97 / 422
ラリアント防衛戦
096話
しおりを挟む
敵を圧倒している巨大なオークだったが、それを見るモリクの表情は厳しい。
「誰が出撃を許可した! 心核使いの出撃は、敵が心核使いを出してきてからか、こちらからの命令があってからだと十分に言っておいたはずだぞ!」
苛立ちも露わに怒鳴るモリク。
参謀はそんなモリクに対し、冷静になりながら口を開く。
「どうやら独断で出撃したようですね。……正直なところ、今この状態で出撃する意味があるとは思えないのですが。ただ、心核使いの中にはアランに対して不満を持っていた者もいるので、それが爆発した形かと」
「それで暴走したのか? 厄介な真似をしてくれる。ああいう奴がいるから、面倒なことになる」
「それでどうします?」
見捨てるのですか? と参謀が視線で尋ねるが、モリクとしてはその意見を採用は出来ない。
個人的には、あのような自分勝手な者は見捨てたいと思わないでもなかったのだが、今のラリアント軍はただでさえガリンダミア帝国軍に戦力で負けている。
そんな中で心核使いをみすみす見捨てるような真似は、到底出来なかった。
「救う。向こうが心核使いを出すよりも前に、さっさと奴を回収しろ。今はいいが、これはそう長く保たないぞ」
今は一般の……それもガリンダミア帝国に占領された小国から徴兵された兵士が相手だから、こうして一方的に蹂躙出来ている。
だが、それは今だからこそだ。
心核使いを相手にするのは、よほどの腕利きではない限り心核使いが一般的であり……
「遅かったようです」
戦場を見て、参謀が冷静に呟く。
その言葉を聞いたグリムが参謀の視線を追うと、その先にあったのは、三匹のモンスター。
それがただのモンスターではなく、ガリンダミア帝国軍の心核使いであることは、モンスターたちの行動を見れば明らかだ。
ガリンダミア帝国軍の兵士たちには危害を加えるようなことはせず、前に……オークが暴れている場所に向かって進んでいるのだから。
「このままでは危険だ。すぐにこちらも心核使いを出せ! ただし、あくまでも目的はあの馬鹿者の救出だ! 敵の心核使いと本格的に戦うような真似をするな! ここで心核使い同士が戦うようなことになれば、心核使いの数が少ないこっちが不利になる!」
モリクの指示に従い、参謀は近くにいた伝令の兵士に素早く指示を出す。
走り去った伝令の後ろ姿を見ながら、モリクは今日まで十分に働いてくれたアランに期待する。
アランの心核で呼び出されるゼオンが極めて強力なのは、ザラクニアとの戦いで十分に理解している。
だからこそ、このような状況であってもどうにか出来るのではないか。……いや、して欲しい、と。
そんな風に思いながら、モリクは改めて戦場に視線を向ける。
モリクの視線の先では、やはりというべきかオークが三匹のモンスターによって圧倒されている。
つい先程までは兵士を蹂躙していたとは思えない光景。
兵士が振るう武器では、脂肪とその下にある厚い筋肉の鎧を貫くことは出来なかったが、相手が自分と同じ心核使いとなれば話は変わってくる。
防御に徹することで何とかまだ倒されていないが、それもいつまで頑張れるのかは分からない。
(あのような者でも、心核使いは貴重だ。……アラン、頼む)
戦場を眺めつつ、モリクはアランが出来るだけ早く戦場に出て来るように期待するのだった。
モリクがアランに期待している頃、そのアランは……
「え? 俺がですか? 別に俺じゃなくてもいいんじゃ?」
命令を持ってきた兵士に対し、アランはそう答える。
あのオークに変身した心核使いは、今まで何度もアランに絡んできた相手だ。
戦場に出る前にも、臆病者に本当の戦闘を見せてやるといった風に何度となく攻撃的な言葉を吐いてきた相手なのだ。
そうである以上、アランの気分的にはそんな相手を助けたいとは思えない。
だが、兵士としてはそうもいかない。
「頼む。あのような者であっても、今のラリアントには重要な戦力なんだ」
その言葉は決して大袈裟なものではない。
実際に心核使いというだけで十分な戦力として期待出来るのは間違いないし、事実兵士たちを相手にしてではあるが一方的に蹂躙していたのだから。
今も、三匹のモンスターを相手にしているので苦戦しているが、それはあくまでも三匹だからだ。
一匹が相手であれば、どうとでも対処出来た可能性はあった。
「行ってきたらどうだ? アランには面白くないかもしれないが、あいつが戦力として有用な存在なのも事実なんだ。そうである以上、その戦力をここで失うのはラリアントとしても面白くはない」
雲海の探索者の一人が、アランにそう言う。
アランに出撃して欲しいという要請を持ってきた兵士も、その探索者の言葉に何度も頷く。
「そうだ。ラリアントとしては、心核使いを失いたくはない」
「……けど、逃げようと思えば、逃げられるんじゃ?」
戦うのは無理だが、逃げようと思えば逃げられる。
それが、戦場を見たアランの正直な気持ちだった。
だが、そんなアランに兵士は首を横に振る。
「いや、それは難しい。逃げる気配を見せれば、それこそ逃がしてたまるかとより一層強力な攻撃をするだろう」
「アラン、いいか? お前に何度も絡んでくる奴だったが、ここでお前に助けられたらどうなる? アランに助けられた以上、これからは絡みにくくなるんじゃないか?」
「それは……まぁ、そうかもしれないけど」
「だろう? なら、お前が助けに行ってもいいんじゃないか?」
「……分かったよ」
アランとしても、自分の我が儘でラリアントを守る戦力が減るというのは好ましいものではない。
ラリアントが負けるということは、ゼオンの呼ぶことが出来る自分の身が危険に晒されるということを意味しているのだから。
そうである以上、アランとしてはこの一件について妥協をするしかない。
「じゃあ、そんな訳でっちょっと行ってきますね。あの暴れてるオークを連れ戻してくればいいんですよね?」
そう言うと、すぐに城壁に向かう。
現在アランがいた場所は、城壁からそう離れていない。
当然だろう。雲海はラリアントに残った戦力の中でも精鋭部隊の一つだ。
そうである以上、当然のようにいざとなったらすぐにでも出撃出来るように待機しておくのは当然だった。
「カロ、頼む」
「ぴ!」
城壁の上に上がると、すぐに心核を取り出してゼオンを呼び出すアラン。
……城壁の上に呼びだせば城壁が壊れてしまうというのは分かっていたので、呼びだしたのは城壁の外だ。
呼びだした次の瞬間、アランの姿はゼオンのコックピットの中にあった。
「さて、俺がやるべきなのは……まずはあっちだな」
呟き、ゼオンの映像モニタに視線を向ける。
そこに映し出されたのは、防御に徹しているオークと、そのオークを一方的に攻撃している三匹のモンスター。
まずやるべきなのは、今回俺が任された理由たるオークの救出。
ゼオンの姿が現れたというのに、三匹のモンスターは行動を止める様子はない。
いや、むしろゼオンが姿を現したからこそ、出来るだけ早く目の前のオークを倒してしまいたいという思いを抱いているのか、必死になって攻撃を行っていた。
向こうも、ゼオンの存在には当然気が付いてはいるのだろうが、そんなゼオンがオークを助けに来たというのは理解している以上、そのオークが助け出される前に倒してしまおうという考えなのだろう。
それはアランにも理解出来る。出来るが……だからといって、向こうの思い通りにさせる訳にはいかないのも事実。
周辺のガリンダミア帝国軍の兵士がゼオン姿に驚き、襲撃されたときのことを思い出しているのか半ば恐慌状態になっているを眺めつつ、アランはゼオンにビームライフルを構えさせる。
この状況で使える武器としては、やはりビームライフルが最適だったのが大きい。
本来なら腹部拡散ビーム砲を使うのがいいのかもしれないが、広範囲に攻撃出来る以上、下手をすればオークを巻き込む可能性もあった。
……アランの正直な気持ちとしては、散々絡まれた以上は、多少オークに被害を与えても構わないのではないかと思えたのだが。
それでもラリアントの数少ない心核使いという戦力である以上、それを放っておくといった真似は出来るはずもなかった。
ビームライフルのトリガーを引こうとし……瞬間、映像モニタの隅に表示された映像を見て、半ば反射的にアランはゼオンのスラスターを噴射させ、その場から退避する。
