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仲間をさがして
22話 初めてのクエスト
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「ほらここ見るのよさ」
読んでくれ。
「街の側の草原に湧くスライムを倒してほしいって書いてあるのよさ。倒した数で貰えるお金も変わるみたいよ」
とはいってもね…。しばらくは剣を持つのも勘弁って感じなのだけれど。
「剣がダメなら杖で行けばいいのよさ!」
僕の目を見ながらあやさんは言い放つ。
「ごっちゃんがこの前から魔物と戦えなくなっちゃったの気付いてなかった訳じゃないのよさ。でも私たちはすぐにでももとの世界に帰らなきゃ行けない」
…。
「だから冒険者になろうってあの3人に言ったのは誰なのよさ?そんなんじゃいつまでたってもここに取り残されるのよさ」
冒険者になろうと言ったのは崇一郎なんだよなぁ。…なんて言うのも野暮だよね。最後に決めたのは僕だし。
「スライム相手なんてどうあがいても怪我することないから大丈夫!とにかく今日はこのクエストを受けるのよさ」
まあ、やれるだけやってみるかね。あれだけ余裕そうにしてるんだし、なんとかなるだろう。
スライムといえばRPGでお馴染みの最初の方に出てくる敵キャラだ。
一番弱いというのはこの世界でも変わらないらしい。今、目の前で小さいのがぴょんぴょんと跳び跳ねている。
ここは街の入口付近の草原だ。僕は杖でおっかなびっくり戦っているが、スライムは跳び跳ねるだけで本当になにもしてこない。小突くだけですっ転んでしまう。
「なんでこんな人畜無害なやつらを倒すんだ?」
「そりゃあ邪魔だからなのよさ。これは人間が作り出した魔力の固まり。生き物でもないしバァーッとやっちゃうのよさ!」
うーん、それでもなんかかわいそうだと思うのは僕だけかな?色は個体によりけり。大きさは大体50cmくらいでかわいいぞ。
そんなことを言ってる間にも辺り一帯を焼き払い、スライムを蹂躙していくあやさん。一番使いやすいだけあって炎系統の魔法を扱う人は多いんだな。
目の前に緑色のスライムがやってきた。持ち上げて抱えてみると、ひんやりしている。これは夏にもってこいだなぁ。めっちゃ暴れるけど。
「何やってるのよさ~!まだ全然倒してないでしょ?」
あやさんにそう言われるが…やっぱり僕に戦いは無理だ。何かを傷付けるっていうのが駄目になってるわ。
結局あやさんが50匹くらい倒した。魔石は倒した人のものだが、討伐の証拠にするために一度ギルドに持っていかねばならない。
魔石は僕のリュックに全て詰め込んだ。こっちにやってきたときから背負っているこのリュックは、学ランと共にずっとお世話になっている。
「動いたらお腹がすいてきたのよさ」
そう言いながら漫画のようにお腹をならすあやさん。朝からひたすらスライムを狩り続けて、今はちょうどお昼時だ。
「街に戻ってお昼食べようか。ギルドに行くのはその後で良いね」
僕の提案にあやさんは頷く。
それではいざ帰ろうと街の入口の門に目をやると…
「ん…?あいつらは…」
昨日言い掛かりをつけてきた男たちがこちらをじっと見ていた。
だが少し様子がおかしい。
全員が怪我をしているのだ。
読んでくれ。
「街の側の草原に湧くスライムを倒してほしいって書いてあるのよさ。倒した数で貰えるお金も変わるみたいよ」
とはいってもね…。しばらくは剣を持つのも勘弁って感じなのだけれど。
「剣がダメなら杖で行けばいいのよさ!」
僕の目を見ながらあやさんは言い放つ。
「ごっちゃんがこの前から魔物と戦えなくなっちゃったの気付いてなかった訳じゃないのよさ。でも私たちはすぐにでももとの世界に帰らなきゃ行けない」
…。
「だから冒険者になろうってあの3人に言ったのは誰なのよさ?そんなんじゃいつまでたってもここに取り残されるのよさ」
冒険者になろうと言ったのは崇一郎なんだよなぁ。…なんて言うのも野暮だよね。最後に決めたのは僕だし。
「スライム相手なんてどうあがいても怪我することないから大丈夫!とにかく今日はこのクエストを受けるのよさ」
まあ、やれるだけやってみるかね。あれだけ余裕そうにしてるんだし、なんとかなるだろう。
スライムといえばRPGでお馴染みの最初の方に出てくる敵キャラだ。
一番弱いというのはこの世界でも変わらないらしい。今、目の前で小さいのがぴょんぴょんと跳び跳ねている。
ここは街の入口付近の草原だ。僕は杖でおっかなびっくり戦っているが、スライムは跳び跳ねるだけで本当になにもしてこない。小突くだけですっ転んでしまう。
「なんでこんな人畜無害なやつらを倒すんだ?」
「そりゃあ邪魔だからなのよさ。これは人間が作り出した魔力の固まり。生き物でもないしバァーッとやっちゃうのよさ!」
うーん、それでもなんかかわいそうだと思うのは僕だけかな?色は個体によりけり。大きさは大体50cmくらいでかわいいぞ。
そんなことを言ってる間にも辺り一帯を焼き払い、スライムを蹂躙していくあやさん。一番使いやすいだけあって炎系統の魔法を扱う人は多いんだな。
目の前に緑色のスライムがやってきた。持ち上げて抱えてみると、ひんやりしている。これは夏にもってこいだなぁ。めっちゃ暴れるけど。
「何やってるのよさ~!まだ全然倒してないでしょ?」
あやさんにそう言われるが…やっぱり僕に戦いは無理だ。何かを傷付けるっていうのが駄目になってるわ。
結局あやさんが50匹くらい倒した。魔石は倒した人のものだが、討伐の証拠にするために一度ギルドに持っていかねばならない。
魔石は僕のリュックに全て詰め込んだ。こっちにやってきたときから背負っているこのリュックは、学ランと共にずっとお世話になっている。
「動いたらお腹がすいてきたのよさ」
そう言いながら漫画のようにお腹をならすあやさん。朝からひたすらスライムを狩り続けて、今はちょうどお昼時だ。
「街に戻ってお昼食べようか。ギルドに行くのはその後で良いね」
僕の提案にあやさんは頷く。
それではいざ帰ろうと街の入口の門に目をやると…
「ん…?あいつらは…」
昨日言い掛かりをつけてきた男たちがこちらをじっと見ていた。
だが少し様子がおかしい。
全員が怪我をしているのだ。
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