短編 聖女とは?

たぬまる

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聖女とは?

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聖女の価値とは?

此処は帝国の大法廷、厳かな雰囲気を醸し出す調度品に囲まれた帝国最大の法の執行機関である

「聖女アルティナは事もあろうに皇帝の許可もなく禁呪である異世界召喚を行い
 異世界召喚の魔法陣を欠損させたので有ります

 証人は王太子殿下と私大神官これにより極刑を持って罪の償いとするべきだと断言します」

 口元に手をやり楽しそうに笑う皇帝が裁判官席から立ち上がり

「他の意見を聞くまでも無い、弟である大神官と、我が息子の言葉は全て真実だと言えよう
よって聖女には北の大地の浄化を死ぬまで行ってもらおう」

 その言葉に顔を上げたアルティナはハッキリとした言葉で告げた

「無罪の証明のために聖女の全てをかけて聖なる天秤の儀を行いましょう」

 その言葉に周りが動き出す前に、聖女の胸から赤いクリスタルが生み出されその中から巨大な黄金の天秤現れた。

「止めよ!」

 皇帝が悲鳴にも似た悲鳴をあげるが天秤は右に傾き巨大な鐘の音がなった

「聖女の無罪が認められた……
世界最悪の罪人の裁きを申し渡す」

厳かで美しい声が世界に響き渡った

「女神よ!余は皇帝である!
命令だ止めよ!」

天に向かって叫びに似た声で命令するも

「愚か者め!貴様など皇帝と呼ばれるだけの価値の無い人間である
もとより主神である我に命令する権利など無い……
 罪人は首より下を石化し許される時まで痛みに苦しむが良い……」

 その刹那皇太子と大神官は首から下が石化し地獄の様な痛みが襲い叫び声を上げるも体が石化しているため転げ回ることもできず、気も狂うこともできず、叫び声を上げる生きたオブジェと化した。

「次に愚かな皇帝」

 その声が聞こえた瞬間皇帝の右手が消し飛んだ

「……!」

あまりの痛みに歯を食いしばり耐えるが滴り落ちる血の勢いに慌てて傷を蝋燭の火で炙り止血した時にはくぐもった声を上げた。

「皇帝など人が決めた位、我には関係無い
そして貴様の遥か上にいるのか聖女である。

 聖女は我が子と同じであり、この国の真の支配者である。

 聖女が無事であればこの国は繁栄するのだからな

 貴様にはそのようなことはできない、ただの人間でありその他大勢と変わらん

 なのに欲をかいて愚かな事をしたものだ、聖女はこの段階で死を迎えたので我がつれて戻るし、これ以降はこの地に聖女は生まれぬ

 貴様には死ぬことも出来ない呪いをくれてやろう。

 永久凍土に蝕まれる国を見て後悔するがよい」

「まて!待ってくれ!余は知らなかったのだ!
誰にでも間違いはあろう?

 一度くらいの過ちを許す寛大さは無いのか!

女神の慈悲はないのか!」

「何を言っている、貴様の過ちは最早数え切れぬ

 そして慈悲としてその煩い楽器を置いていくのだよ

 ってかさ、貴様なんぞ、民衆に袋にされて晒されても死ねず惨めに永遠の氷の世界で自分の罪と向き合え

 そして永遠に後悔して狂いも出来ず嘆き聖女の大切さを説いて回るが良い

 愚か者にはそのくらいが丁度良い」

こうして今まで好き放題にやってきたチープン帝国は永久凍土に封じられ、その栄光は吹雪の中に消えていった。

 それは他国が女神の怒りを買う恐ろしさを学ぶと同時に、各国において聖女とは王より上の存在であると意識の底にまで刻み込むのは十分であった
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