恋する騎士団

悠木全(#zen)

文字の大きさ
47 / 48

47.君のために(前世編・後編)

しおりを挟む
 それからジミールは、家庭教師からも訓練からも逃げまわり、庭の木の上で寝ていることが多くなった。

 声をかければ、獣のように逃げてしまうため、居場所がわかっていても、誰も声をかけることができなかった。

 そんなある日のことだった。

 ジミールがマルストール侯爵家の庭園を歩いていると、義父と同じような衣装の——騎士服に身を包んだ少年にぶつかった。

「……君は何?」

 おっとりとして、騎士とは思えないほど美しい佇まいの少年に、ジミールは目を瞬かせる。

「あんたこそなんだよ」

「俺はこれでも貴族だけど?」

「お、俺は……」

「もしかして君、団長の?」

「団長?」

「マルストール侯爵の養子?」

「そうだけど」

「そっか。団長が選んだ人なら、きっといい人だね」

「はあ?」

「ねえ、よかったら少し話さない?」

「……いいけど」

「俺はテナ・リオンドイル。爵位は一応子爵だよ」

「ふうん。俺は……」

「ジミール令息でしょ。マルストール卿の息子になれて良かったね」

「俺は養子になりたくてなったわけじゃ」

「でも、衣食住を保障してもらえるなら、いいことじゃないか」

「あんたに何がわかるっていうんだよ」

「わかるよ。俺は貧乏貴族だから、こうやって騎士をしてなんとか使用人を養っているんだ」

「騎士って儲かるのか?」

「そうだね。これでも騎士団の幹部だから」

「へぇ」

「君は従士?」

「従士になるつもりはないよ」

「どうして?」

「俺は平和にスリをして生きたいんだ」

「そんなの、一瞬で捕まって終わりだよ」

「そんなことない。俺はこれでも捕まったことがないから」

「団長に捕まってるじゃん」

「それはそうだけど」

 それからジミールは、テナとよく喋るようになった。

 相変わらず訓練からは逃げてばかりだったが、友達が出来て毎日を楽しく過ごせるようになった。



 そんな風に、ジミールが侯爵家に暮らし始めて、一ヶ月ほど経ったある日。

「ねぇ、お願いだから許してよ、テナ兄さん」

 その日は、エジンという小さな少年を、テナが侯爵家の訓練所で鍛錬たんれんしていた。

 エジンは十二歳という若さで騎士になったという。

 騎士団の騎士は、団長——つまりジミールの義父であるマルストール侯爵が選抜するというが、ジミールにはその基準がさっぱりわからなかった。

 子供ながらに泣くエジンを見ていると、可哀想にさえ思えてくる。

 だがテナは、そんなエジンにも容赦しなかった。

「ダメだ。お前はもっと強くならないといけない」

「テナは厳しいな」

 二人の鍛錬を眺めていたジミールが指摘すると、テナは厳しい面持ちで告げる。

「騎士は甘やかしてはいけないから」

「へぇ、貴族とは思えないな」

「君は、貴族に対して良いイメージを持っていないんだな」

「当たり前だろ。貴族はふんぞり返ってるだけで飯が食えるんだから」

「そんなことはない。少なくとも俺は、騎士の仕事を誇りに思ってる」

「ふうん」

「君こそなんだよ。何もしないくせに、文句を言ってばかりだね」

「ああ、俺は面倒なことは嫌いだから、部屋に戻るよ」

 テナの一生懸命な姿を見ていると、なんとなく居づらくなったジミールは、その場を去ろうときびすを返すが——ちょうどその時、大きな手提げかごを持った少女が、やってくる。

