一振りの刃となって

なんてこった

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78.カスタマイズ

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「ふむ、こんなもんかな?」
 と呟く俺の目の前にはおびただしい数の、というには数えられる数なのでそれほどでもないのだが数えて30で止めておいたので30体?この場合束だっけな?
 まぁいいや約30束ほどのジャイアントクラブの残骸が散らばっている。
「さてハサミを回収してあとは実験実験にまわすかね」
 と呟き綺麗に切り離してあるハサミを回収していく。

「よし、後は一か所に集めてッと」
 独り言をつぶやかせながら作業を続ける。
 カニの残骸、正確にはカニの甲殻に用があるので一か所に集める。
 ある程度集まると甲殻を無造作につかみ腕に当てて丁度いい大きさの物をいくつか選ぶ。
 複数個選び終えるとカニの殻に手を突っ込み、
「”カスタマイズ”」
 と呟き殻の形を変えてゆく、そして殻は腕と同化していった。
「これでこの腕の強度は見た目や肌触りなんかは人のもの、丈夫さはここらのカニの外骨格ほどになったと。柔らかさなんかは普段は人のまんまだが、任意で硬化できるようになった・・・これならイチイチ腕に重ねて融合させる意味ないな、纏めて”カスタマイズ”」
 目の前に積み上げたカニの甲殻とファルシオンの仮初の肉体を対象に改造を始める・・・それを見ていた者に気づく事なく。

「こんなもんかな?とりあえず”ソウルスキャン”」
ブレド・ファルシオン
SP 2390/300/239
MP 239

 因みにカニの平均SPは70/60/60だった。
 殻を体に取り込んだだけでカニの約1/3も最大SPが上がってしまった。
 最大SPが上がっても現在値が上がるわけじゃないからか、この体には今までに感じなかった妙な重さがある。
 というわけで、”ソウルブリーダー”で手っ取り早くSPの補充をする。
 補充は急激にできるのに加算は少しずつしかできないのはもうわかっていることだが簡単に説明すると。
 1リットルのコップに水を1リットル入れてある状態が最大SPと現在地SPが一緒の数位の状態である。
 入ってる水が足りなければ器を満たすまでなら水を入れられるが、水がいっぱいの時に水を入れたら零れる。
 だが表面張力でギリギリまで水を入れると1リットルを超えて入れられる・・・少しだけだけどね。
 そしてコップはではそこで終わりだが魂の器、肉体はギリギリまで入ったSPが零れなくなるように成長する・・・限界を越え零れたら体が異常な変化を起こすのだが。
 つまり補充と加算の扱いの違いは足りなければ限界まで入れられるが限界は越えられないからってとこにある・・・そして1リットルのコップってでかすぎる気がする。

「補充完了!ふむ、ちゃんと動くようだな?」
 腕をまわしその場で軽く足踏みをして確認していると。
「興味深いことをしていたようだが・・・君は何者だね?それだけの錬金の技術、君の見た目通りの歳では到底たどり着けまい?」
 と声をかけられたので慌てて背後の声がした方に振り替える、相変わらず敵意を持つ者にしか”サーチレーダー”が反応しないことに舌打ちしつつそいつを確認してみる。
 そいつはフード付きの灰色のマントで全身をまとい、フードを目深にかぶり顔には布を巻いて顔は認識できなくしている、目の色は黒目のために特徴らしい特徴としては弱い。
「もう一度聞こうか?君は何者だね?この辺りで研究していたのかね?」
 質問増えてない?って内心突っ込みを入れつつ、
「俺が何者でもあんたには関係ないんじゃないか?」
 と質問に質問で返す。
「そうもいかん事情が今しがたできてね。君は”カスタマイズ”を人体にかけることが禁忌にあたる行為だと認識しとるのかね?」
「それが?俺にお前らの価値観を押し付けるなよ」
 やっばい、そういや”カスタマイズ”見られたらまずいんだっけか?
「その返答・・・やはり見逃すわけにはいかんようだな、仕方あるまい」
 といってそいつはマントを開き腰に差していた刀に手を当て一瞬で間合いを詰めてくる・・・早い!?
「その首・・・いただく!」
「くそ!」
 首が切り飛ばされるイメージが浮かびとっさに後ろに跳び倒れる。
「ほう、よく躱せたものだな」
 俺は目を見開いていた・・・
「その武器・・・」
 今こいつには3つの驚きを感じている、1つは距離を詰められたあの速さまんまと間合いを詰められた、2つ目はあの剣技、鞘から剣が向けた瞬間が見えなかった、3つ目は、
「日本刀!」
 そう、そいつの武器は俺もよく知る日本の生んだ至高の剣・・・日本刀だった。
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