わす咆哮。
いつも不機嫌そうにキルトを編んでいる老婆の姿はそこにはない。
女主人の内なるマッチョが爆発している。
「君は、なにをしたのかな?」
「だから【ヒール】ですよ、旦那さま。アレを回復させました」
「力がァアアアア……漲るゥウウウウウウ……」
女主人が血に飢えた戦士のように、ゴキンッ、ゴキンッ、と関節を鳴らす。
否、回復しすぎた肉体は、鍛え上げられた戦士の次元を超え、すでに神話の領域へと達していた。
「あのね、普通は【ヒール】を使ってもあんなふうに仕上がらないんだ」
「人間は不思議な生き物ですね」
「フィィイイインンンン……バァァアアチボルトォォオオオオ……!!」
逃げる以外の選択肢が見当たらなかった。
フィンはクレイの腕を掴むと、ダッシュで階段を駆け下りた。
「やぁああああああちぃいいいいいいんんんんんんァアアアア……!!」
背後で女店主の雄たけびが上がる。
「駄目だ、ああなってしまっては救えない」
「人間って悲しい生き物ですね」
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