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108.選択肢
しおりを挟む『ニコル君ニコル君』
俺はニコルに話しかける。
「なんですか兄さん?改まって君づけするなんて」
あからさまに警戒をするニコル、そんなに怪しいかな?
『実はこれから”ファルシオン”メンバーに重大な決断を迫ってもらうことにしたんだ、改まったりもするよ』
「言葉遣いもおかしいですよ?正直気持ち悪いですね」
そこまで言いますか!・・・まぁいいけど、俺も気持ち悪いなって思ってたしね。
『まぁそんなことどうでもいい、みんなを集める前に話す内容を伝えておくぞ』
「僕に選択肢は?」
『必要か?』
「内容次第ですね」
『内容次第か・・・なら必要ないな』
ニコルの意見を切って捨てる剣だけに。
ここはケイブ森林に人知れずに聳え立つかつて盗賊たちの根城だった俺たちの拠点だ・・・正直いうと研究所と天秤にかけたのだがこっちを取った。
研究所には俺的にいい思い出が無いからだ。
この拠点にもないっちゃないんだけどね。
それはさておき拠点にある最も大きな建物通称「アジト」、ここに”ファルシオン”のメンバー他複数人が部屋の奥にある教卓のような机を前にして黒板のような物に背を向けて立つニコルを注視している。
全員を代表してファイルが質問するようだ、軽く咳払いをしてから訊いてくる。
「んっうん!それでは、重大なお話とは何なのでしょうか?ニコル様」
「そうですね、そろそろ話しましょうか」
というわけでニコルが全員に説明するが、簡単に俺から説明すると。
1つニコルは兄、ブレド・ファルシオンから英雄になるように遺言で言われていた、というより生前からしょっちゅう言っていた。
2つその願いを叶えるために冒険者のランクを上げSランクまで行くつもりだった。
3つ今この大陸には北からの侵略軍に攻め込まれている。
4つ、戦争で手柄あげちゃえば態々Sランク冒険者にならなくてもいいじゃね?
5つここからが重要これから神聖ハーモニア王国に仕官しに行く予定。
6つ国に仕官する以上冒険者を続けるのは難しい為ニコルはパーティから抜ける。
7つニコル以外のパーティメンバーはニコルの手駒として冒険者を続けてもらう。
等とニコルが淡々と説明する、その様に激昂して声を荒げながら質問するのはサラ。
「手駒ってどういうことなのよ!私たちをそういう風にしか見てなかったってことなのかしら?」
ここで「はい」とか言ったら修羅場になるからやめて欲しいけど・・・ニコルだしな。
「はい、そうですよ?」
ニコルは、何言ってるんだろうか?って顔をしつつ首を傾ける。
パーティの女性陣ががっくりと肩を落とす、ライカにとっては予想内らしく動じてないようだ。
むしろそんなクールなところが痺れると言わんばかりに目を輝かしている、こいつもやばい奴になりそうだな。
その後もサラを筆頭に軽くやり取りがあったが、ニコルは一度意見を決めたら迷わないので最終的にはサラたちが折れる。
結局4人とも冒険者としてニコルの手駒扱いでこの際いいらしい、ただしあまり無茶な要求は聞かないという条件付きで、アジトに待機させてある俺の眷属たちには引き続き自宅警備を指示する。
これで次の目的地が決まった。
「それでは明後日、このケイブ森林を突っ切って直接神国王都ハーモニアに向かいます。
メンバーは僕と雷凄です」
ニコルが宣言するとブーイングが怒る・・・年頃の娘たちがブーブー言わない全く!
「僕と雷凄なら最短ルートで行けますし、残念ながら神国はヒューマン至上主義の国です。
サラさんはともかく他の皆さんがいると僕の邪魔になるでしょうから」
『もっとオブラートに包みなさいよニコル君!・・・あっ』
ニコルのあまりの言葉につい突っ込みを入れてしまった俺、眷属たちは俺の声だと知っているから大した動揺もなく固まっている。
問題は・・・
「今の声って・・・レッド?」
「師匠の声サラさんも聞こえたの?」
「あたしも聞こえた!」
「じゃあ~ニコル君の態度に~受けたショックによる~幻聴では無いのね~」
あちゃーやっちゃったよ・・・まぁいいか、そのうち話してもいいかな~程度には考えていたんだし。
ここで俺の説明するのも一つの選択支ってことだな!
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