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心核の入手
025話
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「ほう」
それが、アランからの報告を聞いたイルゼンの口から出た一言だった。
母親のリアと父親のニコラスも若干驚いてはいたようだったが、イルゼンが最初に口を開いたからか、二人とも何かを口にするような様子はない。
この場にいるのは、アランとその三人、そして雲海の心核使い二人だ。
「ロッコーモ君とカオグル君はどう思います?」
イルゼンが心核使い二人に尋ねる。
ロッコーモというのはオーガの心核使いで三十代の男。
カオグルは白猿の心核使いで二十代の男。
その二人は、お互いに顔を見合わせ、揃って首を横に振る。
「いや、正直なところ俺もそんな話は聞いたことがないな。……そもそも、レオノーラだっけ? 黄金の薔薇の王女様が言ってるように、心核は最初に使ったときにその力の使い方を理解出来る。なぁ?」
「ああ。ロッコーモさんの言う通りだ。俺も最初に心核を使ったときには、もう何が出来るというのはすぐに分かった。……もっとも、実際にそれを使いこなせるかどうかとなると、話は別だったけど」
二人の会話に、アランはやっぱりか、といったように頷く。
レオノーラから聞いてはいたのだが、レオノーラとはまだ会ったばかりで、そこまで深く信頼出来ない。
そういう意味では、ロッコーモとカオグルは雲海に所属しているということで、長い時間を共にすごしてきた相手だ。
どちらの言葉に重きを置くのかと言われれば、アランとしてはやはり後者となるだろう。
「そうなると、問題なのは……アランの持つ心核が特別なのか、もしくはアランに心核使いとして才能があったのか。二人の意見としては、どっちだと思う?」
ニコラスの言葉に、ロッコーモとカオグルの二人は言いにくそうにしながらお互いに視線を交わす。
ロッコーモは、カオグルに年下のお前が言えと視線で告げ、逆にカオグルは年上の威厳を見せて下さいといった視線を向ける。
そんな二人のやり取りの中で、勝利したのは年上のロッコーモだった。
カオグルは、微妙に言いにくそうにしながらも口を開く。
「その、ニコラスさんやリアさん、それにアランに言っていいのかどうかは分からないけど、アランは探索者としては決して才能が豊かにある訳じゃない。だとすれば、心核使いとしての才能だけが突出している……という可能性もない訳じゃないけど、それよりは心核の方が特別だと考えた方がいいと思う」
才能がないと言われたアランだったが、言われた本人はそこまでショックを受けてはいない。
もちろん、全くショックを受けていない訳ではないが、それでも自分でも不思議に思えるほどにショックをうけてはいなかったのだ。
元々自分にそこまで高い才能がある訳ではないというのを知っていたからというのもあるが、やはりこの場合は心核だろう。
カオグルは心核そのものが特別だからと言ったし、実際に心核を使った訓練用の場所に強制的に転移させられたことを考えれば、もしかしたらその可能性はあるかもしれない。
だが、心核を使ってゼオンという強力なロボットを呼び出すことが出来たのは、間違いなくアランの才能なのだ。
……とはいえ、その才能の根本は日本で生きていたときに好きだったロボットのアニメ、漫画、ゲームといったものが理由なのは明らかであり、それを言う訳にはいかない。
「なるほど。そうなると、これからのことをどうするか、というのが問題になってきますね」
「これからのこと、ですか?」
イルゼンの言葉に、アランは首を傾げる。
レオノーラ率いる黄金の薔薇と一緒に行動するというのは、すでにイルゼンが決めていることだ。
だとすれば、それを反故にするのか?
