神様のミスで死んでしまった少女、お詫びに異世界転生しました!

鏡矢 蓮

文字の大きさ
16 / 30
第一章 腐樹の森と呼ばれた地

第十話 勝てぬ試合

しおりを挟む
 薙ぎ払ったはずだった…。しかし、アストさんの刀は首スレスレで止まっており、そして、私が刀を抜いてその刀を止めていた。
「なっ!何をやっている!クレア、邪魔をするな!」
 アストさんが私に怒鳴る。でも私は…私は…!
「邪魔する…「邪魔するから止めてるんですよ。まだ分からないですか?」……っ!?」
 私はアストさんの言葉を遮って、そう言った。続けて…。
「君さ。なんで殺されることを了承してるの?」
 私は男の子にそう聞いた。男の子は…。
「そ、それは僕が「僕がいたら、ユュさんは目覚めない。だから殺されることを飲むの?」……なっ…」
 再度、私は言葉を遮って、言った。
「君さ。言ったよね。謝りたいって……ねぇ、なのになんで死のうとするの?君が死んでユュさんが喜ぶ?……絶対に喜ばない!…悲しむと思うよ。だって、初対面の君にあんなに優しくしたんだよ…?しかも、長い間一緒にいたんでしょ?君は生きて、生きなきゃいけないんだ。謝るんでしょ?なら生きないと駄目じゃん。……死のうとすんな馬鹿!」
 私は刀をアストさんに向けて。
「アストさん、勝負してください。私が勝ったら、この子を私の自由に出来る…でいいですよね」
 アストさんは驚いたような顔をした。でも、関係ない。
「……いいぜ。だが、この世界の危機だ。こっちも本気でやらせてもらうぜ」
 アストさんが刀を構える。アストさん…いや、アストロが私を見て…睨む。すごい気迫だった。これが…アストロの本気…。
「……ふぅ…行きます!」
 私は発言と同時にアストロに斬りかかる。アストロは私の刀を受けながら、私を斬りつけようと、返してくる。私は攻撃を避けながら攻撃する。
「《烈風》!」
 アストロがそう叫んだ。その瞬間、お腹に強い痛みが走った。
「あぐ…ぁ!?」
 私は恐る恐る、お腹を見る…。……服が切られていた。お腹が見えている。……刀身切られたわけじゃ…ない?
「次は本気で斬る!」
 アストロがそう言った……。
「まだまだ!」
 私は強く地面を踏みしめる、次は本当に切られるかもしれないそんな恐怖心が心の中で思ったが…でも…そんなんで…止まれるかぁ!
「はぁ!」
 私は刀を振るう。一撃、二撃、三撃と繰り返して攻撃する。その攻撃は全て受け流されているが…。でも…まだまだ本気じゃない。
「そんなんで俺に…勝てると思うなよ!」
 アストロが刀を振るってくる。私は、自然な動きでその刀を受け流し…そして、切りつけた。しかし、その攻撃はアストロの頬に掠っただけだった。
「なっ……本気なんだな…。良いぜ……《業風》……行くぞ…」
 その瞬間、私の目の前からアストロが姿を消した。…そして気づいた時には、後ろに…回られていた。…私は咄嗟に腰に刺さっていた鞘で刀を受け止めた。そして、アストロに向かって、刀を振った。しかし、既にそこにアストロはいなかった。
「はぁ…はぁ…なに、今の…」
 マズイね…。あんなの何度も防げるわけじゃない。……いや、集中すれば…。
「はぁ、はぁ、すぅー…」
 私は神経を集中させる。そして…後ろから何かが風を切ってこっちに近づいてきていた。
「はぁ!」
 私は次は刀で受け流し、再度切りつけた。
「なっ!…危ないな。驚いた、まさか《業風》にすらついてくるなんてな」
 アストロの動きが止まった。……私は地面を強く蹴り…アストロの前に移動し、再度刀を振るった。アストロは刀でなんとか防いだ。そんな感じがした。アストロは驚いたような顔をしていた。
「は、早い…」
 そんなアリスさんの声が聞こえたような気がした。私はバックステップですこし下がり再度斬りかかった。しかし、その刀を受け止められる。
「くっ、なかなかやるじゃないか」
「それはどうも…でも…そんな悠長にしてて良いんですか…っと!」
 私は体を捻り、蹴りを入れた。
「ぐっ!?……蹴りか…」
 アストロはすこし、後ろに下がった…私は喋っている隙を狙い、接近、斬りつけた。そして、受け止められてしまった。
「……おいおい、話してる最中はズルいんじゃないの?」
 私は再度、体捻り蹴ろうとしたが、突如として、足に強い…斬りつけられた痛みを感じた。
 な…なんで…なんで!?いつ、斬られた?いつ斬られた!?
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 私の悲痛の叫びが森に響く。アストロはそんな私を見て…
「これで終わりだ」
 そう言って、私に背中を向けた。
 ……舐められてる…私が…私がこんな程度のダメージで…止まるなんて…ない!
 私はアストロに近づき斬りつけた。しかし、受け止められ…。
「やっぱりな。お前はしっかりと倒さないと諦めないよな」
 その瞬間、胸に何かが、刺さる…そんな感覚に陥った。いや、違う、刺されたんだ…。
「……あが……くっ…まだ…ま…だ…」
「クレアちゃん!アストロ、やりすぎ……」
 アリスさんの声が聞こえてくる…。でも…全然…聞こえ……ない…や……。
 私の視界が完全にフェードアウトした…と同時に声が聞こえた…。
『はぁ…馬鹿だね。まったく、これが本当の戦いだよ。覚えれないだろうけど…教えてあげるよ』
 そんな…声が…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

処理中です...