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逆襲
142話
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「急げ! 早く処理をしないと、血の臭いに他のモンスターがやって来るぞ! 早く処理をするんだ!」
夜のオアシスにそんな声が響く。
その声に従って、多くの者が狼の解体を進める。
今が夜で、月明かりと焚き火だけが光源だったが、狼の解体は問題なく進められていた。
襲ってきた狼は、大きさこそ普通の狼よりもかなり大きかったが、それでも姿形としては特に異常な場所……角や触手、五本目、六本目の足といったものがなかったのが、この場合は幸いしたのだ。
とはいえ、襲ってきた狼の数は三十匹を越えている。
それだけの狼の解体処理をするのは、当然のように大変だった。
だからこそ、魔石と食用となる肉のみを剥ぎ取ることにし、それ以外はオアシスから離れた場所に捨ててくることになったのだ。
もしザッカランの探索者がこれを見れば、何て勿体ない! と叫んでいただろう。
大樹の遺跡の地下八階ともなれば、まだ地図も存在せず、公には誰も到達したことがない場所なのだ。
その場所で遭遇したモンスターだけに、素材はあればあっただけいいというのが正直なところだろう。
あるいは、この地下八階が探索の目的地であれば、数匹分は狼の死体そのものを持っていくという手段もあっただろう。
だが、違う。
雲海と黄金の薔薇の面々は、この遺跡を攻略することを目的としているのだ。
そうである以上、食料としての肉はともかく、他の素材となりそうな部分を持っていくような真似は出来ない。
そのような真似をすれば、それこそ無駄に体力を消耗するだけなのだから。
……そのような真似が出来ない以上、必要な分の食料だけを持っていくのが最善の選択だった。
とはいえ、何だかんだと食料となる肉も相応の重量ではあるのだが。
それこそ普通の人であれば、そのような荷物を持っていくのも大変ではあるのだろうが、ここにいるのは探索者だ。
それもその辺にいる探索者ではなく、高い技量や身体能力の持ち主である以上、肉を運ぶ程度のことはどうということはない。
「食事はこっちよ。お腹が空いた人から、どんどん食べにきなさい。いいわね!」
少し離れた場所では、女の探索者が早速狼の肉を使って料理をしていた。
とはいえ、遺跡の攻略の最中である以上、手持ちの食料はなるべく使いたくはない。
だからこそ、狼の肉やオアシスに生えている植物で食べられるものを使って簡単な……肉がたっぷりと入ったスープを作って、それを食事にしていた。
……それでも、干し肉や焼き固めたパンのような保存食と比べれば、間違いなく美味い料理ではあるのだが。
それぞれで食事をしながら、自分のやるべきことをやっていく。
そんな中でアランが任されたのは、当然のようにゼオンを使った偵察だった。
普通の偵察という点なら、それこそ他の面々でも出来る。
だが、ゼオンを使えば空を飛び、一気に遠くを偵察出来るのだ。
そう考えると、偵察にゼオンが任せられるのは当然だろう。
「じゃあ、行ってくるから、こっちは任せました」
「おう、またあの狼がやってきたら、俺がぶんなぐってやるから、安心して行ってきな」
豪快な笑いを浮かべ、ロッコーモがそう告げる。
そんなロッコーモの様子を見て、オーガに変身するロッコーモなら、確かに狼がやってきても殴り殺すことが出来るんだろうなと思う。
……もっとも、その性格と同様に良く言えば豪快、悪く言えば乱雑な戦いをすることが多いロッコーモだけに、狼の俊敏な動きについていけるのかどうかは微妙なところだったが。
それでもアランは、ロッコーモの言葉に頼もしそうに頷く。
力こそパワー。
日本で生きてきたときにそんな言葉を何かで聞いたことがあったような気がするアランだったが、オーガに変身するロッコーモは、まさにその力こそパワーを地でいく戦い方をしている。
だからこそ、余計に頼もしいとそうアランには思えるのだ。
もちろん、他の者たちに対しても当然のように頼もしいとは思っているのだが。
「分かりました。じゃあ、行ってきますね。……カロ、頼む」
「ぴ!」
アランの頼みに答えて、心核のカロはゼオンを召喚する。
おおー、と。
ゼオンを見た者たちの口から、そんな声がアランに耳に聞こえてきた。
今まで何度もゼオンを見ている面々だったが、それでもやはりゼオンほどの巨大な人型機動兵器を見れば、そこには驚きがあるのだろう。
慣れ、というのがない訳でもないだろうが、慣れれば慣れたでやはりゼオンを見た時にどうしても驚きを感じてしまうのだろう。
作業を一時的に止めて自分を……いや、ゼオンを見ている者の視線に押されるようにして、アランはゼオンのコックピットに乗り込む。
「じゃあ、行ってきますね。出来るなら階段か、別のオアシスを見つけてきますから」
『頼んだぞ!』
ゼオンの外にいる仲間たちの声を聞きながら、アランはゼオンを空中に浮かばせる。
(にしても、ここまで広いってのは……いやまぁ、古代魔法文明の遺跡なんだし、そう考えればそこまでおかしな話じゃないのか?)
古代魔法文明の遺跡であれば、それこそどのような場所であってもおかしなことはない。
そのことに納得しつつ、同時にそれはいつ次の階層に行けるのかということを疑問にも思う。
「お、あれは……サンドゴーレムか」
そう告げるアランの口調は、微妙に嫌そうな色がある。
サンドゴーレムというのは、砂で出来たゴーレムだ。
つまり、多少身体が破壊されても砂があればすぐに修復出来てしまう。
そして、ここは砂漠……それも岩石砂漠ような場所ではなく、砂漠と言われて最初に思いつくような、砂の砂漠だ。
そのような場所でサンドゴーレムと戦うとなれば、それこそ倒すのにどれだけの時間がかかることか。
おまけに、サンドゴーレムを倒しても得られる戦利品はゴーレムの核くらいで、他に何もない。
これが、岩のゴーレム……ロックゴーレムの類であれば、たまに宝石の原石や魔法金属が身体の一部になってるゴーレムもいたりするのだが。
「あ。でも以前砂金で出来たサンドゴーレムと遭遇した探索者がいるとか何とか、聞いたことがあったな。……それが真実かどうかは分からないけど」
砂金で出来たサンドゴーレムともなれば、相当の金額になるはずだった。
……もっとも、最下層に向かっている現在のアランたちの場合、砂金を手に入れてもそこまで大量に持っていくようなことは出来ないが。
そのことを少しだけ残念に思いながらも、アランはゼオンによって空から砂漠を偵察する。
それで分かったのは、アランが砂漠と聞いて予想していた以上に生態系が豊富だということだ。
アランにとって、砂漠というのは砂漠に適応したほんの少数の生き物のみが、何とか生きていけるという認識だった。
だが、実際にこの地下八階にやって来てからは、多くの生き物を見ている。
もちろん、アランが見たのは本当の意味……自然に存在する砂漠ではなく、古代魔法文明によって生み出された砂漠だ。
そのような砂漠であれば、普通の砂漠と違って生態系が比較的豊かであってもおかしくはない。
(そうなると、もしかしたらこの砂漠って普通の砂漠よりも暮らしやすい砂漠なのかもしれないな)
そんな風に考えつつ、砂漠の空を飛んでいたアランだったが、不意に映像モニタに空を飛ぶ何かが映し出された。
何だ? と視線を見ると、それは巨大なコウモリ。
夜でもなく、それどころか太陽がこれでもかと自己主張している砂漠で、何故コウモリ? と若干疑問に思ったアランだったが、ともあれそのコウモリが真っ直ぐゼオンに向かって来ているのは確かだ。
アランはそんなコウモリを敵と判断する。
まさか、この状況でゼオンに懐いて近付いてきたなどと、そんなことは思わない。
……いや、あるいはただゼオンに向かって近付いてきたのなら、そんな風に思っていた可能性もある。
だが、そのコウモリが牙を剥き出しにして明らかに攻撃する気で近付いてくる以上、それを友好的な存在と思うことは、アランには出来なかった。
「とりあえず、と」
頭部バルカンを発射すると、コウモリは何とかその攻撃を回避しようとしたものの対処は出来ずに弾丸に身体を貫かれて砂漠に墜落していく。
新種のモンスターなら死体を確保した方がいいのか? と思ったが、今の状況を考えると、そんなことよりも早く地下九階に降りるための階段を探すという方が先立った。