そんな疑問を抱いたアランだったが、イルゼンは飄々とした性格をしてはいるが、それでも自分から約束を破るといったことは滅多にしない。
であれば、今回の一件でもわざわざレオノーラとの約束を勝手に反故にするような真似はしないと、そうアランは思っていたのだ。
そして、アランの考えが正しかったことは、次のイルゼンの言葉で証明される。
「ええ、そうです。レオノーラさんの予想では、この辺りの遺跡にアラン君が行けば、また心核を強化出来るかもしれないのでしょう? それが具体的にどのような強化なのかは分かりませんが、強化出来るのであれば、強化しておいた方がいいのでは?」
「それは……まぁ」
アランがこれから探索者として生きていく上で……いや、探索者ではなくても、危険がいくらでも存在するこの世界で生きていく場合、ゼオンを使えるというのはプラスになることはあっても、マイナスになることはない。
であれば、そのゼオンを強化出来る限り強化しておくというのは、決して間違いではないのだ。
そして、アランもイルゼンの言いたいことは理解出来た。
「つまり、他の遺跡にも行ってこいと?」
幸い……いや、もしレオノーラの予想が正しいのであれば、この辺にいくつも存在する規模の小さい遺跡は、その全てが心核を手に入れたアランの訓練場となるべき場所に繋がっているはずだった。
であれば、イルゼンの提案にアランが従うのも、当然だろう。
何よりゼオンが強化されるのであれば、ロボット好きのアランとしては否はない。
「ああ、ちなみにレオノーラさんと一緒にですよ。心核を手に入れたのは二人同時だということですし、今回も一緒に行動していたら転移したということですし」
「え?」
それは、アランにとっても予想外の言葉だったのだろう。
半ば反射的にイルゼンに視線を向けるアランだったが、イルゼンは浮かべた笑みをそのままに、ただ頷くだけだ。
そんなイルゼンを見れば、アランも渋々ながら納得せざるをえない。
実際、アランとレオノーラの二人で二つあった心核をそれぞれ手にしたのだから、イルゼンの言ってることは決して間違っていないのだ。
また、今回転移させられた場所では、ゼオンはパワーアップしたものの、レオノーラの黄金のドラゴンは特に何か新しい能力を発揮した訳でもない。
そう考えれば、新しい遺跡にアランとレオノーラの二人で行けと、そう言われてもおかしくはない。
「けど、俺とレオノーラが次に遺跡に行った時も、同じようなことになったら、また金を稼ぐことは出来ませんよ?」
「その心配はいりません。金を稼ぐのは、こちらでどうとでもしますので」
あっさりとイルゼンにそう言われる。
この辺はレオノーラに言われていたのだが、まさにその通りだったのだろう。
「あー……はい、分かりました」
結局他に何を言うでもなく、アランはその言葉に頷くのだった。
「……何も、起きないわね」
アランとレオノーラが遺跡に行き、ゼオンの新しい能力たるフェルスを発現させてから、数日。
アランはイルゼンに言われた通り、レオノーラと共にカリナンの周辺にある遺跡にやって来ていた。
当然のように、この遺跡は以前アランたちが数日前に行った遺跡ではなく、全く新しい遺跡だ。
そして以前の遺跡同様に、そこまで大きくはなく、小さな遺跡。
その遺跡の中に入った二人だったが、転移の光が現れることはなかった。
遺跡に入る前には、前回の遺跡と同様に何人かの探索者の姿があったのだが、今回は別の意味でアランたちは注目を浴びていた。
アランたちが前回の遺跡で転移したという情報は、結構な早さで探索者たちの間に知れ渡っており、もしかしてこの遺跡も……と、そう思っていた者が多かったためだ。
実際にアランやレオノーラとしては、この遺跡に来れば前回同様にどこか別の場所に転移させられるのでは? と、半分恐れ、半分興味津々といった様子でいたのだが……実際にこうして遺跡に入っても、特に何も起きることはなかった。
「なぁ、カロ。お前は何か分からないか?」
「ぴ?」
周囲に誰もいないことを確認してから、アランはカロに声をかける。
こうして転移しているのがアランとレオノーラの手に入れた心核が原因だとすれば、その心核たるカロは何か知っているのではないか。
そんな思いが、アランの中にあったのだが……尋ねられたカロは、何を言われているのか分からないといったように、鳴き声を返してくる。
「……駄目か。どうする?」
「そうね。正直なところ、遺跡に来れば必ず転移するとばかり思っていたから、まさかこうして一切転移しないというのは、私にとっても完全に予想外だったわ」
「このまま遺跡を探索するか? それとも、どこか他の遺跡に行ってみるか。たしか、この近くにはまだいくつか遺跡があったはずだろ? 特に、その中でもあまり探索者が来ないような、本当に小さな遺跡もあったはずだ」
それこそ、アランの認識でいえば日本にあったコンビニ程度の大きさの遺跡という、正直なところそれを遺跡と呼んでもいいのかどうか微妙な遺跡があったことを思い出し、尋ねる。
「そう、ね。このままこの遺跡にいても意味はないでしょうし、他の遺跡に回りましょうか。幸い、時間的な余裕はまだあるし」
時間としては、まだ朝方だ。
それこそ、午前九時にすらなっていないような、そんな時間。
だからこそ、これから別の遺跡に行っても時間的にまだ相応の余裕があるのは間違いなかった。
「なら、そうするか。金を稼ぐのは、他に任せればいいんだし」
最初はニコラスから金を稼いでこいと言われて送り出された遺跡探索だったが、今ではもう心核の訓練……いや、心核のパワーアップや進化といったことに意識が向けられていた。
将来的にどうなるのかは分からないが、せっかくの機会なのだから、今は少しでもゼオンを強化するべきだ、と。
こうして、二人はすぐにこの遺跡を出て、別の遺跡に向かう。
そんなアランたちを見て、もしかしたらこの遺跡にもまだ何らかの秘密があるのではないかと、そう思っていた探索者たちが残念そうな視線を向けていたが、心核の強化に意識が向いているアランはその視線に気が付くことはなかったし、レオノーラは意図的に無視していた。
そうしてこの日のうちに近くに遺跡をいくつか回ったが……どの遺跡でも、結局転移することはなかったのだった。
それが、アランからの報告を聞いたイルゼンの口から出た一言だった。
母親のリアと父親のニコラスも若干驚いてはいたようだったが、イルゼンが最初に口を開いたからか、二人とも何かを口にするような様子はない。
この場にいるのは、アランとその三人、そして雲海の心核使い二人だ。
「ロッコーモ君とカオグル君はどう思います?」
イルゼンが心核使い二人に尋ねる。
ロッコーモというのはオーガの心核使いで三十代の男。
カオグルは白猿の心核使いで二十代の男。
その二人は、お互いに顔を見合わせ、揃って首を横に振る。
「いや、正直なところ俺もそんな話は聞いたことがないな。……そもそも、レオノーラだっけ? 黄金の薔薇の王女様が言ってるように、心核は最初に使ったときにその力の使い方を理解出来る。なぁ?」
「ああ。ロッコーモさんの言う通りだ。俺も最初に心核を使ったときには、もう何が出来るというのはすぐに分かった。……もっとも、実際にそれを使いこなせるかどうかとなると、話は別だったけど」
二人の会話に、アランはやっぱりか、といったように頷く。
レオノーラから聞いてはいたのだが、レオノーラとはまだ会ったばかりで、そこまで深く信頼出来ない。
そういう意味では、ロッコーモとカオグルは雲海に所属しているということで、長い時間を共にすごしてきた相手だ。
どちらの言葉に重きを置くのかと言われれば、アランとしてはやはり後者となるだろう。
「そうなると、問題なのは……アランの持つ心核が特別なのか、もしくはアランに心核使いとして才能があったのか。二人の意見としては、どっちだと思う?」
ニコラスの言葉に、ロッコーモとカオグルの二人は言いにくそうにしながらお互いに視線を交わす。
ロッコーモは、カオグルに年下のお前が言えと視線で告げ、逆にカオグルは年上の威厳を見せて下さいといった視線を向ける。
