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怒りのハインツ
決戦!特務隊 後編
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包囲開始から一日が経ち、ハインツが威圧を強めるための準備を始めた時ブラウン達が現れた。
やって来たのはブラウン、ヘーラ、ボロボロの元騎馬隊長。
「国王に屋敷を吹き飛ばしても良いからさっさと連れて来て欲しいと言われた」
「ありがたいですが、意外と硬いですよあの屋敷」
「旦那様とわらわにかかれば楽勝なのじゃ」
そう言って袖をまくって力こぶを作ると、にやりと笑った。
「師匠、出来れば決着は・・・」
「解っている」
隊長の言葉にブラウンは頷く。そんな二人を見てハインツは少し羨ましいと感じて、そっと顔を背けてメガネを人指し指で直した。
「さっさと片付けるのじゃ。
人物、空間の把握は終ったのじゃ」
「じゃあ、防壁を頼む」
「了解じゃ」
ヘーラが屋敷に手を向けると、屋敷の後ろに巨大な銀の膜が生まれた。
― 一方屋敷の中のスカパラ達 ―
朝になり、窓の外を見ると圧力をかけるべく動きが見えたが、スカパラは意に介すことも無く朝食をとっていた。
「貴様らも確りと食事はとるのだ」
「は!ありがとうございます」
「なに、こんな状況でもついて来た貴様らに感謝しておる」
そう言って穏やかに笑った瞬間、全員が謎の銀の膜に包まれた。
「な、なんだこれは!」
「解りませんが、・・・攻撃では無いようです」
騎士が膜に触るも波紋が生まれるだけで攻撃も無く動いた分だけ膜も動く。
「うぬぬぬ、何が起こるというのだ。
全員持ち場に戻るぞ」
そう言って、全員持ち場に戻った。
― ハインツたち ―
膜の形成を確認したブラウンは顔の前で両腕をクロスし気合をためる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・がぁ」
クロスした腕を振りぬいて両腰に降ろすと、金色のオーラがブラウンの身体を包み鎧のような形になる。そして拳を突き出すと、ブラウンの目の前に屋敷よりも巨大な金色の拳が生まれた。
「だ、旦那様・・・それ以上オーラを注がれると防ぎきれないのじゃ」
悲鳴のようなヘーラの声に答えるように金色の拳が屋敷に真っ直ぐ飛んで行った。
金色の拳が屋敷に当たったとたん、屋敷は何も無かったかのように地理も残さず消滅した。
「ふ~終ったぞ」
ブラウンが振り向くと、ヘーラ以外の全員が驚愕・・・いや顎が外れんばかりの顔をしていた。
「旦那様やりすぎじゃ、あと少しエネルギーが強かったら大変なことになっていたのじゃ」
「ははは、まさか2割で十分とは思ってなかった」
そう言って頭をかくとハインツ達に顔を向けた。
「あ、あの・・・今のはいったい・・・?」
恐る恐る問いかけるハインツにブラウンはあっさりと
「うん?拳だ」
ブラウンの答えに”それは形!じゃ無くて何がおきたの?”とハインツ、レズン、隊長の心はシンクロした。
「あれは感覚の物じゃから、流石のわらわにも説明が出来ないのじゃが、オーラを使った術の最高技術じゃとは言えるのじゃ」
屋敷の跡地に呆然とする騎士と兵士、そしてスカパラが残されていた。
少し回復したハインツが特務隊に指示を出し囲むと、スカパラの気も戻ったのか
「まさか、屋敷を消されるとは・・・卑怯とは言わぬ。
だが、せめて軍務卿としての矜持!一騎打ちを所望する」
スカパラが腰の剣を抜き、ハインツを睨みつける。
「解りました、では・・・」
「俺にさせてください」
隊長が前に進み出る。
「ほほう、騎馬隊長が俺と戦うと」
ニヤリと笑うスカパラにジト目を向けるハインツ
「受けるとは言ってないのですが・・・」
「面白そうだし良いじゃないか」
「ブラウンさんがそう言うのなら・・・」
こうして元騎馬隊長とスカパラの一騎打ちが決まった。
「ふふふ、俺に騎馬隊長が勝てると思っているのか」
「あの地獄のような特訓で確実に変わりましたよ」
スカパラが一気に間合いを詰めて袈裟懸けに切り降ろし、それを隊長が身を捻って交わす。
スカパラは更に一歩踏み込み、地面を叩いた反動で剣を切り上げる。
隊長はそれを一歩踏み込んで篭手でスカパラの剣の根元を受け止めるとそこで初めて剣を抜いた。
抜いた剣は中ほどで折れていて、隊長はしまったという顔をした。
「ふん、多少出来るようになったようだが、己の武器すら管理できない者に俺は負けん」
そう言って隊長の腹を蹴り無理やり距離を開けると、自然な動きでナイフを3本投げつけた。
「うお!やはりお強い」
ナイフをマントで払い落とし、折れた剣を構えると根元からからロングソードほどの長さの赤色のオーラが剣状に伸びた。
「何だそれは!」
「オーラブレードって言うらしいです、ブラウン師匠に叩き込まれました」
「ふん、そんな物でこれが防げるか!」
スカパラが剣を持ってない手を上に上げると炎の球が掌に生まれた。
「ファイアボール」
スカパラがそう言うと、炎の球が猛スピードで隊長へ迫っていった。
隊長はまさかスカパラが魔法を使うと思っていなかったため、逃げるには一瞬対応が遅れたが、そのまま剣を振りぬくと炎の球は二つに分かれて隊長の後方へ落ちて小規模の爆発を起こした。
「あちあち、少し遅れた・・・」
隊長は身体に飛んだ火の粉を落とすように身体を振るう。
恐る恐る後ろのブラウンを見ると良い笑顔で「修行追加な」と言っているのが聞こえた。
「ひぃ、やべぇ
気を引き締めてやれば少しは軽くなるかな?」
そう呟くと、足に赤いオーラを纏わせて、超高速でスカパラに接近して背後を取ると一撃で意識を刈り取った。
こうして、スカパラの反乱は収束した。
その後元騎馬隊長はブラウンに引きずられて姿を消した。
残ったヘーラがハインツと事後処理をするのはこの後の話。
やって来たのはブラウン、ヘーラ、ボロボロの元騎馬隊長。
「国王に屋敷を吹き飛ばしても良いからさっさと連れて来て欲しいと言われた」
「ありがたいですが、意外と硬いですよあの屋敷」
「旦那様とわらわにかかれば楽勝なのじゃ」
そう言って袖をまくって力こぶを作ると、にやりと笑った。
「師匠、出来れば決着は・・・」
「解っている」
隊長の言葉にブラウンは頷く。そんな二人を見てハインツは少し羨ましいと感じて、そっと顔を背けてメガネを人指し指で直した。
「さっさと片付けるのじゃ。
人物、空間の把握は終ったのじゃ」
「じゃあ、防壁を頼む」
「了解じゃ」
ヘーラが屋敷に手を向けると、屋敷の後ろに巨大な銀の膜が生まれた。
― 一方屋敷の中のスカパラ達 ―
朝になり、窓の外を見ると圧力をかけるべく動きが見えたが、スカパラは意に介すことも無く朝食をとっていた。
「貴様らも確りと食事はとるのだ」
「は!ありがとうございます」
「なに、こんな状況でもついて来た貴様らに感謝しておる」
そう言って穏やかに笑った瞬間、全員が謎の銀の膜に包まれた。
「な、なんだこれは!」
「解りませんが、・・・攻撃では無いようです」
騎士が膜に触るも波紋が生まれるだけで攻撃も無く動いた分だけ膜も動く。
「うぬぬぬ、何が起こるというのだ。
全員持ち場に戻るぞ」
そう言って、全員持ち場に戻った。
― ハインツたち ―
膜の形成を確認したブラウンは顔の前で両腕をクロスし気合をためる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・がぁ」
クロスした腕を振りぬいて両腰に降ろすと、金色のオーラがブラウンの身体を包み鎧のような形になる。そして拳を突き出すと、ブラウンの目の前に屋敷よりも巨大な金色の拳が生まれた。
「だ、旦那様・・・それ以上オーラを注がれると防ぎきれないのじゃ」
悲鳴のようなヘーラの声に答えるように金色の拳が屋敷に真っ直ぐ飛んで行った。
金色の拳が屋敷に当たったとたん、屋敷は何も無かったかのように地理も残さず消滅した。
「ふ~終ったぞ」
ブラウンが振り向くと、ヘーラ以外の全員が驚愕・・・いや顎が外れんばかりの顔をしていた。
「旦那様やりすぎじゃ、あと少しエネルギーが強かったら大変なことになっていたのじゃ」
「ははは、まさか2割で十分とは思ってなかった」
そう言って頭をかくとハインツ達に顔を向けた。
「あ、あの・・・今のはいったい・・・?」
恐る恐る問いかけるハインツにブラウンはあっさりと
「うん?拳だ」
ブラウンの答えに”それは形!じゃ無くて何がおきたの?”とハインツ、レズン、隊長の心はシンクロした。
「あれは感覚の物じゃから、流石のわらわにも説明が出来ないのじゃが、オーラを使った術の最高技術じゃとは言えるのじゃ」
屋敷の跡地に呆然とする騎士と兵士、そしてスカパラが残されていた。
少し回復したハインツが特務隊に指示を出し囲むと、スカパラの気も戻ったのか
「まさか、屋敷を消されるとは・・・卑怯とは言わぬ。
だが、せめて軍務卿としての矜持!一騎打ちを所望する」
スカパラが腰の剣を抜き、ハインツを睨みつける。
「解りました、では・・・」
「俺にさせてください」
隊長が前に進み出る。
「ほほう、騎馬隊長が俺と戦うと」
ニヤリと笑うスカパラにジト目を向けるハインツ
「受けるとは言ってないのですが・・・」
「面白そうだし良いじゃないか」
「ブラウンさんがそう言うのなら・・・」
こうして元騎馬隊長とスカパラの一騎打ちが決まった。
「ふふふ、俺に騎馬隊長が勝てると思っているのか」
「あの地獄のような特訓で確実に変わりましたよ」
スカパラが一気に間合いを詰めて袈裟懸けに切り降ろし、それを隊長が身を捻って交わす。
スカパラは更に一歩踏み込み、地面を叩いた反動で剣を切り上げる。
隊長はそれを一歩踏み込んで篭手でスカパラの剣の根元を受け止めるとそこで初めて剣を抜いた。
抜いた剣は中ほどで折れていて、隊長はしまったという顔をした。
「ふん、多少出来るようになったようだが、己の武器すら管理できない者に俺は負けん」
そう言って隊長の腹を蹴り無理やり距離を開けると、自然な動きでナイフを3本投げつけた。
「うお!やはりお強い」
ナイフをマントで払い落とし、折れた剣を構えると根元からからロングソードほどの長さの赤色のオーラが剣状に伸びた。
「何だそれは!」
「オーラブレードって言うらしいです、ブラウン師匠に叩き込まれました」
「ふん、そんな物でこれが防げるか!」
スカパラが剣を持ってない手を上に上げると炎の球が掌に生まれた。
「ファイアボール」
スカパラがそう言うと、炎の球が猛スピードで隊長へ迫っていった。
隊長はまさかスカパラが魔法を使うと思っていなかったため、逃げるには一瞬対応が遅れたが、そのまま剣を振りぬくと炎の球は二つに分かれて隊長の後方へ落ちて小規模の爆発を起こした。
「あちあち、少し遅れた・・・」
隊長は身体に飛んだ火の粉を落とすように身体を振るう。
恐る恐る後ろのブラウンを見ると良い笑顔で「修行追加な」と言っているのが聞こえた。
「ひぃ、やべぇ
気を引き締めてやれば少しは軽くなるかな?」
そう呟くと、足に赤いオーラを纏わせて、超高速でスカパラに接近して背後を取ると一撃で意識を刈り取った。
こうして、スカパラの反乱は収束した。
その後元騎馬隊長はブラウンに引きずられて姿を消した。
残ったヘーラがハインツと事後処理をするのはこの後の話。
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