そう判断し、巨大なコウモリの死体が砂漠に落ちていくのを映像モニタで確認すると、すぐにその場から飛び去る。
……単純に、ゼオンに乗っているこの状況でコウモリの死体を保っていくのが面倒だと、そう思った為もあったのだが。
(それにしても、コウモリか。……夜に空を飛んでるのを見ることはあるけど、砂漠でもコウモリがいるんだな。いやまぁ、狼とかと同じくモンスターだからだろうけど)
取りあえず空を飛ぶモンスターとしてコウモリがいるというのを知れたことは、アランにとってもそれなりの収穫だった。
移動しているときや、野営をしているとき。
そのような場合において、空からの襲撃というのは意表を突かれることが多い。
どうしても、地上を歩いていると空に視線を向ける頻度は少なくなってしまう。
これで、襲ってくるモンスターが鳥型であれば、翼を羽ばたかせる音で気が付くこともあるだろう。
だが、コウモリの厄介な点は、羽ばたく音がほぼ無音に近いことだ。
それにより、相手が近付いてくるのを察知することは出来ない……訳ではないが、かなり難しい。
「まぁ、攻撃手段とかは少ないみたいだけど」
ゼオンの頭部バルカンで一方的にダメージを受けて墜落していった様子を思い出しながら、アランは呟き……
「オアシス?」
ふと、映像モニタに視線を向けると、そこには昨夜アラン達が滞在したのとは別のオアシスを見つける。
(まぁ、この階層が砂漠を再現してるのなら、オアシスが一つだけってことはないんだろうけど……この地下八階は、俺が思っていた以上に広い階層になってそうだな)
若干うんざりとしながら、アランはそう思うのだった。
夜のオアシスにそんな声が響く。
その声に従って、多くの者が狼の解体を進める。
今が夜で、月明かりと焚き火だけが光源だったが、狼の解体は問題なく進められていた。
襲ってきた狼は、大きさこそ普通の狼よりもかなり大きかったが、それでも姿形としては特に異常な場所……角や触手、五本目、六本目の足といったものがなかったのが、この場合は幸いしたのだ。
とはいえ、襲ってきた狼の数は三十匹を越えている。
それだけの狼の解体処理をするのは、当然のように大変だった。
だからこそ、魔石と食用となる肉のみを剥ぎ取ることにし、それ以外はオアシスから離れた場所に捨ててくることになったのだ。
もしザッカランの探索者がこれを見れば、何て勿体ない! と叫んでいただろう。
大樹の遺跡の地下八階ともなれば、まだ地図も存在せず、公には誰も到達したことがない場所なのだ。
その場所で遭遇したモンスターだけに、素材はあればあっただけいいというのが正直なところだろう。
あるいは、この地下八階が探索の目的地であれば、数匹分は狼の死体そのものを持っていくという手段もあっただろう。
だが、違う。
雲海と黄金の薔薇の面々は、この遺跡を攻略することを目的としているのだ。
そうである以上、食料としての肉はともかく、他の素材となりそうな部分を持っていくような真似は出来ない。
そのような真似をすれば、それこそ無駄に体力を消耗するだけなのだから。
……そのような真似が出来ない以上、必要な分の食料だけを持っていくのが最善の選択だった。
