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龍神族との激闘

龍神族の強さ

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背後からはクリス達やサムライの激闘の音が聞こえてくる。
あのサムライがいればクリス達もとりあえずは安心して任せておける。
私は奴らを。

マオは龍神族の元へ近づいてく。
「あんた達が龍神族ね?その人を離しなさい」

「きゃはは。それは無理な話ね!
こいつには私達からお願いしたいことがあって返すわけにはいかないのよ」

「それなら実力行使しかないようね」
マオはルクスの宝剣を抜いた。

「ちょっと待て!」
刺青の男が遮った。

「きさまその青き瞳、少し尖った耳、美しき容姿。
ハイエルフ族の者か?
私達が復活してから探していたのだが、とっくの昔に絶滅したという噂を聞いていたが?」

「ハイエルフ族?そんなの知らないわ。
私は魔族よ」

「魔族?」

「残念ながら私達はこの世界の者じゃないのよ!異世界から来たの。だからこっちの世界のハイエルフ族なんて知らないわ」

そう言うと刺青の男はしばらく考えこんだ。

「……くくく。そういうことか。
貴様らハイエルフは絶滅したのではなく、異世界に逃げていたのだな。
私達に匹敵する魔力を持つハイエルフ族ならそれも出来よう」

「なんのことだ!
そんな話私は知らんぞ!!」

「そうかもな。きっと貴様の祖先の話だろう。
リーナ!そいつは殺さずに生け捕りにするぞ!聞きたいことがある」

「生け捕りね!要は殺さなければいいんでしょ?
死ぬギリギリの所で生かしておくなんて、最高にソソるわね!」

そういうと、リーナと呼ばれた女は10メートルはあろうかという長い鞭を取り出し、マオに向けて放った。

「ふん!こんなもの」
躱せないスピードではない。
マオはひらりと身を泳がせ、鞭を躱した……が次の瞬間に背中に激痛が走った。

「くっ!?」

その後も鞭を躱したつもりが、何故か鞭は私が避けた後に、思わぬ動きをして、死角から私を襲ってくる。

「一体これは……」

「きゃははは!さっきまでの威勢はどこにいったのかしら?一緒に駆けつけてきた男達がいないと何もできないのかしら?牝豚ちゃん?」

鞭は嵐のように四方八方から私を襲ってくる。
躱しても躱しても、マオはその攻撃を食い続けた。
くそっ。一体どうなってるの!
こうなったら躱さずに鞭の動きを見極めて、宝剣で鞭を真っ二つにしてやる。

……ここだ!!

襲ってくる鞭に斬りかかる。
がマオが剣を振ろうとした瞬間に、鞭が動きを変え、マオの剣は空を斬り、またも鞭の一撃を腹部に喰らってしまった。

「ぐわぁーーっ」

「きゃはははは!やっと悲鳴をあげたわね!
いい声よ牝豚ちゃん!
これからもっともっといい声で鳴かせてあげるわ!」

どうなってるの?
鞭があんなにも変幻自在に動くなんて……
くそ!あの鞭を避けるのは難しそうね。
ここは仕方ない。2人相手だから魔力を温存しておきたかったが、魔法壁で鞭を防ぐしかない。

マオは鞭の一撃を魔法壁を作り弾き飛ばした。
その一瞬をついて、雷の攻撃魔法を繰り出した。
が、その魔法はいとも簡単に同系統の雷魔法で相殺された。

「なにそれ!そんな弱っちい魔法が私達に効くと思ってるの??
魔法っていうのはね、こう使うのよ」
そういうと、リーナは巨大な雷の球を作り投げつけてきた。

巨大な雷の玉は爆音轟かせマオを包みこんでゆくが、マオは瞬時に全身の周りに球場の防御壁を作り防いでいた。

この魔法の威力といい、あの鞭の攻撃といい、なかなか強いわね。
今までの手下なんかとは大違い。

「ふん。
大したことないな。これならリーナ1人で十分だろう」
刺青の男はション会長の横に座った。

「おいおい。
お前らマオちゃんを舐めんなよ?」
ジークの声が聞こえ、声の方へ振り向く。

いきなりジークが刺青の男の後ろからひょこっと現れた。

「!!!
いつの間に!」

刺青の男が動揺しているうちに、ジークは宝剣を振り下ろすと、刺青の男は飛び退けて身を躱した。

その隙にジークはション会長を救出した。

「とりあえずこれで人質を取られる心配はなくなったね!
オイ!そこのサムライ!
ションさんは助けたからもう手抜かなくて大丈夫だぞ!」

ジークはトシキというサムライに向かって叫んだ。

「ありがたい!!」
そう言うとサムライはニヤリと笑い、刀を鞘に納めた。
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