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ザッカラン防衛戦
181話
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ザッカランの城壁の上……現在そこには、大勢の兵士が集まっていた。
兵士だけではなく、バリスタの類も設置されている。
投石機の類は城壁の上ではなく、ザッカランの街中……それも城壁からそう離れていない場所に設置されていたが。
これは、投石機を使ったときの石の軌道が放物線を描いているからだ。
それにより、城壁を越えて敵軍に向かって石を命中させる以上、わざわざ城壁の上に投石機を置く必要はない。
もちろん、城壁の内側に投石機があるということは、その分飛距離は短くなるし、照準の補正も自分たちで確認して行うのではなく、他の者から聞く必要がある。
だが、それでも投石機を城壁の内側に配置した理由は……投石機とそれに使う石を城壁の上まで運ぶのは労力を使うというのもある。
また、城壁の内側にあれば、当然のように敵に破壊されにくいという点も大きかった。
弓を巨大にしたようなバリスタの場合は、基本的に真っ直ぐに矢を飛ばすことしか出来ないので、城壁の上に設置するしかなかったが。
ちなみに、世の中には投石機のように放物線を描きながら矢を放つバリスタというのもあるのだが、残念ながらザッカランにあるのはそのようなタイプではない。
……そもそも、ザッカランは一方的にドットリオン王国のラリアントを攻めるための場所として認識されていた以上、城を守る兵器の類は殆ど残っていない。
ラリアント攻略戦が行われる前は、攻城兵器としてそれなりに存在したのだが……
(うん、その辺は俺が悪いのかもしれないな)
ラリアント防衛戦において、ガリンダミア帝国軍が有していた攻城兵器の多くを破壊したことを思い出しながら、アランは少しだけ反省する。
とはいえ、当時はこのようなことになるとは思っていなかった――あるいはイルゼンなら予想していた可能性もあるが――のだから、それも当然だが。
そもそも、ラリアント防衛戦においては敵の攻城兵器を少しでも多く破壊しなければ、ラリアントに被害が出ていた。
それを考えれば、誰もアランを攻める者はいないだろう。
いや、ラリアント防衛戦に参加しておらず、今回の戦いにのみ参加している者にしてみれば、アランを責めたくなってもおかしくはないのだが。
「見えた! 見えたぞ!」
と、城壁の上にいた兵士の一人が叫ぶ。
その叫びに、城壁の上にいた者は全員が地平線の向こう側に視線を向ける。
すると、そこにはまだ小さいが確実に軍勢の姿があった。
……そう、いよいよガリンダミア帝国軍がザッカランに到着したのだ。
結局、アランはゼオンで進軍中のガリンダミア帝国軍に攻撃をするような真似は出来なかった。
何度かイルゼンに聞いてみたのだが、現在は迂闊な行動を取らない方がいいと言われてしまったのだ。
なお、一応イルゼンもドットリオン王国軍の上層部にどうするべきかと尋ねはしたものの、そちらの意見も結局はイルゼン同様に動かない方がいいというもの。
アランにしてみれば、何を悠長なことをと思わないでもなかったが……まさか命令を無視して勝手に攻撃をする訳にもいかず、今このような状況を迎えてしまう。
「来たか。……今なら攻撃してもいいような気がするんだけどな。どう思う?」
「あら、気が付いてたの」
アランの言葉に、レオノーラは脅かそうとしたのが見つかったのが面白くなかったのか、少しだけ拗ねた様子でそう告げる。
実はこっそりと近付いてきたのを偶然見つけただけだったのだが、それを言えばまたレオノーラに何かされそうだったので、取りあえずそのことは黙っておいて、改めて尋ねる。
「で、どう思う?」
二回目の質問ともなれば、レオノーラもそれを冗談半分で誤魔化すようなことはせず、少し考えてから口を開く。
「そうね。私の正直な気持ちを言わせて貰えば、敵が近付いてくる前に数を減らしたいというのはあるわ。元々ガリンダミア帝国軍の方が数は多いんだから、それをどうにかしたいと思うのは当然でしょう?」
「だろうな。けど、イルゼンさんからその辺は禁止するように言われてる」
それがなければ、それこそここからでもビームライフルを撃っている。
そう告げるアランの言葉に、聞いていたレオノーラは頷く。
アランの性格をよく知っているからこそ、納得出来たのだろう。
「そうなると、何でイルゼンがそこまで慎重になってるかだけど……やっぱり情報が足りないのが問題なんでしょうね」
「だろうな。それがなければ、イルゼンさんなら何らかの手を打ってるだろうし」
「いっそ、ここで攻撃してみたらいいと思うんだけどね。結局のところ、向こうがゼオンに対してどんな対策を持っているか分からないと、どうしようもないんだもの」
その意見には、アランも賛成だった。
向こうがどのような手段を持っているかは分からない。分からないからこそ、それをはっきりとさせる必要があると。
人というのは、未知を恐れる。
そうである以上、敵の攻撃手段をはっきりとさせれば、その対処は難しい話ではない。
「やっぱり、ここで攻撃した方がいいと思うんだけどな。イルゼンさんに言ってみるか?」
「どうかしら。情報戦で一歩負けても、イルゼンはイルゼンよ。雲海というクランをここまで率いてきたんだから、その辺は信じてもいいんじゃないの?」
「それは……まぁ、そうかもしれないけど」
レオノーラの言葉に、アランはそう返すしかない。
自分たちを率いていた人物を信じていないのか。
そう言われれば、アランは信じていると答えるのだから。
アランとレオノーラが話している間にも、次第にガリンダミア帝国軍の姿近付いてくる。
ザッカランにいる者たちも、それは理解して戦いの準備を進めていく。
「さて、じゃあ俺たちも……」
戻るか。
そう言おうとしたアランだったが、不意に自分の方に近付いてくる兵士に気が付く。
「失礼します。雲海のアランさんでしょうか?」
「そうですけど……兵士の人が何か用事でも?」
ザッカランの住人はともかく、普通に兵士と接する機会が何気に少ないアランだ。
そもそも、兵士の中にはゼオンのパイロットのアランを憎んでいる者も多い。
大樹の遺跡を攻略したことで態度を軟化させた者もいるが、そうではない者もどうしても多いのだ。
そうである以上、アランとしては出来るだけ自分からかかわらない方がいいと考えていた。
だが、戦争状態に入った以上、今はそのようなことを考えている余裕はないと判断したアランに、兵士は真剣な表情で頷く。
「はい。雲海のイルゼン様からアランさんを呼んでくるようにと言われまして、探していました」
「……俺を? いや、分かりました」
兵士の言葉に少しだけ戸惑ったアランだったが、先程までレオノーラのイルゼンについて話していたこともあり、恐らく情報の取捨選択が終わり、自分が次に取るべき行動が決まったのだろう。
そう判断して、兵士の言葉に頷く。
「では、行きましょう。イルゼン様もアランさんを待ってるようでしたので」
そう言い、アランを案内しようとする兵士。
そんな二人に向かい、レオノーラが口を開く。
「私も一緒に行ってもいいかしら? イルゼンがどんな結論を出したのか、気になるわ」
レオノーラにしてみれば、情報戦で後手に回ったイルゼンが一体どのような結論に辿り着いたのか気になるというのがあった。
それこそ、この状況でアランを呼んだのだから、何らかの起死回生の一手でもあったのだろうと。
だが、兵士はそんなレオノーラの言葉を聞くと、申し訳なさそうに首を横に振った。
「自分が命令されているのは、アランさんだけを連れてくるようにということです。何でも、かなり重要な話があるとかで……」
「そうなの? そこまで秘密裏に動くということは、本格的に何らかの逆転の一手をみつけたのかもしれないわね。……私に話をしないのは、少し残念だけど」
イルゼン率いる雲海と、レオノーラ率いる黄金の薔薇は、現状同盟状態にあるようなものだ。
だからこそ、現状を打破する方法が判明した場合、レオノーラに話してもおかしくはなかったのだ。
だが……それを口にしないというのは、レオノーラにとっては若干面白くないと感じるのは当然だった。
何だかんだと、レオノーラにとってはアランという存在は重要な人物ということになっているのだろう。
とはいえ、だからといって今の状況で不満を言う訳にはいかなかったが。
そもそも、ガリンダミア帝国軍が見て分かる距離にいる以上、それに対応する準備をする必要もあった。
雲海だけが目立っているが、黄金の薔薇も当然のように今回のザッカラン防衛戦には出撃することになっている。
そうである以上、今はそちらの準備をしておく必要もあった。
「じゃあ、どんな用事か分からないけど、頑張ってきてちょうだい」
「個人的には、あまり面倒なことじゃないといいんだけど」
そう言いつつも、この状況で呼ばれるとなると、間違いなく何か重要な用件だろうというのは予想出来た。
(考えられるのは、やっぱりゼオンを使って敵を攻撃するって感じか? レオノーラと言っていたように、結局のところ実際に動いてみないと向こうの反応は分からない訳だし。……ただ、それなら今更って感じがするけど)
自分を呼ぶイルゼンに若干の疑問を抱くアランだったが、それでも今の状況を思えば仕方がないだろうと思い直す。
「ともあれ、そっちも頑張れよ」
「あら。誰に言ってるの?」
アランの言葉に、レオノーラはふふっ、と笑みを浮かべつつ、そう告げる。
実際、レオノーラは心核使いとしても一流という点ではアランと同様だが、アランと違って生身でも一流の強さを持つ。
そんなレオノーラをアランが心配するのは、二人の実力を正確に知っている者なら呆れもするだろう。
とはいえ、二人が友好的な関係である以上、それはお馴染みのやり取りのようなものだったが。
「アランさん、そろそろ」
焦れた兵士の言葉に、アランは兵士を待たせたということを思い出し、頭を下げる。
「すいません。じゃあ、行きましょうか」
そう告げアランと兵士は城壁の上から姿を消すのだった。
兵士だけではなく、バリスタの類も設置されている。
投石機の類は城壁の上ではなく、ザッカランの街中……それも城壁からそう離れていない場所に設置されていたが。
これは、投石機を使ったときの石の軌道が放物線を描いているからだ。
それにより、城壁を越えて敵軍に向かって石を命中させる以上、わざわざ城壁の上に投石機を置く必要はない。
もちろん、城壁の内側に投石機があるということは、その分飛距離は短くなるし、照準の補正も自分たちで確認して行うのではなく、他の者から聞く必要がある。
だが、それでも投石機を城壁の内側に配置した理由は……投石機とそれに使う石を城壁の上まで運ぶのは労力を使うというのもある。
また、城壁の内側にあれば、当然のように敵に破壊されにくいという点も大きかった。
弓を巨大にしたようなバリスタの場合は、基本的に真っ直ぐに矢を飛ばすことしか出来ないので、城壁の上に設置するしかなかったが。
ちなみに、世の中には投石機のように放物線を描きながら矢を放つバリスタというのもあるのだが、残念ながらザッカランにあるのはそのようなタイプではない。
……そもそも、ザッカランは一方的にドットリオン王国のラリアントを攻めるための場所として認識されていた以上、城を守る兵器の類は殆ど残っていない。
ラリアント攻略戦が行われる前は、攻城兵器としてそれなりに存在したのだが……
(うん、その辺は俺が悪いのかもしれないな)
ラリアント防衛戦において、ガリンダミア帝国軍が有していた攻城兵器の多くを破壊したことを思い出しながら、アランは少しだけ反省する。
とはいえ、当時はこのようなことになるとは思っていなかった――あるいはイルゼンなら予想していた可能性もあるが――のだから、それも当然だが。
そもそも、ラリアント防衛戦においては敵の攻城兵器を少しでも多く破壊しなければ、ラリアントに被害が出ていた。
それを考えれば、誰もアランを攻める者はいないだろう。
いや、ラリアント防衛戦に参加しておらず、今回の戦いにのみ参加している者にしてみれば、アランを責めたくなってもおかしくはないのだが。
「見えた! 見えたぞ!」
と、城壁の上にいた兵士の一人が叫ぶ。
その叫びに、城壁の上にいた者は全員が地平線の向こう側に視線を向ける。
すると、そこにはまだ小さいが確実に軍勢の姿があった。
……そう、いよいよガリンダミア帝国軍がザッカランに到着したのだ。
結局、アランはゼオンで進軍中のガリンダミア帝国軍に攻撃をするような真似は出来なかった。
何度かイルゼンに聞いてみたのだが、現在は迂闊な行動を取らない方がいいと言われてしまったのだ。
なお、一応イルゼンもドットリオン王国軍の上層部にどうするべきかと尋ねはしたものの、そちらの意見も結局はイルゼン同様に動かない方がいいというもの。
アランにしてみれば、何を悠長なことをと思わないでもなかったが……まさか命令を無視して勝手に攻撃をする訳にもいかず、今このような状況を迎えてしまう。
「来たか。……今なら攻撃してもいいような気がするんだけどな。どう思う?」
「あら、気が付いてたの」
アランの言葉に、レオノーラは脅かそうとしたのが見つかったのが面白くなかったのか、少しだけ拗ねた様子でそう告げる。
実はこっそりと近付いてきたのを偶然見つけただけだったのだが、それを言えばまたレオノーラに何かされそうだったので、取りあえずそのことは黙っておいて、改めて尋ねる。
「で、どう思う?」
二回目の質問ともなれば、レオノーラもそれを冗談半分で誤魔化すようなことはせず、少し考えてから口を開く。
「そうね。私の正直な気持ちを言わせて貰えば、敵が近付いてくる前に数を減らしたいというのはあるわ。元々ガリンダミア帝国軍の方が数は多いんだから、それをどうにかしたいと思うのは当然でしょう?」
「だろうな。けど、イルゼンさんからその辺は禁止するように言われてる」
それがなければ、それこそここからでもビームライフルを撃っている。
そう告げるアランの言葉に、聞いていたレオノーラは頷く。
アランの性格をよく知っているからこそ、納得出来たのだろう。
「そうなると、何でイルゼンがそこまで慎重になってるかだけど……やっぱり情報が足りないのが問題なんでしょうね」
「だろうな。それがなければ、イルゼンさんなら何らかの手を打ってるだろうし」
「いっそ、ここで攻撃してみたらいいと思うんだけどね。結局のところ、向こうがゼオンに対してどんな対策を持っているか分からないと、どうしようもないんだもの」
その意見には、アランも賛成だった。
向こうがどのような手段を持っているかは分からない。分からないからこそ、それをはっきりとさせる必要があると。
人というのは、未知を恐れる。
そうである以上、敵の攻撃手段をはっきりとさせれば、その対処は難しい話ではない。
「やっぱり、ここで攻撃した方がいいと思うんだけどな。イルゼンさんに言ってみるか?」
「どうかしら。情報戦で一歩負けても、イルゼンはイルゼンよ。雲海というクランをここまで率いてきたんだから、その辺は信じてもいいんじゃないの?」
「それは……まぁ、そうかもしれないけど」
レオノーラの言葉に、アランはそう返すしかない。
自分たちを率いていた人物を信じていないのか。
そう言われれば、アランは信じていると答えるのだから。
アランとレオノーラが話している間にも、次第にガリンダミア帝国軍の姿近付いてくる。
ザッカランにいる者たちも、それは理解して戦いの準備を進めていく。
「さて、じゃあ俺たちも……」
戻るか。
そう言おうとしたアランだったが、不意に自分の方に近付いてくる兵士に気が付く。
「失礼します。雲海のアランさんでしょうか?」
「そうですけど……兵士の人が何か用事でも?」
ザッカランの住人はともかく、普通に兵士と接する機会が何気に少ないアランだ。
そもそも、兵士の中にはゼオンのパイロットのアランを憎んでいる者も多い。
大樹の遺跡を攻略したことで態度を軟化させた者もいるが、そうではない者もどうしても多いのだ。
そうである以上、アランとしては出来るだけ自分からかかわらない方がいいと考えていた。
だが、戦争状態に入った以上、今はそのようなことを考えている余裕はないと判断したアランに、兵士は真剣な表情で頷く。
「はい。雲海のイルゼン様からアランさんを呼んでくるようにと言われまして、探していました」
「……俺を? いや、分かりました」
兵士の言葉に少しだけ戸惑ったアランだったが、先程までレオノーラのイルゼンについて話していたこともあり、恐らく情報の取捨選択が終わり、自分が次に取るべき行動が決まったのだろう。
そう判断して、兵士の言葉に頷く。
「では、行きましょう。イルゼン様もアランさんを待ってるようでしたので」
そう言い、アランを案内しようとする兵士。
そんな二人に向かい、レオノーラが口を開く。
「私も一緒に行ってもいいかしら? イルゼンがどんな結論を出したのか、気になるわ」
レオノーラにしてみれば、情報戦で後手に回ったイルゼンが一体どのような結論に辿り着いたのか気になるというのがあった。
それこそ、この状況でアランを呼んだのだから、何らかの起死回生の一手でもあったのだろうと。
だが、兵士はそんなレオノーラの言葉を聞くと、申し訳なさそうに首を横に振った。
「自分が命令されているのは、アランさんだけを連れてくるようにということです。何でも、かなり重要な話があるとかで……」
「そうなの? そこまで秘密裏に動くということは、本格的に何らかの逆転の一手をみつけたのかもしれないわね。……私に話をしないのは、少し残念だけど」
イルゼン率いる雲海と、レオノーラ率いる黄金の薔薇は、現状同盟状態にあるようなものだ。
だからこそ、現状を打破する方法が判明した場合、レオノーラに話してもおかしくはなかったのだ。
だが……それを口にしないというのは、レオノーラにとっては若干面白くないと感じるのは当然だった。
何だかんだと、レオノーラにとってはアランという存在は重要な人物ということになっているのだろう。
とはいえ、だからといって今の状況で不満を言う訳にはいかなかったが。
そもそも、ガリンダミア帝国軍が見て分かる距離にいる以上、それに対応する準備をする必要もあった。
雲海だけが目立っているが、黄金の薔薇も当然のように今回のザッカラン防衛戦には出撃することになっている。
そうである以上、今はそちらの準備をしておく必要もあった。
「じゃあ、どんな用事か分からないけど、頑張ってきてちょうだい」
「個人的には、あまり面倒なことじゃないといいんだけど」
そう言いつつも、この状況で呼ばれるとなると、間違いなく何か重要な用件だろうというのは予想出来た。
(考えられるのは、やっぱりゼオンを使って敵を攻撃するって感じか? レオノーラと言っていたように、結局のところ実際に動いてみないと向こうの反応は分からない訳だし。……ただ、それなら今更って感じがするけど)
自分を呼ぶイルゼンに若干の疑問を抱くアランだったが、それでも今の状況を思えば仕方がないだろうと思い直す。
「ともあれ、そっちも頑張れよ」
「あら。誰に言ってるの?」
アランの言葉に、レオノーラはふふっ、と笑みを浮かべつつ、そう告げる。
実際、レオノーラは心核使いとしても一流という点ではアランと同様だが、アランと違って生身でも一流の強さを持つ。
そんなレオノーラをアランが心配するのは、二人の実力を正確に知っている者なら呆れもするだろう。
とはいえ、二人が友好的な関係である以上、それはお馴染みのやり取りのようなものだったが。
「アランさん、そろそろ」
焦れた兵士の言葉に、アランは兵士を待たせたということを思い出し、頭を下げる。
「すいません。じゃあ、行きましょうか」
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