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109.暴露
しおりを挟む『さて、何から話したらいいのやら・・・』
とりあえず俺は自分のことを適当に説明することにしたが、始点をどこからにするかが難しいな。
「とりあえずあなたはどこにいるの!」
サラがきょろきょろして声の発信者(俺)を探している。
ああ、まぁ剣がしゃべってるとは思わないよね、鞘に収まってるし。
等と考えてたら、
「兄さんもういろいろと手遅れ気味なのでとりあえず名乗り出ませんか?」
ニコルが腰に差してある俺を鞘ごと教卓の上に置く。
「今の声はこの魔剣ファルシオンから発せられた声です」
とニコルが俺を手で示す・・・皆の注目が集まるのって恥ずいね。
『どーも、ファルシオンです』
とりあえず挨拶だ、何事も挨拶は大事なのだ。
「その魔剣喋るの?・・・というかニコルが今兄さんって呼んでたわよね?」
さすが知能担当だ、そりゃあ気づくか。
『そうだな、なんか死んだ後にこの剣に魂を吸収されて、剣の中にいろいろな魂たちがいたんだけど・・・なんか俺が一番強かったらしい、今は俺がファルシオンになってしまった』
とりあえず嘘をつく、世の中言っていい嘘と悪い嘘があるらしいが嘘は嘘だ、言っていい悪いがあるわけがない。
あるのは開き直っていい嘘と悪い嘘だ、俺の場合は正直に全部言っても信じてもらえないから開き直ってそれらしいことを言ってるだけだ!
と気分を正当化しつつ皆の様子を見る、といっても俺のことを知ってㇲ元盗賊団たちは特に動揺はないようだ、問題は”ファルシオン”メンバーだ。
「それじゃあ生きてたのに黙ってたということなのね?」
動揺が一段落したのかサラが俺に質問してくる、まぁブレド・ファルシオンはもう生きてないからこれはNOだな。
『いや、正確には生きてないからな?それに死んだやつが生きてる皆に”俺、参上”とか言っても気味悪いだろ?
俺なら気味が悪いからやってほしくないな』
と俺が名乗り出なかった事に対する言い訳を適当に話す、剣の姿なら顔の表情から嘘ってばれないのがいいな。
「ほんねは?」
『死んだことにした方が楽だし、こっちの姿の方がニコルを育てるには都合がよかったからな・・・誰だ今俺をはめたのは!』
と怒ったふり、ナイスフォローのおかげで二重の嘘が完成、まぁニコルの下りも楽だってのも実際そう考えてた部分があるから嘘ではないのだけどね。
「にゃるほど、めんどくさがりは人の姿すら捨てると」
なかなか辛辣な物言いだね、そもそも自分の意志で捨てたわけじゃないんだがな・・・まぁそういう事でいいか、めんどいし。
『まぁそんなところだな、それじゃあめんどくさがりなりに簡単に今までのことを説明するぞ』
ということで簡単に説明した、といっても大体はパーティで行動していたニコルの腰に会った俺のことだ説明するまでもなく。
『大体ニコルと一緒にいた、風呂とかプライベートな時間を除いてな』
で終わる、何?悪いの?
『んじゃあ本題にうつろう』
「本題?」
誰ともなく俺の言葉を訊き返す、
『そう本題、なぜ今回ニコルと雷凄が仕官に出るのか』
「戦場に出るから足手まといは排除したいんでしょ?」
『ニコルを基準に敵兵士の事を考えればそうなるが、基本にするならテレ-ズだな。
そうなるとサラでも圧倒的な戦力になれる、なのに今回はニコルと雷凄のペアを送るのは、まぁ移動スピードとニコルの知名度を上げるために戦闘はニコル単騎でしてもらいたいからだ』
「それはニコルを殺すって言ってるように聞こえるわね」
サラが眉間にしわを寄せながら俺の意見に食いつく。
『ニコルなら問題ない、タイプドランとタイプシャイたんの能力で一昼夜全力戦闘しても疲れないし、俺を使えばニコルに魔力切れも起きない・・・そもそもニコルが戦場に立てば戦局が大きく変わるはずだから戦闘も長く続ける必要もないんじゃないかな?』
「楽観的過ぎるわね」
まだ食いつくサラ、でも。
『簡単な説明だがな、まずは雷凄が戦場に降り立ちブレスを魔王軍の前線に放つこれで大分相手側見方側に動揺が走るだろう、その後にニコルが大声で名乗りをあげる、この時に俺が補助してさらに遠くまで声を響かせる予定だ。
その後に魔王軍が大挙してニコルに向かってくるだろう、因みに名乗りを上げて敵がニコルに向かって攻撃を始めてから鎧を纏ってもらう、安全を期してドラン以上の鎧を使ってもらう』
「大群がニコル君に押し寄せるじゃないの!」
ここまで黙って聞いてたライカも話に参加してきた、感情的になってるためかいつもと口調が違うようだが。
『それも問題ない、大群で向かってこられるのはむしろこちらにとってはプラスになる。
俺は魂を喰らう魔剣で悪食な魔剣で無慈悲な魔剣だ、喰らうのは相手の全て、斬るのは敵意ある全て、そして俺は斬れ無いモノは殆ど無い存在で俺の切れ味は喰らうほどに研ぎ澄まされていく。
敵が多いならその数だけニコルは俺と共に強くなっていくだろう』
「それでも・・・」
『心配だからという理由で反対するのはやめとくほうがいい、ニコルや俺にとって今回の計画はお前たちより大事なんだから。
これ以上の問答はめんどくさい、止めたければそうだな。
・・・ニコルより強くなれたら考えてやるかな』
まぁ無理なことだけどね、絶句しているメンバーの顔がそれを物語っている。
ついでにこれ以降の”ファルシオン”メンバーへの”ソウルブリーダー”は辞めることにしとくかな。
これ以上育てる気もないし、あまり強くなりずぎて増長して今回みたいに食い下がってこられても鬱陶しいしな。
・・・こんな考え方はブレド・ファルシオンだった時には鳴りを潜めてはいたが、どうやら剣単体に戻ったせいで人間性が薄れてきたようだな。
まだ愛着があるからか排除してしまうという考えが出ないだけましだが。
『リミットは明日の夜まで、まぁ頑張ってみろ・・・複数でかかってきてもいいし不意打ちを仕掛けてもいいぞ』
まぁ敵意がある方が”サーチレーダー”に引っ掛かるからこんくらい煽ってた方が逆にいいか。
『それじゃあ開始』
俺の開始宣言に一番最初に動いたのは・・・ニコルだった。
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