突然ゼオンを動かした影響で、少し離れた場所にいたガリンダミア帝国軍の兵士達にぶつかり、吹き飛ばしたのだが、今はそんなことに構ってはいられない。
そもそもガリンダミア帝国軍は敵である以上、それを気にする必要がなかったというのも大きい。
「ちっ、向こうも好きはさせてくれないか。……当然のことだけど」
ガリンダミア帝国軍も、ゼオンがどれだけ驚異的な存在なのかというのはこれ以上ないほどに理解している。
であれば、そのゼオンが現れた以上は出来る限り無効化させようと考えるのは、ある意味で当然だった。
ラリアント攻略において、現時点で一番の難関は何なのかと言われれば、ガリンダミア帝国軍は間違いなくアラン……いや、ゼオンだと告げるだろう。
ラリアントを守っている者たち、その中でも特に心核使いたちにしてみれば、とてもではないが許容出来ることではなかっただろうが。
ともあれ、そのような理由によって倒せるのなら今のうちにゼオンを倒してしまいたいという思いがあったのだろう。
咄嗟に回避したアランだったが、アランの背後……城壁には鋭い針が……それも人間の腕ほどの長さもある針が突き立っていた。
攻撃をしてきた方向に視線を向けると、そこにあったのは背中から無数の巨大な針を生やした、全長三メートルほどのハリネズミのモンスター。
心核使いが変身したモンスターの一匹だというのは、見るからに明らかだ。
「取りあえず、最低限の仕事はさせて貰う!」
スラスターを全開にし、ビームライフルを撃ちながら急速にオークに突っ込んでいくゼオン。
ビームライフルの一撃がオークを攻撃していたモンスターに命中し、そのうちの一匹の身体の中心を貫き、もう二匹も手足を失うといったダメージを与えることが出来た。
そうしてダメージを与えて相手が怯み、混乱した一瞬の隙を突き、アランはオークをゼオンで捕まえて強引にその場から退避する。
途中で先程と同じ針が飛んできたが、何とかそれを回避することには成功するのだった。
「誰が出撃を許可した! 心核使いの出撃は、敵が心核使いを出してきてからか、こちらからの命令があってからだと十分に言っておいたはずだぞ!」
苛立ちも露わに怒鳴るモリク。
参謀はそんなモリクに対し、冷静になりながら口を開く。
「どうやら独断で出撃したようですね。……正直なところ、今この状態で出撃する意味があるとは思えないのですが。ただ、心核使いの中にはアランに対して不満を持っていた者もいるので、それが爆発した形かと」
「それで暴走したのか? 厄介な真似をしてくれる。ああいう奴がいるから、面倒なことになる」
「それでどうします?」
見捨てるのですか? と参謀が視線で尋ねるが、モリクとしてはその意見を採用は出来ない。
個人的には、あのような自分勝手な者は見捨てたいと思わないでもなかったのだが、今のラリアント軍はただでさえガリンダミア帝国軍に戦力で負けている。
そんな中で心核使いをみすみす見捨てるような真似は、到底出来なかった。
「救う。向こうが心核使いを出すよりも前に、さっさと奴を回収しろ。今はいいが、これはそう長く保たないぞ」
今は一般の……それもガリンダミア帝国に占領された小国から徴兵された兵士が相手だから、こうして一方的に蹂躙出来ている。
だが、それは今だからこそだ。
心核使いを相手にするのは、よほどの腕利きではない限り心核使いが一般的であり……
「遅かったようです」
戦場を見て、参謀が冷静に呟く。
その言葉を聞いたグリムが参謀の視線を追うと、その先にあったのは、三匹のモンスター。
それがただのモンスターではなく、ガリンダミア帝国軍の心核使いであることは、モンスターたちの行動を見れば明らかだ。
ガリンダミア帝国軍の兵士たちには危害を加えるようなことはせず、前に……オークが暴れている場所に向かって進んでいるのだから。
「このままでは危険だ。すぐにこちらも心核使いを出せ! ただし、あくまでも目的はあの馬鹿者の救出だ! 敵の心核使いと本格的に戦うような真似をするな! ここで心核使い同士が戦うようなことになれば、心核使いの数が少ないこっちが不利になる!」
