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ガリンダミア帝国との決着
388話
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前哨戦とも呼ぶべき、心核使い同士の戦いは続く。
だが、当然心核使い同士が戦っている間にも、ガリンダミア帝国軍は進んでおり、イルゼンたち本隊との距離を詰めてきていた。
当然……そう、今回の戦いの指揮を執っている者にしてみれば、アランのゼオンが長距離から必殺の一撃を放つことが出来るというのは、前もって理解していたのだろう。
だからこそ、心核使いを……言ってみれば、囮や捨て駒として使ったのだ。
アランとしては、心核使いがそんな扱いを受けても素直に従っているということに驚く。
心核使いというのは、一人で戦局を引っ繰り返すことが出来るという能力を持つ存在だ。
当然、それだけプライドが高い。
そんな心核使いたちに囮や捨て駒になれと言われて、それに対して素直に従うのかと言われれば、アランとしては素直に頷くような真似は出来なかった。
とはいえ、実際にアランの視線の先……映像モニタに表示されている心核使い同士の戦いを見れば、それが事実であると納得するしか出来なかったが。
「とはいえ、自分たちの戦いに精一杯で、こっちに攻撃が出来ないというのでは意味がないけどな。……何!?」
地上にいる心核使い同士で戦っている現状、こちらに近付いて来る敵に向かってビームライフルを発射しようとした瞬間、急速に何かが近付いてきたのに気が付く。
その何かは、以前ゼオンに攻撃をしてきた未知の相手……ではなく、飛竜やワイバーンと呼ばれるようなモンスターの姿。
未知の敵の攻撃は、具体的にどうやって攻撃をされているのかすら把握することが出来なかったアランだったが、ワイバーンが突っ込んでくるのには、しっかりとその姿を確認することが出来た。
そのワイバーンは緑の鱗をしており、手足には鋭い爪があり、同様に鋭い牙を持っている。
そんなワイバーンが素早く空を飛んで、ゼオンに向かって攻撃を行っていたのだ。
その動きは非常に素早い。
未知の攻撃のときにように、一切攻撃の内容を理解出来ないといったような種類の攻撃ではないのだが、それでも攻撃を回避するのは難しい。
いや、一度や二度であれば攻撃を回避出来るのだが、ワイバーンは素早く、そして旋回能力も高い。
一度攻撃を回避しても、素早く旋回して次の攻撃、回避しても攻撃、回避しても攻撃といったような真似をしてくるのだ。
これを厄介と言わずして、何を厄介と言えというのか。
「ちっ、これなら!」
旋回する速度は速いとはいえ、ワイバーンの飛行速度はそれなりだ。
当然一度回避すれば、ゼオンの側にある程度の余裕は出来る。
そして回避した瞬間にウィングバインダーを全開にして攻撃を回避し、腹部拡散ビーム砲を放つ。
腹部拡散ビーム砲は、その名の通りビームが拡散して放たれるだけに、面攻撃に近い性質を持つ兵器だ。
当然だが、ビームが拡散している分、射程距離はビームライフルと比べるとかなり短い。
短いのだが……それでも、この状況では問題なかった。
いや、問題がない筈だったのだ。
「回避するだと!?」
ワイバーンは、ゼオンの腹部から発射された拡散ビーム砲の全てを、回避してみせたのだ。
いや、回避することそのものは、そこまでおかしくはないのかもしれない。
……一条のビームであるビームライフルの攻撃を回避するのならともかく、拡散して広範囲に放たれたそのビームを回避するという時点でおかしいのは間違いないのだが。
ビームライフルほどに強力ではないとはいえ、それでも拡散されたビームに触れれば、間違いなくワイバーンは大きなダメージを受ける。
あるいは、その一撃が致命傷となって死んでしまってもおかしくはなかった。
そうである以上、普通であればそんな攻撃を回避するといったような真似は出来ないはずなのだが……ワイバーンは、そんなのは関係ないと言わんばかりにビームを掻い潜り、その上で前に……ゼオンのいる方に向かって突っ込んできたのだ。
「なら!」
拡散ビームを回避しつつも間合いを詰めてくるワイバーンに対し、アランは頭部バルカンで迎撃しようとするも、次の瞬間、ワイバーンはその射線軸上からあっさりと回避する。
「読まれた!?」
予想外のワイバーンの攻撃に、驚きの声を発するアラン。
だが、考えてみれば当然のことだろうと、半ば無理矢理自分を納得させる。
そもそも、ガリンダミア帝国はゼオンを捕らえるためにこれまで色々と手を回してきた。
そうである以上、当然ながらゼオンがどのような性能を持っているのかという情報は、可能な限り集めていてもおかしくはなかった。
そんな中で、ゼオンの武装についての情報の重要度が高いのは当然の話だろう。
何しろ、ゼオンの武器はその多くがこの世界においては未知のものだ。
無理矢理似たようなものを探すのなら、レオノーラが変身する黄金のドラゴンが放つレーザーブレスがビームライフルに近いか。
あるいはもっと他にも似たような攻撃方法を持っている者もいるかもしれないが、ともあれゼオンの武器……特にビーム系の一撃が極めて強力なのは、見れば明らかだ。
だが、そんな武器の中でこの世界の住人にとって一番分かりやすいのが、頭部バルカンとなる。
ビーム関係は全く使われていない頭部バルカンは、言ってみれば金属の塊を放っているようなものなのだから。
魔法が存在するこの世界において、やろうと思えば実現出来るのは間違いないだろう。
それが実現されていないのは、単純にこの世界にそうなるように発想する者がいなかったか、そのような仕組みを作るのにコストがかかりすぎるからか、調整が上手くいかないのか。
他にも色々と考えられる理由はあるのだが、その中でもアランが一番可能性が高いと思っているのが、魔法やマジックアイテムの存在だろう。
魔法を使える者にしてみれば、銃のような物を開発するのは遠距離攻撃の手段が簡単に、そして多くなるのはある意味で自分たちの存在意義に関わってくるかもしれないし、マジックアイテムの中には銃と同じ……いや、あるいはそれ以上に強力な効果を持つ物も存在する。
ともあれ、バルカンをワイバーンが回避して近付いて来るのは間違いない。
「なら、これで!」
ビームライフルを持っていない左手でビームサーベルを引き抜き、ゼオンに向かって飛んでくるワイバーンに振るう。
命中すれば、間違いなく致命傷となるだろう一撃。
そんな一撃だったが、それはあくまでも命中すればの話で、命中しなければ何の意味もない。
そしてバルカンを回避することが出来るワイバーンが、ビームサーベルの一撃を回避出来ないはずもなく……
ギャリィッ、とい聞き苦しい音がコックピットの中に響く。
同時に、ゼオンの機体が激しく揺れ……それは当然のように、コックピットにいるアランの身体も揺らすことになる。
「うおっ!」
驚きつつも、ゼオンの機体各所にあるスラスターを使って空中での体勢を整える。
そうしてすぐに攻撃をしてくるワイバーンを迎撃しようとするものの、ワイバーンは何故かゼオンに向かって突っ込んでくる様子はない。
今までは、それこそすぐにでもゼオンに向かって攻撃を行っていたのだが。
「今の攻撃でこっちにどれくらいダメージを与えたのかを確認してるのか?」
ゼオンからかなりの距離を取りつつ、周囲を飛び回るワイバーン。
そんなワイバーンの姿を映像モニタで確認しながら、アランはそんな風に呟く。
それは、ワイバーンによってゼオンの動きにどれくらい影響するのかといった風に見られ、アランとしては決して面白くはない。
とはいえ、今の状況を思えばワイバーンが慎重に行動するというのはアランにとって決して悪い話ではない。
ワイバーンがこちらの様子を窺っているのを確認しながらも、アランは現在の機体の状況を確認する。
「装甲に傷か。……ワイバーンの爪は鋭いとはいえ、まさかゼオンの装甲に傷を付けるとはな。厄介な」
ダメージそのものは、決して大きなものではない。
だがそれでも、ゼオンの装甲にしっかりと傷がついているのは間違いのない事実だ。
「あの程度の攻撃なら問題はないだろうが……それでも、面白くないのは間違いないな」
装甲に傷がついているものの、それは表面上を削った程度の傷にすぎない。
同じ場所に何度も同じような攻撃をされれば話は別だったが、さすがに現在の状況でそのような真似をされるとは思わない。
アランも自分の操縦技術に、多少なりとも自信は持っている。
「結果として、戦力の低下についてはほとんど気にしなくてもいいか。とはいえ……問題なのは、あのワイバーンをどうするかだな。出来れば、このまま立ち去ってくれれば俺としては嬉しいんだが」
そんな風に考えたアランだったが、あるいはそれがフラグになったのか。
ゼオンの周囲を飛び回り、様子を見ていたワイバーンが再び近付いて来る気配を見せる。
「拡散ビームでもむりとなると、やっぱりこれしかないか。……フェルス!」
近付いて来るワイバーンを見ながら、アランはゼオンの奥の手とも呼ぶべき武器を使うべく、叫ぶ。
ゼオンの背後の空間に波紋が浮かび、フェルスが出て来る。
アランの意思通りに動かせる、遠隔操作砲台。
砲台ではあるが、その先端からビーム砲を撃つだけではなく、ビームサーベルを展開するといったような真似も出来る。
小型であるだけに、一撃の威力はビームライフルは勿論、腹部拡散ビーム砲にも劣る。
だが、複数で同時に撃たれるその攻撃は、アランの意思通りに放たれるだけに回避するのが難しい。
これなら行ける。
そう思ったアランだったが、アランがフェルスを放った瞬間、ワイバーンは一段と速度を増しながらゼオンの方に向かってくる。
「へぇ。フェルスを見ても逃げないか。こっちの情報を集めてるってのに、随分とやる気だな。なら、行けフェルス!」
アランの叫びと共に、三十基というフェルスの全てが一斉にワイバーンに向かって飛んでいく。
それぞれが違う軌道を取っており、回避するのは難しい。
難しいと思っていたのだが……
「嘘だろ!?」
フェルスの放つ攻撃の隙間を縫うようにして移動してくるワイバーンに、アランはそんな驚きの声を発するのだった。
だが、当然心核使い同士が戦っている間にも、ガリンダミア帝国軍は進んでおり、イルゼンたち本隊との距離を詰めてきていた。
当然……そう、今回の戦いの指揮を執っている者にしてみれば、アランのゼオンが長距離から必殺の一撃を放つことが出来るというのは、前もって理解していたのだろう。
だからこそ、心核使いを……言ってみれば、囮や捨て駒として使ったのだ。
アランとしては、心核使いがそんな扱いを受けても素直に従っているということに驚く。
心核使いというのは、一人で戦局を引っ繰り返すことが出来るという能力を持つ存在だ。
当然、それだけプライドが高い。
そんな心核使いたちに囮や捨て駒になれと言われて、それに対して素直に従うのかと言われれば、アランとしては素直に頷くような真似は出来なかった。
とはいえ、実際にアランの視線の先……映像モニタに表示されている心核使い同士の戦いを見れば、それが事実であると納得するしか出来なかったが。
「とはいえ、自分たちの戦いに精一杯で、こっちに攻撃が出来ないというのでは意味がないけどな。……何!?」
地上にいる心核使い同士で戦っている現状、こちらに近付いて来る敵に向かってビームライフルを発射しようとした瞬間、急速に何かが近付いてきたのに気が付く。
その何かは、以前ゼオンに攻撃をしてきた未知の相手……ではなく、飛竜やワイバーンと呼ばれるようなモンスターの姿。
未知の敵の攻撃は、具体的にどうやって攻撃をされているのかすら把握することが出来なかったアランだったが、ワイバーンが突っ込んでくるのには、しっかりとその姿を確認することが出来た。
そのワイバーンは緑の鱗をしており、手足には鋭い爪があり、同様に鋭い牙を持っている。
そんなワイバーンが素早く空を飛んで、ゼオンに向かって攻撃を行っていたのだ。
その動きは非常に素早い。
未知の攻撃のときにように、一切攻撃の内容を理解出来ないといったような種類の攻撃ではないのだが、それでも攻撃を回避するのは難しい。
いや、一度や二度であれば攻撃を回避出来るのだが、ワイバーンは素早く、そして旋回能力も高い。
一度攻撃を回避しても、素早く旋回して次の攻撃、回避しても攻撃、回避しても攻撃といったような真似をしてくるのだ。
これを厄介と言わずして、何を厄介と言えというのか。
「ちっ、これなら!」
旋回する速度は速いとはいえ、ワイバーンの飛行速度はそれなりだ。
当然一度回避すれば、ゼオンの側にある程度の余裕は出来る。
そして回避した瞬間にウィングバインダーを全開にして攻撃を回避し、腹部拡散ビーム砲を放つ。
腹部拡散ビーム砲は、その名の通りビームが拡散して放たれるだけに、面攻撃に近い性質を持つ兵器だ。
当然だが、ビームが拡散している分、射程距離はビームライフルと比べるとかなり短い。
短いのだが……それでも、この状況では問題なかった。
いや、問題がない筈だったのだ。
「回避するだと!?」
ワイバーンは、ゼオンの腹部から発射された拡散ビーム砲の全てを、回避してみせたのだ。
いや、回避することそのものは、そこまでおかしくはないのかもしれない。
……一条のビームであるビームライフルの攻撃を回避するのならともかく、拡散して広範囲に放たれたそのビームを回避するという時点でおかしいのは間違いないのだが。
ビームライフルほどに強力ではないとはいえ、それでも拡散されたビームに触れれば、間違いなくワイバーンは大きなダメージを受ける。
あるいは、その一撃が致命傷となって死んでしまってもおかしくはなかった。
そうである以上、普通であればそんな攻撃を回避するといったような真似は出来ないはずなのだが……ワイバーンは、そんなのは関係ないと言わんばかりにビームを掻い潜り、その上で前に……ゼオンのいる方に向かって突っ込んできたのだ。
「なら!」
拡散ビームを回避しつつも間合いを詰めてくるワイバーンに対し、アランは頭部バルカンで迎撃しようとするも、次の瞬間、ワイバーンはその射線軸上からあっさりと回避する。
「読まれた!?」
予想外のワイバーンの攻撃に、驚きの声を発するアラン。
だが、考えてみれば当然のことだろうと、半ば無理矢理自分を納得させる。
そもそも、ガリンダミア帝国はゼオンを捕らえるためにこれまで色々と手を回してきた。
そうである以上、当然ながらゼオンがどのような性能を持っているのかという情報は、可能な限り集めていてもおかしくはなかった。
そんな中で、ゼオンの武装についての情報の重要度が高いのは当然の話だろう。
何しろ、ゼオンの武器はその多くがこの世界においては未知のものだ。
無理矢理似たようなものを探すのなら、レオノーラが変身する黄金のドラゴンが放つレーザーブレスがビームライフルに近いか。
あるいはもっと他にも似たような攻撃方法を持っている者もいるかもしれないが、ともあれゼオンの武器……特にビーム系の一撃が極めて強力なのは、見れば明らかだ。
だが、そんな武器の中でこの世界の住人にとって一番分かりやすいのが、頭部バルカンとなる。
ビーム関係は全く使われていない頭部バルカンは、言ってみれば金属の塊を放っているようなものなのだから。
魔法が存在するこの世界において、やろうと思えば実現出来るのは間違いないだろう。
それが実現されていないのは、単純にこの世界にそうなるように発想する者がいなかったか、そのような仕組みを作るのにコストがかかりすぎるからか、調整が上手くいかないのか。
他にも色々と考えられる理由はあるのだが、その中でもアランが一番可能性が高いと思っているのが、魔法やマジックアイテムの存在だろう。
魔法を使える者にしてみれば、銃のような物を開発するのは遠距離攻撃の手段が簡単に、そして多くなるのはある意味で自分たちの存在意義に関わってくるかもしれないし、マジックアイテムの中には銃と同じ……いや、あるいはそれ以上に強力な効果を持つ物も存在する。
ともあれ、バルカンをワイバーンが回避して近付いて来るのは間違いない。
「なら、これで!」
ビームライフルを持っていない左手でビームサーベルを引き抜き、ゼオンに向かって飛んでくるワイバーンに振るう。
命中すれば、間違いなく致命傷となるだろう一撃。
そんな一撃だったが、それはあくまでも命中すればの話で、命中しなければ何の意味もない。
そしてバルカンを回避することが出来るワイバーンが、ビームサーベルの一撃を回避出来ないはずもなく……
ギャリィッ、とい聞き苦しい音がコックピットの中に響く。
同時に、ゼオンの機体が激しく揺れ……それは当然のように、コックピットにいるアランの身体も揺らすことになる。
「うおっ!」
驚きつつも、ゼオンの機体各所にあるスラスターを使って空中での体勢を整える。
そうしてすぐに攻撃をしてくるワイバーンを迎撃しようとするものの、ワイバーンは何故かゼオンに向かって突っ込んでくる様子はない。
今までは、それこそすぐにでもゼオンに向かって攻撃を行っていたのだが。
「今の攻撃でこっちにどれくらいダメージを与えたのかを確認してるのか?」
ゼオンからかなりの距離を取りつつ、周囲を飛び回るワイバーン。
そんなワイバーンの姿を映像モニタで確認しながら、アランはそんな風に呟く。
それは、ワイバーンによってゼオンの動きにどれくらい影響するのかといった風に見られ、アランとしては決して面白くはない。
とはいえ、今の状況を思えばワイバーンが慎重に行動するというのはアランにとって決して悪い話ではない。
ワイバーンがこちらの様子を窺っているのを確認しながらも、アランは現在の機体の状況を確認する。
「装甲に傷か。……ワイバーンの爪は鋭いとはいえ、まさかゼオンの装甲に傷を付けるとはな。厄介な」
ダメージそのものは、決して大きなものではない。
だがそれでも、ゼオンの装甲にしっかりと傷がついているのは間違いのない事実だ。
「あの程度の攻撃なら問題はないだろうが……それでも、面白くないのは間違いないな」
装甲に傷がついているものの、それは表面上を削った程度の傷にすぎない。
同じ場所に何度も同じような攻撃をされれば話は別だったが、さすがに現在の状況でそのような真似をされるとは思わない。
アランも自分の操縦技術に、多少なりとも自信は持っている。
「結果として、戦力の低下についてはほとんど気にしなくてもいいか。とはいえ……問題なのは、あのワイバーンをどうするかだな。出来れば、このまま立ち去ってくれれば俺としては嬉しいんだが」
そんな風に考えたアランだったが、あるいはそれがフラグになったのか。
ゼオンの周囲を飛び回り、様子を見ていたワイバーンが再び近付いて来る気配を見せる。
「拡散ビームでもむりとなると、やっぱりこれしかないか。……フェルス!」
近付いて来るワイバーンを見ながら、アランはゼオンの奥の手とも呼ぶべき武器を使うべく、叫ぶ。
ゼオンの背後の空間に波紋が浮かび、フェルスが出て来る。
アランの意思通りに動かせる、遠隔操作砲台。
砲台ではあるが、その先端からビーム砲を撃つだけではなく、ビームサーベルを展開するといったような真似も出来る。
小型であるだけに、一撃の威力はビームライフルは勿論、腹部拡散ビーム砲にも劣る。
だが、複数で同時に撃たれるその攻撃は、アランの意思通りに放たれるだけに回避するのが難しい。
これなら行ける。
そう思ったアランだったが、アランがフェルスを放った瞬間、ワイバーンは一段と速度を増しながらゼオンの方に向かってくる。
「へぇ。フェルスを見ても逃げないか。こっちの情報を集めてるってのに、随分とやる気だな。なら、行けフェルス!」
アランの叫びと共に、三十基というフェルスの全てが一斉にワイバーンに向かって飛んでいく。
それぞれが違う軌道を取っており、回避するのは難しい。
難しいと思っていたのだが……
「嘘だろ!?」
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