一振りの刃となって

なんてこった

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77.二日酔い

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 冒険者ギルドから出てカモメ亭に着いた俺に、
「いらっしゃーい、あっレッドさーん」
 カモメ亭の看板娘のアイナが挨拶をしてくる、客が大勢いるのによく一人一人名前が憶えてられるな。
「やっアイナちゃん、ニコルたちはここに泊まった?昨日」
 俺は何故か倒置法で質問した、
「はいっ泊まってますよ?レッドさんが来たらここカモメ亭に泊まっていますって伝言も頼まれてましたし」
「そうなのか、で、みんなは今日は外に出てないの?」
「昨日飲みすぎたらしくってサラさんとニコル君以外二日酔い中だそうです」
 俺はその言葉に溜息を吐きつつ、
「はぁ・・・まぁいいか、んじゃあ俺も今日部屋に泊まるから追加の料金と忙しいのに時間取らせちゃったお詫びのチップ」
 といって一泊分の料金とチップ用の銅貨を一枚取り出す、
「いえ、今の時間はピークも過ぎたのでそんなに忙しくないですからチップはいらないですよ?・・・というかチップって何ですか?」
 おおぅ、この世界にはチップというものはないのか・・・俺もよくわかってないから無いならそれでいいんだけどね。
「そうだな、日ごろからの感謝に安全祈願のお守りみたいなものさ!服の胸元にでも縫い付けておけばもしかしたら急所を守ってくれるかもしれないぞ!」
「そう何ですか?では遠慮なく受け取っておきますね」
 俺の口からのでまかせを聞き遠慮なく持っていくアイナ、
「それじゃ、ニコルたちのとこに行ってくるよ」
「はい、部屋はいつもの部屋を借りておりますのでそちらにお願いします」
 といって俺に一礼したら仕事に戻るアイナを背に階段を上る。

 いつも使っている304号室前に着くと軽くノックの後に声をかける。
「ニコル~俺だが中にいるか?」
「はい、どーぞ」
「おう」
 とのやり取りの後に部屋に入る。
「昨日も大変だったみたいだな?」
 扉をしめながらそういうと、
「頭に響くので~もうちょっと小さな声で~」
 とうめき声をあげるライカがいた・・・いつも俺が使ってるベッドに。
 俺は何も言わずに再び扉を開いて部屋を出た。
「兄さん、なんでまた外に出たんですか?」
 何故か追ってくるニコル、おいおい俺だって空気くらい読むぜ?
「いや、せっかくライカが頑張ったんなら邪魔しちゃ悪いかなってさ、いいんだぞ俺に気を使わなくても・・・」
「あの、なんでそんなにいじけてるんですか?ライカさんは今日どうせ看病されるなら僕にされたいと言われるので、申し訳なかったですけど兄さんのベッドを借りて看病してたんですよ?」
 ちっリア充め!俺なんか洗脳した奴らくらいしか寄ってこんのに・・・泣きそうだ。
「そういや二日酔いって言えば雪鱗もか?」
「はい、雪鱗さんはドラゴニュートということでお酒に強いだろうと言われてコップに注がれたお酒を一気飲みしたらそのまま倒れてしまいまして・・・」
「なるほど、初めて飲む奴らにありがちなパターンか・・・」
 自分の飲める酒の量がわかってないとよく起こるあれね、んで今日の二日酔いも初体験と。
「まいいや、それならライカ達にさらなる地獄を与えておくかな」
「え?」
「まずはニコル”ソウルブリーダー”」
 不意打ち気味に”ソウルブリーダー”を使う、ニコルの驚く顔が久々でちょっとうれしい。
「いきなりダメですよ!人に見られたらどうするんですか・・・」
 字面だけだとなんかBLっぽいやり取りを終え次は俺の寝床を不正に占拠しているライカに天誅じゃ。


「そんな便利な術持ってたんならもっと早く使ってほしかったわね」
 サラが俺に文句を垂れる、俺も今さっき思いついたんだからしょうがないじゃないか・・・
「錬金術師の奥義ともいえる”カスタマイズ”まで使えたなんて・・・でもあまり人体には使わないようにしてもらえるかしら?」
 サラが注意をしてくる、まぁ禁忌らしいから人目のあるとこでは使えないよな。
「分かった、気をつける・・・でみんなの調子はどうだ?」
 とりあえず体内に入ったアルコールなんかを”カスタマイズ”抜き取ったんだがニナやライカは以前”ソウルスキャン”で体の詳細データが”ライブラリ”にあったんで不純物の取り除きが簡単だったのだが、雪鱗はニナたちから取り除いた成分と同じものを取り出すという作業だった為何らかの不具合が出てないか訊いてみたのだが、
「特に問題はないわね、全員今はゆっくり寝てるわ・・・あんな状態で魂の成長をさせるなんて酷いと思うんだけど・・・」
「どっちにしろ今日は安静にしてなきゃいけないなら何しても一緒だろ?」
 自分で言ってて何かおかしい気もするが、まぁいい。
 とりあえず明日まで安静にしてもらって明後日から行動を開始することにした。
 その間、俺は暇なので適当に依頼を受けてくることになったのだが・・・それも明日だな。

 翌日、カモメ亭に皆を残して冒険者ギルドへ。
「おはようノエルさんこれ受けたいんだけどいいかな?」
「こちらの依頼ですか?」
・ジャイアントクラブの討伐・・・ケイベル近くに生息しているジャイアントクラブの討伐をしてもらいたい、とにかく数を減らしたほうがいいので規定数を超えて討伐をすればその分上乗せして報酬を払います、規定討伐数3匹、討伐証明部位は左右のハサミできちんと根元があるもののみ数えるので注意してください・・・報酬2100ナル+超過討伐数で加算
 そう浜蟹の討伐だ。
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