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68.宿にて
しおりを挟む「ではサラさんたちは雪鱗さんを連れて冒険者ギルドに報告ですね?僕は兄さんの様子を見てきます」
ニコルたち一行がシーフォートに着いた頃には日が傾き始めたくらいといったところだった。
「分かったわ、まぁ私たちは途中で何か食べて帰るからそっちはそっちで先に食事は済ましといていいわよ」
「はい、ではまた後で」
「でもニコル君ってあの歳で強すぎない?ほんとにヒューマンなの?」
といった疑問を飛ばすのは雪鱗で飛んできた疑問をキャッチするのは、
「信じらんにゃいだろーけど、あれでちゃんとしたヒューマンにゃんだよね」
「そうだよね~最初私たちと~パーティ組んだばかりの頃は~私たちの方が強かったんですけどね~」
「この間の盗賊どもも結局ニコルがほとんど片付けたものね」
といった言葉に、
「・・・ほんとにヒューマン?」
雪鱗の疑問はさらに深まった。
「兄さん体の具合はどうですか?」
ニコルは自分たちが借りた2階にある2人部屋で、腰に差した剣をベットで静かに寝ている兄の上に置く、数秒の間の後、
「ふぅ、長時間リンクが切れてると再度繋げるのに少し時間がかかるな」
寝ていたレッドが目を突然見開きそう語りだす、
「体の方は概ね回復したみたいだな、まぁ元々60人分の血肉が詰め込まれてるんだから多少削れてても問題はなかっただろうしな」
「そうですか、では包帯などはもうはずしときましょうか?」
治ったなら態々つけておく必要もないだろうと包帯を外しにかかるニコルを手で静止し、
「いや、ケイベルに戻るまでこの状態でいる・・・その方が楽しいことがありそうだし」
不敵な笑みを浮かべるレッド、
「そうですか・・・ではそのままにしときますね」
ニコルは内心碌なことにならないんじゃないかな?と思っているが口に出さずに飲み込んだ、少年は着実に大人に成長しているようだ。
「それじゃあ、なんか食べに降りるか?腹減ってるだろう」
「そうですねサラさんたちは外で食べてくるそうですし、買い物なんかも昨日のうちに大体僕のほうで終わらせてあるますし、明日の出発のために今日はもう食べて休ませてもらいましょう」
とニコルと二人食事のために降りていく。
食事が配られたころ何故かサラたちが帰ってきて、
「雪鱗があなたたちも一緒のほうがいいらしいからこっちで食べることになったわ」
ということで結局全員で食事となる、
「師匠!右手がそんな状態では食べにくいかと思いまして不肖この雪鱗が右腕の代わりをさせていただきたく思います!」
と元気よく隣に座りこむ雪鱗・・・何故か左側に、
「いや、別に俺は左手でも不自由なく食えるんだが」
「そうですか・・・」
あからさまにテンションが下がる雪鱗、
「いいじゃないの食べさせてもらえば」
「かわいいこに、”あーん”してもらえるにゃんて~この幸せ者!」
というセリフが落ち込みだした雪鱗を見たサラとニナから飛んでくる、二人とも笑顔で言っているのに目が笑ってない・・・気がする。
「それじゃ~私はニコル君に”あーん”してあげる~」
何故かニコルの口に向かってテーブルに並べられていたウィンナーのような物を押し込みながら「はい、あーん」といっているライカ・・・口を開ける前にそれを言うもんなんだと思ってたのだが。
意表を突かれたニコルが若干狼狽えるが、抵抗しても無理やり口に詰め込まれるため諦めて受け入れるようだ・・・まだ力はライカの方が強いのか。
「なるほどああすれば・・・」
横に座る雪鱗から小さなつぶやきが聞こえるため先手を打つ、
「怪我人に力づくとかありえんからな!」
「ななななにをいいいってるですか!ウウウチがそそんな師匠に力づくなんて、力づくなんて・・・ふふふ」
盛大にきょどった後になんか変なスイッチが入ってしまいそうな雰囲気がし背筋に冷たい汗が流れる。
「分かった!一口だけだからな!それで納得しとけよ」
この一言に雪鱗の表情がパァッと明るくなった。
まぁこんな宿屋の食堂で騒いでると余計な奴らが寄ってくるものなので、
「おーおー色男さんが女ぁ侍らせてうらやましーこったなぁ!俺らも混ぜてくれよ!」
チンピラが湧きだした・・・
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