一振りの刃となって

なんてこった

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37.絶望の中の・・・(side of girl)

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 薄暗い森の中、多数の人影が自らの拠点に今日の戦利品となるモノを運びこむために進んでいた。
 その戦利品は狩りで仕留めた大物レッドディア-と呼ばれている鹿だったりケイブスネークと呼ばれているこの森にしかいない固有種の小柄なヘビであったり、つい先ほど捕らえた二人の裸にされた少女たちであったりする。
 その片方の少女は灰色と黒の縞模様の短く切り揃えた髪に人の耳のある部分は人より大きな耳やはり灰色と黒のストライプが入っている、身長は低めで体型は女性特有のふくらみがちゃんとありビースト特有のしなやかな体つきをしているといえる、顔や体にはよほど抵抗したのか殴られた跡があちこちに残っておりその意識はなく現在は気絶しているようだ。
 そしてもう一人の少女は顔を蒼白にして必死に気絶してしまったビーストの女の子に呼びかけている、彼女はどうやらヒューマンで長い髪は金髪で眼は緑身長はこちらも低めではあるがビーストの彼女よりは高いようだ体格は華奢で筋肉といえるものは見えないが肉付きはいいようで出るところは出て締めるところは締まりつきでるところが突き出ていながらキュッとしまっている、そうボンキュッボンであるしかも顔の作りはかわいい部類のため属性はロリになりそうだがボンキュッボンである。
「ニナ!ニナ大丈夫!ニナ!」
 どうしてこんな事になってしまったんだろう、私たちが何をしたというのだろう何をすればこんな不条理が自分たちに降り注ぐというのだろう、答えのでない出したくもない問答を自分の中で繰り返す・・・

「そろそろ村の外に出るようにゃ仕事をしようよー」
「え~ニナちゃんまだ私たちには危ないよ~」
「いや、そうでもないと思うわよライカ、私たちも冒険者としての仕事をそれなりにこなしてきたしそろそろ毛色の違う仕事をしてもいいと思うわ」
「そうそうサラの言うとおりだよ!ライカちゃんは強いのにビビりすぎだよ!」
 ライカと呼ばれた少女はこの大陸であっても珍しいデモン種にあたる「ブレードドック」の上位種である「ブレードウルフ」の身体的特徴のある剣狼族といわれる種族でその身体能力は見た目はほとんど似ているビーストの狼人族を軽く超えてしまうほど優秀でこのライカ嬢もまだ少女ではあるがその実力はなかなかに高い。
 ちなみにライカは青みかかった髪で碧眼長めの髪は後ろにくくっている、そして3人ともかわいいと言える美人のため町の冒険者たちからも人気が高かったりする。
 そんな彼女体は先日冒険者となりそれなりの数の依頼をこなしてきているのもあってそろそろ自分たちの受ける仕事の範囲を広げたいと話し合っているところだった。
「ショーンさん!にゃんか安全でスリリングな依頼ってある?」
 訳の分からない質問をしてショーンと呼ばれたギルドの受付を困らせるニナ、
「ニナ、ショーンさんがかわいそうよ・・・ショーンさん町の外に出るけど比較的安全な依頼ってあるかしら?」
と サラから助け船が来る、
「ああ、それでしたらこちらの薬草採取の依頼なんかはどうですか?森の奥まで行かなければ比較的に安全ですし」
「よし!それにゃる!すぐにゃる!レッツゴー!」
「え~ニナちゃん少しくらい相談してよ~」
「ライカ・・・諦めましょう、こうなったら止めるのはこんなんだわ」
と ライカとサラは溜息を吐いてこの依頼をすることに決める。

 ケイブ森林に着きさっそく薬草探しに入る3人、
「にゃんで3人とも別々で依頼を受注したの?30本も探すのめんどくさいにゃー!」
「だから何回も言ってるでしょ!この依頼は一つのパーティで30本持っていくより3人で30本持っていく方が実入りがいいのよ!」
「あ~み~つっけた~ラッキー!」
 ニナとサラがキャーキャー言ってる間にライカが早速薬草を見つける、
「ニヒヒ、これであたしが薬草チャンピオンね~」
「薬草チャンピオン!」
「クイーンじゃないならいらないわねそんな称号」
「クイーンにゃらいるの!」
 ボケ役と思われたニナが突っ込みに回る奇跡が生まれる中、彼女たちは徐々にそして気づかないうちにその足を森の奥へと運んで行ってしまっていた・・・

