80 / 130
77.二日酔い
しおりを挟む冒険者ギルドから出てカモメ亭に着いた俺に、
「いらっしゃーい、あっレッドさーん」
カモメ亭の看板娘のアイナが挨拶をしてくる、客が大勢いるのによく一人一人名前が憶えてられるな。
「やっアイナちゃん、ニコルたちはここに泊まった?昨日」
俺は何故か倒置法で質問した、
「はいっ泊まってますよ?レッドさんが来たらここカモメ亭に泊まっていますって伝言も頼まれてましたし」
「そうなのか、で、みんなは今日は外に出てないの?」
「昨日飲みすぎたらしくってサラさんとニコル君以外二日酔い中だそうです」
俺はその言葉に溜息を吐きつつ、
「はぁ・・・まぁいいか、んじゃあ俺も今日部屋に泊まるから追加の料金と忙しいのに時間取らせちゃったお詫びのチップ」
といって一泊分の料金とチップ用の銅貨を一枚取り出す、
「いえ、今の時間はピークも過ぎたのでそんなに忙しくないですからチップはいらないですよ?・・・というかチップって何ですか?」
おおぅ、この世界にはチップというものはないのか・・・俺もよくわかってないから無いならそれでいいんだけどね。
「そうだな、日ごろからの感謝に安全祈願のお守りみたいなものさ!服の胸元にでも縫い付けておけばもしかしたら急所を守ってくれるかもしれないぞ!」
「そう何ですか?では遠慮なく受け取っておきますね」
俺の口からのでまかせを聞き遠慮なく持っていくアイナ、
「それじゃ、ニコルたちのとこに行ってくるよ」
「はい、部屋はいつもの部屋を借りておりますのでそちらにお願いします」
といって俺に一礼したら仕事に戻るアイナを背に階段を上る。
いつも使っている304号室前に着くと軽くノックの後に声をかける。
「ニコル~俺だが中にいるか?」
「はい、どーぞ」
「おう」
とのやり取りの後に部屋に入る。
「昨日も大変だったみたいだな?」
扉をしめながらそういうと、
「頭に響くので~もうちょっと小さな声で~」
とうめき声をあげるライカがいた・・・いつも俺が使ってるベッドに。
俺は何も言わずに再び扉を開いて部屋を出た。
「兄さん、なんでまた外に出たんですか?」
何故か追ってくるニコル、おいおい俺だって空気くらい読むぜ?
「いや、せっかくライカが頑張ったんなら邪魔しちゃ悪いかなってさ、いいんだぞ俺に気を使わなくても・・・」
「あの、なんでそんなにいじけてるんですか?ライカさんは今日どうせ看病されるなら僕にされたいと言われるので、申し訳なかったですけど兄さんのベッドを借りて看病してたんですよ?」
ちっリア充め!俺なんか洗脳した奴らくらいしか寄ってこんのに・・・泣きそうだ。
「そういや二日酔いって言えば雪鱗もか?」
「はい、雪鱗さんはドラゴニュートということでお酒に強いだろうと言われてコップに注がれたお酒を一気飲みしたらそのまま倒れてしまいまして・・・」
「なるほど、初めて飲む奴らにありがちなパターンか・・・」
自分の飲める酒の量がわかってないとよく起こるあれね、んで今日の二日酔いも初体験と。
「まいいや、それならライカ達にさらなる地獄を与えておくかな」
「え?」
「まずはニコル”ソウルブリーダー”」
不意打ち気味に”ソウルブリーダー”を使う、ニコルの驚く顔が久々でちょっとうれしい。
「いきなりダメですよ!人に見られたらどうするんですか・・・」
字面だけだとなんかBLっぽいやり取りを終え次は俺の寝床を不正に占拠しているライカに天誅じゃ。
「そんな便利な術持ってたんならもっと早く使ってほしかったわね」
サラが俺に文句を垂れる、俺も今さっき思いついたんだからしょうがないじゃないか・・・
「錬金術師の奥義ともいえる”カスタマイズ”まで使えたなんて・・・でもあまり人体には使わないようにしてもらえるかしら?」
サラが注意をしてくる、まぁ禁忌らしいから人目のあるとこでは使えないよな。
「分かった、気をつける・・・でみんなの調子はどうだ?」
とりあえず体内に入ったアルコールなんかを”カスタマイズ”抜き取ったんだがニナやライカは以前”ソウルスキャン”で体の詳細データが”ライブラリ”にあったんで不純物の取り除きが簡単だったのだが、雪鱗はニナたちから取り除いた成分と同じものを取り出すという作業だった為何らかの不具合が出てないか訊いてみたのだが、
「特に問題はないわね、全員今はゆっくり寝てるわ・・・あんな状態で魂の成長をさせるなんて酷いと思うんだけど・・・」
「どっちにしろ今日は安静にしてなきゃいけないなら何しても一緒だろ?」
自分で言ってて何かおかしい気もするが、まぁいい。
とりあえず明日まで安静にしてもらって明後日から行動を開始することにした。
その間、俺は暇なので適当に依頼を受けてくることになったのだが・・・それも明日だな。
翌日、カモメ亭に皆を残して冒険者ギルドへ。
「おはようノエルさんこれ受けたいんだけどいいかな?」
「こちらの依頼ですか?」
・ジャイアントクラブの討伐・・・ケイベル近くに生息しているジャイアントクラブの討伐をしてもらいたい、とにかく数を減らしたほうがいいので規定数を超えて討伐をすればその分上乗せして報酬を払います、規定討伐数3匹、討伐証明部位は左右のハサミできちんと根元があるもののみ数えるので注意してください・・・報酬2100ナル+超過討伐数で加算
そう浜蟹の討伐だ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─
石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」
貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。
「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」
かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。
ときどき舞い込んでくるトラブル。
慌ててミーナを探しているルカ。
果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。
甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。
*サイトより転載になります。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる