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Kitty編
3. 契約
しおりを挟む冷蔵庫に残っていたキャベツとベーコンを炒め、ついでにキムチを入れてから卵でとじたおかずで、炊きたてのご飯をモリモリ食べた。ふと、ソラはどうしているかと、ダイニングから見えるベッドに目を向けた。
「ブホッ!」
布団の端から人の足が出ていて、飲んでいた水を吹き出した。
口許を拭いながらベッドにそろそろと近寄ると、『ヒトガタ』になったソラが裸で寝ている。
しかも……
「成長している?」
早朝に初めて見た『ヒトガタ』のソラは、中等部にも入っていないくらいの子どもだった。
今は、高校生になったくらいか…。
「寝る子は育つ…ってこと?」
僕の独り言に、もぞもぞと男子高校生が起きた。成長しても、仕草はまだまだ子供のようにあどけない。
「おはよう、ソラ。何か食べる?」
“………おなか、すいてない ”
「え?でもほとんど食べてないでしょう?」
“ ケイの『精気』もらってるからへいき ”
「………僕の精気を?」
道理で僕はお腹がすく訳だ。
って。おいおい。
「ソラ、何者なの?猫でも人間でもないんだよね?」
“もとはねこだったよ?いまは『魔族』?うまれたばかりなんだけどね ”
人間の精気を吸って成長するなら、立派な魔族だろう。現実に存在するなんて、知らなかったけど!
頭が追いつかないが、目の前にソラがいる。魔族って、もっと猟奇的な物を想像していたけど、こんなに可愛い魔族なら精気くらい分けてあげよう。
“ ケイ、ぼくのこと、こわい?”
「怖くないよ」
不安げに肩を落とすソラの、寝ぐせがついてフワフワの頭を撫でた。その手を、ソラは前肢?で掴んだ。
猫の手がそのまま人間の手になったような、ぷくっとした可愛い手だった。
“じゃあさ!ぼくケイのキティになりたい!
ケイの『精気』すごくおいしくて、あいしょうがいいんだ ”
「キティ?キティってなに?」
“キティになるとね、そのひとの『精気』しかすわないの。ケイだけのぼくになってずっといっしょなの。そのかわり、しぬまでケイをまもるからね!”
「どちらかが死んだら、どうなるの?」
“うまれかわって、また、であえるんだよ”
「ふぅ~ん」
『キティ』とは、一種の契約のような物だろうか。危険な事から護ってもらう代償として、『精気』を分ける。死んでも輪廻の中に組み込まれ、未来永劫を共に生きる。
『魔族』と契約だなんて、漫画みたいだし怖くもある。でも、僕は『運命』という事象を信じていたし、困ったことにソラは可愛いすぎたのだ。
『生け贄』になってもいいと
思うくらいに……。
「……いいよ。僕のキティになる?」
“うん!ケイ…これからずっといっしょ ”
そして僕達は、『せっくす』をした。
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