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6.その力
しおりを挟むジジイが杖を両手に掴み掲げる。
俺の視界が突然切り替わるさっきまでジジイの後方のちょっと上あたりで見下ろす形で視界を取っていたのに今は・・・どこ?ここ?ん?ジジイはどこに消えた?
目の前にはアメーバみたいなサンドゴーレム・・・あれ?なんか手の感覚がある気がする?足の地面を踏みしめている感覚もある?でもなんだか違和感が半端じゃないな、なにこれ気持ち悪い・・・自分の体なのに自分の体じゃない感じ。
この感じは知っているな。
たしか昔、寝る前に寝転がりながら漫画を読んでいてそのままうっかり寝てしまい右腕がいい感じで寝転がってたベット(折り畳み式)の枕元によくある何のためについているのかよくわからない頭の上にある鉄パイプに動脈を止める形で夜を明かしてしまい朝起きて自分の腕が自分の意志で動かなかったときに近いかもしれない。
あの時は以外にも数分(体感時間)で腕に血が通うことで元の暖かい腕に戻って一安心したのだが、今回は違うようだ。
というか状況も原因もいまいちわかんないため絶賛パニック中である。
そんな時、口が勝手に言葉を放つ
『まずは切れ味からじゃな、といってもこ奴では大した検証にもなるまいて』
と
・・・最悪だ、最悪な気分だ。
俺の予想が当たっていたら・・・いや、これが正解だろう・・・
ふいに視線が左手に向かう。
予想道理に先ほどまで杖だった物が、漆黒の剣が握られていた・・・
さっきジジイにとりついちゃった?とか冗談で言ったせいではないとは思うがさっきの自分が憎い!・・・そこまででもないか。
でも自分の体が違和感半端ない状態で勝手に動くとか心臓に悪いな・・・今はないみたいだけど・・・いや?ジジイの心臓も共有中かな?
うわっ気色悪いこと考えちゃったな、最悪だ。
とかなんとか考えてるうちにジジイがサンドゴーレム(アメーバ)をたたっ切る、ローブの隙間からちらりと見えた二の腕がビキビキの・・・なんて~のガテン系かな?ってくらいのムキムキだった。
えっ?なんで見えたって?俺だって見たくないよそりゃ、でもジジイが振った剣を片手に持ち替えて何故か掲げてるんだもん、んで刀身をガン見してるんだもん、広辺視野に勝手に入っちゃったんだもん、しょうがないじゃん。
この事実によって一つ言えることがある。
さっき爺さんとケンカにならなくてよかったー!
いや、あんなん無理だろだって剣振った時だって全然剣先ぶれなかったよ?
今だから言うけど外見で俺が見れたのは口元と立派な白鬚だけだよ?
あと、杖ついてたから爺さんだと思ってたんだよ!
いや、まぁ爺さんなのは当たってるみたいだけどさ・・・
『ふむ、やはりこ奴では切れ味は分からんのう・・・』
いや、断面図めっちゃきれいよ?
『まぁよいか、本命はこちらじゃしな』
と そのままサンドゴーレム(きれいな断面のできたアメーバ)の体積が大きい方に剣先を軽く沈ませる。
『さて、うまくいけば完璧なんじゃがな・・・では”喰らえファルシオンよ”』
その言葉とともに刀身が縦にひび割れのような模様が走り”何か”を吸収し始めた・・・見た感じそんな気がした。
後、なんか俺自身に冷たい何かが流れ込んできた。
そしてサンドゴーレムはただの土塊に・・・ならなかった。
というか消えた。
なんか全部消えちゃった感じ?喰らえって言ってたよね?砂食べちゃったの?最悪だ、俺が食ったわけじゃないけど、食べたの剣だけど。
『ほう、マナだけを喰らう予定であったが跡形も残さず喰らうとはとんだ悪食のようじゃな、よほど飢えてたのじゃな。』
まぁよく考えたら俺もこの剣に全部吸収されたしなとんだ悪食だなこの剣。
『ではどんどん行くかの』
この言葉を合図にジジイは嬉々として剣を振るい突きそしてゴーレムたちを喰らっていった。
いや喰ったのは剣だけどね・・・
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