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ガリンダミア帝国との決着
378話
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本隊を目指して飛んでいたアランとレオノーラだったが、正確な位置が分からなかったので大体の場所しか理解出来ないので迷うかと思ったが、予想外にすぐに本隊のいる場所を見つけることが出来た。
何しろ、本隊はガリンダミア帝国軍と本格的な戦闘中だったのだから、見つけるのは難しい話ではない。
「レオノーラ、見えるか?」
『ええ。すでに戦いが行われてるみたいね。……まぁ、本隊は人数も多いんだから、ガリンダミア帝国軍にとっても見つけるのは難しい話じゃなかったんでしょうけど。で、どうするの?』
頭の中に響くレオノーラの言葉を聞き、アランは帝国軍の陣営を見る。
前衛で戦っている集団がおり、その背後には弓や魔法を使う兵士達がおり、その背後には投石機やバリスタといった攻城兵器の類がある。
攻城兵器ではあっても、別に城にしか攻撃出来ない訳ではない。
敵集団に向けて攻撃をすれば、それは十分有効な兵器となるのだ。
人数は多いが、雲海や黄金の薔薇ではなく、レジスタンスの者達にしてみれば、敵の後方から攻城兵器で攻撃されるというのはどうしようもないような攻撃と判断するだろう。
そして兵器の後ろにはこの軍を率いている軍人達がいる本陣。
なお、本陣の横には騎兵隊の姿があり、チャンスがあったら一気に攻め込むつもりなのだろう。
「攻城兵器は、出来れば確保したいな」
現在は雲海や黄金の薔薇、レジスタンスに向けて発射されている攻城兵器だが、その本領は攻城兵器という名前の通り、城を攻める時だ。
そしてこれからアランたちは、ガリンダミア帝国と戦う。
そのときは、当然ながら攻城戦を行うこともあるだろう。
だからこそ、出来れば攻城兵器の類は可能な限り無傷で確保しておきたかった。
『じゃあ、私は攻城兵器の前にいる弓兵や魔法使いたちを狙うわね。アランは敵本陣と……何より騎兵隊をお願い出来る?』
「分かった。それが最善の選択肢だろうし。問題ない」
レオノーラの提案に、アランは即座に頷いた。
他にも敵を攻撃する対象としては、敵の前衛がある。
見たところ、ガリンダミア帝国軍には何人かの心核使いがいて、その心核使いを倒せば士気は大きく落ちるはずだった。
一人いれば戦況を引っ繰り返すことが出来ると言われる心核使いが複数投入されているにもかかわらず、戦線が半ば膠着している状態。
それは、心核使いには心核使いと、雲海や黄金の薔薇からも心核使いが出撃しているためだった。
また、雲海の後方には巨大な木が一本あり、その木も後方から種や木の実といったものを投擲したりといった真似をしている。
その木がなんなのか、当然アランは知っている。
心核使いのケラーノが、トレントに変身して味方の援護をしているのだろう。
トレントとなったケラーノは、その場から動くといったような真似は出来ない。
自由に動き回れる他の心核使いに比べると、その辺で大きく劣っているのは間違いのない事実だ。
しかし、激しく軍が動き回って戦闘をする必要がない場合……今回のように動かず後方から援護をするとなると、十分にその能力を発揮出来る。
(レジスタンスたちがガリンダミア帝国軍とまともに戦えているのって、ケラーノの援護という点も大きいんだろうな。もちろん、他の面々も頑張ってるけど)
ともあれ、前線では敵味方がかなり入り乱れているので、そこをゼオンのビームライフルで攻撃するのは不味かった。
(そう言えば、この部隊には飛行可能なモンスターに変身する心核使いはいないのか。まぁ、こっちにしてみれば助かるけど)
アランが改めて周囲を確認してみると、地上で戦っている心核使いの姿はあるが、空を飛ぶモンスターに変身している心核使いの姿はない。
とはいえ、これはそこまで不思議なことではない。
心核使いの大半は、空を飛ぶことが出来ないモンスターに変身するのだから。
心核使いで変身するモンスターというのは、その者の本質が大きく影響してくる。
空に憧れているような者であれば、空を飛べるモンスターに変身する者も多いだろう。
だが、人間――エルフ、ドワーフ、獣人等も含めて――は基本的に地上で暮らす。
それだけに、そこまで強烈に空に憧れるといったような者は……いない訳ではないが、どうしても数は少ない。
そういう訳で、空を飛べるモンスターに変身出来る心核使いというのは少ないのだ。
そのおかげで、現在こうしてアランとレオノーラは悠長に空を飛びつつ、自分たちが狙うべき相手を相談するような真似が出来るのだが。
「じゃあ……攻撃するか。地上でもこっちの存在に気が付いている連中が敵味方含めてそれなりに出て来たみたいだしな」
ゼオンと黄金のドラゴンが空を飛んでいるというのに気が付いた者達が空を見上げている光景が、ゼオンの映像モニタに表示される。
空を見上げるといった行為そのものは同じだが、そこに浮かんでいる感情は間違いなく正反対だろう。
雲海や黄金の薔薇、そしてそれらから話を聞いているレジスタンスたちは、援軍に対して喜びを。
それとは逆に、ガリンダミア帝国軍の兵士たちは圧倒的な存在を前に絶望を。
……もっとも、ゼオンの能力について詳しく知らない者たちにしてみれば、ゴーレムの一種に見えるゼオンよりも、やはり黄金のドラゴンの方が大きな意味を持っていたが。
(もしかしたら、このまま攻撃をしなくても空を飛んでるだけで敵が逃げ出すかもしれないけど……いや、それだと意味はないか。ガリンダミア帝国軍の戦力は削れる場所で可能な限り削っておく必要があるし)
そんな風に思いつつ、アランはレオノーラと別れて騎兵隊のいる方に向かう。
騎兵隊は結構な数がいるので、出来れば腹部拡散ビーム砲を使いたいところだったが、あれは射程が短い。
勿論それはビームライフルに比べての話だし、射程が短いのなら高度を下げれば問題はないのだが……そうなった場合、心核使いが何らかの攻撃手段を持っている可能性があった。
空を飛べるモンスターではなくても、空に攻撃出来る方法を持っているモンスターというのは多い。
それこそオーガやサイクロプスといったように力の強いモンスターであれば、岩や木を空に向かって投げるだけで、十分脅威になるだろう。
……ただ、それがゼオンや黄金のドラゴンに効果があるかとなると、また別の話だったが。
「やっぱりビームライフルだな」
地上から攻撃をされても面白くないので、そう判断する。
そして今にも敵に……雲海や黄金の薔薇ではなく、レジスタンスに向かって突っ込もうとしているところに狙いをつけ、トリガーを引く。
ビームライルフルの銃口から、真っ直ぐ下に向かって放たれる一条の光。
光ったと思った次の瞬間には、ビームは騎兵隊の集まっている場所に着弾し、爆発を生み出す。
騎兵というのは、基本的に馬の負担を考えて可能な限り身軽にしている。
中には重装騎兵といったような者たちもいるが、アランの眼下にいるのは、あくまでも機動力に特化した普通の騎兵であり、空から降ってきたビーム……それも連続して放たれるビームに対抗する手段はない。
もっとも、ビームの威力は圧倒的だ。
たとえ重装騎兵がいても、ビームの攻撃を防いだり耐えたりといった真似は出来なかったろう。
それこそ、本当に一か八かになるが、ビーム攻撃をされて生き延びたいのなら、防ぐのでも回避するのでもなく、当たらないようにするといったような真似をするしかない。
つまり、アランに見つかって自分たちが気が付いていない状況で、もう完全に詰んでいた訳だ。
地上にいくつも生まれる爆発。
それを見ながら、次は司令官たちのいる場所にビームライフルの銃口を向け……トリガーを引く。
本来なら、捕虜にして情報を得た方がいいのかもしれない。
そうも思ったのだが、今の状況を考えれば捕虜にするよりもガリンダミア帝国軍の指揮を執っていた者たちは全員死んだ。
そうガリンダミア帝国軍の兵士たちに知らせるのが最優先だった。
最前線で戦っている者には、その辺については気が付かない可能性もある。
……何しろ、アランから少し離れた場所では、弓兵や魔法使いたちのいる場所に向かって黄金のドラゴンが上空からレーザーブレスを放ち続けているのだ。
ビームライフフルの爆発も非常に目立つが、より自分達に近い場所で起きている攻撃の方に意識が向けられるのは当然だろう。
また、それを行っているのが黄金のドラゴンとなれば、どうしてもそちらが目立ってしまう。
(まぁ、俺でもレオノーラでも、どのみち自分たちの後方が攻撃されたというのは変わらないんだ。だとすれば、戦っている者たちにしてみれば、その攻撃は自分たちにとって絶望だと考えてもおかしくはない)
前線で戦っている敵が、背後から……いや、この場合は上空からといった表現の方が正確なのかもしれないが、とにかく自分たちが戦っている方向以外から攻撃をされるというのは、戦っている者たちにしてみれば、最悪の出来事だ。
それをされたのだから、戦っているガリンダミア帝国軍には動揺が広がり、そして最初は少数の動揺であっても、周囲が動揺していればその動揺が広がってくのはおかしな話ではなかった。
実際、上空から見ている限りでは、雲海や黄金の薔薇、レジスタンスたちと戦っているガリンダミア帝国軍の動きが、明らかにおかしくなっている。
軍と軍の戦いというのは、アランにも決して慣れて見慣れているものではないのだが、そんなアランから見ても分かるほどに、ガリンダミア帝国軍の動きはおかしくなっているのだ。
「勝ったな」
そう呟くアランだったが、その言葉は十分もしないうちに証明される。
動揺しているガリンダミア帝国軍に対し、指揮を執っているのだろうイルゼンは、当然ながらそれを見逃すといったことはせず、全面攻撃に出たのだ。
ただでさえ崩壊しつつあったガリンダミア帝国軍が、それに耐えられるはずもなく……気が付けば、前線はあっという間に崩壊し、先程の動揺以上の早さで崩壊は進み……やがて、一人また一人と逃げ始め……戦いの趨勢は一気に決まるのだった。
何しろ、本隊はガリンダミア帝国軍と本格的な戦闘中だったのだから、見つけるのは難しい話ではない。
「レオノーラ、見えるか?」
『ええ。すでに戦いが行われてるみたいね。……まぁ、本隊は人数も多いんだから、ガリンダミア帝国軍にとっても見つけるのは難しい話じゃなかったんでしょうけど。で、どうするの?』
頭の中に響くレオノーラの言葉を聞き、アランは帝国軍の陣営を見る。
前衛で戦っている集団がおり、その背後には弓や魔法を使う兵士達がおり、その背後には投石機やバリスタといった攻城兵器の類がある。
攻城兵器ではあっても、別に城にしか攻撃出来ない訳ではない。
敵集団に向けて攻撃をすれば、それは十分有効な兵器となるのだ。
人数は多いが、雲海や黄金の薔薇ではなく、レジスタンスの者達にしてみれば、敵の後方から攻城兵器で攻撃されるというのはどうしようもないような攻撃と判断するだろう。
そして兵器の後ろにはこの軍を率いている軍人達がいる本陣。
なお、本陣の横には騎兵隊の姿があり、チャンスがあったら一気に攻め込むつもりなのだろう。
「攻城兵器は、出来れば確保したいな」
現在は雲海や黄金の薔薇、レジスタンスに向けて発射されている攻城兵器だが、その本領は攻城兵器という名前の通り、城を攻める時だ。
そしてこれからアランたちは、ガリンダミア帝国と戦う。
そのときは、当然ながら攻城戦を行うこともあるだろう。
だからこそ、出来れば攻城兵器の類は可能な限り無傷で確保しておきたかった。
『じゃあ、私は攻城兵器の前にいる弓兵や魔法使いたちを狙うわね。アランは敵本陣と……何より騎兵隊をお願い出来る?』
「分かった。それが最善の選択肢だろうし。問題ない」
レオノーラの提案に、アランは即座に頷いた。
他にも敵を攻撃する対象としては、敵の前衛がある。
見たところ、ガリンダミア帝国軍には何人かの心核使いがいて、その心核使いを倒せば士気は大きく落ちるはずだった。
一人いれば戦況を引っ繰り返すことが出来ると言われる心核使いが複数投入されているにもかかわらず、戦線が半ば膠着している状態。
それは、心核使いには心核使いと、雲海や黄金の薔薇からも心核使いが出撃しているためだった。
また、雲海の後方には巨大な木が一本あり、その木も後方から種や木の実といったものを投擲したりといった真似をしている。
その木がなんなのか、当然アランは知っている。
心核使いのケラーノが、トレントに変身して味方の援護をしているのだろう。
トレントとなったケラーノは、その場から動くといったような真似は出来ない。
自由に動き回れる他の心核使いに比べると、その辺で大きく劣っているのは間違いのない事実だ。
しかし、激しく軍が動き回って戦闘をする必要がない場合……今回のように動かず後方から援護をするとなると、十分にその能力を発揮出来る。
(レジスタンスたちがガリンダミア帝国軍とまともに戦えているのって、ケラーノの援護という点も大きいんだろうな。もちろん、他の面々も頑張ってるけど)
ともあれ、前線では敵味方がかなり入り乱れているので、そこをゼオンのビームライフルで攻撃するのは不味かった。
(そう言えば、この部隊には飛行可能なモンスターに変身する心核使いはいないのか。まぁ、こっちにしてみれば助かるけど)
アランが改めて周囲を確認してみると、地上で戦っている心核使いの姿はあるが、空を飛ぶモンスターに変身している心核使いの姿はない。
とはいえ、これはそこまで不思議なことではない。
心核使いの大半は、空を飛ぶことが出来ないモンスターに変身するのだから。
心核使いで変身するモンスターというのは、その者の本質が大きく影響してくる。
空に憧れているような者であれば、空を飛べるモンスターに変身する者も多いだろう。
だが、人間――エルフ、ドワーフ、獣人等も含めて――は基本的に地上で暮らす。
それだけに、そこまで強烈に空に憧れるといったような者は……いない訳ではないが、どうしても数は少ない。
そういう訳で、空を飛べるモンスターに変身出来る心核使いというのは少ないのだ。
そのおかげで、現在こうしてアランとレオノーラは悠長に空を飛びつつ、自分たちが狙うべき相手を相談するような真似が出来るのだが。
「じゃあ……攻撃するか。地上でもこっちの存在に気が付いている連中が敵味方含めてそれなりに出て来たみたいだしな」
ゼオンと黄金のドラゴンが空を飛んでいるというのに気が付いた者達が空を見上げている光景が、ゼオンの映像モニタに表示される。
空を見上げるといった行為そのものは同じだが、そこに浮かんでいる感情は間違いなく正反対だろう。
雲海や黄金の薔薇、そしてそれらから話を聞いているレジスタンスたちは、援軍に対して喜びを。
それとは逆に、ガリンダミア帝国軍の兵士たちは圧倒的な存在を前に絶望を。
……もっとも、ゼオンの能力について詳しく知らない者たちにしてみれば、ゴーレムの一種に見えるゼオンよりも、やはり黄金のドラゴンの方が大きな意味を持っていたが。
(もしかしたら、このまま攻撃をしなくても空を飛んでるだけで敵が逃げ出すかもしれないけど……いや、それだと意味はないか。ガリンダミア帝国軍の戦力は削れる場所で可能な限り削っておく必要があるし)
そんな風に思いつつ、アランはレオノーラと別れて騎兵隊のいる方に向かう。
騎兵隊は結構な数がいるので、出来れば腹部拡散ビーム砲を使いたいところだったが、あれは射程が短い。
勿論それはビームライフルに比べての話だし、射程が短いのなら高度を下げれば問題はないのだが……そうなった場合、心核使いが何らかの攻撃手段を持っている可能性があった。
空を飛べるモンスターではなくても、空に攻撃出来る方法を持っているモンスターというのは多い。
それこそオーガやサイクロプスといったように力の強いモンスターであれば、岩や木を空に向かって投げるだけで、十分脅威になるだろう。
……ただ、それがゼオンや黄金のドラゴンに効果があるかとなると、また別の話だったが。
「やっぱりビームライフルだな」
地上から攻撃をされても面白くないので、そう判断する。
そして今にも敵に……雲海や黄金の薔薇ではなく、レジスタンスに向かって突っ込もうとしているところに狙いをつけ、トリガーを引く。
ビームライルフルの銃口から、真っ直ぐ下に向かって放たれる一条の光。
光ったと思った次の瞬間には、ビームは騎兵隊の集まっている場所に着弾し、爆発を生み出す。
騎兵というのは、基本的に馬の負担を考えて可能な限り身軽にしている。
中には重装騎兵といったような者たちもいるが、アランの眼下にいるのは、あくまでも機動力に特化した普通の騎兵であり、空から降ってきたビーム……それも連続して放たれるビームに対抗する手段はない。
もっとも、ビームの威力は圧倒的だ。
たとえ重装騎兵がいても、ビームの攻撃を防いだり耐えたりといった真似は出来なかったろう。
それこそ、本当に一か八かになるが、ビーム攻撃をされて生き延びたいのなら、防ぐのでも回避するのでもなく、当たらないようにするといったような真似をするしかない。
つまり、アランに見つかって自分たちが気が付いていない状況で、もう完全に詰んでいた訳だ。
地上にいくつも生まれる爆発。
それを見ながら、次は司令官たちのいる場所にビームライフルの銃口を向け……トリガーを引く。
本来なら、捕虜にして情報を得た方がいいのかもしれない。
そうも思ったのだが、今の状況を考えれば捕虜にするよりもガリンダミア帝国軍の指揮を執っていた者たちは全員死んだ。
そうガリンダミア帝国軍の兵士たちに知らせるのが最優先だった。
最前線で戦っている者には、その辺については気が付かない可能性もある。
……何しろ、アランから少し離れた場所では、弓兵や魔法使いたちのいる場所に向かって黄金のドラゴンが上空からレーザーブレスを放ち続けているのだ。
ビームライフフルの爆発も非常に目立つが、より自分達に近い場所で起きている攻撃の方に意識が向けられるのは当然だろう。
また、それを行っているのが黄金のドラゴンとなれば、どうしてもそちらが目立ってしまう。
(まぁ、俺でもレオノーラでも、どのみち自分たちの後方が攻撃されたというのは変わらないんだ。だとすれば、戦っている者たちにしてみれば、その攻撃は自分たちにとって絶望だと考えてもおかしくはない)
前線で戦っている敵が、背後から……いや、この場合は上空からといった表現の方が正確なのかもしれないが、とにかく自分たちが戦っている方向以外から攻撃をされるというのは、戦っている者たちにしてみれば、最悪の出来事だ。
それをされたのだから、戦っているガリンダミア帝国軍には動揺が広がり、そして最初は少数の動揺であっても、周囲が動揺していればその動揺が広がってくのはおかしな話ではなかった。
実際、上空から見ている限りでは、雲海や黄金の薔薇、レジスタンスたちと戦っているガリンダミア帝国軍の動きが、明らかにおかしくなっている。
軍と軍の戦いというのは、アランにも決して慣れて見慣れているものではないのだが、そんなアランから見ても分かるほどに、ガリンダミア帝国軍の動きはおかしくなっているのだ。
「勝ったな」
そう呟くアランだったが、その言葉は十分もしないうちに証明される。
動揺しているガリンダミア帝国軍に対し、指揮を執っているのだろうイルゼンは、当然ながらそれを見逃すといったことはせず、全面攻撃に出たのだ。
ただでさえ崩壊しつつあったガリンダミア帝国軍が、それに耐えられるはずもなく……気が付けば、前線はあっという間に崩壊し、先程の動揺以上の早さで崩壊は進み……やがて、一人また一人と逃げ始め……戦いの趨勢は一気に決まるのだった。
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