73 / 178
異世界へ
0073話
「いたぞ、あいつらだ。流れてきた情報によると、あの杖を持っている男が隕石を落とす能力を持っているらしい。何とか確保するぞ!」
イオたちの前に姿を現したのは、二十人ほどの集団。
そんな集団は、杖を持った男……明確にイオを狙っていた。
あるいはイオ以外にも杖を持った者がいれば、まだ話は違ったのだろう。
しかし、生憎とここにる中で杖を持っているのはイオだけだ。
そうである以上、ここで相手が狙っているのは明らかにイオだった。
(しっかりと俺と認識した上で狙っている? だとすれば、この敵は一体何を考えてそんな真似を……いや、これは考えるまでもないか。多分、さっきの男が情報を広めたと考えた方がいい)
イオが思い浮かべたのは、騎士団……ではなく、最初に襲ってきた中年の男。
ゾブンとアザラカの二人を相手に、防戦に専念していたとはいえ互角に戦うといった力を見せた強敵。
その相手を追い払うために、イオは流星魔法を使う振りをした。
……実際には、杖を動かしただけで呪文の詠唱も何もしてはいなかったのだが、それでもイオがこれみよがしに杖を動かした時点で危険なものを感じて逃げたのだ。
その一件でイオが流星魔法の使い手を認識され、イオについての情報を流したのだろう。
一体何故そのような真似をしたのか……というのは、考えるまでもない。
イオに対する意趣返しというのもあるだろうが、それ以上に重要なのは、やはりどうにかしてイオを確保したいということなのだろう。
「いいか、最初に襲ってきた男やその仲間が周辺に隠れている可能性がある。今はイオを守るのに専念しろ。突出するような真似はするなよ」
「へぇ……まさかゾブンがそんなことを言うなんて。この短期間で随分と成長したな」
援軍として合流した傭兵の一人が、今はイオを守るのが最優先だといった指示を出すゾブンを見て、面白そうに言う。
そんな男に対し、ゾブンは一瞬不満そうな視線を向ける。
だが、今の指示は自分らしくないというのは理解していたのか、それとも今はまずイオを守って敵を倒すのを優先した方がいいと判断したのか、近付いてくる敵の集団を睨み付けるだけだ。
純粋に数という点では、ゾブンたちが不利なのは間違いない。
しかし、その数の差もそこまで圧倒的という訳ではなく、何よりも質では自分たちの方が勝っているという自信があった。
だからこそ、今は敵との戦いに集中するのが優先だと判断していた。
「いいから、今は敵に集中しろ。……レックス、イオの護衛は任せたぞ」
ゾブンの言葉に、レックスは頷きつつイオの側まで移動した。
そうして黎明の覇者の準備が整ったところで……
「後ろだ! 後ろからも敵がやって来ているぞ! 注意しろ」
アザラカのその言葉に、他の面々は一瞬だけ動揺するも、すぐに建て直す。
歴戦の傭兵たちにしてみれば、予想外の方向から攻撃をされるというのはそう珍しい話ではない。
それでも対処出来るからこそ、黎明の覇者の傭兵としてやって来られたのだ。
だが……即座に対応した黎明の覇者を見て、近付いてきていた敵の傭兵たちは舌打ちする。
傭兵たちが黎明の覇者の戦闘準備が整うのを待っていたのは、後ろに回り込んで相手の不意を打つという目的があったからだ。
だというのに、自分たちが不意打ちの準備をしており、まだその準備が完了していないというのに、相手に別働隊の存在を察知されてしまったのだ。
別働隊も、そこまで見つかりやすい態度を取っていた訳ではない。
それでもこうして背後から攻めようとして理魚を見つけたのは、黎明の覇者がそれだけ実戦慣れをしていたからだろう。
「くそっ! 仕方がねえ! やれ! このまま一気に連中を押し込むぞ! そうすれば、俺達の勝利だ! 何も黎明の覇者を全滅させる必要はねえ! あの杖を持ってる奴を奪えば、それでいい!」
その声に、イオたちを襲ってきた傭兵たちは一気に攻撃をしかける。
指示を出している者が口にしたように、黎明の覇者の傭兵という強力な相手を全滅させる必要はない。
今の状況でやるべきなのは、あくまでもイオを奪うという行為のみだ。
そしてイオを奪ったら、一目散に戦場から逃げ出せばいい。
あとはイオから隕石の件について詳しく情報聞き出し、自分たちで利用するなり、あるいは誰かの売り飛ばすなりすればいいのだ。
そんな風に考えている相手だけに、イオを守る方としてはそれなりに厄介な相手となる。
「イオを守りながら戦う! ここで戦っていれば、周辺にいる仲間たちも俺たちの存在にすぐに気が付くはずだ! そうすればここに戦力が集まってくるだろうから、時間が経過すればそれだけこちらが有利になる!」
アザラカの叫ぶ声が周囲に響く。
それは自分たちは決して不利ではないと示すと同時に、自分敵に対して時間をかければそれだけイオたちが有利になるというのを教え、少しでもこちらにとって有利になるようにするという……そんな狙いを持った言葉。
実際、その言葉を聞いた敵の中には見て分かるほどに動揺する者もいる。
このままいけるか?
黎明の覇者の傭兵が何人かそう思ったところで、相手の傭兵たちを率いている人物が、動揺を鎮めるべく口を開く。
「落ち着け! 時間が経てば向こうが有利かもしれないが、今の時点で俺たちが有利なのは間違いない! なら、その有利なうちに片付けしまえばいいだけだ!」
その言葉は動揺していた者たちを建て直すのに何とか成功する。
そして動揺から戻れば、すぐ行動に移っていく。
そんな敵を見ながら、ゾブンは忌々しげに舌打ちする。
動揺して攻撃を躊躇する必要があって欲しいとは思っていたのだが、それが今の一声で台無しになってしまったのだ。
「どうします、ゾブンさん。今から流星魔法の準備しますか? それなら、もしソフィアさんからの許可が出れば、すぐにでも使うことが出来ますけど」
「それは……いや、待て。その場合、狙う場所はどうなる? 今のうちから狙う場所を決めておいて、そこに流星魔法を使うといった準備をしていても、そこではなくどこか指定した場所に使えと……ええいっ! 邪魔だ!」
イオとゾブンが話している最中に、傭兵たちが一気に襲ってくる。
とにかくイオを手に入れればそれでいいと、そう判断しての行動なのだろう。
そんな者たちにとって、イオと話しているゾブンは邪魔者でしかない。
……ましてや、流星魔法を使うという話をしている以上、そのまま放っておけば自分たにが壊滅する可能性も否定出来ない。
そうである以上、今はとにかくその話を邪魔する必要があるのも事実だった。
それと同時に、その会話を聞いていた者はイオがマジックアイテムの類を使うのではなく、魔法……流星魔法という魔法を使って、隕石を落下させるというのも知った。
だからこそ少しでも早く敵を倒してしまう必要があるのは、間違いのない事実。
もっとも、ゾブンたちも当然のようにそんな相手の狙いは分かっているので、敵の攻撃を必死になって防ぐ。
その攻撃を何とかして防ごうとする行動に、襲ってくる傭兵たちはよけいにやる気になる。
今のこの状況で自分が一体何をどうすればいいのか……双方共に、そう考えた結果だろう。
(どうする? 話をする前にゾブンさんたちは戦いが始まってしまった。そうなると、俺は流星魔法の準備をした方がいいのか? いや、さっきのゾブンさんの言葉から考えると、俺が呪文の詠唱をしている時に、その対象を変える真似が出来ないと……出来るのか、それが?)
イオは先程のゾブンとの会話を思い出し、どうすればいいのか迷う。
だが、少し考えを纏めると、ある程度自分の魔法で狙う場所を変えられるというのを理解する。
ゴブリンの軍勢に流星魔法を使ったときは、そんなことを考える余裕はなかった。
しかし、ベヒモスに対して流星魔法を使ったときはどうだったか。
ある程度の範囲内という限定はされていたものの、それでも多少はどうにか出来るように魔法の詠唱を変えられたのではないか。
何よりその次に放った対個人用の流星魔法……ミニメテオは、その発動場所を普通のメテオ以上に自由に出来た気がする。
「多少ですが、魔法を命中させる場所を変えることは出来ます! 魔法の発動の準備に入っても構いませんか!?」
「馬鹿、多少程度じゃ……いや、違う。来たぞ! そいつから話を聞け!」
ゾブンがイオの意見を却下しようとしたとき、視線の先に自分たちのいる方に向かってくる数騎の騎兵を確認し、そう叫ぶ。
当然ながらゾブンたちと戦っていた傭兵たちにも、そんな声は聞こえる。
もう援軍が来たのかと、そんな風に緊張した様子でゾブンの視線を追うが……不幸中の幸いと言うべきか、イオたちのいる方に向かって走ってきているの騎兵の数は多くない。
それを見た傭兵たちは、これならまだ自分たちが勝てる……あるいは自分たちが全滅するよりも前にイオを連れ去ることが出来ると判断したのか、攻撃を一層激しくする。
背後から奇襲を狙っていた者たちも、現在となってはすでに戦闘を開始していた。
この辺りの傭兵たちの判断が、さきほどイオたちを襲ってきた中年の男と違うところだろう。
もしここに先程の中年の男がいた場合、それこそ即座に撤退するという選択をしていたはずだ。
そうしなかったというのは、襲ってきている傭兵たちが冷静に現在の状況を判断出来なかったからというのが大きい。
もっとも、人数的に襲ってきた傭兵たちの方が有利なのは変わらないので、今ここで強攻策を選ぶのは決して愚策といった訳ではないのだが。
それでも今の状況を思えば、決していい手段ではなかったのは間違いない。
そんな風にいイオは勘上げ……こちらに戻ってくる黎明の覇者の騎兵の到着を待つ。
それこそいつ流星魔法を使ってもいいように準備をしながら待っていると、その間にも敵は今まで以上に強烈な攻めを見せ……イオは杖を手に、それを黙って見る。
今の状況を考えると、いつでも流星魔法を使えるように準備しながら待つのが最善の行動だった。
イオたちの前に姿を現したのは、二十人ほどの集団。
そんな集団は、杖を持った男……明確にイオを狙っていた。
あるいはイオ以外にも杖を持った者がいれば、まだ話は違ったのだろう。
しかし、生憎とここにる中で杖を持っているのはイオだけだ。
そうである以上、ここで相手が狙っているのは明らかにイオだった。
(しっかりと俺と認識した上で狙っている? だとすれば、この敵は一体何を考えてそんな真似を……いや、これは考えるまでもないか。多分、さっきの男が情報を広めたと考えた方がいい)
イオが思い浮かべたのは、騎士団……ではなく、最初に襲ってきた中年の男。
ゾブンとアザラカの二人を相手に、防戦に専念していたとはいえ互角に戦うといった力を見せた強敵。
その相手を追い払うために、イオは流星魔法を使う振りをした。
……実際には、杖を動かしただけで呪文の詠唱も何もしてはいなかったのだが、それでもイオがこれみよがしに杖を動かした時点で危険なものを感じて逃げたのだ。
その一件でイオが流星魔法の使い手を認識され、イオについての情報を流したのだろう。
一体何故そのような真似をしたのか……というのは、考えるまでもない。
イオに対する意趣返しというのもあるだろうが、それ以上に重要なのは、やはりどうにかしてイオを確保したいということなのだろう。
「いいか、最初に襲ってきた男やその仲間が周辺に隠れている可能性がある。今はイオを守るのに専念しろ。突出するような真似はするなよ」
「へぇ……まさかゾブンがそんなことを言うなんて。この短期間で随分と成長したな」
援軍として合流した傭兵の一人が、今はイオを守るのが最優先だといった指示を出すゾブンを見て、面白そうに言う。
そんな男に対し、ゾブンは一瞬不満そうな視線を向ける。
だが、今の指示は自分らしくないというのは理解していたのか、それとも今はまずイオを守って敵を倒すのを優先した方がいいと判断したのか、近付いてくる敵の集団を睨み付けるだけだ。
純粋に数という点では、ゾブンたちが不利なのは間違いない。
しかし、その数の差もそこまで圧倒的という訳ではなく、何よりも質では自分たちの方が勝っているという自信があった。
だからこそ、今は敵との戦いに集中するのが優先だと判断していた。
「いいから、今は敵に集中しろ。……レックス、イオの護衛は任せたぞ」
ゾブンの言葉に、レックスは頷きつつイオの側まで移動した。
そうして黎明の覇者の準備が整ったところで……
「後ろだ! 後ろからも敵がやって来ているぞ! 注意しろ」
アザラカのその言葉に、他の面々は一瞬だけ動揺するも、すぐに建て直す。
歴戦の傭兵たちにしてみれば、予想外の方向から攻撃をされるというのはそう珍しい話ではない。
それでも対処出来るからこそ、黎明の覇者の傭兵としてやって来られたのだ。
だが……即座に対応した黎明の覇者を見て、近付いてきていた敵の傭兵たちは舌打ちする。
傭兵たちが黎明の覇者の戦闘準備が整うのを待っていたのは、後ろに回り込んで相手の不意を打つという目的があったからだ。
だというのに、自分たちが不意打ちの準備をしており、まだその準備が完了していないというのに、相手に別働隊の存在を察知されてしまったのだ。
別働隊も、そこまで見つかりやすい態度を取っていた訳ではない。
それでもこうして背後から攻めようとして理魚を見つけたのは、黎明の覇者がそれだけ実戦慣れをしていたからだろう。
「くそっ! 仕方がねえ! やれ! このまま一気に連中を押し込むぞ! そうすれば、俺達の勝利だ! 何も黎明の覇者を全滅させる必要はねえ! あの杖を持ってる奴を奪えば、それでいい!」
その声に、イオたちを襲ってきた傭兵たちは一気に攻撃をしかける。
指示を出している者が口にしたように、黎明の覇者の傭兵という強力な相手を全滅させる必要はない。
今の状況でやるべきなのは、あくまでもイオを奪うという行為のみだ。
そしてイオを奪ったら、一目散に戦場から逃げ出せばいい。
あとはイオから隕石の件について詳しく情報聞き出し、自分たちで利用するなり、あるいは誰かの売り飛ばすなりすればいいのだ。
そんな風に考えている相手だけに、イオを守る方としてはそれなりに厄介な相手となる。
「イオを守りながら戦う! ここで戦っていれば、周辺にいる仲間たちも俺たちの存在にすぐに気が付くはずだ! そうすればここに戦力が集まってくるだろうから、時間が経過すればそれだけこちらが有利になる!」
アザラカの叫ぶ声が周囲に響く。
それは自分たちは決して不利ではないと示すと同時に、自分敵に対して時間をかければそれだけイオたちが有利になるというのを教え、少しでもこちらにとって有利になるようにするという……そんな狙いを持った言葉。
実際、その言葉を聞いた敵の中には見て分かるほどに動揺する者もいる。
このままいけるか?
黎明の覇者の傭兵が何人かそう思ったところで、相手の傭兵たちを率いている人物が、動揺を鎮めるべく口を開く。
「落ち着け! 時間が経てば向こうが有利かもしれないが、今の時点で俺たちが有利なのは間違いない! なら、その有利なうちに片付けしまえばいいだけだ!」
その言葉は動揺していた者たちを建て直すのに何とか成功する。
そして動揺から戻れば、すぐ行動に移っていく。
そんな敵を見ながら、ゾブンは忌々しげに舌打ちする。
動揺して攻撃を躊躇する必要があって欲しいとは思っていたのだが、それが今の一声で台無しになってしまったのだ。
「どうします、ゾブンさん。今から流星魔法の準備しますか? それなら、もしソフィアさんからの許可が出れば、すぐにでも使うことが出来ますけど」
「それは……いや、待て。その場合、狙う場所はどうなる? 今のうちから狙う場所を決めておいて、そこに流星魔法を使うといった準備をしていても、そこではなくどこか指定した場所に使えと……ええいっ! 邪魔だ!」
イオとゾブンが話している最中に、傭兵たちが一気に襲ってくる。
とにかくイオを手に入れればそれでいいと、そう判断しての行動なのだろう。
そんな者たちにとって、イオと話しているゾブンは邪魔者でしかない。
……ましてや、流星魔法を使うという話をしている以上、そのまま放っておけば自分たにが壊滅する可能性も否定出来ない。
そうである以上、今はとにかくその話を邪魔する必要があるのも事実だった。
それと同時に、その会話を聞いていた者はイオがマジックアイテムの類を使うのではなく、魔法……流星魔法という魔法を使って、隕石を落下させるというのも知った。
だからこそ少しでも早く敵を倒してしまう必要があるのは、間違いのない事実。
もっとも、ゾブンたちも当然のようにそんな相手の狙いは分かっているので、敵の攻撃を必死になって防ぐ。
その攻撃を何とかして防ごうとする行動に、襲ってくる傭兵たちはよけいにやる気になる。
今のこの状況で自分が一体何をどうすればいいのか……双方共に、そう考えた結果だろう。
(どうする? 話をする前にゾブンさんたちは戦いが始まってしまった。そうなると、俺は流星魔法の準備をした方がいいのか? いや、さっきのゾブンさんの言葉から考えると、俺が呪文の詠唱をしている時に、その対象を変える真似が出来ないと……出来るのか、それが?)
イオは先程のゾブンとの会話を思い出し、どうすればいいのか迷う。
だが、少し考えを纏めると、ある程度自分の魔法で狙う場所を変えられるというのを理解する。
ゴブリンの軍勢に流星魔法を使ったときは、そんなことを考える余裕はなかった。
しかし、ベヒモスに対して流星魔法を使ったときはどうだったか。
ある程度の範囲内という限定はされていたものの、それでも多少はどうにか出来るように魔法の詠唱を変えられたのではないか。
何よりその次に放った対個人用の流星魔法……ミニメテオは、その発動場所を普通のメテオ以上に自由に出来た気がする。
「多少ですが、魔法を命中させる場所を変えることは出来ます! 魔法の発動の準備に入っても構いませんか!?」
「馬鹿、多少程度じゃ……いや、違う。来たぞ! そいつから話を聞け!」
ゾブンがイオの意見を却下しようとしたとき、視線の先に自分たちのいる方に向かってくる数騎の騎兵を確認し、そう叫ぶ。
当然ながらゾブンたちと戦っていた傭兵たちにも、そんな声は聞こえる。
もう援軍が来たのかと、そんな風に緊張した様子でゾブンの視線を追うが……不幸中の幸いと言うべきか、イオたちのいる方に向かって走ってきているの騎兵の数は多くない。
それを見た傭兵たちは、これならまだ自分たちが勝てる……あるいは自分たちが全滅するよりも前にイオを連れ去ることが出来ると判断したのか、攻撃を一層激しくする。
背後から奇襲を狙っていた者たちも、現在となってはすでに戦闘を開始していた。
この辺りの傭兵たちの判断が、さきほどイオたちを襲ってきた中年の男と違うところだろう。
もしここに先程の中年の男がいた場合、それこそ即座に撤退するという選択をしていたはずだ。
そうしなかったというのは、襲ってきている傭兵たちが冷静に現在の状況を判断出来なかったからというのが大きい。
もっとも、人数的に襲ってきた傭兵たちの方が有利なのは変わらないので、今ここで強攻策を選ぶのは決して愚策といった訳ではないのだが。
それでも今の状況を思えば、決していい手段ではなかったのは間違いない。
そんな風にいイオは勘上げ……こちらに戻ってくる黎明の覇者の騎兵の到着を待つ。
それこそいつ流星魔法を使ってもいいように準備をしながら待っていると、その間にも敵は今まで以上に強烈な攻めを見せ……イオは杖を手に、それを黙って見る。
今の状況を考えると、いつでも流星魔法を使えるように準備しながら待つのが最善の行動だった。
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
魔法学校の落ちこぼれ
梨香
ファンタジー
昔、偉大な魔法使いがいた。シラス王国の危機に突然現れて、強力な魔法で国を救った。アシュレイという青年は国王の懇願で十数年を首都で過ごしたが、忽然と姿を消した。数人の弟子が、残された魔法書を基にアシュレイ魔法学校を創立した。それから300年後、貧しい農村の少年フィンは、税金が払えず家を追い出されそうになる。フィンはアシュレイ魔法学校の入学試験の巡回が来るのを知る。「魔法学校に入学できたら、家族は家を追い出されない」魔法使いの素質のある子供を発掘しようと、マキシム王は魔法学校に入学した生徒の家族には免税特権を与えていたのだ。フィンは一か八かで受験する。ギリギリの成績で合格したフィンは「落ちこぼれ」と一部の貴族から馬鹿にされる。
しかし、何人か友人もできて、頑張って魔法学校で勉強に励む。
『落ちこぼれ』と馬鹿にされていたフィンの成長物語です。
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。