「ねえ?ちょっと奥まできすぎたんじゃないかしら?」
と サラが気づいたことを率直に意見する
「そうだにゃよね、ちょっと夢中ににゃり過ぎちゃったかにゃ?結構薬草も集まったしそろそろ戻って昼ご飯を食べに行こう!」
 ニナも深く入りすぎたと感じそろそろ戻ろうと提案する
「ちょっと嫌な予感がするから早くかえろ~」
 ライカも賛成のようだ、だがその話し合いが始まるのがその提案が出るのが少し遅かった。
 場の空気が一瞬変わり何かが大声をあげて迫ってて来ていた。
「ゴブ---!」×たくさん
「な!何!」
 サラが突然のことに狼狽える、そんなサラの元に複数のゴブリンが押し寄せてくる、
「ゴブ---!」×たくさん
「な!まさかゴブリン!しまった囲まれてっキャー--!」
 狼狽えて反応が遅れたサラにゴブリンが押し寄せて取り押さえようとする、
「離しなさい汚らわしい!」
 抵抗するも数が多く身動きが取れなくなる、そんな彼女を救い出そうとニナとライカがゴブリンたちに攻撃を仕掛ける、
「サラから離れろ!」
「サラちゃんを離しなさーい!」
「ゴブ---!」×たくさん
「えっ?にゃーーー」
「キャー--」
「ゴブ---!」×たくさん
 助け出そうとした二人もゴブリンの群れにのまれていく
「にゃー!離せ変態ども!服を脱がすにゃ---!」
「キャーー!やめて離して触らないでーー!」
 物量の差でサラと同じように押さえつけられるニナとライカ、
「いやっ!何する気なのよ服に触るなちょっとやめなさい!」
「触るにゃー!離せ---!こうにゃったら!がるるる!があああああ!」
 ニナが唸り声をあげながらゴブリンの首に噛みつき食いちぎる!
「どうだ!ギャッ!」
 突然ニナの方から今までと違う悲鳴が聞こえその悲鳴とともに誰かが殴られている音も聞こえて来る、
「ニナちゃん!どうしたの!返事して!」
 先ほどまで聞こえていた勇敢な友の抵抗の声が聞こえなくなり取り乱したライカだったが、
「いいかげんに離して!」
 怒りで頭が沸騰し額に生えていた剣狼族の証である角で目の前のゴブリンの目を刺し他に体を抑えているゴブリンも角で切り払っていく、奇しくも服を脱がそうと数匹のゴブリンが手を放した瞬間の出来事だった為うまくいったのだが、
「ニナちゃん!」
「ライカ!自由になったなら逃げなさい!急いで逃げて助けを呼んで!この森には薬草探しできている冒険者がまだいるはずだから!」
 ゴブリンを角と爪を駆使して躱していたライカにサラの声が届く、それは友を大事にしていたライカにとってひどく残酷な言葉でもあった・・・しかし、
「わかった!すぐに誰かを連れてくる!誰もいなかったらすぐにギルドに救助を依頼するから絶対にあきらめないで待ってて!」
と ライカは走り出していったゴブリンに埋もれていたために姿は見えなかったが行ってくれたことに安堵しながらサラは自分にこれから起こることに恐怖を感じていた。

 そのあと服や持ち物をはぎ取られて捨てられた後、手足を縛られて運ばれる二人、いまだに意識の戻らないニナを心配して声をかけ続けるサラ。
 そしてゴブリンの巣であろう洞窟の前に着き、ライカは無事に逃げられたのか自分とニナはこれから起こることに耐えられるのだろうかと不安で押し続されそうになり、視界に入る意識のないニナが少しうらやましいななどと諦めから余計なことまで考えてくる、そしてこみあげてくる言葉と涙、
「私がしっかりしてなくちゃいけなかったのに・・・ごめんね二人とも・・・」
 小声で出たそんな言葉が、
「間ぁにあったーーー!うお!こりゃあ眼ぷっと声に出ちった、っと、あんたがサラちゃんで寝てるのがニナちゃんだよね?」
という素っ頓狂な言葉にかき消された。
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