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敵をぶっ倒そう
ダッヂリング
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「お前、剣術は本当に習ってんだろうなぁ? 下手糞」
リザードは怒りを露わにしている剣を軽々しく受け止め、そして侮辱の一言。
はじき、はじかれが繰り返されているのを見れば下手なのは一目瞭然だ。
「っるせぇ!」
と、思いっきり剣をはじいた。
振り子のようにプランと宙へ飛び出したリザードの剣を見て勝機を踏んだのか、ルイはニヤリと口元に笑みを浮かべた。
「すきありっ!」
今度こそ、と強く右足を踏み込む。
「甘ぇな」
革のブーツが、ルイの脇腹で白く光る。
次の瞬間、ルイが横蹴りにされて1mもの距離を吹っ飛ばされる。
「うぐヌっ!」
重低音と共に、身体が絨毯への激突音が一室に響く。
ルイを取り押さえようと傭兵が走りだすが、
「待て」
のリザードの一言で足をピタリと止めた。
「手を出すな……。男同士の戦いだと言っただろう、不要だ」
神妙な声色が各自の身体の中を張りつめた。
何処がゾクリとするような、怖いものが神経を支配する。
「うう……」
「ルイ! 無茶するんじゃないっ」
「だって……」
リザードは首をかしげていた。
さっき、ブーツ越しに伝わったあの感触を思い出すように記憶を辿って行く。
「……気のせいか」
だって、前にいるのは姫を助けに来たヒーローじゃないか。
リザードの色白の肌が艶っぽく光った。
一歩ずつルイの元に歩み寄って行く。
「或る日、有る時、在る場所の話をしよう。
一国を治める姫と、隣国を治める王子がいました。
姫は誕生日パーティに盗賊によって浚われました。
姫が大好きでたまらない王子は追いかけましが、
あるアクシデントにより姫は盗賊団の頭にゾッコンになってしまいました」
ルイはぐぬっと喉を勢いよく鳴らし、また立ち向かっていった。
お互いの刃を重ねているうちに、それぞれ「余裕」と「屈辱」の色が濃くなっていく。
汗の量が全然違った。
「ルイ、辞めろ! 頼むから辞めてくれっ」
深く懇願するアントワネットの声は、更にルイの闘志の原動力になった。
ルイの首筋にあえかな傷がつく。
「挑発にのるな、私はリザードが大っ嫌いだ!」
「うおおおおっ……!!」
「逆にしとめるぜ、子供」
リザードは怒りを露わにしている剣を軽々しく受け止め、そして侮辱の一言。
はじき、はじかれが繰り返されているのを見れば下手なのは一目瞭然だ。
「っるせぇ!」
と、思いっきり剣をはじいた。
振り子のようにプランと宙へ飛び出したリザードの剣を見て勝機を踏んだのか、ルイはニヤリと口元に笑みを浮かべた。
「すきありっ!」
今度こそ、と強く右足を踏み込む。
「甘ぇな」
革のブーツが、ルイの脇腹で白く光る。
次の瞬間、ルイが横蹴りにされて1mもの距離を吹っ飛ばされる。
「うぐヌっ!」
重低音と共に、身体が絨毯への激突音が一室に響く。
ルイを取り押さえようと傭兵が走りだすが、
「待て」
のリザードの一言で足をピタリと止めた。
「手を出すな……。男同士の戦いだと言っただろう、不要だ」
神妙な声色が各自の身体の中を張りつめた。
何処がゾクリとするような、怖いものが神経を支配する。
「うう……」
「ルイ! 無茶するんじゃないっ」
「だって……」
リザードは首をかしげていた。
さっき、ブーツ越しに伝わったあの感触を思い出すように記憶を辿って行く。
「……気のせいか」
だって、前にいるのは姫を助けに来たヒーローじゃないか。
リザードの色白の肌が艶っぽく光った。
一歩ずつルイの元に歩み寄って行く。
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一国を治める姫と、隣国を治める王子がいました。
姫は誕生日パーティに盗賊によって浚われました。
姫が大好きでたまらない王子は追いかけましが、
あるアクシデントにより姫は盗賊団の頭にゾッコンになってしまいました」
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お互いの刃を重ねているうちに、それぞれ「余裕」と「屈辱」の色が濃くなっていく。
汗の量が全然違った。
「ルイ、辞めろ! 頼むから辞めてくれっ」
深く懇願するアントワネットの声は、更にルイの闘志の原動力になった。
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「うおおおおっ……!!」
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