「テナ!」

 小麦色の肌をした素朴な少女は可憐で、思わずジミールは目を奪われる。
 
 すると、テナは見たこともないような笑顔で、少女に声をかけた。

「メアリア」

「誰だ?」

 首を傾げるジミールに、テナは呆れたように笑う。
 
「何を言ってるんだ、団長の妹だろ」

「団長にこんな妹がいたのか? 全然似てねぇ」

 ジミールが目を丸くしていると、メアリアと呼ばれた少女は小さく笑った。

「あなた、ジミールよね」

「そうだけど」

「兄はあなたのことを褒めていたわ」

「はあ?」

「だってあなた、ぜいの限りを尽くせる状況にもかかわらず、質素な食事しかとらないんでしょう?」

「俺の胃は、豪華な食事を受け付けないんだよ」

「でも感心していたわ、召使いに対して優しい人だって」

「気持ち悪いこと言うなよ。俺が優しいだなんて」

 マルストール侯爵の評価を素直に受け取れないジミールは、むずがゆい気持ちでいっぱいだったが、そんなジミールを見てテナも微笑む。

「ジミールは優しいよ」

「はあ?」

「やっぱり、そうよね」

 テナとメアリアは顔を見合わせて笑う。

 その甘い雰囲気に、ジミールは目を瞬かせた。

 どうやらテナとメアリアは恋仲のようだった。

 だが騎士たちには内緒にしているようで、こっそり会っているという。

 それをどうして教えてくれるのか、ジミールにはわからなかったが、かいかぶりすぎだと思った。
 
 それからテナとメアリアの逢瀬おうせをよく見かけるようになったジミールだが、なんとなくくすぐったい気持ちで見守っていた。



「——テナとメアリアってお似合いだよね」

 いつものようにジミールが木の上で寝ていると、声をかけられる。

 木の根元に視線を落とすと、エジンが嬉しそうな顔をして座っていた。

「僕もあんな風に恋ができるかな」

「マセガキ」

 ジミールはそう言って笑うが、心の中では確かにお似合いだと思っていた。


 
 そして獣のように暮らす日々が続く中——ジミールに転機がやってくる。

 きっかけは、メアリアとの買い物だった。
 
 メアリアが市場に行きたいというので、ジミールが護衛をすることになった。

 本来はテナの役目だが、彼は仕事で遠征しているとのことで、メアリアにどうしてもと頼まれたのだった。

 またジミールも頼まれて悪い気はせず、ついていったのだが……。

「市場ってすごい人よね」

「うん、だからスリには気をつけた方がいい」

「ふふ、わかったわ」

「まあ、俺がいれば大丈夫だと思うけど……何が見たいの?」

「実は、テナにプレゼントがしたくて」

「だったら、召使いに頼めば良かったのに。しかも馬車を置いてくるなんて」

「それじゃあ、ダメなの。私が選びたいの」

「お嬢様の考えることはわからないな」

「私の考えが筒抜けだったら困るわ」

 そんな風に他愛のない話をしながら歩いていた——その時。

「おい、お前——メアリア嬢だな?」

 突然、七人ほどの白い外衣ローブまとったやからが、ジミールやメアリアを囲んだ。

 その物々しい様子に、ジミールが動揺する傍ら、周囲の人間は遠ざかってゆく。
 
 市場にいる民衆は危険を察知したのだろう。屋台の店主すら逃げてしまい、気づくとジミールとメアリアは孤立していた。

 そして人が少なくなった市場の中心で、白い外衣ローブまとった一人が、メアリアの腕を掴んだ。

「お前、ちょっとこっちに来い」

「やめて! 離して——」

「おい! やめろよ!」

 ジミールは慌てて白い外衣ローブの腕を掴むが、軽く振り払われてしまう。
 
「ジミール!」

 そのままジミールが捕まる中、メアリアは白い外衣ローブの輩たちに、連れ去られそうになるが——ジミールは咄嗟に、相手の腕に噛みついて、メアリアの手を引いた。

「逃げるよ!」

「待って、ジミール」

 ジミールはその軽い足で、メアリアを連れて逃げた。

 走り慣れないメアリアを連れているので、何度も転びそうになるが——それでもなんとかメアリアもジミールについていった。
 
 人混みの中、逃げることを得意とするジミールは、そのまま白い外衣ローブやからたちをまくことに成功するが、ちょうどその時——。

「メアリア? それにジミール?」

 マルストール侯爵家の屋敷を前にしたところで、テナの馬車に遭遇した。

 どうやらテナは遠征から戻ってきたらしい。

 息を切らすジミールとメアリアを見て、目を丸くするテナだったが、慌ててメアリアが声を上げた。

「テナ! 兄さんを呼んでちょうだい」

「させるか!」 

 その低い声に、ハッとしてジミールは振り返る。

 気づくと、白い外衣ローブたちがすぐ後ろに迫っていた。そしてジミールやメアリアを囲むと——じりじりと詰め寄った。

「もう逃げられないぞ」 
 
 白い外衣ローブの一人が、ジミールを地面に押さえつけ、別のやからがメアリアの手を引いた。
 
 暴れたメアリアの頬が打たれるのを見て、ジミールの目の前がカッと赤くなる。

 ジミールはせめてメアリアだけでも逃そうと暴れるが——そこで白い外衣ローブの一人が剣を抜いた。

「こんな往来で人を斬れば、死罪は免れないよ」

 ジミールは指摘するが、白い外衣ローブの男は余裕の表情を浮かべていた。
 
 上流貴族に対して、微塵も迷わない様子に、ジミールは疑問を覚えるが——メアリアの悲鳴で意識を戻される。

「こ、来ないで!」

「メアリア!」

 直後、メアリアに剣が迫る——が、人影が白い外衣ローブの男を遮った。

 ドサリ、と音を立てて倒れた白い外衣ローブやからを見て、ジミールは唖然とする。

 白い外衣ローブを斬り捨てたのは、テナだった。

「許さない……メアリアに手を出す奴は、俺が許さない」

「テナ?」

 テナの燃えるような目の色を見て、ジミールはぞくりとする。

 最初はざわついていた白い外衣ローブたちだが——そのうち彼らはテナに斬りかかる。

 だがテナは強かった。白い外衣ローブに隙を見せることなく、次々と斬りつけては、悲鳴が上がった。その目を覆うような状況に、ジミールはごくりと固唾を飲んだ。

 しかもテナの剣は、白い外衣ローブたちを一掃したにもかかわらず、止まることなく。

 動かなくなった白い外衣ローブの輩たちに向かって、さらにテナは剣を高く掲げた。

 とどめを刺すつもりなのだろう。ジミールは慌てて止めようとするもの、テナに蹴り飛ばされる。
 
「ねぇ、テナ! 私はもう大丈夫だから、もうやめて!」

「許さない……許さない!」

「テナ!」

 メアリアの声は届かず、テナは剣を離さなかった。

 ジミールは咄嗟にテナを背中から羽交い締めにするが、すぐにふりほどかれて——その狂気のような目がジミールに向いた。

「テナ?」

「邪魔をするなら、お前も斬る」

「やめて! テナ!」

 その時だった。

「おいテナ、こっちだ」

「え?」

 ジミールの背後に、マルストール侯爵が現れた。

 侯爵は現れるなり、テナの額に頭突きをお見舞いすると——テナはその場に倒れたのだった。



 *** 


 ——それから数日が過ぎた頃。

 テナが謹慎になったこともあり、暇を持て余したジミールは、久しぶりに従士の訓練に顔を覗かせた。
 
 すると、従士たちは、テナの話題で持ちきりだった。

 暴漢を皆殺しにし、平民まで傷つけようとしたなど——とんでもない言われ様だったが、誰もテナをかばうことはなかった。

 そこで初めて、ジミールはテナの孤独を知った。



「テナ、元気か?」 

「なんで……ジミール」

 マルストール侯爵の名を使って、テナの屋敷に訪れたジミールは、誰にも咎められることなく、テナと面会することが出来た。

 どうやらテナには両親も兄弟もいないらしい。領地を一人で治めているテナは本当に孤独だった。

 ジミールの部屋よりもはるかに質素な部屋にいたテナは泣き腫らした顔をしていた。テナはその衝動のせいで、悩みを抱えているのは明らかだった。

「なんでって、友達だから、見舞いにくらいくるだろ」

「友達?」

「そうだよ、友達」

「でも、俺はもう少しで君を……っ」

「そういうこともあるだろ」

「ジミール……でもいつか俺は、君を殺してしまうかもしれない」

「大丈夫だ。俺にはあのマルストール侯爵だっているし」

「……俺は……本当は、暴れたくなんかないんだ」

「そうか」

「でも大切な人に何かあると、すぐカッとなって……どうしよう、俺がいつか大切な人まで殺してしまったら」

「大丈夫、その時は俺が止める」

「……え?」

「俺もこれからきっと強くなるから」

 ジミールが笑って見せると、テナは心底驚いた顔をしていた。



 ***



「あれから本気で騎士を目指したけど、結局……騎士になっても、テナを止めることはできなかったんだよね」

 テナを止められるのは、前世も今世も、団長だけだった。

「その団長が伊利亜のものになった今、誰がテナを止めるんだろうな」

 大学生になり、すっかり大人しくなった尚人テナだが、いつ爆発するのかは健にもわからなかった。

「健、どうかした?」

 ふいに、桜並木道で、尚人が振り返る。その姿が、相変わらずテナに瓜二つで、複雑な気持ちになる。

「僕が頑張るしかないんだよね」

「え?」

「ややこしい友達を持って、僕も大変だよ」

 そう言った健は、苦笑しながらも尚人から離れようとは思っていなかった。

しおりを挟む
感想 98

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...