2 / 4
【前編】嫌われ者の1日
しおりを挟む
俺は嫌われ者だ。
俺の学校での評価は『最悪』と言っても良い。
―――――――――
決まった時間に目を覚まし、着替えを済ませる。
そして自分の部屋は2階なので1階まで降りるとお母さんとお父さんが慌ただしく動いていた。うちは共働きなので家事を含めて大概が分担。でも、朝食だけは二人で一緒に作るようでこの慌ただしさは毎日だ。
うちの両親の仲は良い方なので邪魔しないようにソファーに腰を掛ける。スマホを取り出して連絡を確認する。
『朝、一緒に登校したいです!』というメッセージが和籐から来てた。
和藤とは同じクラスの和藤新大だ。学内で嫌われている俺をなぜか慕っている少し頭のネジが抜け落ちているんじゃないかと思うような奴。最初の頃は鬱陶しいからどんどん突き放していたんだけど、それでも離れることなく付いて来るのでもう突き放すのを諦めて最近はよく話すようにしているのだ。勝手に付きまとわれるよりはいいだろうという結果。
どう返事するかと悩んでいると誰かが急に俺の頭を撫でてきた。
視線を上げるとそこには妹こと詩織が笑みを浮かべていた。詩織は俺よりも三つ下で今は中学二年だ。眉目秀麗、文武両道という所謂、高嶺の花だ。その人気は尋常ないらしく、前に妹の友人と会った時に聞いた話によると、すごい時は一日に三回も告白されたことがあるという。
そんな嘘みたいな話だが、うちの妹は身内贔屓なしで美少女だ。綺麗な茶髪に目元もくりっとしていて、目鼻立ちもしっかりとしているため人気が出ないはずがない。それに加えて、コミュ強だ。どんな人間に対しても話し掛け、大概の人とはすぐに仲良くなれてしまうという特技を持っているのだ。
それが俺の妹、奈須野詩織だ。
「なぜ兄の頭を撫でる?」
「兄さんの頭を撫でたかったので」
「なぜ何も言わずにそういうことをする?」
「兄さんに触るには許可が必要なんでしょうか。私たちは兄妹であり、お互いに長い時間を共にしてきたと思うのですが」
「別に許可が必要とまでは言わないが、急に触られるとびっくりするから止めて欲しいな」
「なるべく善処することにします」
「そこは素直にわかりましたと言って欲しいところなのだが」
そんな話をしていると朝食が出来たらしく、僕と詩織はそれぞれの椅子に座る。そして全員で「いただきます」と言い、食事が始まるのだった。
朝食の間は近況のことを話しながら食べているとあっという間で、俺が食事を終えて冷やかしていると母さんが心配そうな目で見てきた。
「どうしたの、母さん?」
「今日は行く日でしょ」
そう言われたことで今日の曜日を改めて再確認することが出来た。
「ああ、そうだね」
「一人で大丈夫?」
「大丈夫だよ。俺も高校二年だ。さすがに一人で行けないと問題だと思うけど」
「それはそうだけど、やっぱり心配なのよ」
そこで母さんの視線が俺から妹に移る。
「今日って早く帰って来れる?」
「うん、兄さんの付き添いだったら母さんから言われなくてもするつもりでした」
高校生にもなって中学生の妹に付き添いをしてもらうなんて恥ずかし過ぎる。
「詩織も学校があるんだから無理に来なくていい」
「私は行きますよ。兄さんを一人にはさせられないですから」
今度は妹が俺を鋭い視線で見て来る。まるで肉食動物に睨まれた草食動物のように俺の方が委縮してしまうのはなぜなんだろうか。
「俺は高校生だぞ」
「それが何か関係してるんですか。私は中学生ですが、兄さんよりしっかりしていますよ」
確かにそれを言われると否定できない。僕は中学生である妹よりもしっかりしていない自信というものがある。
「兄さんがいくら来て欲しくないと言っても私は付いて行きますから」
「わかってるよ」
前に一度だけ面倒くさいから妹のことを追いていったことがある。結局、目的の場所に行ったら先回りされていたのだ。本当にこの妹はどんな風に移動していたのかと疑ったほどだ。
「連れて行けばいいんだよね」
「はい、ちゃんと私と一緒に行きましょうね」
妹は笑顔で言っているが、俺としては妹と一緒ってどんな拷問だよと思ってしまう。
学校に登校するといつもの冷たい視線が俺を突き刺す。でも、この視線にも慣れてしまえば何も感じなくなるし、なんか有名人になった気分で逆に良い気分になってしまったりする。これはちょっと壊れていると言っても良いかも。
「な、奈須野くん!!」
背中の方から呼ぶ声が聞こえて振り返るとそこには和藤がなぜか小走りでこちらに近付いてきた。
「どうした、和藤」
「いや、朝連絡したよ。既読無視をするなんてひどいって」
「あ、そうだったな。すっかり忘れていたわ」
返信しようと思ったところで朝食が始まって、そのまま忘れていた。
「ひどいよ!奈須野くんの中で僕はそんなに優先順位が低いの…」
そろそろ和藤新太について説明しようかな。和藤を一言で言い合わすんであれば『気弱な男』だ。そんな男が俺に付きまとってきているんだから世の中はおかしい。
なんか高校1年生の夏ごろから付きまとうようになり、今でも関係は続いている。そして容姿としては童顔で身長が150に満たないぐらいということもあって、女と勘違いする奴もいるようだがれっきとした男だ。
気弱な男と言ったように、性格は良いが押しに弱いのだ。よく人に押し付けられたりするような性格のため、色々と苦労しているのも知っている。
まぁ…俺が説明できるのはこの程度。
「優先順位など気にしたことはない。ただ俺が忘れていただけ」
「じ、じゃあ、これからは一緒に登校してもいい?」
「よくない」
「な、なんで!?」
こいつが俺と近くに居たがる理由は未だに分からない。近くに居ても碌なことにならないし、下手したら巻き込まれる可能性も全然あるんだが。
「お前は他の奴と登校するか、一人で登校しろ」
別に俺は俺以外が嫌われる必要はないと思っている。俺は好きで嫌われているが、こいつは別に人に嫌われたいわけじゃない。であれば俺と一緒にいるべきではないのは考えれば誰でも分かるはずだ。
そう思っているんだが、なぜか和藤は納得していないようだった。
「いやだ。僕は奈須野くんと一緒に登校するって決めてるもん!」
気弱な癖にこういう少し頑固なところもあるんだった。
和藤とはクラスが違うため別れた。
別れ際も「僕は奈須野くんと一緒に登校するんだ!」と謎の宣言をしていた。教室に移動して俺は自分の席である、窓側の一番後ろに行く。俺がクラスに入ると同時にうるさかった部屋が一瞬で静かになる。
そして俺が席に座ると、遠慮しながらもクラスメイトはまた話し始める。
SHRが始まるまで暇なので外の景色でも眺めることにした。外では部活の朝練を行っているようで走っている。それを見ているとクラスの女子たちの会話が耳に入って来る。
「梅崎くん、今日もカッコよかったよね」
「うん!朝から拝めたし、今日はもう十分!」
「でも、宮本くんもカッコいいよね!梅崎くんと宮本くんの二大美男が居てくれて本当に良かったわ」
「それだけでもこの学校に入学した意味があるよね~」
女子の話がひと段落したかと思えば、今度は大きな声でクラスの男子連中が話し始めたので嫌でも耳に届いてしまう。
「串宮さんってまじで可愛いよな。天使…いや、神みたいな…」
「それ分かるわ。なんだろう後光が指している感じがするんだよな」
「俺は阿久根さん派かな。あの綺麗な赤髪の美少女からとんでくる罵倒がとってもいいんだよな」
「なんかMに目覚めそうだもん」
「え~僕は星野さんかな。あの丸眼鏡も小動物みたいにあたふたしているところもすっごく可愛いし、守ってあげたいと思うんだよ」
「あ、それも分かるなぁ~」
男子も女子もやっぱり話の的は彼らのようだ。この高校に通って彼らを知らないことは絶対にあり得ない。
俺は彼らと仲良くない。
小学校時代は今じゃ考えられないが、俺を含めて六人は仲が良かった。本当に今考えればこんな個性の集団が仲良かったのが信じられないくらいに。今でも俺を除いた五人は仲が良く、食事などもよく一緒にしているらしい。
俺は関わらないし、昼食は屋上で和藤と食事をしていた。
最初は一人だったのだが、和藤に見つけられてしまったのだ。それからはいくら拒否を示しても和藤は来てしまうので諦めた。
もうあいつらと2年ぐらいは話していないか。話す必要もないし、これは俺が望んだこと。その選択に後悔もない。
だが、本当になんで仲が良かったのか不思議な六人組だったよな。そんなことを思いながら俺は朝練で走っている奴のことを眺めていた。
俺の学校での評価は『最悪』と言っても良い。
―――――――――
決まった時間に目を覚まし、着替えを済ませる。
そして自分の部屋は2階なので1階まで降りるとお母さんとお父さんが慌ただしく動いていた。うちは共働きなので家事を含めて大概が分担。でも、朝食だけは二人で一緒に作るようでこの慌ただしさは毎日だ。
うちの両親の仲は良い方なので邪魔しないようにソファーに腰を掛ける。スマホを取り出して連絡を確認する。
『朝、一緒に登校したいです!』というメッセージが和籐から来てた。
和藤とは同じクラスの和藤新大だ。学内で嫌われている俺をなぜか慕っている少し頭のネジが抜け落ちているんじゃないかと思うような奴。最初の頃は鬱陶しいからどんどん突き放していたんだけど、それでも離れることなく付いて来るのでもう突き放すのを諦めて最近はよく話すようにしているのだ。勝手に付きまとわれるよりはいいだろうという結果。
どう返事するかと悩んでいると誰かが急に俺の頭を撫でてきた。
視線を上げるとそこには妹こと詩織が笑みを浮かべていた。詩織は俺よりも三つ下で今は中学二年だ。眉目秀麗、文武両道という所謂、高嶺の花だ。その人気は尋常ないらしく、前に妹の友人と会った時に聞いた話によると、すごい時は一日に三回も告白されたことがあるという。
そんな嘘みたいな話だが、うちの妹は身内贔屓なしで美少女だ。綺麗な茶髪に目元もくりっとしていて、目鼻立ちもしっかりとしているため人気が出ないはずがない。それに加えて、コミュ強だ。どんな人間に対しても話し掛け、大概の人とはすぐに仲良くなれてしまうという特技を持っているのだ。
それが俺の妹、奈須野詩織だ。
「なぜ兄の頭を撫でる?」
「兄さんの頭を撫でたかったので」
「なぜ何も言わずにそういうことをする?」
「兄さんに触るには許可が必要なんでしょうか。私たちは兄妹であり、お互いに長い時間を共にしてきたと思うのですが」
「別に許可が必要とまでは言わないが、急に触られるとびっくりするから止めて欲しいな」
「なるべく善処することにします」
「そこは素直にわかりましたと言って欲しいところなのだが」
そんな話をしていると朝食が出来たらしく、僕と詩織はそれぞれの椅子に座る。そして全員で「いただきます」と言い、食事が始まるのだった。
朝食の間は近況のことを話しながら食べているとあっという間で、俺が食事を終えて冷やかしていると母さんが心配そうな目で見てきた。
「どうしたの、母さん?」
「今日は行く日でしょ」
そう言われたことで今日の曜日を改めて再確認することが出来た。
「ああ、そうだね」
「一人で大丈夫?」
「大丈夫だよ。俺も高校二年だ。さすがに一人で行けないと問題だと思うけど」
「それはそうだけど、やっぱり心配なのよ」
そこで母さんの視線が俺から妹に移る。
「今日って早く帰って来れる?」
「うん、兄さんの付き添いだったら母さんから言われなくてもするつもりでした」
高校生にもなって中学生の妹に付き添いをしてもらうなんて恥ずかし過ぎる。
「詩織も学校があるんだから無理に来なくていい」
「私は行きますよ。兄さんを一人にはさせられないですから」
今度は妹が俺を鋭い視線で見て来る。まるで肉食動物に睨まれた草食動物のように俺の方が委縮してしまうのはなぜなんだろうか。
「俺は高校生だぞ」
「それが何か関係してるんですか。私は中学生ですが、兄さんよりしっかりしていますよ」
確かにそれを言われると否定できない。僕は中学生である妹よりもしっかりしていない自信というものがある。
「兄さんがいくら来て欲しくないと言っても私は付いて行きますから」
「わかってるよ」
前に一度だけ面倒くさいから妹のことを追いていったことがある。結局、目的の場所に行ったら先回りされていたのだ。本当にこの妹はどんな風に移動していたのかと疑ったほどだ。
「連れて行けばいいんだよね」
「はい、ちゃんと私と一緒に行きましょうね」
妹は笑顔で言っているが、俺としては妹と一緒ってどんな拷問だよと思ってしまう。
学校に登校するといつもの冷たい視線が俺を突き刺す。でも、この視線にも慣れてしまえば何も感じなくなるし、なんか有名人になった気分で逆に良い気分になってしまったりする。これはちょっと壊れていると言っても良いかも。
「な、奈須野くん!!」
背中の方から呼ぶ声が聞こえて振り返るとそこには和藤がなぜか小走りでこちらに近付いてきた。
「どうした、和藤」
「いや、朝連絡したよ。既読無視をするなんてひどいって」
「あ、そうだったな。すっかり忘れていたわ」
返信しようと思ったところで朝食が始まって、そのまま忘れていた。
「ひどいよ!奈須野くんの中で僕はそんなに優先順位が低いの…」
そろそろ和藤新太について説明しようかな。和藤を一言で言い合わすんであれば『気弱な男』だ。そんな男が俺に付きまとってきているんだから世の中はおかしい。
なんか高校1年生の夏ごろから付きまとうようになり、今でも関係は続いている。そして容姿としては童顔で身長が150に満たないぐらいということもあって、女と勘違いする奴もいるようだがれっきとした男だ。
気弱な男と言ったように、性格は良いが押しに弱いのだ。よく人に押し付けられたりするような性格のため、色々と苦労しているのも知っている。
まぁ…俺が説明できるのはこの程度。
「優先順位など気にしたことはない。ただ俺が忘れていただけ」
「じ、じゃあ、これからは一緒に登校してもいい?」
「よくない」
「な、なんで!?」
こいつが俺と近くに居たがる理由は未だに分からない。近くに居ても碌なことにならないし、下手したら巻き込まれる可能性も全然あるんだが。
「お前は他の奴と登校するか、一人で登校しろ」
別に俺は俺以外が嫌われる必要はないと思っている。俺は好きで嫌われているが、こいつは別に人に嫌われたいわけじゃない。であれば俺と一緒にいるべきではないのは考えれば誰でも分かるはずだ。
そう思っているんだが、なぜか和藤は納得していないようだった。
「いやだ。僕は奈須野くんと一緒に登校するって決めてるもん!」
気弱な癖にこういう少し頑固なところもあるんだった。
和藤とはクラスが違うため別れた。
別れ際も「僕は奈須野くんと一緒に登校するんだ!」と謎の宣言をしていた。教室に移動して俺は自分の席である、窓側の一番後ろに行く。俺がクラスに入ると同時にうるさかった部屋が一瞬で静かになる。
そして俺が席に座ると、遠慮しながらもクラスメイトはまた話し始める。
SHRが始まるまで暇なので外の景色でも眺めることにした。外では部活の朝練を行っているようで走っている。それを見ているとクラスの女子たちの会話が耳に入って来る。
「梅崎くん、今日もカッコよかったよね」
「うん!朝から拝めたし、今日はもう十分!」
「でも、宮本くんもカッコいいよね!梅崎くんと宮本くんの二大美男が居てくれて本当に良かったわ」
「それだけでもこの学校に入学した意味があるよね~」
女子の話がひと段落したかと思えば、今度は大きな声でクラスの男子連中が話し始めたので嫌でも耳に届いてしまう。
「串宮さんってまじで可愛いよな。天使…いや、神みたいな…」
「それ分かるわ。なんだろう後光が指している感じがするんだよな」
「俺は阿久根さん派かな。あの綺麗な赤髪の美少女からとんでくる罵倒がとってもいいんだよな」
「なんかMに目覚めそうだもん」
「え~僕は星野さんかな。あの丸眼鏡も小動物みたいにあたふたしているところもすっごく可愛いし、守ってあげたいと思うんだよ」
「あ、それも分かるなぁ~」
男子も女子もやっぱり話の的は彼らのようだ。この高校に通って彼らを知らないことは絶対にあり得ない。
俺は彼らと仲良くない。
小学校時代は今じゃ考えられないが、俺を含めて六人は仲が良かった。本当に今考えればこんな個性の集団が仲良かったのが信じられないくらいに。今でも俺を除いた五人は仲が良く、食事などもよく一緒にしているらしい。
俺は関わらないし、昼食は屋上で和藤と食事をしていた。
最初は一人だったのだが、和藤に見つけられてしまったのだ。それからはいくら拒否を示しても和藤は来てしまうので諦めた。
もうあいつらと2年ぐらいは話していないか。話す必要もないし、これは俺が望んだこと。その選択に後悔もない。
だが、本当になんで仲が良かったのか不思議な六人組だったよな。そんなことを思いながら俺は朝練で走っている奴のことを眺めていた。
10
あなたにおすすめの小説
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?
さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。
しかしあっさりと玉砕。
クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。
しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。
そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが……
病み上がりなんで、こんなのです。
プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
サンスクミ〜学園のアイドルと偶然同じバイト先になったら俺を3度も振った美少女までついてきた〜
野谷 海
恋愛
「俺、やっぱり君が好きだ! 付き合って欲しい!」
「ごめんね青嶋くん……やっぱり青嶋くんとは付き合えない……」
この3度目の告白にも敗れ、青嶋将は大好きな小浦舞への想いを胸の内へとしまい込んで前に進む。
半年ほど経ち、彼らは何の因果か同じクラスになっていた。
別のクラスでも仲の良かった去年とは違い、距離が近くなったにも関わらず2人が会話をする事はない。
そんな折、将がアルバイトする焼鳥屋に入ってきた新人が同じ学校の同級生で、さらには舞の親友だった。
学校とアルバイト先を巻き込んでもつれる彼らの奇妙な三角関係ははたしてーー
⭐︎第3部より毎週月・木・土曜日の朝7時に最新話を投稿します。
⭐︎もしも気に入って頂けたら、ぜひブックマークやいいね、コメントなど頂けるととても励みになります。
※表紙絵、挿絵はAI作成です。
※この作品はフィクションであり、作中に登場する人物、団体等は全て架空です。
陰キャ幼馴染に振られた負けヒロインは俺がいる限り絶対に勝つ!
みずがめ
恋愛
★講談社ラノベ文庫新人賞佳作を受賞しました!
杉藤千夏はツンデレ少女である。
そんな彼女は誤解から好意を抱いていた幼馴染に軽蔑されてしまう。その場面を偶然目撃した佐野将隆は絶好のチャンスだと立ち上がった。
千夏に好意を寄せていた将隆だったが、彼女には生まれた頃から幼馴染の男子がいた。半ば諦めていたのに突然転がり込んできた好機。それを逃すことなく、将隆は千夏の弱った心に容赦なくつけ込んでいくのであった。
徐々に解されていく千夏の心。いつしか彼女は将隆なしではいられなくなっていく…。口うるさいツンデレ女子が優しい美少女幼馴染だと気づいても、今さらもう遅い!
※他サイトにも投稿しています。
※表紙絵イラストはおしつじさん、ロゴはあっきコタロウさんに作っていただきました。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。
久野真一
青春
羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。
そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。
彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―
「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。
幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、
ある意味ラブレターのような代物で―
彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。
全三話構成です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる