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赤点の危機
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そこで私たちは、空き教室を探していつもはコース別で使われている教室を使わせてもらうことにした。
「せっかくですから、黒板に近いところにしよっか。」
「うん。」
「そしたら教師の気分味わえるよね。」
そういうことか…さっきからパソコン室とかあったのに使いたがらなかったのってそれが目的だったからか!
なんていうか…意外とおちゃめなところあって可愛い。
こうして、龍央の提案で私はいつもは嫌う一番前の教壇から見て斜め前の席に着いた。
するとなぜかうずうずと何かを言いたげな龍央の顔が目についた。
「…きりーつ…れー…おねがーいしまーす…ちゃくせきぃ。」
私の掛け声に、龍央は驚きつつ反応した。
いや、どんだけ嬉しそうなの。適当に冗談でやってみたんだけど…やりたかったんかい…。
私が呆れつつも笑い返すと、龍央は目的を思い出したのか、慌てて教科書を開いた。
「では、わからない人は質問をどうぞ。」
うわ、入っちゃってるよ。
「先生!この問題の当てはめ方が分かりませーん。」
しょうがない…。面白いしもうしばらくこのノリでやるっきゃないね。
結局、私たちが学校を出たのは18時を回ったころだった。
我に返った龍央先生はなかなか見ものだった。
「ごめん…つい…楽しくなっちゃって。」
「うん、超楽しそうだったからノッてみた。」
そこから帰るまで龍央は平謝りで、私は笑いっ通しだった。
ふぅ…家帰ったら復習でもしようかな…。
せっかく龍央に教えてもらったし、そこだけでもまともに解けるようにしないと。
…あれ…私…いつの間にか…龍央のためにとはいっても…勉強してる。
しかも家に持って帰ってきてまでしてる。
「マジか…。」
私、キンベンなんじゃない!?
プルルルル!!
「ッ!?」
うっかり一人でテンションを上げていたその時、家電が鳴り響いた。
着信者を見るとそこには…いつもかけてくる電話番号が表示されていた。
「拒否ろ…。」
これは、私の家の暗黙の掟だから…この番号の電話には出てはいけないの。
これは母さんとの約束…今は亡き父さんのためにも。
「せっかくですから、黒板に近いところにしよっか。」
「うん。」
「そしたら教師の気分味わえるよね。」
そういうことか…さっきからパソコン室とかあったのに使いたがらなかったのってそれが目的だったからか!
なんていうか…意外とおちゃめなところあって可愛い。
こうして、龍央の提案で私はいつもは嫌う一番前の教壇から見て斜め前の席に着いた。
するとなぜかうずうずと何かを言いたげな龍央の顔が目についた。
「…きりーつ…れー…おねがーいしまーす…ちゃくせきぃ。」
私の掛け声に、龍央は驚きつつ反応した。
いや、どんだけ嬉しそうなの。適当に冗談でやってみたんだけど…やりたかったんかい…。
私が呆れつつも笑い返すと、龍央は目的を思い出したのか、慌てて教科書を開いた。
「では、わからない人は質問をどうぞ。」
うわ、入っちゃってるよ。
「先生!この問題の当てはめ方が分かりませーん。」
しょうがない…。面白いしもうしばらくこのノリでやるっきゃないね。
結局、私たちが学校を出たのは18時を回ったころだった。
我に返った龍央先生はなかなか見ものだった。
「ごめん…つい…楽しくなっちゃって。」
「うん、超楽しそうだったからノッてみた。」
そこから帰るまで龍央は平謝りで、私は笑いっ通しだった。
ふぅ…家帰ったら復習でもしようかな…。
せっかく龍央に教えてもらったし、そこだけでもまともに解けるようにしないと。
…あれ…私…いつの間にか…龍央のためにとはいっても…勉強してる。
しかも家に持って帰ってきてまでしてる。
「マジか…。」
私、キンベンなんじゃない!?
プルルルル!!
「ッ!?」
うっかり一人でテンションを上げていたその時、家電が鳴り響いた。
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