131 / 422
逆襲
130話
しおりを挟む
ザッカランの城壁の上にいる魔法使いを無力化したアランが次に目を向けたのは、地上から自分を……正確にはゼオンを睨んでいる、カバのモンスター。
ガーウィットが変身した青い狼では、ほとんどダメージを与えることが出来なかった、強力な防御力を持つモンスターだ。
とはいえ、ガーウィットの攻撃を封じるだけの強靱な筋肉と厚い脂肪と皮を持つカバのモンスターだけに、その重量も相当なものとなる。
それだけに、城壁の上に移動するといった真似も出来ず……現在出来るのは、地上からゼオンを睨み付けるだけだ。
「とはいえ、俺が向こうに付き合う必要もない訳で……」
カバにしてみれば、空を飛んでないでとっとと降りてこいと、そう思っているのは間違いない。
だからといって、アランがわざわざ敵に付き合う必要もない。
放たれた場所から相手にダメージを与える手段を持っているのだから、それを使わないという選択は、アランにはなかった。
「残念だけど、こうさせて貰おう。……フェルス!」
アランの言葉と共に、その背後の空間に幾つもの波紋が浮かび、その波紋の中から三角錐のフェルスが姿を現す。
……なお、こうしてカバを観察したり、フェルスを出したりといった真似をしている現在も、実は城壁に残った兵士から矢を射かけられ続けているのだが、生憎とただの矢ではゼオンの装甲を貫くような真似は出来ない。
大量の矢を射かけられ続けているにもかかわらず、アランはそれを無視してフェルスの操作に専念する。
「ビームライフルじゃないだけ、感謝して欲しいな」
そう呟きながら、フェルスをカバに向かわせる。
現状、ゼオンの持つ武器の中で一番攻撃力が高いのは、ビームライフルだ。
……もっとも、至近距離、いわゆるゼロ距離から放つ腹部拡散ビーム砲や、フェルスの全てを一点に集中して攻撃するといった真似をすれば話は別だったが。
また、ビームサーベルも威力という点では一撃必殺に近いものがあるが、今回はあくまでも遠距離からの攻撃でという条件のために最初から選択肢には上がっていなかった。
ともあれ、ビーム砲を内蔵しているフェルスの攻撃は、一撃で相手を殺すといったことをする心配はない。
いや、敵が心核使いでなければ、フェルスの一撃で死んだりもするのだろうが、今回はあくまでもカバのモンスターに変身した心核使いが相手だ。
その高い防御力をガーウィットとの戦いから予想していたアランにしてみれば、少数のフェルスで攻撃をすれば、相手を殺すようなことはないだろうと予想していた。
敵の心核使いを、わざわざ生かしたまま倒すというのは正直どうかとアランも思わないことはなかったが、その方が占領したあとでザッカラン側からの反発が少なくなると言われれば、そうなのかと従うしかない。
これが、どうしても相手を生かしたまま無力化するようなことが出来ないのであれば、アランも安易に今回の一件を引き受けたりはしなかっただろう。
だが、幸か不幸かアランには相手を生かしたまま無力化させるだけの力があった。
かなり繊細に気を遣う必要があるのは間違いなかったが、それでもゼオンの持つ武器を思えば簡単だったのだ。
「行け、フェルス!」
アランの意思に従い、三機のフェルスがカバに向かって飛んでいく。
それ以外のフェルスは、何かあったときすぐに対応出来るように、ゼオンの周辺に待機していた。
カバに向かって突撃していったフェルスのうち、二機は先端にビームソードを展開し、一機はビーム砲からビームを射出する。
カバは、最初自分に向かってくるフェルスを見ても、特に気にした様子はなかった。
自分の持つ高い防御力にそれだけ自信があったというのもあるだろうし、同時にラリアントでの戦いに参加していなかったので、フェルスについての情報を何も知らないというのも大きかった。
結果として……
「がああああああああっ!」
フェルスの一機が放ったビームにより、カバの装甲は呆気なく貫かれ、その痛みに悲鳴が上がる。
カバにとっても、自分の防御力は自慢だったのだろう。
実際にガーウィットの攻撃はほぼ無傷に近かったのだから。
だが……爪や牙による一撃とビームによる一撃では、その威力は大きく違う。
厚い皮膚や脂肪はあっさりと貫き、密度の濃い筋肉も貫き、骨をも貫き、反対側の皮膚からビームは貫通する。
カバにとっての不運は、それだけでは終わらない。
カバに向かったフェルスは三機で、ビーム砲を放ったのは一機でしかない。
では、他の二機はどうしたのかと言えば……
「ぐおっ!」
カバの口から悲鳴が上がり、地面に崩れ落ちる。
先端にビームソードを展開したフェルスが、カバの足の全てを大きく斬り裂いたのだ。
切断するといったところまではいっていないが、それでも大きく斬り裂かれた足では、何本あろうとも立っていることは出来なかった。
「……こんなものか」
カバが死んでいないのを確認すると、アランは攻撃に使っていたフェルスを戻し……
「させると思うか!?」
そう叫びながら、ビームサーベルを上空に向かって振るう。
「ぎゃんっ!」
瞬間、まるで犬のような悲鳴を上げながら二つの顔を持つ鷲が双方の顔で揃って悲鳴を上げて、あらぬ方に飛んでいく。
翼をビームサーベルによって斬り裂かれた鷲は、そのまま墜落することはなかったが、それでも飛び続けるといったことは出来ず、翼を羽ばたかせて何とか墜落することは防ぎ、地上に向かって落下していく。
「さて、これでザッカランの戦力は大きく減ったはずだ。この状況で……一体どうする?」
城壁の上にいる者たちを眺めながら、アランは呟く。
城壁の上にいた魔法使いは死んではないものの、ほぼ無力化された。
ザッカランが頼りにしていたと思われる心核使いも、二人揃ってゼオンによって無力化された。
……双方共に死んではいないが、それでも大きなダメージを受けたのは間違いない。
そうである以上、今のザッカランにはゼオンに……そしてゼオンのいるドットリオン王国軍に対抗する術はない。
ザッカランの者たちも、それが分かっているから降伏はしないのだろうし、常に攻める側の自分たちが攻められるというのを許容出来ていないのも、間違いのない事実だった。
だからこそ、ここまで追い詰められていても向こうから降伏するといった宣言はない。
それと同時に、ザッカランの兵士たちがゼオンに向かって行う攻撃も、次第に落ち着いていく。
魔法使いは早々に無力化され、ザッカランにとって奥の手だったはずの心核使いもゼオンの前にはあっさりと倒されてしまう。
これは結果論になるが、ガーウィットの変身した青い狼を圧倒したカバが、ゼオンの攻撃によってあっさりと無力化されてしまったというのも大きい。
同じ心核使いの青い狼に勝てて、これならどうにかなるかもしれないと、そう思ったところでゼオンがやって来てあっさりと倒されてしまったのだ。
まさに上げて落とすといったことをされた結果として、ザッカランの兵士たちはゼオンを相手にしても勝ち目はないと、そう思ってしまった。
それでも、まだゼオンに対して……ドットリオン王国に対して負けを認めたくない軍人は、必死に叫ぶ。
「攻撃しろ! あの空飛ぶゴーレムを倒してしまえば、ドットリオン王国軍などすぐに撤退する!
我らはガリンダミア帝国! ドットリオン王国程度に無様な真似は見せるな!」
そう叫ぶ軍人の指示に、まだ気力が残っている者や、もしくはほとんど成り行きで命令を聞いた者たちが、弓を引き絞って矢を射る。
もしゼオンが地上にいれば、それこそ長剣や槍といった武器を使って攻撃をする者もおり、結果としてまだ攻撃が出来る者はそれなりにいただろう。
だが、ゼオンは空を飛んでいる。
そのことがまた、ザッカランを守る兵士たちの士気を挫くには十分だった。
「ともあれ、お前は邪魔だ」
ゼオンに攻撃しろと命じている軍人のいる場所に向け、頭部バルカンを発射する。
明らかに現状を理解しておらず、その上で言葉からドットリオン王国を下に見ており、もしこのままザッカランを占拠しても絶対に従うようなことはせず、最悪の場合はゲリラ活動でもされては大変だ。
そんな思いから、アランは死んでも構わないという思いで頭部バルカンを撃ったのだが……叫んでいた軍人は天運に恵まれているのか、それとも単純に悪運が強いのか。
ともあれ、頭部バルカンの弾丸は男の近くにある城壁を削ったり破壊したりはしたものの、その身体に命中するということは一切なかった。
「これは……」
自分の技量を疑ったアランだったが、それも軍人が黙り込んだので、それ以上の攻撃は止める。
……黙り込んだというか、実際にはあまりの恐怖に軍人が気絶したというのが正しいのだが。
その後も、何人かの軍人が攻撃をしろ、ドットリオン王国軍相手に負けるようなことはあってなはらないといったように叫び……そのような者が、次から次にゼオンの頭部バルカンによって、もしくは頭部バルカンの届かないよう場所に隠れながら叫んでいる場合はフェルスを使い、次々に倒していく。
そのようなことが何度か続き、ザッカランの城壁の上にいる者たちも、攻撃しろと叫べばゼオンに攻撃されると理解し、大人しくなる。
城壁の上で必死にゼオンに向かって矢を射っていた兵士たちも、ゼオンが矢を全く気にしていないと知ると、自然と攻撃を控えるようになった。
自分たちが必死で攻撃しているのに、相手は全く攻撃をされていることにすら気が付いていないといった態度を取られたのだ。
兵士の心を折るには十分な出来事だった。
……アランとしては、そこまで考えていたのではなく、矢による攻撃は特に被害もないので放っておいたというのが、正しかったのだが。
ともあれ、そうして城壁の上にいる兵士たちが攻撃しなくなったところで、アランはゼオンを操縦し、上空に向けてビームライフルを撃つ。
日中であっても、そのビームはしっかりと見え……そしてビームの光を見たドットリオン王国軍は、その合図に進軍を開始するのだった。
ガーウィットが変身した青い狼では、ほとんどダメージを与えることが出来なかった、強力な防御力を持つモンスターだ。
とはいえ、ガーウィットの攻撃を封じるだけの強靱な筋肉と厚い脂肪と皮を持つカバのモンスターだけに、その重量も相当なものとなる。
それだけに、城壁の上に移動するといった真似も出来ず……現在出来るのは、地上からゼオンを睨み付けるだけだ。
「とはいえ、俺が向こうに付き合う必要もない訳で……」
カバにしてみれば、空を飛んでないでとっとと降りてこいと、そう思っているのは間違いない。
だからといって、アランがわざわざ敵に付き合う必要もない。
放たれた場所から相手にダメージを与える手段を持っているのだから、それを使わないという選択は、アランにはなかった。
「残念だけど、こうさせて貰おう。……フェルス!」
アランの言葉と共に、その背後の空間に幾つもの波紋が浮かび、その波紋の中から三角錐のフェルスが姿を現す。
……なお、こうしてカバを観察したり、フェルスを出したりといった真似をしている現在も、実は城壁に残った兵士から矢を射かけられ続けているのだが、生憎とただの矢ではゼオンの装甲を貫くような真似は出来ない。
大量の矢を射かけられ続けているにもかかわらず、アランはそれを無視してフェルスの操作に専念する。
「ビームライフルじゃないだけ、感謝して欲しいな」
そう呟きながら、フェルスをカバに向かわせる。
現状、ゼオンの持つ武器の中で一番攻撃力が高いのは、ビームライフルだ。
……もっとも、至近距離、いわゆるゼロ距離から放つ腹部拡散ビーム砲や、フェルスの全てを一点に集中して攻撃するといった真似をすれば話は別だったが。
また、ビームサーベルも威力という点では一撃必殺に近いものがあるが、今回はあくまでも遠距離からの攻撃でという条件のために最初から選択肢には上がっていなかった。
ともあれ、ビーム砲を内蔵しているフェルスの攻撃は、一撃で相手を殺すといったことをする心配はない。
いや、敵が心核使いでなければ、フェルスの一撃で死んだりもするのだろうが、今回はあくまでもカバのモンスターに変身した心核使いが相手だ。
その高い防御力をガーウィットとの戦いから予想していたアランにしてみれば、少数のフェルスで攻撃をすれば、相手を殺すようなことはないだろうと予想していた。
敵の心核使いを、わざわざ生かしたまま倒すというのは正直どうかとアランも思わないことはなかったが、その方が占領したあとでザッカラン側からの反発が少なくなると言われれば、そうなのかと従うしかない。
これが、どうしても相手を生かしたまま無力化するようなことが出来ないのであれば、アランも安易に今回の一件を引き受けたりはしなかっただろう。
だが、幸か不幸かアランには相手を生かしたまま無力化させるだけの力があった。
かなり繊細に気を遣う必要があるのは間違いなかったが、それでもゼオンの持つ武器を思えば簡単だったのだ。
「行け、フェルス!」
アランの意思に従い、三機のフェルスがカバに向かって飛んでいく。
それ以外のフェルスは、何かあったときすぐに対応出来るように、ゼオンの周辺に待機していた。
カバに向かって突撃していったフェルスのうち、二機は先端にビームソードを展開し、一機はビーム砲からビームを射出する。
カバは、最初自分に向かってくるフェルスを見ても、特に気にした様子はなかった。
自分の持つ高い防御力にそれだけ自信があったというのもあるだろうし、同時にラリアントでの戦いに参加していなかったので、フェルスについての情報を何も知らないというのも大きかった。
結果として……
「がああああああああっ!」
フェルスの一機が放ったビームにより、カバの装甲は呆気なく貫かれ、その痛みに悲鳴が上がる。
カバにとっても、自分の防御力は自慢だったのだろう。
実際にガーウィットの攻撃はほぼ無傷に近かったのだから。
だが……爪や牙による一撃とビームによる一撃では、その威力は大きく違う。
厚い皮膚や脂肪はあっさりと貫き、密度の濃い筋肉も貫き、骨をも貫き、反対側の皮膚からビームは貫通する。
カバにとっての不運は、それだけでは終わらない。
カバに向かったフェルスは三機で、ビーム砲を放ったのは一機でしかない。
では、他の二機はどうしたのかと言えば……
「ぐおっ!」
カバの口から悲鳴が上がり、地面に崩れ落ちる。
先端にビームソードを展開したフェルスが、カバの足の全てを大きく斬り裂いたのだ。
切断するといったところまではいっていないが、それでも大きく斬り裂かれた足では、何本あろうとも立っていることは出来なかった。
「……こんなものか」
カバが死んでいないのを確認すると、アランは攻撃に使っていたフェルスを戻し……
「させると思うか!?」
そう叫びながら、ビームサーベルを上空に向かって振るう。
「ぎゃんっ!」
瞬間、まるで犬のような悲鳴を上げながら二つの顔を持つ鷲が双方の顔で揃って悲鳴を上げて、あらぬ方に飛んでいく。
翼をビームサーベルによって斬り裂かれた鷲は、そのまま墜落することはなかったが、それでも飛び続けるといったことは出来ず、翼を羽ばたかせて何とか墜落することは防ぎ、地上に向かって落下していく。
「さて、これでザッカランの戦力は大きく減ったはずだ。この状況で……一体どうする?」
城壁の上にいる者たちを眺めながら、アランは呟く。
城壁の上にいた魔法使いは死んではないものの、ほぼ無力化された。
ザッカランが頼りにしていたと思われる心核使いも、二人揃ってゼオンによって無力化された。
……双方共に死んではいないが、それでも大きなダメージを受けたのは間違いない。
そうである以上、今のザッカランにはゼオンに……そしてゼオンのいるドットリオン王国軍に対抗する術はない。
ザッカランの者たちも、それが分かっているから降伏はしないのだろうし、常に攻める側の自分たちが攻められるというのを許容出来ていないのも、間違いのない事実だった。
だからこそ、ここまで追い詰められていても向こうから降伏するといった宣言はない。
それと同時に、ザッカランの兵士たちがゼオンに向かって行う攻撃も、次第に落ち着いていく。
魔法使いは早々に無力化され、ザッカランにとって奥の手だったはずの心核使いもゼオンの前にはあっさりと倒されてしまう。
これは結果論になるが、ガーウィットの変身した青い狼を圧倒したカバが、ゼオンの攻撃によってあっさりと無力化されてしまったというのも大きい。
同じ心核使いの青い狼に勝てて、これならどうにかなるかもしれないと、そう思ったところでゼオンがやって来てあっさりと倒されてしまったのだ。
まさに上げて落とすといったことをされた結果として、ザッカランの兵士たちはゼオンを相手にしても勝ち目はないと、そう思ってしまった。
それでも、まだゼオンに対して……ドットリオン王国に対して負けを認めたくない軍人は、必死に叫ぶ。
「攻撃しろ! あの空飛ぶゴーレムを倒してしまえば、ドットリオン王国軍などすぐに撤退する!
我らはガリンダミア帝国! ドットリオン王国程度に無様な真似は見せるな!」
そう叫ぶ軍人の指示に、まだ気力が残っている者や、もしくはほとんど成り行きで命令を聞いた者たちが、弓を引き絞って矢を射る。
もしゼオンが地上にいれば、それこそ長剣や槍といった武器を使って攻撃をする者もおり、結果としてまだ攻撃が出来る者はそれなりにいただろう。
だが、ゼオンは空を飛んでいる。
そのことがまた、ザッカランを守る兵士たちの士気を挫くには十分だった。
「ともあれ、お前は邪魔だ」
ゼオンに攻撃しろと命じている軍人のいる場所に向け、頭部バルカンを発射する。
明らかに現状を理解しておらず、その上で言葉からドットリオン王国を下に見ており、もしこのままザッカランを占拠しても絶対に従うようなことはせず、最悪の場合はゲリラ活動でもされては大変だ。
そんな思いから、アランは死んでも構わないという思いで頭部バルカンを撃ったのだが……叫んでいた軍人は天運に恵まれているのか、それとも単純に悪運が強いのか。
ともあれ、頭部バルカンの弾丸は男の近くにある城壁を削ったり破壊したりはしたものの、その身体に命中するということは一切なかった。
「これは……」
自分の技量を疑ったアランだったが、それも軍人が黙り込んだので、それ以上の攻撃は止める。
……黙り込んだというか、実際にはあまりの恐怖に軍人が気絶したというのが正しいのだが。
その後も、何人かの軍人が攻撃をしろ、ドットリオン王国軍相手に負けるようなことはあってなはらないといったように叫び……そのような者が、次から次にゼオンの頭部バルカンによって、もしくは頭部バルカンの届かないよう場所に隠れながら叫んでいる場合はフェルスを使い、次々に倒していく。
そのようなことが何度か続き、ザッカランの城壁の上にいる者たちも、攻撃しろと叫べばゼオンに攻撃されると理解し、大人しくなる。
城壁の上で必死にゼオンに向かって矢を射っていた兵士たちも、ゼオンが矢を全く気にしていないと知ると、自然と攻撃を控えるようになった。
自分たちが必死で攻撃しているのに、相手は全く攻撃をされていることにすら気が付いていないといった態度を取られたのだ。
兵士の心を折るには十分な出来事だった。
……アランとしては、そこまで考えていたのではなく、矢による攻撃は特に被害もないので放っておいたというのが、正しかったのだが。
ともあれ、そうして城壁の上にいる兵士たちが攻撃しなくなったところで、アランはゼオンを操縦し、上空に向けてビームライフルを撃つ。
日中であっても、そのビームはしっかりと見え……そしてビームの光を見たドットリオン王国軍は、その合図に進軍を開始するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる