一振りの刃となって

なんてこった

文字の大きさ
112 / 130

108.選択肢

しおりを挟む



『ニコル君ニコル君』
 俺はニコルに話しかける。
「なんですか兄さん?改まって君づけするなんて」
 あからさまに警戒をするニコル、そんなに怪しいかな?
『実はこれから”ファルシオン”メンバーに重大な決断を迫ってもらうことにしたんだ、改まったりもするよ』
「言葉遣いもおかしいですよ?正直気持ち悪いですね」
 そこまで言いますか!・・・まぁいいけど、俺も気持ち悪いなって思ってたしね。
『まぁそんなことどうでもいい、みんなを集める前に話す内容を伝えておくぞ』
「僕に選択肢は?」
『必要か?』
「内容次第ですね」
『内容次第か・・・なら必要ないな』
 ニコルの意見を切って捨てる剣だけに。

 ここはケイブ森林に人知れずに聳え立つかつて盗賊たちの根城だった俺たちの拠点だ・・・正直いうと研究所と天秤にかけたのだがこっちを取った。
 研究所には俺的にいい思い出が無いからだ。
 この拠点にもないっちゃないんだけどね。
 それはさておき拠点にある最も大きな建物通称「アジト」、ここに”ファルシオン”のメンバー他複数人が部屋の奥にある教卓のような机を前にして黒板のような物に背を向けて立つニコルを注視している。
 全員を代表してファイルが質問するようだ、軽く咳払いをしてから訊いてくる。
「んっうん!それでは、重大なお話とは何なのでしょうか?ニコル様」
「そうですね、そろそろ話しましょうか」
 というわけでニコルが全員に説明するが、簡単に俺から説明すると。
 1つニコルは兄、ブレド・ファルシオンから英雄になるように遺言で言われていた、というより生前からしょっちゅう言っていた。
 2つその願いを叶えるために冒険者のランクを上げSランクまで行くつもりだった。
 3つ今この大陸には北からの侵略軍に攻め込まれている。
 4つ、戦争で手柄あげちゃえば態々Sランク冒険者にならなくてもいいじゃね?
 5つここからが重要これから神聖ハーモニア王国に仕官しに行く予定。
 6つ国に仕官する以上冒険者を続けるのは難しい為ニコルはパーティから抜ける。
 7つニコル以外のパーティメンバーはニコルの手駒として冒険者を続けてもらう。
 等とニコルが淡々と説明する、その様に激昂して声を荒げながら質問するのはサラ。
「手駒ってどういうことなのよ!私たちをそういう風にしか見てなかったってことなのかしら?」
 ここで「はい」とか言ったら修羅場になるからやめて欲しいけど・・・ニコルだしな。
「はい、そうですよ?」
 ニコルは、何言ってるんだろうか?って顔をしつつ首を傾ける。
 パーティの女性陣ががっくりと肩を落とす、ライカにとっては予想内らしく動じてないようだ。
 むしろそんなクールなところが痺れると言わんばかりに目を輝かしている、こいつもやばい奴になりそうだな。
 その後もサラを筆頭に軽くやり取りがあったが、ニコルは一度意見を決めたら迷わないので最終的にはサラたちが折れる。

 結局4人とも冒険者としてニコルの手駒扱いでこの際いいらしい、ただしあまり無茶な要求は聞かないという条件付きで、アジトに待機させてある俺の眷属たちには引き続き自宅警備を指示する。
 これで次の目的地が決まった。
「それでは明後日、このケイブ森林を突っ切って直接神国王都ハーモニアに向かいます。
 メンバーは僕と雷凄です」
 ニコルが宣言するとブーイングが怒る・・・年頃の娘たちがブーブー言わない全く!
「僕と雷凄なら最短ルートで行けますし、残念ながら神国はヒューマン至上主義の国です。
 サラさんはともかく他の皆さんがいると僕の邪魔になるでしょうから」
『もっとオブラートに包みなさいよニコル君!・・・あっ』
 ニコルのあまりの言葉につい突っ込みを入れてしまった俺、眷属たちは俺の声だと知っているから大した動揺もなく固まっている。
 問題は・・・
「今の声って・・・レッド?」
「師匠の声サラさんも聞こえたの?」
「あたしも聞こえた!」
「じゃあ~ニコル君の態度に~受けたショックによる~幻聴では無いのね~」
 あちゃーやっちゃったよ・・・まぁいいか、そのうち話してもいいかな~程度には考えていたんだし。
 ここで俺の説明するのも一つの選択支ってことだな!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─

石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」 貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。 「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」 かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。 ときどき舞い込んでくるトラブル。 慌ててミーナを探しているルカ。 果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。 甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。 *サイトより転載になります。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...