弱国コンサルタント

ひがしの くも

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新たなる出会い

体験 インパクトボール

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「さあ、今日からインパクトボールの練習じゃ!」

ライザルドの高らかな声とともに、町外れの練習場に5人が集められた。

ディーノは代表を目指すことが決まり、他のメンバーも一度体験してみようという流れになったのだ。

「へー、けっこう広いじゃん」
と呟くアルネ。すでにスポーツ用の軽装に着替え、ストレッチも完璧。

「こ、こほん……運動はあまり得意ではないが……やるからには全力でな!」
リィナはピチピチのスポーツウェアを着て頬を赤らめながら、謎の気合を入れている。

「ど、どうしよう……こ、転んだら……顔とか、削れるかな……」
イリスは完全にビビっていた。しゃがんだまま地面から動かない。

「ふふん、任せてくれ! 血が滾るぜぇ!」
ゼクスは普段の真面目な性格とは違い、熱血スポーツ少年のようになっている。
やる気だけは全開だが、ボールの持ち方すらぎこちない。

「ほう……これは面白い光景になりそうじゃのう」
ライザルドが微笑む中、練習が始まった。



「じゃあまず、ドリブルからやってみようか」

ディーノが見本を見せようとするが、いざやってみると――

「うわ、バウンド高っ! ……あれっ、ちょっと、跳ねすぎじゃね!?」

ボールは彼の手を離れ、後頭部に跳ね返る始末。

「思ったよりムズい……」

「ドリブルなんて簡単よ」
と、アルネが華麗に3歩ステップを踏みながらドリブル。

「……え、できるの?」
全員が驚愕する中、アルネは小さく笑う。

「昔ちょっとだけ訓練したことがあるの。護衛舞踊団でね」

「なにその特殊訓練!?」



一方のリィナはというと――

「よしっ、来い! パスだ!」

「いくぞリィナ!」
ゼクスが勢いよくボールを投げる!

ブンッ――ドガッ!!

「……んぐっ!?」

ボールは美しい弧を描き、リィナはボールを取り損ね顔面に直撃。完璧なクリーンヒットだった。

「わ、わらわの鼻がぁ……!」
そのままリィナは地面に沈んだ。



「じゃ、次はキック練習いくぞー!」

ライザルドの声に、ゼクスが意気込む。

「見てろよ! オレのスーパーソウルシュート!」

助走をつけ、渾身のキック――

ボールは真上に飛んだ。

そのまま、自分の頭の上に落ちてきて――ドン!

「がっ……!?」

「熱血って、時に危険なのね……」とアルネが小声で呟く。



「イリスもやってみようか?」

「む、無理です無理です無理です……!」

「じゃあまず、パスだけでも……」

リィナのやさしいパスが彼女の前に転がる。

「ひゃああっ!?」

ボールに驚いて転倒。しかも、地面を滑っていくイリス。

「……イリス、あれで本気だったのか?」

ライザルドが呆れ顔でつぶやく。



それでも、数時間の練習の末――

ディーノは少しずつリズムに乗れてきた。

「ふっ……ステップだけは俺の得意分野だしな……!」

ボールはまだうまく扱えないが、身体のキレは抜群だ。

「ふむ、可能性は見えたのう」
ライザルドが小さく頷く。

「それにしても……お主ら、全員クセが強いわ」



練習が終わった頃には、ゼクスは鼻に絆創膏を貼り、リィナは頭に氷を載せている。
イリスはビビリ倒して何もできなかったことに自己嫌悪していた。

「……代表の道、遠そうだな」

ディーノがぼそっとつぶやくと、アルネだけが涼しい顔で返した。

「でも、なんだか……楽しかった」

「う、うむ……! わらわも次こそ……!」

「お、オレも負けねぇからなぁ!」

「……ぐすっ、何もできなかったけど、ちょっとだけ楽しかった……かも」

ライザルドはその様子に満足げに笑った。
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