40 / 422
心核の入手
040話
しおりを挟む
スタンピードを終わらせた功労者。
アランとレオノーラの二人は、ドーレストでそのように持ち上げられることになってしまう。
アランとしては、最初こそちやほやされるのが嬉しかったのだが、自分に近づいてくる者たちの多くが、何らかの理由をつけて自分を利用しようとしているのだと両親に言われてしまい、微妙な気分となる。
また、英雄として言い寄ってくる女もいたのだが、レオノーラから両親と同様のことを言われてしまい、こちらも自分からどうこうという気分ではなくなってしまった。
言い寄ってくる女の中には、低位ながら貴族の娘もいれば、大きな商会を率いている商人の娘といった者達もいたのだが。
……とはいえ、女の方であっさりとそう頭を切り替えることが出来たのは、やはり身近にレオノーラという類い希な美女がいたからだろう。
言い寄ってきた女は全員が平均以上の美人ではあったのだが、最近レオノーラと行動することが多くなっていたアランにしてみれば、そこまで魅力的には感じなかった。
それは、女の方にも打算を隠し切れていなかった、というのが大きいだろう。
もしレオノーラと知り合っていなければ、そんなハニートラップに引っ掛かる可能性もあったのだが。
ともあれ、そのような接待にうんざりとしたアランは、当然のように雲海を率いるイルゼンに対して不満をこぼす。
「イルゼンさん、そろそろドーレストを出ませんか? こうも毎日のようにパーティに参加させられるのは、ごめんです」
「おや、そうですか? 最初は美味しい料理を食べられると喜んでいたじゃないですか」
「それは……」
それが事実だっただけに、アランも咄嗟に反論は出来ない。
貴族や大商人が開くパーティだけに、当然その料理も一級品の料理が出る。
アランにとって、この世界に転生してきた不満なことの一つが、その料理にあった。
日本という国は、食にかんしては間違いなく地球でも有数の国家で、この世界よりも明らかに上だったのだ。
もちろん、十年以上もこの世界で生きてきただけに、ある程度この世界の食事にも慣れてはいる。
……アランにとって幸運だったのは、雲海がそれなりに有名で実力もあるクランだったことだろう。
おかげで、食事もある程度の質と量が確保されていたのだから。
少なくても、一般的な冒険者や探索者といった者たちが食べている食事に比べれば、明らかに上質なものだった。
それでも、やはり豪華な食事というのには心惹かれていたアランだったが……
「いくら豪華な料理でも、何日も続けば飽きますよ」
イルゼンの言葉に、しみじみとそう呟く。
パーティで出された料理は、どれもが美味かった。
それこそ、日本で食べた料理よりも美味いと言い切れる料理がいくつもあったのは間違いない。
特にアランが日本で住んでいたのは、あくまでも東北の田舎だ。
東京の名店といったような店で食事をしたことがないので、それらのパーティで出て来る料理はどれもが絶品なのは事実だった。
だが、それでも……今のアランにとっては、粗食――あくまでもパーティの料理に比べての話で、この世界の平均よりは上の食事だが――で十年以上育ってきただけに、たまに食べるのならまだしも、そのような料理が連日続くと、さすがに飽きる。
「そうですか。では、こちらの用事も大体終わったことですし、そろそろドーレストを去りますか」
「……え? いいんですか?」
「いや、それがアラン君の目的だったのでは?」
驚いたように……いや、わざと驚いたといったのが分かるような意図的な驚き方にアランは若干思うところがあったのは間違いないが、それでも今の状況を考えると、不満を口に出すことは出来ない。
ここで下手に何かを言えば、『なら、ドーレストを出るのは止めましょう』と、イルゼンならそう言いかねないのだ。
「えっと、その……助かります」
「いえいえ。アラン君には言い寄ってくる相手が必ずしも善意や好意からではないと、それを知ってもらっただけで十分ですから」
「……え?」
「おっといけない。これは秘密でしたね」
「ちょっ、イルゼンさん!?」
さすがに今の言葉は聞き逃せなかったのか、アランはイルゼンに焦った様子で尋ねる。
だが、そんなアランに対し、イルゼンはいつものような胡散臭い笑みを浮かべたまま、口を開く。
「アラン君が手にした心核は、色々な意味で特別なものです。その上で、ゼオリューンでしたか? 他の心核と合体するような、そんな特別な心核を持っていることが知られると、これからは当然のように有象無象の人たちが寄ってくるでしょう」
「まぁ……」
実際にパーティの会場でそれを実感しているだけに、アランはイルゼンに返す言葉もない。
「だからこそ、アラン君には今回のような件を体験しておいて欲しかったんですよ。それに……アラン君は今回力を見せました。アラン君が持つ規格外の心核の力は、誰であっても欲するでしょう」
「……いや、スタンピードの一件で力を見せるってのは、イルゼンさんの指示でしたよね?」
「そうとも言います」
「そうとしか言いませんよ!」
「ぴ!」
アランの言葉に同意するかのように、カロが鳴く。
先程までは黙っていたのだが、アランの言葉で動き出したのだろう。
(カロの件もな。……結局あれ以降、裏の人格? っぽいのは一切出てこないし)
何度かあの人格を表に出そうとして、レオノーラと共にカロに色々と話しかけたりしてみたのだが、結局人格が表に出て来ることはなかった。
それどころか、カロが悲しそうに鳴き声を上げるのを聞けば、それ以上のことが出来るはずもない。
「ははは。これも勉強だよ、勉強。それに、アラン君はこれからどうしてもああいうパーティに呼ばれることが多くなるだろうから、今のうちに慣れておいて欲しかったというのもあるしね」
笑いながらそう告げるイルゼンに、不満を抱きつつもアランはこれからそういうことが増えるのだろうと思えば、それ以上は何も言えなかった。
「さて、じゃあ出発はこれからにしますか。皆の準備も出来ていますし」
「……え?」
出発するとは言っていたが、それでもまさかこんなに早く出発するとは思わなかったアランが、イルゼンの言葉に唖然とする。
「えっと、その……もう本当に準備が出来ていたんですか?」
「そうですよ。アラン君の性格なら、そろそろ弱音を吐く頃だと思ってましたし。いえ、私の予想ではもう数日は早いと思ってたんですけどね。アラン君も心核使いになったことで、鍛えられたといったところでしょうか。ああ、もちろん黄金の薔薇の方にもその辺は伝えてあるので、心配しないで下さい」
そう告げるイルゼンに、アランは敵わないという思いと共に、そこまで見透かされていたことに多少の不満を抱くのだった。
イルゼンの言葉通り、出発はすぐだった。
それこそ、アランがイルゼンに出発すると告げてから、数時間と経たないうちに雲海と黄金の薔薇の面々はドーレストの外にいたのだから、それがどれくらい素早いのかは容易に予想出来るだろう。
(つまり、これって完全に俺がそろそろドーレストを出ようと言わないか、待ってたってことだよな)
馬車の中で若干不満そうにしながら、そう考えるアラン。
そんなアランに、母親のリアは面白そうに笑う。
「アラン、上流階級との付き合いはどうだったの?」
「……いや、母さんがそれを言うのかよ」
リアは雲海に所属する前は腕利きの冒険者として名前が知られていた人物だ。
基本的にこの世界においては、冒険者は探索者よりも下の存在と見なされることが多いのだが、それでも冒険者の中で腕利きと言われるようになって有名になれば、話は別だった。
リアも元はそのような冒険者であり、そうなれば当然のように今回アランが経験したような上流階級のパーティに招かれるといったこともあったのは間違いない。
だからこそ、アランが現在どんな風に思っているのかといったことがほぼ理解出来たのだ。
「あら、でもアランもこれからはそういうパーティに呼ばれることは多くなると思うわよ? なら、今のうちに慣れておいた方がいいのは間違いないでしょ」
「それは、イルゼンさんに散々に言われたよ」
そう言った瞬間、ふふっ、と馬車の中に笑い声が漏れる。
その笑い声を漏らしたのは、何故か……本当に何故かこの場にいるレオノーラ。
「何だよ?」
「いえ、別に。ただ、パーティのときのアランの様子を思い出すと……ふふっ」
「あー、そうかい。というか、そもそもなんでレオノーラがこの馬車に乗ってるんだよ? これは雲海の馬車だぞ」
「あら、今は一緒に行動してるんだし、それくらいはいいでしょう? 実際、雲海の人たちの中にも、黄金の薔薇の馬車に乗ってる人はいるわよ?」
それは、間違いのない事実だった。
雲海と黄金の薔薇の面々は、接触した当初こそあまり仲が良好ではなかったのだが、スタンピードの戦いを一緒にくぐり抜けたことにより、一種戦友的な思いを抱いている者も多かった。
もちろん、全員がそうだという訳ではなく、中にはどうしてもそれぞれに気にくわない相手がいる、というのもある。
とはいえ、全体的に見ればそれぞれがそれなりに友好的な関係になったのは、間違いのない事実だった。
(そういう意味では、今回のスタンピードも意味はあった、といったところかしら)
目の前で言い争いをしているアランとレオノーラの二人を眺めつつ、リアは何となく自分の耳――ハーフエルフのために、人よりは長くエルフよりは短い――を弄りながら、そう考える。
アランにとって、レオノーラという存在は珍しく言いたいことを好きに言える相手なのだ。
基本的にアランは誰に対してもある程度言うことは言うといった性格をしているが、それでも若干の遠慮があるのは間違いない。
そういう意味では、レオノーラに対しては好き放題に自分の思うことを言う、といった真似が出来るのはリアから見ても間違いなかった。
……もっとも、レオノーラの美貌に目を奪われていたりすることもあり、そういうときは言葉を濁していたりもしたが。
(初恋以来じゃないかしら。……そう言えば、あの娘は今頃どうしているのかしらね)
馬車に揺れつつ、レオノーラとアランのやり取りを見ながらそんなことを考えるのだった。
アランとレオノーラの二人は、ドーレストでそのように持ち上げられることになってしまう。
アランとしては、最初こそちやほやされるのが嬉しかったのだが、自分に近づいてくる者たちの多くが、何らかの理由をつけて自分を利用しようとしているのだと両親に言われてしまい、微妙な気分となる。
また、英雄として言い寄ってくる女もいたのだが、レオノーラから両親と同様のことを言われてしまい、こちらも自分からどうこうという気分ではなくなってしまった。
言い寄ってくる女の中には、低位ながら貴族の娘もいれば、大きな商会を率いている商人の娘といった者達もいたのだが。
……とはいえ、女の方であっさりとそう頭を切り替えることが出来たのは、やはり身近にレオノーラという類い希な美女がいたからだろう。
言い寄ってきた女は全員が平均以上の美人ではあったのだが、最近レオノーラと行動することが多くなっていたアランにしてみれば、そこまで魅力的には感じなかった。
それは、女の方にも打算を隠し切れていなかった、というのが大きいだろう。
もしレオノーラと知り合っていなければ、そんなハニートラップに引っ掛かる可能性もあったのだが。
ともあれ、そのような接待にうんざりとしたアランは、当然のように雲海を率いるイルゼンに対して不満をこぼす。
「イルゼンさん、そろそろドーレストを出ませんか? こうも毎日のようにパーティに参加させられるのは、ごめんです」
「おや、そうですか? 最初は美味しい料理を食べられると喜んでいたじゃないですか」
「それは……」
それが事実だっただけに、アランも咄嗟に反論は出来ない。
貴族や大商人が開くパーティだけに、当然その料理も一級品の料理が出る。
アランにとって、この世界に転生してきた不満なことの一つが、その料理にあった。
日本という国は、食にかんしては間違いなく地球でも有数の国家で、この世界よりも明らかに上だったのだ。
もちろん、十年以上もこの世界で生きてきただけに、ある程度この世界の食事にも慣れてはいる。
……アランにとって幸運だったのは、雲海がそれなりに有名で実力もあるクランだったことだろう。
おかげで、食事もある程度の質と量が確保されていたのだから。
少なくても、一般的な冒険者や探索者といった者たちが食べている食事に比べれば、明らかに上質なものだった。
それでも、やはり豪華な食事というのには心惹かれていたアランだったが……
「いくら豪華な料理でも、何日も続けば飽きますよ」
イルゼンの言葉に、しみじみとそう呟く。
パーティで出された料理は、どれもが美味かった。
それこそ、日本で食べた料理よりも美味いと言い切れる料理がいくつもあったのは間違いない。
特にアランが日本で住んでいたのは、あくまでも東北の田舎だ。
東京の名店といったような店で食事をしたことがないので、それらのパーティで出て来る料理はどれもが絶品なのは事実だった。
だが、それでも……今のアランにとっては、粗食――あくまでもパーティの料理に比べての話で、この世界の平均よりは上の食事だが――で十年以上育ってきただけに、たまに食べるのならまだしも、そのような料理が連日続くと、さすがに飽きる。
「そうですか。では、こちらの用事も大体終わったことですし、そろそろドーレストを去りますか」
「……え? いいんですか?」
「いや、それがアラン君の目的だったのでは?」
驚いたように……いや、わざと驚いたといったのが分かるような意図的な驚き方にアランは若干思うところがあったのは間違いないが、それでも今の状況を考えると、不満を口に出すことは出来ない。
ここで下手に何かを言えば、『なら、ドーレストを出るのは止めましょう』と、イルゼンならそう言いかねないのだ。
「えっと、その……助かります」
「いえいえ。アラン君には言い寄ってくる相手が必ずしも善意や好意からではないと、それを知ってもらっただけで十分ですから」
「……え?」
「おっといけない。これは秘密でしたね」
「ちょっ、イルゼンさん!?」
さすがに今の言葉は聞き逃せなかったのか、アランはイルゼンに焦った様子で尋ねる。
だが、そんなアランに対し、イルゼンはいつものような胡散臭い笑みを浮かべたまま、口を開く。
「アラン君が手にした心核は、色々な意味で特別なものです。その上で、ゼオリューンでしたか? 他の心核と合体するような、そんな特別な心核を持っていることが知られると、これからは当然のように有象無象の人たちが寄ってくるでしょう」
「まぁ……」
実際にパーティの会場でそれを実感しているだけに、アランはイルゼンに返す言葉もない。
「だからこそ、アラン君には今回のような件を体験しておいて欲しかったんですよ。それに……アラン君は今回力を見せました。アラン君が持つ規格外の心核の力は、誰であっても欲するでしょう」
「……いや、スタンピードの一件で力を見せるってのは、イルゼンさんの指示でしたよね?」
「そうとも言います」
「そうとしか言いませんよ!」
「ぴ!」
アランの言葉に同意するかのように、カロが鳴く。
先程までは黙っていたのだが、アランの言葉で動き出したのだろう。
(カロの件もな。……結局あれ以降、裏の人格? っぽいのは一切出てこないし)
何度かあの人格を表に出そうとして、レオノーラと共にカロに色々と話しかけたりしてみたのだが、結局人格が表に出て来ることはなかった。
それどころか、カロが悲しそうに鳴き声を上げるのを聞けば、それ以上のことが出来るはずもない。
「ははは。これも勉強だよ、勉強。それに、アラン君はこれからどうしてもああいうパーティに呼ばれることが多くなるだろうから、今のうちに慣れておいて欲しかったというのもあるしね」
笑いながらそう告げるイルゼンに、不満を抱きつつもアランはこれからそういうことが増えるのだろうと思えば、それ以上は何も言えなかった。
「さて、じゃあ出発はこれからにしますか。皆の準備も出来ていますし」
「……え?」
出発するとは言っていたが、それでもまさかこんなに早く出発するとは思わなかったアランが、イルゼンの言葉に唖然とする。
「えっと、その……もう本当に準備が出来ていたんですか?」
「そうですよ。アラン君の性格なら、そろそろ弱音を吐く頃だと思ってましたし。いえ、私の予想ではもう数日は早いと思ってたんですけどね。アラン君も心核使いになったことで、鍛えられたといったところでしょうか。ああ、もちろん黄金の薔薇の方にもその辺は伝えてあるので、心配しないで下さい」
そう告げるイルゼンに、アランは敵わないという思いと共に、そこまで見透かされていたことに多少の不満を抱くのだった。
イルゼンの言葉通り、出発はすぐだった。
それこそ、アランがイルゼンに出発すると告げてから、数時間と経たないうちに雲海と黄金の薔薇の面々はドーレストの外にいたのだから、それがどれくらい素早いのかは容易に予想出来るだろう。
(つまり、これって完全に俺がそろそろドーレストを出ようと言わないか、待ってたってことだよな)
馬車の中で若干不満そうにしながら、そう考えるアラン。
そんなアランに、母親のリアは面白そうに笑う。
「アラン、上流階級との付き合いはどうだったの?」
「……いや、母さんがそれを言うのかよ」
リアは雲海に所属する前は腕利きの冒険者として名前が知られていた人物だ。
基本的にこの世界においては、冒険者は探索者よりも下の存在と見なされることが多いのだが、それでも冒険者の中で腕利きと言われるようになって有名になれば、話は別だった。
リアも元はそのような冒険者であり、そうなれば当然のように今回アランが経験したような上流階級のパーティに招かれるといったこともあったのは間違いない。
だからこそ、アランが現在どんな風に思っているのかといったことがほぼ理解出来たのだ。
「あら、でもアランもこれからはそういうパーティに呼ばれることは多くなると思うわよ? なら、今のうちに慣れておいた方がいいのは間違いないでしょ」
「それは、イルゼンさんに散々に言われたよ」
そう言った瞬間、ふふっ、と馬車の中に笑い声が漏れる。
その笑い声を漏らしたのは、何故か……本当に何故かこの場にいるレオノーラ。
「何だよ?」
「いえ、別に。ただ、パーティのときのアランの様子を思い出すと……ふふっ」
「あー、そうかい。というか、そもそもなんでレオノーラがこの馬車に乗ってるんだよ? これは雲海の馬車だぞ」
「あら、今は一緒に行動してるんだし、それくらいはいいでしょう? 実際、雲海の人たちの中にも、黄金の薔薇の馬車に乗ってる人はいるわよ?」
それは、間違いのない事実だった。
雲海と黄金の薔薇の面々は、接触した当初こそあまり仲が良好ではなかったのだが、スタンピードの戦いを一緒にくぐり抜けたことにより、一種戦友的な思いを抱いている者も多かった。
もちろん、全員がそうだという訳ではなく、中にはどうしてもそれぞれに気にくわない相手がいる、というのもある。
とはいえ、全体的に見ればそれぞれがそれなりに友好的な関係になったのは、間違いのない事実だった。
(そういう意味では、今回のスタンピードも意味はあった、といったところかしら)
目の前で言い争いをしているアランとレオノーラの二人を眺めつつ、リアは何となく自分の耳――ハーフエルフのために、人よりは長くエルフよりは短い――を弄りながら、そう考える。
アランにとって、レオノーラという存在は珍しく言いたいことを好きに言える相手なのだ。
基本的にアランは誰に対してもある程度言うことは言うといった性格をしているが、それでも若干の遠慮があるのは間違いない。
そういう意味では、レオノーラに対しては好き放題に自分の思うことを言う、といった真似が出来るのはリアから見ても間違いなかった。
……もっとも、レオノーラの美貌に目を奪われていたりすることもあり、そういうときは言葉を濁していたりもしたが。
(初恋以来じゃないかしら。……そう言えば、あの娘は今頃どうしているのかしらね)
馬車に揺れつつ、レオノーラとアランのやり取りを見ながらそんなことを考えるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる