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115.王城にて
しおりを挟むニコルの微笑みの後、結果的に総指揮官のちょび髭と文官2名の殺害に関与したニコルの行為を副官ハルキが場の全員に、文官がニコルの忠告を無視して魔剣に魅入られた結果起きた事件とし、ニコルも犠牲者ながら早期に解決してくれたという体にしてその場は抑えるそうだ。
無理がある内容な気もするけどその辺はハルキが何とかするだろうってことで知らないところで世話になるから砦の修復くらい手伝ったろうとニコルと話し”カスタマイズ”を使いまくり軽く修復してやった。
術名を口に出したらまた魔倫会に目を付けられるかもしれないので無詠唱で、まぁ詠唱なんてしたことないんだけどね。
魔倫会か・・・
ここ数日の回想を終えて目の前にある王の間にニコルは目を向ける、回想してたのは俺なんだけどね。
道中あったイベントは俺を預かろうとした一般兵があんないの騎士にすんごいけんまくで怒られて話が通ってないことを知った騎士が慌ててどっかに行って、その間はその場でじっと立たされてたニコルを遠巻きでいろんな人が足を止めてみていた事かな。
帰ってきた騎士がめっちゃ謝っていたが・・・まぁどうでもいい。
「それではこちらです、私に着いて来てください」
と騎士がニコルにそういうと豪勢な広間に入っていく、ニコルもそれに続く。
こういう時にレッドの体を捨てててよかったなって思うな、こんな固っ苦しいことしたくなかったし。
そんなことを考えてると玉座に座る王っぽい・・・あれが王さんか、なんかオーラがあるな、街角で偶然見かけた芸能人みたいだ・・・見かけたことないけど。
「ニコル・ファルシオン、参上の要請にこたえてここに参上いたしました」
ニコルがそういうと片膝をつき頭を下げる、最低限の礼は尽くさんとね。
「面をあげよ、私が神聖ハーモニア王国、現国王ハロルド・ハーモニアだ。
そなたの此度の戦での活躍を耳にし直接声をかけたいと思い参上を要請した」
「はい」
「はっきり言うとそなた一人で一軍を退けたというのは半信半疑であるが・・・
事実魔王軍は戦線を下げイージス砦がいまだに健在であることから嘘は少ないのだろう、多少の誇大報告はありそうだが」
ふむ?なるほどね、呼んどいて信用はしてない・・・と。
『ニコル』
「はい」
ニコルは立ち上がり王に背を向ける。
「どういうつもりだ!」
周りの人間が騒ぎ出す。
「愛想が尽きました、これ以降この国が亡びるまで傍観者となることにします」
ニコルの言葉に嘲笑が走るが・・・案内の騎士だけが蒼い顔をしている、いや?何故かふざけたことを言った王もか。
「まっまて!まだ余の話は済んでないぞ!」
「チャンスを逃しましたね、王よ。
僕の主はあなたの僕への対応に酷くご立腹です、もはや僕の意志ではこの国に干渉することはできません。
残念ですが・・・はい?そうですね・・・魔王軍に僕はこの国を見捨てましたと伝えるのも面白そうだと主は言っております」
ニコルが電波なことを言いだしたがこれは一応予定していた演技の1つだ。
「まて!そなたの主とは誰だ!
せめてその主と話をさせてはくれぬか?」
主に食いついたか、まぁこの国に突き付けられたナイフを払える存在をちょっとした言葉で失うなんて馬鹿げてるよな。
でもな・・・
「先ほどまであなた方のやり方に付き合って分かったことがあるのですが」
「なんだ?」
「なぜ僕があなたに従わなければならないのですか?
僕は主の気まぐれで今回この国を救いましたが・・・あなたの民ではありません。
貴方はこの国の王ですが、僕の主ではないんです。
先ほどから何頭から話しかけてるんだ?おっさん!』
最後の方は俺が声を出し周りの人間をビビらせる、まぁ演出だな。
『俺の使徒たるニコルに貴様ら先ほどから無礼が多いな?
俺の代理たるニコルに信用ならぬと貴様らが言うなら!
俺の力を使うニコルに見捨てられても仕方ないだろう?』
いい感じで言葉が出た、ちょっと自分をほめたい。
「まて、まて!そなたは何者なのだ?
我らの対応が気にいらないからと見捨てるのか?」
王も混乱しだしているようだな、こんなこと初めてだろうし・・・ん?
「この痴れ者が!」
何人かの騎士っぽい奴がニコルに斬りかかる・・・遅いな~。
「僕はゴブリンほど弱くないのでそんな剣にあたってあげられませんね」
と振り下ろされる剣の横に手を添え自分に当たらないように軌道を逸らす、ついでに他の剣にぶつけながら。
唖然とする騎士たち。
「この程度の腕しかいないなら傍観者でいる期間は少ないでしょうね。
ではさらばです、亡国の王」
これでもかと嫌味を言い場を後にしようとすると目の前に、
「この国を守るためなら恥も外聞もこれからの人生すらも捨てよう!
この国を救ってくれるなら何にだってすがろう!
頼む!この国を救ってくれないだろうか!この通りだ!」
場は騒然となる、俺も息をのんだ・・・飲めないけど。
ニコルの前に飛び出して両手両膝を地面につけ頭を地面にこする王の姿に一同が動揺する・・・ニコルを除いて・・・
ニコルはそのまま歩き王の肩に右足の裏を付け、
「邪魔ですよ?歩いにくいでしょう?」
と言って止まる、足は乗せたままで。
「貴様!」
冷静になった騎士の1人がまた切りかかろうとするが。
『すっこんでろ三下が!』
俺が大声をあげる、よっぽどビビったのかその騎士は尻餅をつく。
『ニコル足をどけろ』
俺の言葉にニコルは従う。
「た・・」
『まだ顔はあげるな』
「わっ分かった・・・」
なかなかどうして面白い奴だ。
俺に知識にある王は生涯決して人に頭は下げないもんだったがこいつはどうだ?
国の為なら自分の在り方なんて安いと全身で物語ってるようだ・・・ふむ、気にいったな。
『貴様の覚悟、気にいった。
俺の剣、ニコル・ファルシオンを貸してやる。
我が剣を用いて国を取り返すといい。
だが肝に命じておけ?
ニコルは貸してやるだけだ。
貴様の物じゃない!ということを。
わかったら顔をあげろ、俺の貸し与える剣に礼を尽くせ』
と話をきると王、ハロルドは声にならない声でありがとうと、国を救ってくれとニコルに足に縋り呟いている。
それに対してニコルは眉間に皺を寄せ、
「あの・・・汚いので離れてくれません?」
と鼻水を垂らしているハロルドを引きはがした・・・
ニコルは冷静だなぁ・・・
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