神の娘が行く月の教会創世記

たぬまる

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冒険者の町

冒険者生活スタート

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 アルテミスとマチェットはオルフェの町が見下ろせる丘までやってきていた。
 二人は途中でモンスターを狩りまくり、途中でマチェットは聖銀の弓クレッシェントをアルテミスから賜った。
 
 クレッシェントはアルテミスが製作した武器の中では一級品で、魔力を矢にして飛ばす事も出来る武器だった。
 アルテミスの想定では無属性の矢を飛ばす予定であったが、熟練のマチェットの手にかかれば属性矢を作るのも造作も無いことだった。

 このお陰で猛スピードで素材を残す魔物も増え、結果的に大量の魔物素材を手に入れることも出来た。

「さて、さっさと町に入りましょうぞ」

「そうですね。
 冒険者ギルド登録をして、暫くはこの辺りで素材を残す練習をします」

 そう言って、少しすねたようなアルテミスは笑いを堪えるマチェット老の脇腹を突いていた。

「あ、安心してくだされ、ワシは何処までもご一緒いたしますぞ」

「マチェットさんありがとう」

「ふふふ、手加減が苦手なアルテミス様をフォローするのも楽しいですからな」

「もう、マチェットさんの意地悪」

 だいぶとマチェットに慣れたアルテミスは、そう言って頬を膨らませて、町に入って行った。

 冒険者の町オルフェは南部に砂漠地帯の始まりを持ち、森林や鉱山を抱え、色々な条件が揃った土地で、冒険者が最初にあらゆる環境に慣れるのに良いとされ、またダンジョンシーカーが初めて潜るのに良い初級ダンジョンを3つ抱える町としても有名であった。

 どの町でも冒険者ギルドは町の中心にあり、一目でわかる大きな建物である。
 スタンピートの時には避難所と成るため、解りやすい位置にあった。

 とくにオルフェの冒険者ギルドは初心者が多いため、受付や酒場などかなり綺麗で、確りと清掃が行き届いていた。
 そんな中マチェット老を引き連れたアルテミスは、まるで貴族令嬢のような気品を持ち、輝くばかりの美しさであったために周りの目を引いていた。

「冒険者登録をしたいのだけど」

 鈴の転がるような美しい声でそう言われた赤髪の女性が目を丸くして固まった事を誰も責められないだろう。

「は?登録ですか?貴方が?」

「ええ、私が登録するのはダメですか?」

 可愛く小首を傾げるアルテミスに再びフリーズする受付嬢であったが、プロの意地なのか素早く復活すると。

「大丈夫です、まじゅは・・・ゴホン、先ずは此方に記入をお願いします」

 用紙に名前と性別、年齢、ジョブを記入し、受付に渡すと、今日何度目かの驚きで目を見開いた。
 どっと疲れたようにイスにもたれるように座ると

「せ、聖女・・・聖女が何で冒険者に・・・」

「勇者パーティーを追い出されましたの」

 アルテミスの事情を初めて聞いたマチェットも、受付嬢も、顎が外れんばかりに驚愕した。
 聖女とは勇者を選定し、常に勇者の側に居ることで勇者は勇者で居られる。
 つまり、聖女が居ないと勇者はただの魔法戦士となり、パーティーの能力は80%ダウンとなる。
 この話は誰もが知っている話で、そんな事をするとは誰も思っていなかった。

「し、失礼しました、次は魔力測定になりますが・・・」

「はい」

 カウンターの上に置かれたプレートに触れるように言われ、マチェットは7本の線の内4本が光り、横のメーターは7を刺した。

「フォースなんて珍しいですね」

「はて?ワシはデュエルだったと思ったが・・・」

 軽く首をかしげたマチェットを他所に、次はアルテミスが測定板に手を載せた。

 とたんに測定板から光が溢れ、一人の老人が姿を現した。

「あ~ちゃん大丈夫かい?
 パパは心配で心配で」

 そう言って老人はアルテミスを抱きしめ頬ずりをし始めた。

 ギルド内は凄まじい神意の威圧で固まり、中には涙を流してひれ伏すものもいた。

「お父様、苦しいです
 私は大丈夫ですので」

「そうかいそうかい、後でパパがオシオキはしておくからね。
 あと、そこの娘、あーちゃんは創造神たるワシ、クロスの末娘じゃ。
 神の魔力を計ろうなどと不遜じゃ。あーちゃんとマチェットのカードは、ワシが創造し発行しておくよいな」

 行き成り創造神に話しかけられ、ただ首を縦に振るしか出来ない受付嬢を誰も責めることはできないだろう。

 こうして、アルテミス達は冒険者に成る事が出来た。



某受付穣の告白

 私は冒険者の町オルフェの冒険者ギルドで受付をしているコスタリカと言います。

 今日ギルド登録をされたとても美しい女性、いや女神アルテミス様のせい?おかげ?で私は今ギルドマスターの目の前で尋問されています。

「つまり、創造神様のご降臨は末娘アルテミス様のギルド登録のためだと・・・?」

「はい、これがギルドカードの写しなのですが」

 私はそう言ってオリハルコンで作られたアルテミス様のギルドカードの写しをマスターに見せた。
 マスターはそれを床に投げ捨てると

「ふん、ウソをつくならもう少しマシなウソをつけ!
 オリハルコンだと?偽者に決まっている、真実をかたりたまぐへ」

 私の胸ぐらを掴んで威嚇していたマスターの頭が一瞬ぶれ、奥の書類の山に飛んでいきました。

「ああ!創造神様のお作りになられた聖遺物を床に投げるとは何事だ!
たとえ誰が許そうとも、闘神アシュラが許さんぞ!!」

 マスターの頭にピンヒールを突き立ててグリグリとする、美しい黒髪で赤いチャイナドレスを着た色白の女性が、金色の瞳で冷たくマスターを見下ろしていた。

「あしゅらさま・・・」

「お前が我が妹の登録をしたコスタリカか?
 ご苦労だった、アタシの作った冒険者ギルドに妹が登録してくれた事は、祝日にしても良いほどの嬉しさだ」

 そう言って自らの身体を抱きしめ悶えるアシュラ様。
 あ、足元のマスターが・・・

「へぶしゅ」

「貴様は全く役に立たぬな!コスタリカ、妹の担当はお前だ。
 権限はこいつ以上にしておく!確り励め」

 私は首を縦に振るう事しか出来ず、気がつけばマスターより権限のある受付になりました。
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