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ヒロインだけの休み時間
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双葉梓穂と月森景都と花里小夜は食堂の端で食事をしていた。他の生徒は近づかず、遠目から見ている。
三人は楽しそうに話している感じでもなく、争いが起こりそうなほどヒートアップしているわけでもない。
ただ意図なく、食事の席が近くなってしまった三人という印象を受ける人がほとんどだろう。
「双葉先輩から誘われるなんて思っていませんでした」
「うん、ぼくも誘われた時は驚いた」
二人の反応から今まで双葉と関係がないことが分かる。それぞれ学内で知らない人がいないぐらい有名な者たちだが、三人が集まるのは今回が初めてだ。
「これから月森さん、花里さんとは葉山様を護るために力を合わせることもあるでしょう。そのためにもお互いに理解を深めることは必要だと思ったので」
「それはそうだね。あたしも景都先輩と双葉先輩のことをたくさん知りたいかも」
「…お互いのことを知るのは大事。二人のことを知りたい」
そして三人の食事会が始まった。
「まず、自分から二人に聞いてもいいかな?」
「いいですよ」
「うん」
「自分から聞きたいことは、葉山様のことをどう思っているのか?ということです」
双葉の質問に他の二人は別に驚いた表情を見せるわけでもなく、真剣な表情になり、それぞれ答えを話していく。
「あたしはもちろん、マジで好きですよ。そうじゃないと告白なんてしません。マジぼマジで葉山くんのことが大好きで、その気持ちはこれから先どんなことがあっても変わる事はないと断言できます。それぐらいに葉山くんのことを想っています」
花里の答えを双葉は静かに受け止める。こちらも表情を動かさずに淡々と受け止め、次の月森の発言を待つ。
「ぼくも葉山くんのことは好き。最近まで正直に慣れなかったけど、ぼくは葉山くんの全てが欲しいと考えちゃうぐらいに葉山くんのことが好きです。まだ恥ずかしがっちゃうところもあるけど、葉山くんを想う気持ちなら誰にも負けないと思います」
月森の答えも花里の時と同じように双葉は静かに受け止める。
花里にとっても、月森にとっても『葉山優』という存在は特別なものだということが発言から分かる。この世界の女であれば男と結ばれたいという欲望がない者はほとんど存在しないはずだ。
好き。
大好き。
愛している。
それらの気持ちを抱くのは当たり前のこと。
まだ二人は理性で感情を抑え込めている方だ。抑え込めないような者たちは強姦などの道に走ってしまい、捕まり、刑務所だ。そうなれば一発で終わりだ。男とか関係なしにこれから先、生きていくのが難しくなる。
だからこそ、どれだけ男が欲しくても感情を上手くコントロールする必要がある。そういう意味で花里、月森、双葉、三人は本当に上手くやっているのだ。葉山優と普通に接せているだけでもすごいこと。
「二人の気持ちを知れてよかった」
双葉は笑うわけではなく、静かにそう告げる。
そんな双葉を見ながら月森が質問する。
「双葉さんは葉山くんのことをどう思っているんですか?」
その問いに対して双葉はほぼノータイムで答えを口にするのだ。
「自分にとって葉山様は一生仕えたい方です!初めてお会いして、接した日から自分は葉山様の魅力に取り付かれてしまっているのです!!もうあの方なしの人生は考えられません!!!そう言ってもいいぐらいに自分にとって葉山様は大切なお方なのです!!!!」
話している時の双葉はさっきまでの淡々とした感じじゃなく、言葉一つ一つに感情がのっていて、本当に葉山優という存在が大事だと伝わる。普段の双葉梓穂を知っている人からすれば、こんなに感情豊かで声高らかに自分の気持ちを口にするのは本当に珍しいと思うのではないだろうか。
それぐらいに今の双葉梓穂は異常なのだ。周りの者たちも食べるために動かしていた手を止めて、視線を双葉梓穂に向けている。
だが、花里は双葉の愛よりも自分の愛の方が上だと主張を始める。
「本当に双葉先輩も葉山くんのこと好きなんですね。でも、あたしの気持ちの大きさには敵わないと思いますけど」
「そんなのことないです。自分の葉山様を想う気持ちが他の女に負けるなんてことは絶対にあり得ません」
「いいえ、双葉先輩よりも絶対にあたしの方が葉山くんのことを好きです!!これは決定事項です!」
