神様のミスで死んでしまった少女、お詫びに異世界転生しました!

鏡矢 蓮

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第二章

第五話 一瞬

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 今、私はある場所の前にいる。その場所から二人の魔力を感じる。後ろにはリナさんの気配を感じる。いつでも殴り込めるわけだ。
 私がリナさんに頼んだこと。それは…敵が多かった場合のその主犯格以外の相手をしてもらうことである。
「……あれぇ…?この魔力、どっかで…」
 リナさんがそんな事を呟いていたけど、まぁ、関係ない。勝てればそれでいいし、あの子達に悲しい顔させたから、あの方とやらは死ぬよりもつらい苦しみを与えてやろうと思ってる。
「行くよ。リナさん!」
『りょーかい。支援は任せといて、あと特定してあげたんだから、感謝は後でね。その髪触らせてもらうね』
「はーい!」
 リナさんは念話で支援してくれるらしい。ありがたいなぁ…。ここの場所って腐樹…じゃなかった聖華の森と里の間のところに変なのが建ってたし、まぁ、魔力辿らなくても、分かったんじゃないかなと、思ってきてる。
「……何あれ、人…じゃない?翼と尻尾あるね」
 私達は中に入った瞬間、建物の天井付近にあった柱に掴まった。そして、そこから見上げてると、翼と尻尾が生えている人達が、歩いてきていた。
『うげっ、竜人族じゃん。無駄に硬いし、攻撃も重いから厄介でしかない』
 あぁ、そう言われると納得できた。一瞬、トカゲ人間かと思ったし。
『クレア、もしかしてあれ一瞬トカゲ人間とか思った?』
「……ふぇ!?…おっ、思ってないよ!?」
『思ったんだ。…嘘つけないのかな?』
「…まぁ…はい、そうですね」
 リナさんの意地悪。
『あっ、そうそう。クレアの「ふぇ!?」で彼ら気づいたよ』
 ………あっ、これやらかしたやつか。えっと…。
「もうどうにでもなれー!」
『それクレアが言うセリフかなぁ…』
 私は降りて、竜人族の…あれ?何人いるの、これ。えっと…ひぃ、ふぅ、みぃ…あっ、10名ですね。
「えっと…これは…」
「何者だ!貴様、さては姫様を連れ去った妖狐族の仲間だな!」
 ……はい?どういうこと?……えっとこれはもしや、黒幕違う系のやつ…?
「それならば容赦はしない!死ね!」
「ちょ!」
 危ない、危ない。考えに耽っていたら、切られるところだった。
『じゃ、私がそいつらの気を惹くから、よろしく』
「リナさん、あと多分この人達、黒幕じゃないです。と言うか黒幕は妖狐族の中にいるっぽいです」
『そっ、それじゃ、頼んだよー』
 リナさんを囮に私は先に進ませて…そういえば、いたね。君達…。
「覚悟しろぉ!」
「よいしょ、それじゃクレア、後でね」
「なっ!おい離せ!何をする!」
 私は静かに頷いて、先へと進む。…てか軽々と持ち上げられてて、なんか可哀想。「覚悟しろ!」って言ってたのに連れ去られていくのなんかシュールじゃないかな?
 そこには…畳。やっぱり、ここは和が豊富にあるね。
「……来たか」
 そこには水色の翼が生えている青年がいた。そして、周りには二人と二つの思わしき光。
「…なんかすごく雰囲気やばそうなんだけど」
「さぁな、しかし人間とは憐れな者だな。報酬でそっちについたか」
「はい?」
「えっ?」
 いやいや、知らないけど…そう言えばさっきの子が姫様を攫ったやつとか言ってた気がする。
「私が来た理由、そこの子達の為なんだけど」
「…えーと、それじゃあ俺達の邪魔はする気はないと」
「いや?その子達を悲しい顔させた貴方は許せない、どんな理由があろうともね」
「いいだろう。ならお前が勝ったら、この子は開放しよう」
 …なるほど、いいね。乗った。そう思い、私は鞘にしまってある刀に手をかける。彼は鞘から刀を抜き…構えた。
「俺の名前はスイゲン。スフィアドラゴンの竜人だ」
「私はクレア。貴方は真剣勝負はお好きで?」
「…あぁ…行くぞ!」
 その行くぞと言葉と同時に地を蹴る。
「……ふっ!」
 私は進みながら鞘から刀を引き抜く。相手は既に抜いている。だから…相手の刀を受け流すように…。
「はっ!」
 ……嘘…まさかの縦振りが来るとか思ってなかったんですけど?…いや、まぁ…。
 私は受け流す体制から、刀を振る。足に3回、切った。その後、バックステップで下がる。
「……《波衝斬》!」
「えっ!?…危なっ」
 衝撃波飛んできたんですけど!…便利だなぁ…。
「……よし、技を見せてくれたし…私も、魅せましょう。この…技でね!」
 私は刀を鞘に戻す。そして、刀を握る手を力を込める。
「そうはさせん!」
 スイゲンが近づいてきたが…。
「駄目だなぁ…容易に近づいたら…私の技の範囲内だよ」
 私は刀を引き抜く。…この技の名前は…。
「……《鞘薙さやなぎ》」
「…がふっ!?」
 …私は刀を鞘に仕舞い。スイゲンへと近づく。
「……参りました。どうぞ既に開放しましたよ。でも、頼みたいことが…」
「よーし!」
 私は二つの光のところへと行く。
「いや…あの…」
 私は二つの光に話しかけにいく。
「フォルセナ、フォルセティ。…私と契約してくれますか?…なんてね」
『本当に…来たんだ…』
『来てくれてありがとー。おかげで助かったよー』
 私は二人に手を差し出す。
『…うん。やろう、フォルセティ』
『うんー。いいよー。私達は貴女を信用…してもいいんだよねー?』
 そんなの答えは決まっている。
「勿論」
 二人は見合っているのだろう。そして、私の手に触れる。
「…すぅ…我、汝らと契約す、我が…ってこれ言う必要性を感じない。てか長い…」
『……でも、魔力消費は増えるよ?』
『それはそれで強くなれるからいいんだけどねー』
 よし、それなら…。
「【譲渡契約】」
『契約承認。契約のレベ…』
「【加護】」
 さて、これで良いはず…。…あぐっ!?…体…が、痛…い…?
『ねぇ!大丈夫!?』
『起きてください!…なんで【加護】なんかにしたんですか!?』
 なるほど…流石に二人同時に…は…無理…だったかぁ…。死ぬ…の…か…な…。
 ✽✽✽✽✽
『お願いだから起きてよぉ!』
 目の前でフォルセナがクレアさんの体を揺らす。…私も焦っている。…なんで、【加護】に…。
「おい!フォルセナ、フォルセティ!早く運ぶぞ!早めに対処すれば助かるかもしれん!そこを一旦どけ!」
 スイゲンがそう言って、近づいてくる。彼はクレアさんを背負うと、走る。私達もそれについて行く。
「ねぇ、人の妹を気安く触るの。やめてくれないかしら」
 そんな、言葉が聞こえてきた。私が後ろを向くと、そこには…白髪の少女がいた。
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