ゆうとの幻想物語 戦禍の残滓

すぶらー

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ゆうとの能力と梨沙の死

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 カイが包丁をしっかりと握り直した。さっきより握り方が強い。
  ゆ「おい!やめろ!」
 俺は叫んだ。それが合図とでも言いたげに、同じような姿の人が5人入って来た。
 カ「KB……そいつを取り押さえてドクターのとこに連れてけ!それまでこの女を押さえつけておく。」
 K「ラジャー!」
 その声で五人は剣を抜いた。
 ゆ「チッ……一対五か。」
 K「そうさ。勝てるかな?子供一人に大人五人だ。君に勝ち目はないね。」
 ゆ「やってみなくちゃわからないだろう!」
 K「ん?どういうことだ?」
 俺は左手を前に突き出した。
 ゆ「剣よ、我に応えよ。はあぁぁぁぁぁぁ!」
 俺の手に剣の輪郭が見えた。いつもはここで消えてしまう。だが今回は消えないで残っている。
 ゆ「汝、我に力を!我に勝利を!」
 手に重みを感じた。今までに成功だと思ってたときよりもしっかりした重みだ。今度こそ確実に成功した。
 K「お前みたいなガキに俺らが負けると思ったら大間違いだ!何をするのかと思えば剣を出現させただけ。どんな剣だろうと人数的にお前の負けは決まっている!」
 気づけば五人は俺を取り囲んでいた。これはチャンスだ。
 ゆ「やる前に白黒つけるのか?悪いが勝たせてもらうよ。」
 五人の目から怒りが確認できた。一番怒っているのはカイだった。
 カ「……殺れ!」
 カイが怒鳴った。それを合図に俺は剣を腰に構えた。スローで見える。五人が一斉に近づいてくる。まだだ、まだひきつけて。見えた!左回り、十時の方向に回転斬り。
 シュパーン!快音だった。五人は俺からちょっとのところに倒れていた。首だけ分離した状態で。
 カ「ゆうとくん。手を出しちゃったね?」
 梨「兄ちゃん……」
 カ「約束だから。仕方ないよね?子どもはほんとに単純だからやりやすいよ。」
 プスリ。梨沙の腹に突き付けられていた包丁はゆっくりと刺し込まれてしまった。
 梨「……い……ちゃ……」
 少なくともそう聞こえた。口ではちゃんと兄ちゃんと言っていたが、そこしか聞き取れなかった。梨沙の茶色い目がこっちを見つめている。
 ゆ「梨沙……えっと……ごめんなさい……」
 俺が言い終わる前に梨沙は死に倒れていた。血の池ができている。
 カ「フフフ、どうだったかね?妹が死にゆくさまは!人間の命とは軽いもんだねぇ。」
 カチャン。俺は剣を落とした。目の前の光景を信じたくなかった。
 ゆ「そんな……!嘘だ……!」
 カ「ほーら死んじゃったよぉ?助けられなかったなんて、ダメなお兄ちゃんだなぁ。」
 
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