テレットは愛したがり屋

ゆた

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第二章 昔

《サイドストーリー》 カナデとテレット

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カナデの過去を知って幾分か日にちが経った日のこと。
テレットは聞いた。
「どうして急に話してくれたの?」
2年間何も聞けなかったのに、なぜあの日だったのかと気になっていた。
「ずっと言わなきゃって思ってたんだけどね、リアンティの言葉で勇気が出たの」
それならリアンティに感謝の意として今度お菓子でも与えよっかな。
あの子、お菓子でめちゃくちゃ喜ぶし。

「リアンティは何て言ってたの?」

「『大事な人と一緒に入れるのは奇跡ですわ。私はその事が叶わなかったから、カナデ様は幸せになって下さい!どうか言いたい事は言える時に言っておいて下さい』って言ってたよ。」

そうか、人それぞれ抱えているものがあるんだね。カナデの家族のこと、リアンティは大事な人と共に居られなかったこと。僕は…
それは過去だったり今だったり、苦しんでどうにもならない事がある。
過去は変わらないけど、今は変える事ができる。良い方に転がるかは自分次第。

「あのね、過去を話してくれてありがとう。一緒に生きてくれてありがとう」

「どうしたの、急に。生きてくれてありがとうって」

「カナデにとって生きるのはとっても辛い事だったでしょう。だから生きてくれてありがとうなの。今、伝えたいなって思ったから」

「そっか。じゃあ、テレットも生きてくれてありがとう。今、同じ時間を過ごせる事に感謝を」

ふふっ、そうだね。
カナデに出会って僕の人生は180度違った景色を見られるようになった。色鮮やかで、毎日が楽しい。
今までの退屈さ何てどうでも良くなるくらい。

もっとカナデと明るい未来を見ていきたい。

これからも共に過ごしたいと願っているだけでは何も変わらないかもしれない。
もし、僕が行動に移したら…

いや、まだ早い。
けど数年後には何もかも話せる時が来るのかもしれない。
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