一振りの刃となって

なんてこった

文字の大きさ
71 / 130

68.宿にて

しおりを挟む


「ではサラさんたちは雪鱗さんを連れて冒険者ギルドに報告ですね?僕は兄さんの様子を見てきます」
 ニコルたち一行がシーフォートに着いた頃には日が傾き始めたくらいといったところだった。
「分かったわ、まぁ私たちは途中で何か食べて帰るからそっちはそっちで先に食事は済ましといていいわよ」
「はい、ではまた後で」

「でもニコル君ってあの歳で強すぎない?ほんとにヒューマンなの?」
 といった疑問を飛ばすのは雪鱗で飛んできた疑問をキャッチするのは、
「信じらんにゃいだろーけど、あれでちゃんとしたヒューマンにゃんだよね」
「そうだよね~最初私たちと~パーティ組んだばかりの頃は~私たちの方が強かったんですけどね~」
「この間の盗賊どもも結局ニコルがほとんど片付けたものね」
 といった言葉に、
「・・・ほんとにヒューマン?」
 雪鱗の疑問はさらに深まった。


「兄さん体の具合はどうですか?」
 ニコルは自分たちが借りた2階にある2人部屋で、腰に差した剣をベットで静かに寝ている兄の上に置く、数秒の間の後、
「ふぅ、長時間リンクが切れてると再度繋げるのに少し時間がかかるな」
 寝ていたレッドが目を突然見開きそう語りだす、
「体の方は概ね回復したみたいだな、まぁ元々60人分の血肉が詰め込まれてるんだから多少削れてても問題はなかっただろうしな」
「そうですか、では包帯などはもうはずしときましょうか?」
 治ったなら態々つけておく必要もないだろうと包帯を外しにかかるニコルを手で静止し、
「いや、ケイベルに戻るまでこの状態でいる・・・その方が楽しいことがありそうだし」
 不敵な笑みを浮かべるレッド、
「そうですか・・・ではそのままにしときますね」
 ニコルは内心碌なことにならないんじゃないかな?と思っているが口に出さずに飲み込んだ、少年は着実に大人に成長しているようだ。
「それじゃあ、なんか食べに降りるか?腹減ってるだろう」
「そうですねサラさんたちは外で食べてくるそうですし、買い物なんかも昨日のうちに大体僕のほうで終わらせてあるますし、明日の出発のために今日はもう食べて休ませてもらいましょう」
 とニコルと二人食事のために降りていく。
 食事が配られたころ何故かサラたちが帰ってきて、
「雪鱗があなたたちも一緒のほうがいいらしいからこっちで食べることになったわ」
 ということで結局全員で食事となる、
「師匠!右手がそんな状態では食べにくいかと思いまして不肖この雪鱗が右腕の代わりをさせていただきたく思います!」
 と元気よく隣に座りこむ雪鱗・・・何故か左側に、
「いや、別に俺は左手でも不自由なく食えるんだが」
「そうですか・・・」
 あからさまにテンションが下がる雪鱗、
「いいじゃないの食べさせてもらえば」
「かわいいこに、”あーん”してもらえるにゃんて~この幸せ者!」
 というセリフが落ち込みだした雪鱗を見たサラとニナから飛んでくる、二人とも笑顔で言っているのに目が笑ってない・・・気がする。
「それじゃ~私はニコル君に”あーん”してあげる~」
 何故かニコルの口に向かってテーブルに並べられていたウィンナーのような物を押し込みながら「はい、あーん」といっているライカ・・・口を開ける前にそれを言うもんなんだと思ってたのだが。
 意表を突かれたニコルが若干狼狽えるが、抵抗しても無理やり口に詰め込まれるため諦めて受け入れるようだ・・・まだ力はライカの方が強いのか。
「なるほどああすれば・・・」
 横に座る雪鱗から小さなつぶやきが聞こえるため先手を打つ、
「怪我人に力づくとかありえんからな!」
「ななななにをいいいってるですか!ウウウチがそそんな師匠に力づくなんて、力づくなんて・・・ふふふ」
 盛大にきょどった後になんか変なスイッチが入ってしまいそうな雰囲気がし背筋に冷たい汗が流れる。
「分かった!一口だけだからな!それで納得しとけよ」
 この一言に雪鱗の表情がパァッと明るくなった。
 まぁこんな宿屋の食堂で騒いでると余計な奴らが寄ってくるものなので、
「おーおー色男さんが女ぁ侍らせてうらやましーこったなぁ!俺らも混ぜてくれよ!」
 チンピラが湧きだした・・・
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─

石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」 貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。 「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」 かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。 ときどき舞い込んでくるトラブル。 慌ててミーナを探しているルカ。 果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。 甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。 *サイトより転載になります。

処理中です...