とはいえ、何だかんだと食料となる肉も相応の重量ではあるのだが。
それこそ普通の人であれば、そのような荷物を持っていくのも大変ではあるのだろうが、ここにいるのは探索者だ。
それもその辺にいる探索者ではなく、高い技量や身体能力の持ち主である以上、肉を運ぶ程度のことはどうということはない。
「食事はこっちよ。お腹が空いた人から、どんどん食べにきなさい。いいわね!」
少し離れた場所では、女の探索者が早速狼の肉を使って料理をしていた。
とはいえ、遺跡の攻略の最中である以上、手持ちの食料はなるべく使いたくはない。
だからこそ、狼の肉やオアシスに生えている植物で食べられるものを使って簡単な……肉がたっぷりと入ったスープを作って、それを食事にしていた。
……それでも、干し肉や焼き固めたパンのような保存食と比べれば、間違いなく美味い料理ではあるのだが。
それぞれで食事をしながら、自分のやるべきことをやっていく。
そんな中でアランが任されたのは、当然のようにゼオンを使った偵察だった。
普通の偵察という点なら、それこそ他の面々でも出来る。
だが、ゼオンを使えば空を飛び、一気に遠くを偵察出来るのだ。
そう考えると、偵察にゼオンが任せられるのは当然だろう。
「じゃあ、行ってくるから、こっちは任せました」
「おう、またあの狼がやってきたら、俺がぶんなぐってやるから、安心して行ってきな」
豪快な笑いを浮かべ、ロッコーモがそう告げる。
そんなロッコーモの様子を見て、オーガに変身するロッコーモなら、確かに狼がやってきても殴り殺すことが出来るんだろうなと思う。
……もっとも、その性格と同様に良く言えば豪快、悪く言えば乱雑な戦いをすることが多いロッコーモだけに、狼の俊敏な動きについていけるのかどうかは微妙なところだったが。
それでもアランは、ロッコーモの言葉に頼もしそうに頷く。
力こそパワー。
日本で生きてきたときにそんな言葉を何かで聞いたことがあったような気がするアランだったが、オーガに変身するロッコーモは、まさにその力こそパワーを地でいく戦い方をしている。
だからこそ、余計に頼もしいとそうアランには思えるのだ。
もちろん、他の者たちに対しても当然のように頼もしいとは思っているのだが。
「分かりました。じゃあ、行ってきますね。……カロ、頼む」
「ぴ!」
アランの頼みに答えて、心核のカロはゼオンを召喚する。
おおー、と。
ゼオンを見た者たちの口から、そんな声がアランに耳に聞こえてきた。
今まで何度もゼオンを見ている面々だったが、それでもやはりゼオンほどの巨大な人型機動兵器を見れば、そこには驚きがあるのだろう。
慣れ、というのがない訳でもないだろうが、慣れれば慣れたでやはりゼオンを見た時にどうしても驚きを感じてしまうのだろう。
作業を一時的に止めて自分を……いや、ゼオンを見ている者の視線に押されるようにして、アランはゼオンのコックピットに乗り込む。
「じゃあ、行ってきますね。出来るなら階段か、別のオアシスを見つけてきますから」
『頼んだぞ!』
ゼオンの外にいる仲間たちの声を聞きながら、アランはゼオンを空中に浮かばせる。
(にしても、ここまで広いってのは……いやまぁ、古代魔法文明の遺跡なんだし、そう考えればそこまでおかしな話じゃないのか?)
古代魔法文明の遺跡であれば、それこそどのような場所であってもおかしなことはない。
そのことに納得しつつ、同時にそれはいつ次の階層に行けるのかということを疑問にも思う。
「お、あれは……サンドゴーレムか」
そう告げるアランの口調は、微妙に嫌そうな色がある。
サンドゴーレムというのは、砂で出来たゴーレムだ。
つまり、多少身体が破壊されても砂があればすぐに修復出来てしまう。
そして、ここは砂漠……それも岩石砂漠ような場所ではなく、砂漠と言われて最初に思いつくような、砂の砂漠だ。
そのような場所でサンドゴーレムと戦うとなれば、それこそ倒すのにどれだけの時間がかかることか。
おまけに、サンドゴーレムを倒しても得られる戦利品はゴーレムの核くらいで、他に何もない。
これが、岩のゴーレム……ロックゴーレムの類であれば、たまに宝石の原石や魔法金属が身体の一部になってるゴーレムもいたりするのだが。
「あ。でも以前砂金で出来たサンドゴーレムと遭遇した探索者がいるとか何とか、聞いたことがあったな。……それが真実かどうかは分からないけど」
砂金で出来たサンドゴーレムともなれば、相当の金額になるはずだった。
……もっとも、最下層に向かっている現在のアランたちの場合、砂金を手に入れてもそこまで大量に持っていくようなことは出来ないが。
そのことを少しだけ残念に思いながらも、アランはゼオンによって空から砂漠を偵察する。
それで分かったのは、アランが砂漠と聞いて予想していた以上に生態系が豊富だということだ。
アランにとって、砂漠というのは砂漠に適応したほんの少数の生き物のみが、何とか生きていけるという認識だった。
だが、実際にこの地下八階にやって来てからは、多くの生き物を見ている。
もちろん、アランが見たのは本当の意味……自然に存在する砂漠ではなく、古代魔法文明によって生み出された砂漠だ。
そのような砂漠であれば、普通の砂漠と違って生態系が比較的豊かであってもおかしくはない。
(そうなると、もしかしたらこの砂漠って普通の砂漠よりも暮らしやすい砂漠なのかもしれないな)
そんな風に考えつつ、砂漠の空を飛んでいたアランだったが、不意に映像モニタに空を飛ぶ何かが映し出された。
何だ? と視線を見ると、それは巨大なコウモリ。
夜でもなく、それどころか太陽がこれでもかと自己主張している砂漠で、何故コウモリ? と若干疑問に思ったアランだったが、ともあれそのコウモリが真っ直ぐゼオンに向かって来ているのは確かだ。
アランはそんなコウモリを敵と判断する。
まさか、この状況でゼオンに懐いて近付いてきたなどと、そんなことは思わない。
……いや、あるいはただゼオンに向かって近付いてきたのなら、そんな風に思っていた可能性もある。
だが、そのコウモリが牙を剥き出しにして明らかに攻撃する気で近付いてくる以上、それを友好的な存在と思うことは、アランには出来なかった。
「とりあえず、と」
頭部バルカンを発射すると、コウモリは何とかその攻撃を回避しようとしたものの対処は出来ずに弾丸に身体を貫かれて砂漠に墜落していく。
新種のモンスターなら死体を確保した方がいいのか? と思ったが、今の状況を考えると、そんなことよりも早く地下九階に降りるための階段を探すという方が先立った。
そう判断し、巨大なコウモリの死体が砂漠に落ちていくのを映像モニタで確認すると、すぐにその場から飛び去る。
……単純に、ゼオンに乗っているこの状況でコウモリの死体を保っていくのが面倒だと、そう思った為もあったのだが。
(それにしても、コウモリか。……夜に空を飛んでるのを見ることはあるけど、砂漠でもコウモリがいるんだな。いやまぁ、狼とかと同じくモンスターだからだろうけど)
取りあえず空を飛ぶモンスターとしてコウモリがいるというのを知れたことは、アランにとってもそれなりの収穫だった。
移動しているときや、野営をしているとき。
そのような場合において、空からの襲撃というのは意表を突かれることが多い。
どうしても、地上を歩いていると空に視線を向ける頻度は少なくなってしまう。
これで、襲ってくるモンスターが鳥型であれば、翼を羽ばたかせる音で気が付くこともあるだろう。
だが、コウモリの厄介な点は、羽ばたく音がほぼ無音に近いことだ。
それにより、相手が近付いてくるのを察知することは出来ない……訳ではないが、かなり難しい。
「まぁ、攻撃手段とかは少ないみたいだけど」
ゼオンの頭部バルカンで一方的にダメージを受けて墜落していった様子を思い出しながら、アランは呟き……
「オアシス?」
ふと、映像モニタに視線を向けると、そこには昨夜アラン達が滞在したのとは別のオアシスを見つける。
(まぁ、この階層が砂漠を再現してるのなら、オアシスが一つだけってことはないんだろうけど……この地下八階は、俺が思っていた以上に広い階層になってそうだな)
若干うんざりとしながら、アランはそう思うのだった。
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