50 / 422
辺境にて
050話
しおりを挟む
討伐隊が盗賊によって壊滅に近い被害を受けたという情報は、すぐにラリアントの中で広まった。
生き残りが逃げてきた……撤退してきた様子を見た者が大多数だったから、というのも情報が早く広まった理由の一つだろう。
当然ながらそのような凶悪な、そして大規模な盗賊団が近くにいると聞いた商人たちは、すぐにラリアントを出る。
だが、当然ながら盗賊たちもラリアントの動きはしっかりと見張っており、そんな商人たちは少数の、本当に運の良い者たちを除いて盗賊たちの餌食となってしまう。
その情報は、盗賊に襲われながらも何とかラリアントまで逃げてきた商人たちから伝わった情報だった。
「つまり、ラリアントは盗賊に封鎖されている……という訳ね」
アランたちが泊まっている宿屋の中でも、会議室として使える一室。
その部屋の中に、レオノーラの言葉が響く。
現在ここにいるのは、雲海と黄金の薔薇の探索者たち。
イルゼンの招集によって集まって部屋の中で、レオノーラが現在のラリアントの状況について説明していた。
とはいえ、この部屋の中にいるような者であれば、街中でどのような噂が流れているのか、そしてラリアントがどのような状況にあるのかというのは、すでに知っている者がほとんどであり、そういう意味ではレオノーラの口から出たのは確認でしかない。
「ありがとう、レオノーラさん。……さて、じゃあここからが本題だよ」
レオノーラの言葉を継ぐように、イルゼンが部屋の中にいる者たちを見回しながら言う。
「もう予想している人も多いと思うけど、僕たち……正確には雲海と黄金の薔薇の心核使い、特にアラン君とレオノーラさんを指名して、盗賊の討伐依頼が来たんだ。それをどうするのか、というのが今回皆に集まって貰った理由だよ」
その言葉に、部屋の中がざわめき……
「反対だ!」
真っ先にそう言ったのは、黄金の薔薇に所属する探索者の男。
とはいえ、実際に声に出したのはその男だけだったが、それ以外の面々もその叫びに同意するように頷いていた。
当然だろう。心核使いを募集するというのは、分からないでもない。
だが、その人物が自分たちを率いるレオノーラだけであるとなれば、黄金の薔薇のメンバーとしては決して許容出来るものではなかった。
「君たちの気持ちも分かる。けど、今回の一件は領主直々の依頼だ。ここで断るとなると、間違いなく面倒なことになる。……また、だからこそ報酬もかなりのものを要求させて貰った。何より……」
イルゼンが言葉を切り、レオノーラに視線を向ける。
その視線を受けたレオノーラは、小さく頷いてから口を開く。
「この件は、私が自ら望んで受けることにしたわ」
『なっ!?』
レオノーラの口から出た言葉に、それを聞いていた者たちは揃って驚愕の声を上げる。
それは黄金の薔薇のメンバーだけではなく、雲海に所属する探索者たちですらも同様だった。
本来のレオノーラの身分を考えれば、それこそ今回のような依頼を受けるとは思っていなかったのだろう。
「何故ですか、レオノーラ様!」
先程、真っ先に反対だと口にした男が、そう叫ぶ。
その声を聞いたレオノーラは、落ち着かせるように口を開く。
「私が今回の依頼を受けた理由はいくつかあるわ、ただ、その中でも大きいのは、盗賊の中に心核使いがいるということよ。知ってると思うけど、心核というのは非常に貴重な代物。もちろん、心核使いを倒して心核を手に入れても、すぐには使えない」
それは、心核についての知識がある者であれば誰であっても知ってる内容だった。
心核使いが使っていた心核は、その期間や心核の能力、心核使いの魔力……様々な要因から、その心核を別の者が使えるようになるまでには時間がかかる。
その期間は本当に様々で、具体的にいつ使えるようになるのかというのは分からない。
……本当に希にではあるが、それこそ数日で使えるようになったという例もあるし、数十年経っても未だに使えない心核というのもある。
そのような心核だが、非常に貴重な存在であるのは間違いなく、まだ使えなくても高額で買い取るという者は、それこそ数え切れないほどにいるのは間違いなかった。
だからこそ、入手出来る機会があるのならそれを逃すという手はない。
「この依頼においては、盗賊が持っている財産はラリアントと山分けという形になるけど、心核にかんしては私たちが貰ってもいいという条件があるわ。それに、知っての通り私もアランも普通の心核使いとは違う。そう簡単に負けるようなことはないわよ」
「俺が行くのは、決定事項なんだな。いや、文句はないけど」
アランとしても、同じ釜の飯を食った兵士たちの仇を取れるのなら、それに越したことはない。
実際、部下たちと話していたレオノーラも、なら行かないの? と視線で尋ねれば、アランとしてはそれに行かないと答えるつもりはない。
「イルゼンさん、じゃあ今回の依頼は本当にこの二人だけを?」
雲海の探索者の言葉に、イルゼンは頷く。
「そうなります。私もこの二人以外の心核使いを派遣してもいいと言ったのですがね。もしくは、心核使い以外の人たちを派遣してもいいとも。ですが、討伐隊が二度も敗退したことにより、ラリアントとしても外聞があると言われてしまえば……」
無理を通せなかった、と。
そう告げるイルゼン。
ラリアント側の言葉が納得出来るものなのは、話を聞いている者たちも理解した。
だが、だからといってそれを承諾出来るのかと言われれば、答えは否だろう。
「そんなっ! あっちの外聞や面子のために、何でこっちが遠慮しないといけないんですか!」
探索者の一人が発した声に、多くの者が賛同するように声を上げる。
だが、そんな者たちを落ち着かせるように、レオノーラが口を開く。
「安心しなさい。私とアランの心核は空を飛べるのを忘れたの? いざとなったら、それこそすぐにでも空を飛んで戦場を離脱することが出来るわ。……もっとも、空から一方的に攻撃をするといった真似をするかもしれないけど」
その言葉に、納得する者としない者が半々ほどになる。
心核使いが変身したモンスターの中には、空を飛ぶ能力を持っている存在もいる。
数は決して多い訳ではないのだが、皆無という訳ではない。
それこそ、アランたちが体験したスタンピードのときに、その発生原因のグラルスト遺跡まで移動するときに、四枚羽の鳥のモンスターに変身出来る心核使いに送ってもらったことがあった。
「それでも、盗賊に空を飛ぶモンスターの心核使いがいないとも限らないのでは?」
「そうね。でも、私やゼオンの速度に追いつけるモンスターは、そう多くないでしょうね」
レオノーラがきっぱりと告げると、それ以上反対の声は上がらなくなる。
それだけ、二つのクランにおいてレオノーラの実力がどれだけのものなのか知れ渡っているということだろう。
実際にレオノーラは雲海、黄金の薔薇問わずに戦闘訓練には頻繁に参加しており、雲海の中でも生身では最強クラスのリアと互角に渡り合っており、魔法の実力にかんしてもニコラスが驚くほどに高い。
それだけに、レオノーラがこうも自信満々に自分たちは大丈夫だと言い張れば、そうなのかと納得してしまってもおかしくはなかった。
「では、これで決まりですね。……領主様には、こちらから返事をしておきます。アラン君とレオノーラさんは、いつ討伐隊が出発してもいいように、準備をしておいてください」
「ぴ!」
イルゼンが話を纏めた瞬間、アランの懐の中いるカロが、自分も忘れるなと鳴き声を上げた。
意思を持つ心核という、非常に稀少な存在ではあるのだが、カロ自身は自分がそのような貴重な存在であるとは思っていない。……いや、正確には理解出来ていない、というのが正しいか。
アランがこれまで接してみたところ、カロの知能は決してそこまで高くはない。
それこそ、犬や猫のようなペットのような存在というのが正しい。
とはいえ、人前で鳴き声を上げるなといったようなことは普通に聞くので、そういう意味ではペット以上の存在であるのは間違いないのだろうが。
「ああ。すいません。カロも一緒でしたね。では、カロもいつ事態が起きてもいいように準備をしておいてください」
「……カロって、一体どんな準備をするんだろうな」
ふと、誰かの呟く声が部屋の中に響く。
実際、カロは意志こそ持っているものの、自分で自由に動き回ったりといったことは出来ないのだ。
そんなカロが一体何の準備をするのかと言われれば、それは皆が悩むのは当然だろう。
「ぴ?」
そんな声に反応したのかのように、カロが鳴き声を上げる。
そう言えば……といったような、疑問を含んだ鳴き声。
「ぷっ……あ、あはははは」
カロの疑問を抱いた鳴き声が面白かったのか、部屋の中にいた一人が笑い出し、それに続けて他の者たちも同様に笑う。
少し前まで部屋の中にあった、緊張と若干の不満を混ぜたような雰囲気は、そんな笑い声で吹き飛ぶ。
(何だかんだで、カロってこういうときに役立つよな。癒やし系とかゆるキャラってこういうのをいうんだっけ?)
姿形そのものは普通の心核とそう違いはないのだから、ゆるキャラという表現はこの場合相応しくないのかも? と思わないでもなかったが、ともあれアランはレオノーラに視線を向ける。
「盗賊だろうが、他国の連中だろうが、こっちに喧嘩を売ってきた以上、しっかりと反撃はしてやらないとな」
「そうね」
盗賊団は、明確に雲海や黄金の薔薇に敵対した訳ではない。
だが、アランたちがいる状況でラリアントを半ば封鎖するような真似をして生活をしにくくし、さらにはアランたちが訓練をつけた兵士たちの多くを殺すような真似までしたのだ。
それは、アランにとっては敵対したと言っても決して間違いではなかった。
「二人とも、やる気で何よりだよ。ただ……一応、気をつけておいて欲しい。今回の一件はちょっとおかしなところがあるからね」
そう告げるイルゼンの言葉に、アランとレオノーラの二人は頷きを返すのだった。
生き残りが逃げてきた……撤退してきた様子を見た者が大多数だったから、というのも情報が早く広まった理由の一つだろう。
当然ながらそのような凶悪な、そして大規模な盗賊団が近くにいると聞いた商人たちは、すぐにラリアントを出る。
だが、当然ながら盗賊たちもラリアントの動きはしっかりと見張っており、そんな商人たちは少数の、本当に運の良い者たちを除いて盗賊たちの餌食となってしまう。
その情報は、盗賊に襲われながらも何とかラリアントまで逃げてきた商人たちから伝わった情報だった。
「つまり、ラリアントは盗賊に封鎖されている……という訳ね」
アランたちが泊まっている宿屋の中でも、会議室として使える一室。
その部屋の中に、レオノーラの言葉が響く。
現在ここにいるのは、雲海と黄金の薔薇の探索者たち。
イルゼンの招集によって集まって部屋の中で、レオノーラが現在のラリアントの状況について説明していた。
とはいえ、この部屋の中にいるような者であれば、街中でどのような噂が流れているのか、そしてラリアントがどのような状況にあるのかというのは、すでに知っている者がほとんどであり、そういう意味ではレオノーラの口から出たのは確認でしかない。
「ありがとう、レオノーラさん。……さて、じゃあここからが本題だよ」
レオノーラの言葉を継ぐように、イルゼンが部屋の中にいる者たちを見回しながら言う。
「もう予想している人も多いと思うけど、僕たち……正確には雲海と黄金の薔薇の心核使い、特にアラン君とレオノーラさんを指名して、盗賊の討伐依頼が来たんだ。それをどうするのか、というのが今回皆に集まって貰った理由だよ」
その言葉に、部屋の中がざわめき……
「反対だ!」
真っ先にそう言ったのは、黄金の薔薇に所属する探索者の男。
とはいえ、実際に声に出したのはその男だけだったが、それ以外の面々もその叫びに同意するように頷いていた。
当然だろう。心核使いを募集するというのは、分からないでもない。
だが、その人物が自分たちを率いるレオノーラだけであるとなれば、黄金の薔薇のメンバーとしては決して許容出来るものではなかった。
「君たちの気持ちも分かる。けど、今回の一件は領主直々の依頼だ。ここで断るとなると、間違いなく面倒なことになる。……また、だからこそ報酬もかなりのものを要求させて貰った。何より……」
イルゼンが言葉を切り、レオノーラに視線を向ける。
その視線を受けたレオノーラは、小さく頷いてから口を開く。
「この件は、私が自ら望んで受けることにしたわ」
『なっ!?』
レオノーラの口から出た言葉に、それを聞いていた者たちは揃って驚愕の声を上げる。
それは黄金の薔薇のメンバーだけではなく、雲海に所属する探索者たちですらも同様だった。
本来のレオノーラの身分を考えれば、それこそ今回のような依頼を受けるとは思っていなかったのだろう。
「何故ですか、レオノーラ様!」
先程、真っ先に反対だと口にした男が、そう叫ぶ。
その声を聞いたレオノーラは、落ち着かせるように口を開く。
「私が今回の依頼を受けた理由はいくつかあるわ、ただ、その中でも大きいのは、盗賊の中に心核使いがいるということよ。知ってると思うけど、心核というのは非常に貴重な代物。もちろん、心核使いを倒して心核を手に入れても、すぐには使えない」
それは、心核についての知識がある者であれば誰であっても知ってる内容だった。
心核使いが使っていた心核は、その期間や心核の能力、心核使いの魔力……様々な要因から、その心核を別の者が使えるようになるまでには時間がかかる。
その期間は本当に様々で、具体的にいつ使えるようになるのかというのは分からない。
……本当に希にではあるが、それこそ数日で使えるようになったという例もあるし、数十年経っても未だに使えない心核というのもある。
そのような心核だが、非常に貴重な存在であるのは間違いなく、まだ使えなくても高額で買い取るという者は、それこそ数え切れないほどにいるのは間違いなかった。
だからこそ、入手出来る機会があるのならそれを逃すという手はない。
「この依頼においては、盗賊が持っている財産はラリアントと山分けという形になるけど、心核にかんしては私たちが貰ってもいいという条件があるわ。それに、知っての通り私もアランも普通の心核使いとは違う。そう簡単に負けるようなことはないわよ」
「俺が行くのは、決定事項なんだな。いや、文句はないけど」
アランとしても、同じ釜の飯を食った兵士たちの仇を取れるのなら、それに越したことはない。
実際、部下たちと話していたレオノーラも、なら行かないの? と視線で尋ねれば、アランとしてはそれに行かないと答えるつもりはない。
「イルゼンさん、じゃあ今回の依頼は本当にこの二人だけを?」
雲海の探索者の言葉に、イルゼンは頷く。
「そうなります。私もこの二人以外の心核使いを派遣してもいいと言ったのですがね。もしくは、心核使い以外の人たちを派遣してもいいとも。ですが、討伐隊が二度も敗退したことにより、ラリアントとしても外聞があると言われてしまえば……」
無理を通せなかった、と。
そう告げるイルゼン。
ラリアント側の言葉が納得出来るものなのは、話を聞いている者たちも理解した。
だが、だからといってそれを承諾出来るのかと言われれば、答えは否だろう。
「そんなっ! あっちの外聞や面子のために、何でこっちが遠慮しないといけないんですか!」
探索者の一人が発した声に、多くの者が賛同するように声を上げる。
だが、そんな者たちを落ち着かせるように、レオノーラが口を開く。
「安心しなさい。私とアランの心核は空を飛べるのを忘れたの? いざとなったら、それこそすぐにでも空を飛んで戦場を離脱することが出来るわ。……もっとも、空から一方的に攻撃をするといった真似をするかもしれないけど」
その言葉に、納得する者としない者が半々ほどになる。
心核使いが変身したモンスターの中には、空を飛ぶ能力を持っている存在もいる。
数は決して多い訳ではないのだが、皆無という訳ではない。
それこそ、アランたちが体験したスタンピードのときに、その発生原因のグラルスト遺跡まで移動するときに、四枚羽の鳥のモンスターに変身出来る心核使いに送ってもらったことがあった。
「それでも、盗賊に空を飛ぶモンスターの心核使いがいないとも限らないのでは?」
「そうね。でも、私やゼオンの速度に追いつけるモンスターは、そう多くないでしょうね」
レオノーラがきっぱりと告げると、それ以上反対の声は上がらなくなる。
それだけ、二つのクランにおいてレオノーラの実力がどれだけのものなのか知れ渡っているということだろう。
実際にレオノーラは雲海、黄金の薔薇問わずに戦闘訓練には頻繁に参加しており、雲海の中でも生身では最強クラスのリアと互角に渡り合っており、魔法の実力にかんしてもニコラスが驚くほどに高い。
それだけに、レオノーラがこうも自信満々に自分たちは大丈夫だと言い張れば、そうなのかと納得してしまってもおかしくはなかった。
「では、これで決まりですね。……領主様には、こちらから返事をしておきます。アラン君とレオノーラさんは、いつ討伐隊が出発してもいいように、準備をしておいてください」
「ぴ!」
イルゼンが話を纏めた瞬間、アランの懐の中いるカロが、自分も忘れるなと鳴き声を上げた。
意思を持つ心核という、非常に稀少な存在ではあるのだが、カロ自身は自分がそのような貴重な存在であるとは思っていない。……いや、正確には理解出来ていない、というのが正しいか。
アランがこれまで接してみたところ、カロの知能は決してそこまで高くはない。
それこそ、犬や猫のようなペットのような存在というのが正しい。
とはいえ、人前で鳴き声を上げるなといったようなことは普通に聞くので、そういう意味ではペット以上の存在であるのは間違いないのだろうが。
「ああ。すいません。カロも一緒でしたね。では、カロもいつ事態が起きてもいいように準備をしておいてください」
「……カロって、一体どんな準備をするんだろうな」
ふと、誰かの呟く声が部屋の中に響く。
実際、カロは意志こそ持っているものの、自分で自由に動き回ったりといったことは出来ないのだ。
そんなカロが一体何の準備をするのかと言われれば、それは皆が悩むのは当然だろう。
「ぴ?」
そんな声に反応したのかのように、カロが鳴き声を上げる。
そう言えば……といったような、疑問を含んだ鳴き声。
「ぷっ……あ、あはははは」
カロの疑問を抱いた鳴き声が面白かったのか、部屋の中にいた一人が笑い出し、それに続けて他の者たちも同様に笑う。
少し前まで部屋の中にあった、緊張と若干の不満を混ぜたような雰囲気は、そんな笑い声で吹き飛ぶ。
(何だかんだで、カロってこういうときに役立つよな。癒やし系とかゆるキャラってこういうのをいうんだっけ?)
姿形そのものは普通の心核とそう違いはないのだから、ゆるキャラという表現はこの場合相応しくないのかも? と思わないでもなかったが、ともあれアランはレオノーラに視線を向ける。
「盗賊だろうが、他国の連中だろうが、こっちに喧嘩を売ってきた以上、しっかりと反撃はしてやらないとな」
「そうね」
盗賊団は、明確に雲海や黄金の薔薇に敵対した訳ではない。
だが、アランたちがいる状況でラリアントを半ば封鎖するような真似をして生活をしにくくし、さらにはアランたちが訓練をつけた兵士たちの多くを殺すような真似までしたのだ。
それは、アランにとっては敵対したと言っても決して間違いではなかった。
「二人とも、やる気で何よりだよ。ただ……一応、気をつけておいて欲しい。今回の一件はちょっとおかしなところがあるからね」
そう告げるイルゼンの言葉に、アランとレオノーラの二人は頷きを返すのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる