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しおりを挟むそんなこんなでシルバーファングに顔を熱烈な噛みつきと言う愛情表現で噛み砕かれてダンジョンの入口に戻ってからゆうに十数回似た様な事を繰り返した私だったのだが・・・さすがに狼型でも上位に位置すると言われているシルバーファングがスライムしかいない階層で死ぬのはおかしいと判断して今回シルバーファングが入口に戻されて見つかった私が再びダンジョンに駆けこんでやられるパターンを変え私の意志でダンジョンに入る決心をする。
今のところシルバーファングも無事の様で盛大にスライムを食い殺しているようだ・・・青い点がどんどん減っている。
因みに私も赤い点表示だ、つまりスライムは私も攻撃してくる。
管理者なのに部下であるはずのポップモンスターに攻撃される理不尽さに憤りを感じた私は自前の武器である私の長年の相棒鞭を使う・・・腰にある鞭を使う・・・腰に・・・無い。
無い!無い!なぜだ?まさかあの小娘サキ嬢が私の意識が無い時に持っていったのか!
まずい・・・今私の前にいるスライムは黄色だ、きっと触れたらマヒするパラライズスライムだ、こんなスライムに素手で挑むなんて・・・やるしかないか。
案の定痺れた私はスライムたちに捕食されてドロドロになった所でダンジョンの入口に戻される・・・麻痺をくらったためか痛みもそんなに感じなかったのはラッキーだったな。
等と思いつつ横を見て走る私、横に銀色がいたんだもん。
先ほど私が解けたところにまで着いたと思う黄色いのがいたし、私はスライムの群れをジャンプで躱す、見事な着地と共に胸を貫く衝撃を受けた。
これって恋?いいえ槍です・・・どうやら最初適当な設定をしていた時に設置しておいた槍トラップが作動したようだ、勢いよく踏み込んだし見事に作動したな。
この槍トラップの槍はきっと麻痺槍だね、だって刺された胸を中心に体の感覚が無くなってきたもん・・・あっ頭やられた。
またダンジョンの入口に戻された私はどうするか考える、もう既に何回も同じ議題に頭を悩ませているのだが、此処から・・・このダンジョンの入口から離れるべきじゃないかと、しかしシルバーファングに襲われたらすぐダンジョンいかないと死んじゃうし・・・実際死んで入口に戻ってるし。
どうしようかとダンジョンマップを見る・・・なんかポイントがすごい溜まってた。
そういや私とシルバーファングって何回も死んでるしなんやかんやでシルバーファングは上位のモンスターだからポイント効率いいんだろ。
というわけでちょちょいといじろうと思ったけど全力ダッシュ・・・だって赤い点が今消えたんだもん。
さて、ダンジョンの入口に戻ったわけだがどうにかこのループから抜け出す方法を考えなければなるまい・・・時間は少ない考えろ!いい案を出すんだ私の頭!
すると私の必死さが伝わったのか・・・。
「あのさぁ・・・馬鹿なの?」
盗人・・・もといサキ嬢が私の目の前に現れた。
いきなり表れて馬鹿とは・・・盗人猛々しいとはこのことだな!
「え?なんでそんなに怒ってるの?腰?・・・あっ武器!・・・いやいや説明したじゃん!ダンジョンで死んだら武器と道具類は没収されるって!」
何やら盗人が必死に自己弁護を始めるが私を誤魔化すには至らないなとりあえずなんか武器を渡すように手を出して催促をする。
「何この手?なんか寄越せってこと?馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの?・・・あっんじゃまた」
何かに気づいたサキ嬢がまた消える・・・そして私は振り返ることなく走りだす・・・だってなんか後ろからフンフン聞こえたんだもん、獣臭かったんだもん。
そしてまたここダンジョンの入口、略してダンチに戻る。
私も馬鹿じゃない、決して馬鹿じゃない!先ほどのサキ嬢の消える姿を見て気付いたよ。
私はメニューを開き『ダンジョン』じゃなく『管理室へ』を選ぶ、すると視界が管理室に切り替わる・・・ようやく私は落ち着いて考え事が出来るようになった。
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