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プロローグ
1話 タイクツだ!
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剣と魔法の世界。妖精やドラゴン。現実離れしたものになぜか人は惹かれるものです。かく言う私もその中の一人。暇なときはそんな世界を頭の中に描いて冒険をしてきました。現実逃避と言われればそれまでですが、このタイクツな日々を抜け出して異なる世界に行きたいと思うのも不思議なことではないでしょう…
学ランに身を包んだ僕こと郷 夕樹はどこにでもいる高校2年生だ。長身で髪が男子にしては長く、茶色の眼鏡をしている。こう書くとイケメンだが、実際は痩せていてひょろ長いオタク風だ。地元の進学校に通っており、ただただ勉強漬けの毎日を送っていた。
「よう、お前にしては早い登校だな」
そう言って通学路を歩く僕に話しかけてきたのは去年同じクラスだった柏谷 拓親。彼は間違いなくイケメンだろう。短髪でいかにもスポーツやってますという感じだが、自分と同じ帰宅部である。
「宿題を学校に置いたまま帰っちゃってさ、ホームルームが始まる前に終わらせないといけないんだ。柏谷は?」
「図書委員」
そう言うと柏谷は僕にスマホの画面を見せつけてきた。ネットニュースの記事だ。
「これ知ってるか?」
「そりゃあ学校中この話題で持ちきりだからね」
それはここ数日の間に連続して起こった失踪事件の記事だった。あまりに行方不明者の手がかりや痕跡がないので神隠しだとかで盛り上がっている。
「夕暮れ時に青白い光が現れてさ、それを見た人はみんなどこかへ連れ去られて帰ってこれないんだってよ」
「じゃあ何でその光のことを知ってるのさ」
所詮噂なんてこんなものである。そんなことより直近の問題は宿題だ。よりにもよって嫌いな数学なのだ。
学校が見えてくるにつれ、憂鬱な気持ちが高まっていく。僕は勉強が嫌いだ。学校が学校なだけに親からの期待は高い。だがどうもそれに答えようという気は起きない。どうせならもうちょっとファンタジーな世界に生まれて魔法の勉強ならしてみたかったなー、なんて考えてみたり。
その一方、現実ではいつもと変わりない1日が始まるのであった。
つまらない授業を受け、体育で汗を流し(僕は運動が苦手だ)、気が付けば教室に西日が差し込んでいた。最近は時間が経つのを早く感じてしまう。まあ毎日同じ行動をしていたらそうなるのも頷ける。
「…ごっちゃんまだ学ランなんて着てるの?」
そうやって話しかけてきたのは同じクラスの谷崎 彩夏、通称あやさん。ポニーテールの小柄な子だ。夕暮れの教室に2人きり。なぜこんなことになっているかといえば宿題が間に合わなかったので補習を受けているからである。彼女も同様。
「明日から6月だからね。もうワイシャツでもいいな」
「あ、この問題教えて~」
「話は聞こうよ…」
他愛もない話をしながらプリントをこなしていると、何かを思い出したかのようにあやさんが話し始めた。
「ねえ、神隠しの事件知ってる?あれってこの近くで起こってるんだって!それでね…」
まーたそれか、勘弁して欲しいね。
でも。つまらない日常から抜け出せるのなら、神隠しに遭うのもまた面白いかもしれないな。
馬鹿なことを考えながらぱっぱと課題を終わらせると帰る支度を始めた。
誤解を招かないように言っておくと僕は頭が悪いわけではない。宿題を忘れてしまっただけなのだ。もう一度言っておこうか。僕は頭が悪いわけではない。多分。
「宿題を忘れている時点で頭が悪いのよさ」
「心を読むな」
リュックを背負いながら答える。
「え?ほんとに帰っちゃうの?まだ半分も終わってないんだけど!ここの問題教えてー!待ってー!」
そして翌日。昨日と同じような一日がまた始まる、と思ったのだが今回は少し違うようだ。
朝のホームルームで担任がとんでもないことを言い出した。
「みなさん落ち着いて聞いてください。隣のクラスの柏谷君が…昨日の夕方から行方不明です」
学ランに身を包んだ僕こと郷 夕樹はどこにでもいる高校2年生だ。長身で髪が男子にしては長く、茶色の眼鏡をしている。こう書くとイケメンだが、実際は痩せていてひょろ長いオタク風だ。地元の進学校に通っており、ただただ勉強漬けの毎日を送っていた。
「よう、お前にしては早い登校だな」
そう言って通学路を歩く僕に話しかけてきたのは去年同じクラスだった柏谷 拓親。彼は間違いなくイケメンだろう。短髪でいかにもスポーツやってますという感じだが、自分と同じ帰宅部である。
「宿題を学校に置いたまま帰っちゃってさ、ホームルームが始まる前に終わらせないといけないんだ。柏谷は?」
「図書委員」
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「じゃあ何でその光のことを知ってるのさ」
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学校が見えてくるにつれ、憂鬱な気持ちが高まっていく。僕は勉強が嫌いだ。学校が学校なだけに親からの期待は高い。だがどうもそれに答えようという気は起きない。どうせならもうちょっとファンタジーな世界に生まれて魔法の勉強ならしてみたかったなー、なんて考えてみたり。
その一方、現実ではいつもと変わりない1日が始まるのであった。
つまらない授業を受け、体育で汗を流し(僕は運動が苦手だ)、気が付けば教室に西日が差し込んでいた。最近は時間が経つのを早く感じてしまう。まあ毎日同じ行動をしていたらそうなるのも頷ける。
「…ごっちゃんまだ学ランなんて着てるの?」
そうやって話しかけてきたのは同じクラスの谷崎 彩夏、通称あやさん。ポニーテールの小柄な子だ。夕暮れの教室に2人きり。なぜこんなことになっているかといえば宿題が間に合わなかったので補習を受けているからである。彼女も同様。
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「あ、この問題教えて~」
「話は聞こうよ…」
他愛もない話をしながらプリントをこなしていると、何かを思い出したかのようにあやさんが話し始めた。
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まーたそれか、勘弁して欲しいね。
でも。つまらない日常から抜け出せるのなら、神隠しに遭うのもまた面白いかもしれないな。
馬鹿なことを考えながらぱっぱと課題を終わらせると帰る支度を始めた。
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「宿題を忘れている時点で頭が悪いのよさ」
「心を読むな」
リュックを背負いながら答える。
「え?ほんとに帰っちゃうの?まだ半分も終わってないんだけど!ここの問題教えてー!待ってー!」
そして翌日。昨日と同じような一日がまた始まる、と思ったのだが今回は少し違うようだ。
朝のホームルームで担任がとんでもないことを言い出した。
「みなさん落ち着いて聞いてください。隣のクラスの柏谷君が…昨日の夕方から行方不明です」
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