妄太郎、まどか💛、山田結子の日常と作家鏡恭二とその現場スタッフのゆるりとした日常

鏡恭二

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誕生ー妄太郎の普通?の1日.........ー

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     妄太郎の朝は早い。起床は6時30分。
 目覚ましが鳴る前に、静かに目を覚ます。

 布団をたたみ、制服に着替え、誰もいない部屋で数学の問題集を開く。
 朝は頭の回転が速い──彼はそれを誰よりも理解していた。

 「……おっと、忘れるところだった」

 パソコンを起動し、エクセルファイルに何かを入力する。
 その指の動きは滑らかで、一切の迷いがなかった。

 さらに、タブレット端末にも手を伸ばす。
 ロジクール製のキーボードがカチリと音を立てる。

 妄太郎(……これも、忘れずにやらないとな)

 母の声が聞こえる。

 「朝ごはんできたわよー」
 「今行くー」

 食卓では、父と母と他愛もない会話。
 母が笑いながら尋ねた。

 「もうすぐ入試だけど、大丈夫?体調は?」

 妄太郎はオール5、IQ180。スポーツも万能。
 模試はすべて全国1位。このままいけば東大合格も確実といわれる天才児だった。

 「うん。朝早く起きて、お母さんの美味しい料理のおかげで体調も万全だよ。ありがとう」

 母は笑顔で頷いた。
 妄太郎は穏やかに手を振って、家を出る。

 外には、幼なじみの結子が電柱にもたれかかっていた。

 「おはよう」
 「べ、別に待ってたわけじゃないんだからね……」

 彼女は赤い顔をしながら妄太郎の隣を歩く。
 「昨日の『朝焼けのマイラブ』、めっちゃよかったよねー!」
 「広川あさみと菊池健吾がキスするシーン、マジで……」

 テンション高めな話題にも、妄太郎は自然に会話を合わせる。
 会話のリズムを読み取り、適度な相槌を打つ──それも彼にとっては簡単な“処理”だった。

 下駄箱で靴を履き替え、クラスの違う結子とは別れる。

 教室に入ると、すぐに視界に入った。

 まどか💛「……」

 学年一のマドンナ。
 男子たちのざわめきが聞こえる。

 「まどか💛やっぱかわいいよなー」
 「告白してみれば?」
 「無理無理、あんなのフラれるって……」
 「しかもスタイルやばいんだってよ?」

 そんな声を背に、妄太郎は黙って席に座る。
 ロジクール付きのパソコンを開き、何かを入力し始めた。
 会話には加わらない。ただ、淡々と作業を進めている。

 まどか💛「妄太郎くん……おはよう」

 彼女だけは、妄太郎と自然に話すことができた。
 学業優秀なまどか💛ですら、妄太郎には敵わず、勉強を教えてもらうことも多かった。
 クラスで唯一、妄太郎が心を許している──そう思われている存在。

 妄太郎「おはよう」

 パソコンを閉じ、まどか💛との短い会話を交わす。
 そこへ、教師が教室に入ってきた。

【結城詩織、現る】
 「はいはい、席についてー。授業始めるわよー」

 新任の古典教師、結城詩織先生。
 若くて美人、そしてスタイル抜群。
 生徒たちは騒然となった。

 「マジで可愛くね?」「あのスーツ反則じゃね?」
 「彼氏いんのかな……いや、いてほしくない……」
 「家帰ったらたぶん(自主規制)」

 そんな騒ぎの中、授業が始まる。

【授業中】
 妄太郎は2冊のノートに同時進行でメモを取りながら授業を受けていた。
 一つは教科書内容、もう一つは……個人的な“観察記録”。

 詩織「じゃあ、この清少納言の一節。黒岩くん、どう思う?」

 妄太郎「はい。それは、清少納言が相手の気持ちを読み取り、言葉にできずに苦しむ心情だと思います」

 完璧な答えに、詩織先生が感心する。
 その瞬間──痰が絡んだのか、咳払いをひとつ。

 詩織「あっ、ああーん💛……妄太郎くん、完璧な答えだわ」

 妄太郎「ありがとうございます。(いろいろな意味で)」

 そのまま静かに座り直し、鉛筆がさらに速くノートの上を走った。

【下校】
 放課後、まどか💛が声をかけてきた。

 「妄太郎くん、一緒に帰ろう?」

 「ああ、いいよ」

 すると、すかさず割り込んできた声が。

 結子「ちょっと!妄太郎の隣を歩くのは私って決まってるんだから!」

 いつものことだ。妄太郎は軽く肩を落とす。

 まどか💛「フフフ、優子ちゃんは相変わらず元気がいいわね。じゃあ、3人で帰りましょう?」

 結子「いやっ!今日は妄太郎と二人で帰るの!」

 妄太郎に抱きつく結子。
 だが、妄太郎は無言でそのまま3人で帰る。

 歩きながらも、彼の視線は宙に浮いていた。
 目と頭だけが動いている。──まるで何かを入力しているかのように。

【夜】
 帰宅後。
 母が夕食を作ってくれていた。

 「食事中まで、パソコンで勉強なんて……でも、お母さん、ちょっとだけ寂しいな」
 「ごめん。やりすぎちゃったね」

 即座にタブレットを閉じ、話を合わせる。

 食事を終え、風呂に入り、布団に入る前の時間。

 「お母さん、ちょっとだけ勉強してから寝るね。おやすみ」

 そう言って部屋に戻った妄太郎は、参考書や過去問を並べる。
 だが、それは前座だった。

 本命はここからだった。

 パソコンを開き、異常な速さで文字を打ち込む。
 画面には“何か”の一覧が広がっていた。

 時計の針が12時を回る。

 妄太郎「さて、寝るか」

 ベッドに入り、目を閉じる。
 そう、これは──妄太郎の、何事もない一日だった。

 ──のはずだった。

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