「いえ、自分はいつどんな時も葉山くんのことを考えています。考えていない日がないぐらいに想っていますし」
そんな花里と双葉の言い合いはしばらく続いたらしい。
三人は楽しそうに話している感じでもなく、争いが起こりそうなほどヒートアップしているわけでもない。
ただ意図なく、食事の席が近くなってしまった三人という印象を受ける人がほとんどだろう。
「双葉先輩から誘われるなんて思っていませんでした」
「うん、ぼくも誘われた時は驚いた」
二人の反応から今まで双葉と関係がないことが分かる。それぞれ学内で知らない人がいないぐらい有名な者たちだが、三人が集まるのは今回が初めてだ。
「これから月森さん、花里さんとは葉山様を護るために力を合わせることもあるでしょう。そのためにもお互いに理解を深めることは必要だと思ったので」
「それはそうだね。あたしも景都先輩と双葉先輩のことをたくさん知りたいかも」
「…お互いのことを知るのは大事。二人のことを知りたい」
そして三人の食事会が始まった。
「まず、自分から二人に聞いてもいいかな?」
「いいですよ」
「うん」
「自分から聞きたいことは、葉山様のことをどう思っているのか?ということです」
双葉の質問に他の二人は別に驚いた表情を見せるわけでもなく、真剣な表情になり、それぞれ答えを話していく。
「あたしはもちろん、マジで好きですよ。そうじゃないと告白なんてしません。マジぼマジで葉山くんのことが大好きで、その気持ちはこれから先どんなことがあっても変わる事はないと断言できます。それぐらいに葉山くんのことを想っています」
花里の答えを双葉は静かに受け止める。こちらも表情を動かさずに淡々と受け止め、次の月森の発言を待つ。
「ぼくも葉山くんのことは好き。最近まで正直に慣れなかったけど、ぼくは葉山くんの全てが欲しいと考えちゃうぐらいに葉山くんのことが好きです。まだ恥ずかしがっちゃうところもあるけど、葉山くんを想う気持ちなら誰にも負けないと思います」
月森の答えも花里の時と同じように双葉は静かに受け止める。
花里にとっても、月森にとっても『葉山優』という存在は特別なものだということが発言から分かる。この世界の女であれば男と結ばれたいという欲望がない者はほとんど存在しないはずだ。
好き。
大好き。
愛している。
それらの気持ちを抱くのは当たり前のこと。
まだ二人は理性で感情を抑え込めている方だ。抑え込めないような者たちは強姦などの道に走ってしまい、捕まり、刑務所だ。そうなれば一発で終わりだ。男とか関係なしにこれから先、生きていくのが難しくなる。
だからこそ、どれだけ男が欲しくても感情を上手くコントロールする必要がある。そういう意味で花里、月森、双葉、三人は本当に上手くやっているのだ。葉山優と普通に接せているだけでもすごいこと。
「二人の気持ちを知れてよかった」
双葉は笑うわけではなく、静かにそう告げる。
そんな双葉を見ながら月森が質問する。
「双葉さんは葉山くんのことをどう思っているんですか?」
その問いに対して双葉はほぼノータイムで答えを口にするのだ。
「自分にとって葉山様は一生仕えたい方です!初めてお会いして、接した日から自分は葉山様の魅力に取り付かれてしまっているのです!!もうあの方なしの人生は考えられません!!!そう言ってもいいぐらいに自分にとって葉山様は大切なお方なのです!!!!」
話している時の双葉はさっきまでの淡々とした感じじゃなく、言葉一つ一つに感情がのっていて、本当に葉山優という存在が大事だと伝わる。普段の双葉梓穂を知っている人からすれば、こんなに感情豊かで声高らかに自分の気持ちを口にするのは本当に珍しいと思うのではないだろうか。
それぐらいに今の双葉梓穂は異常なのだ。周りの者たちも食べるために動かしていた手を止めて、視線を双葉梓穂に向けている。
だが、花里は双葉の愛よりも自分の愛の方が上だと主張を始める。
「本当に双葉先輩も葉山くんのこと好きなんですね。でも、あたしの気持ちの大きさには敵わないと思いますけど」
「そんなのことないです。自分の葉山様を想う気持ちが他の女に負けるなんてことは絶対にあり得ません」
「いいえ、双葉先輩よりも絶対にあたしの方が葉山くんのことを好きです!!これは決定事項です!」
「いえ、自分はいつどんな時も葉山くんのことを考えています。考えていない日がないぐらいに想っていますし」
そんな花里と双葉の言い合いはしばらく続いたらしい。
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