そんな二人のやり取りの中で、勝利したのは年上のロッコーモだった。
カオグルは、微妙に言いにくそうにしながらも口を開く。
「その、ニコラスさんやリアさん、それにアランに言っていいのかどうかは分からないけど、アランは探索者としては決して才能が豊かにある訳じゃない。だとすれば、心核使いとしての才能だけが突出している……という可能性もない訳じゃないけど、それよりは心核の方が特別だと考えた方がいいと思う」
才能がないと言われたアランだったが、言われた本人はそこまでショックを受けてはいない。
もちろん、全くショックを受けていない訳ではないが、それでも自分でも不思議に思えるほどにショックをうけてはいなかったのだ。
元々自分にそこまで高い才能がある訳ではないというのを知っていたからというのもあるが、やはりこの場合は心核だろう。
カオグルは心核そのものが特別だからと言ったし、実際に心核を使った訓練用の場所に強制的に転移させられたことを考えれば、もしかしたらその可能性はあるかもしれない。
だが、心核を使ってゼオンという強力なロボットを呼び出すことが出来たのは、間違いなくアランの才能なのだ。
……とはいえ、その才能の根本は日本で生きていたときに好きだったロボットのアニメ、漫画、ゲームといったものが理由なのは明らかであり、それを言う訳にはいかない。
「なるほど。そうなると、これからのことをどうするか、というのが問題になってきますね」
「これからのこと、ですか?」
イルゼンの言葉に、アランは首を傾げる。
レオノーラ率いる黄金の薔薇と一緒に行動するというのは、すでにイルゼンが決めていることだ。
だとすれば、それを反故にするのか?
そんな疑問を抱いたアランだったが、イルゼンは飄々とした性格をしてはいるが、それでも自分から約束を破るといったことは滅多にしない。
であれば、今回の一件でもわざわざレオノーラとの約束を勝手に反故にするような真似はしないと、そうアランは思っていたのだ。
そして、アランの考えが正しかったことは、次のイルゼンの言葉で証明される。
「ええ、そうです。レオノーラさんの予想では、この辺りの遺跡にアラン君が行けば、また心核を強化出来るかもしれないのでしょう? それが具体的にどのような強化なのかは分かりませんが、強化出来るのであれば、強化しておいた方がいいのでは?」
「それは……まぁ」
アランがこれから探索者として生きていく上で……いや、探索者ではなくても、危険がいくらでも存在するこの世界で生きていく場合、ゼオンを使えるというのはプラスになることはあっても、マイナスになることはない。
であれば、そのゼオンを強化出来る限り強化しておくというのは、決して間違いではないのだ。
そして、アランもイルゼンの言いたいことは理解出来た。
「つまり、他の遺跡にも行ってこいと?」
幸い……いや、もしレオノーラの予想が正しいのであれば、この辺にいくつも存在する規模の小さい遺跡は、その全てが心核を手に入れたアランの訓練場となるべき場所に繋がっているはずだった。
であれば、イルゼンの提案にアランが従うのも、当然だろう。
何よりゼオンが強化されるのであれば、ロボット好きのアランとしては否はない。
「ああ、ちなみにレオノーラさんと一緒にですよ。心核を手に入れたのは二人同時だということですし、今回も一緒に行動していたら転移したということですし」
「え?」
それは、アランにとっても予想外の言葉だったのだろう。
半ば反射的にイルゼンに視線を向けるアランだったが、イルゼンは浮かべた笑みをそのままに、ただ頷くだけだ。
そんなイルゼンを見れば、アランも渋々ながら納得せざるをえない。
実際、アランとレオノーラの二人で二つあった心核をそれぞれ手にしたのだから、イルゼンの言ってることは決して間違っていないのだ。
また、今回転移させられた場所では、ゼオンはパワーアップしたものの、レオノーラの黄金のドラゴンは特に何か新しい能力を発揮した訳でもない。
そう考えれば、新しい遺跡にアランとレオノーラの二人で行けと、そう言われてもおかしくはない。
「けど、俺とレオノーラが次に遺跡に行った時も、同じようなことになったら、また金を稼ぐことは出来ませんよ?」
「その心配はいりません。金を稼ぐのは、こちらでどうとでもしますので」
あっさりとイルゼンにそう言われる。
この辺はレオノーラに言われていたのだが、まさにその通りだったのだろう。
「あー……はい、分かりました」
結局他に何を言うでもなく、アランはその言葉に頷くのだった。
「……何も、起きないわね」
アランとレオノーラが遺跡に行き、ゼオンの新しい能力たるフェルスを発現させてから、数日。
アランはイルゼンに言われた通り、レオノーラと共にカリナンの周辺にある遺跡にやって来ていた。
当然のように、この遺跡は以前アランたちが数日前に行った遺跡ではなく、全く新しい遺跡だ。
そして以前の遺跡同様に、そこまで大きくはなく、小さな遺跡。
その遺跡の中に入った二人だったが、転移の光が現れることはなかった。
遺跡に入る前には、前回の遺跡と同様に何人かの探索者の姿があったのだが、今回は別の意味でアランたちは注目を浴びていた。
アランたちが前回の遺跡で転移したという情報は、結構な早さで探索者たちの間に知れ渡っており、もしかしてこの遺跡も……と、そう思っていた者が多かったためだ。
実際にアランやレオノーラとしては、この遺跡に来れば前回同様にどこか別の場所に転移させられるのでは? と、半分恐れ、半分興味津々といった様子でいたのだが……実際にこうして遺跡に入っても、特に何も起きることはなかった。
「なぁ、カロ。お前は何か分からないか?」
「ぴ?」
周囲に誰もいないことを確認してから、アランはカロに声をかける。
こうして転移しているのがアランとレオノーラの手に入れた心核が原因だとすれば、その心核たるカロは何か知っているのではないか。
そんな思いが、アランの中にあったのだが……尋ねられたカロは、何を言われているのか分からないといったように、鳴き声を返してくる。
「……駄目か。どうする?」
「そうね。正直なところ、遺跡に来れば必ず転移するとばかり思っていたから、まさかこうして一切転移しないというのは、私にとっても完全に予想外だったわ」
「このまま遺跡を探索するか? それとも、どこか他の遺跡に行ってみるか。たしか、この近くにはまだいくつか遺跡があったはずだろ? 特に、その中でもあまり探索者が来ないような、本当に小さな遺跡もあったはずだ」
それこそ、アランの認識でいえば日本にあったコンビニ程度の大きさの遺跡という、正直なところそれを遺跡と呼んでもいいのかどうか微妙な遺跡があったことを思い出し、尋ねる。
「そう、ね。このままこの遺跡にいても意味はないでしょうし、他の遺跡に回りましょうか。幸い、時間的な余裕はまだあるし」
時間としては、まだ朝方だ。
それこそ、午前九時にすらなっていないような、そんな時間。
だからこそ、これから別の遺跡に行っても時間的にまだ相応の余裕があるのは間違いなかった。
「なら、そうするか。金を稼ぐのは、他に任せればいいんだし」
最初はニコラスから金を稼いでこいと言われて送り出された遺跡探索だったが、今ではもう心核の訓練……いや、心核のパワーアップや進化といったことに意識が向けられていた。
将来的にどうなるのかは分からないが、せっかくの機会なのだから、今は少しでもゼオンを強化するべきだ、と。
こうして、二人はすぐにこの遺跡を出て、別の遺跡に向かう。
そんなアランたちを見て、もしかしたらこの遺跡にもまだ何らかの秘密があるのではないかと、そう思っていた探索者たちが残念そうな視線を向けていたが、心核の強化に意識が向いているアランはその視線に気が付くことはなかったし、レオノーラは意図的に無視していた。
そうしてこの日のうちに近くに遺跡をいくつか回ったが……どの遺跡でも、結局転移することはなかったのだった。
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