モリクの指示に従い、参謀は近くにいた伝令の兵士に素早く指示を出す。
走り去った伝令の後ろ姿を見ながら、モリクは今日まで十分に働いてくれたアランに期待する。
アランの心核で呼び出されるゼオンが極めて強力なのは、ザラクニアとの戦いで十分に理解している。
だからこそ、このような状況であってもどうにか出来るのではないか。……いや、して欲しい、と。
そんな風に思いながら、モリクは改めて戦場に視線を向ける。
モリクの視線の先では、やはりというべきかオークが三匹のモンスターによって圧倒されている。
つい先程までは兵士を蹂躙していたとは思えない光景。
兵士が振るう武器では、脂肪とその下にある厚い筋肉の鎧を貫くことは出来なかったが、相手が自分と同じ心核使いとなれば話は変わってくる。
防御に徹することで何とかまだ倒されていないが、それもいつまで頑張れるのかは分からない。
(あのような者でも、心核使いは貴重だ。……アラン、頼む)
戦場を眺めつつ、モリクはアランが出来るだけ早く戦場に出て来るように期待するのだった。
モリクがアランに期待している頃、そのアランは……
「え? 俺がですか? 別に俺じゃなくてもいいんじゃ?」
命令を持ってきた兵士に対し、アランはそう答える。
あのオークに変身した心核使いは、今まで何度もアランに絡んできた相手だ。
戦場に出る前にも、臆病者に本当の戦闘を見せてやるといった風に何度となく攻撃的な言葉を吐いてきた相手なのだ。
そうである以上、アランの気分的にはそんな相手を助けたいとは思えない。
だが、兵士としてはそうもいかない。
「頼む。あのような者であっても、今のラリアントには重要な戦力なんだ」
その言葉は決して大袈裟なものではない。
実際に心核使いというだけで十分な戦力として期待出来るのは間違いないし、事実兵士たちを相手にしてではあるが一方的に蹂躙していたのだから。
今も、三匹のモンスターを相手にしているので苦戦しているが、それはあくまでも三匹だからだ。
一匹が相手であれば、どうとでも対処出来た可能性はあった。
「行ってきたらどうだ? アランには面白くないかもしれないが、あいつが戦力として有用な存在なのも事実なんだ。そうである以上、その戦力をここで失うのはラリアントとしても面白くはない」
雲海の探索者の一人が、アランにそう言う。
アランに出撃して欲しいという要請を持ってきた兵士も、その探索者の言葉に何度も頷く。
「そうだ。ラリアントとしては、心核使いを失いたくはない」
「……けど、逃げようと思えば、逃げられるんじゃ?」
戦うのは無理だが、逃げようと思えば逃げられる。
それが、戦場を見たアランの正直な気持ちだった。
だが、そんなアランに兵士は首を横に振る。
「いや、それは難しい。逃げる気配を見せれば、それこそ逃がしてたまるかとより一層強力な攻撃をするだろう」
「アラン、いいか? お前に何度も絡んでくる奴だったが、ここでお前に助けられたらどうなる? アランに助けられた以上、これからは絡みにくくなるんじゃないか?」
「それは……まぁ、そうかもしれないけど」
「だろう? なら、お前が助けに行ってもいいんじゃないか?」
「……分かったよ」
アランとしても、自分の我が儘でラリアントを守る戦力が減るというのは好ましいものではない。
ラリアントが負けるということは、ゼオンの呼ぶことが出来る自分の身が危険に晒されるということを意味しているのだから。
そうである以上、アランとしてはこの一件について妥協をするしかない。
「じゃあ、そんな訳でっちょっと行ってきますね。あの暴れてるオークを連れ戻してくればいいんですよね?」
そう言うと、すぐに城壁に向かう。
現在アランがいた場所は、城壁からそう離れていない。
当然だろう。雲海はラリアントに残った戦力の中でも精鋭部隊の一つだ。
そうである以上、当然のようにいざとなったらすぐにでも出撃出来るように待機しておくのは当然だった。
「カロ、頼む」
「ぴ!」
城壁の上に上がると、すぐに心核を取り出してゼオンを呼び出すアラン。
……城壁の上に呼びだせば城壁が壊れてしまうというのは分かっていたので、呼びだしたのは城壁の外だ。
呼びだした次の瞬間、アランの姿はゼオンのコックピットの中にあった。
「さて、俺がやるべきなのは……まずはあっちだな」
呟き、ゼオンの映像モニタに視線を向ける。
そこに映し出されたのは、防御に徹しているオークと、そのオークを一方的に攻撃している三匹のモンスター。
まずやるべきなのは、今回俺が任された理由たるオークの救出。
ゼオンの姿が現れたというのに、三匹のモンスターは行動を止める様子はない。
いや、むしろゼオンが姿を現したからこそ、出来るだけ早く目の前のオークを倒してしまいたいという思いを抱いているのか、必死になって攻撃を行っていた。
向こうも、ゼオンの存在には当然気が付いてはいるのだろうが、そんなゼオンがオークを助けに来たというのは理解している以上、そのオークが助け出される前に倒してしまおうという考えなのだろう。
それはアランにも理解出来る。出来るが……だからといって、向こうの思い通りにさせる訳にはいかないのも事実。
周辺のガリンダミア帝国軍の兵士がゼオン姿に驚き、襲撃されたときのことを思い出しているのか半ば恐慌状態になっているを眺めつつ、アランはゼオンにビームライフルを構えさせる。
この状況で使える武器としては、やはりビームライフルが最適だったのが大きい。
本来なら腹部拡散ビーム砲を使うのがいいのかもしれないが、広範囲に攻撃出来る以上、下手をすればオークを巻き込む可能性もあった。
……アランの正直な気持ちとしては、散々絡まれた以上は、多少オークに被害を与えても構わないのではないかと思えたのだが。
それでもラリアントの数少ない心核使いという戦力である以上、それを放っておくといった真似は出来るはずもなかった。
ビームライフルのトリガーを引こうとし……瞬間、映像モニタの隅に表示された映像を見て、半ば反射的にアランはゼオンのスラスターを噴射させ、その場から退避する。
突然ゼオンを動かした影響で、少し離れた場所にいたガリンダミア帝国軍の兵士達にぶつかり、吹き飛ばしたのだが、今はそんなことに構ってはいられない。
そもそもガリンダミア帝国軍は敵である以上、それを気にする必要がなかったというのも大きい。
「ちっ、向こうも好きはさせてくれないか。……当然のことだけど」
ガリンダミア帝国軍も、ゼオンがどれだけ驚異的な存在なのかというのはこれ以上ないほどに理解している。
であれば、そのゼオンが現れた以上は出来る限り無効化させようと考えるのは、ある意味で当然だった。
ラリアント攻略において、現時点で一番の難関は何なのかと言われれば、ガリンダミア帝国軍は間違いなくアラン……いや、ゼオンだと告げるだろう。
ラリアントを守っている者たち、その中でも特に心核使いたちにしてみれば、とてもではないが許容出来ることではなかっただろうが。
ともあれ、そのような理由によって倒せるのなら今のうちにゼオンを倒してしまいたいという思いがあったのだろう。
咄嗟に回避したアランだったが、アランの背後……城壁には鋭い針が……それも人間の腕ほどの長さもある針が突き立っていた。
攻撃をしてきた方向に視線を向けると、そこにあったのは背中から無数の巨大な針を生やした、全長三メートルほどのハリネズミのモンスター。
心核使いが変身したモンスターの一匹だというのは、見るからに明らかだ。
「取りあえず、最低限の仕事はさせて貰う!」
スラスターを全開にし、ビームライフルを撃ちながら急速にオークに突っ込んでいくゼオン。
ビームライフルの一撃がオークを攻撃していたモンスターに命中し、そのうちの一匹の身体の中心を貫き、もう二匹も手足を失うといったダメージを与えることが出来た。
そうしてダメージを与えて相手が怯み、混乱した一瞬の隙を突き、アランはオークをゼオンで捕まえて強引にその場から退避する。
途中で先程と同じ針が飛んできたが、何とかそれを回避することには成功するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる