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二章 愛の対義語
53話 ピンチ
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「君、浄化の奇跡を纏っていないね?なのに何故そう平然としていられるんだい?」
「さあ?本当に自分でも分かりませんよ。瘴気が発生し始めた頃に初めて気づきました」
「そっか・・・これはかなり厄介だね」
「「ガル!!」」
団長と副団長が駆けつけてきてくれた。これで人数的には対等になった。
「よし、決めた。今後の障害になるだろうし、ここで全力を持って殺させてもらうね。ごめんね、会ってから間もないのにこんな判断しちゃって。代わりに君も全力を出していいから。さあ、かかっておいで」
瘴気を受け付けない体。やはり瘴族からしても厄介でしかないらしい。
「二人余計に増えたけど、問題はないね。君を集中攻撃させてもらうよ」
「・・・!!させない!!」
リリィ団長が僕を匿うように前に出る。しかし、僕の腹パンから戻った瘴族の巨女のパンチによって吹き飛ばされてしまった。
「さっきは油断してたけど、次はそういかないよ坊や。殴り殺してあげる!!」
「ずるいずるい!!おいらも殺したい!おいらも!!」
「おい、ガル!一体何なんだこいつらは・・・」
「瘴族です!!」
「マジか・・・!!190年前の出来事が再び起きるのかよ!させねぇ!絶対にそんな事は許さねぇぞ!!」
「お前うるさいよ。感電死でもしてろ!!」
小柄な瘴族の指から一筋の電撃が放たれる。電撃はオルタ副団長の鎧に着弾すると、ビリビリと彼の全身をしびれさせた。
「あれ?あんまり強くなかったな・・・まあ、こんなものか。それじゃあ、覚悟してね」
3人の瘴族が迫って来る。幸いにもまだ浄化の奇跡を行えるくらいの体力は残っている。祈りの部屋全体を浄化できるくらいの威力を放って3人の動きを止めるしかない。
「ん?ねぇねぇ、なんだか瘴気が薄くない?」
「言われてみれば確かにそうだね。さっきまでは体が見えなくなるくらいまで瘴気が満ちていたのにどうしてだろうねぇ?」
「君、何かしたか?」
「僕?僕は何も・・・」
確かに瘴気の量が減っている。視界も明瞭になったお陰で先程よりも3人の顔がはっきりと見えるようになった。口にした通り、僕には瘴気を減らす特別な力なんてものはない。そんな力を持っているのは────。
「わたしだよ!!」
「トキ!!」
いつの間にか眠りから覚めていたトキだった。起こさなかったからか、少し怒っているみたいだ。ごめん・・・・。
「ガル!コレ!!」
投げ渡されたのは身無しの騎士の剣。得物を手に入れた僕は、最初に出てきた瘴族に袈裟斬りをお見舞いした。
「さあ?本当に自分でも分かりませんよ。瘴気が発生し始めた頃に初めて気づきました」
「そっか・・・これはかなり厄介だね」
「「ガル!!」」
団長と副団長が駆けつけてきてくれた。これで人数的には対等になった。
「よし、決めた。今後の障害になるだろうし、ここで全力を持って殺させてもらうね。ごめんね、会ってから間もないのにこんな判断しちゃって。代わりに君も全力を出していいから。さあ、かかっておいで」
瘴気を受け付けない体。やはり瘴族からしても厄介でしかないらしい。
「二人余計に増えたけど、問題はないね。君を集中攻撃させてもらうよ」
「・・・!!させない!!」
リリィ団長が僕を匿うように前に出る。しかし、僕の腹パンから戻った瘴族の巨女のパンチによって吹き飛ばされてしまった。
「さっきは油断してたけど、次はそういかないよ坊や。殴り殺してあげる!!」
「ずるいずるい!!おいらも殺したい!おいらも!!」
「おい、ガル!一体何なんだこいつらは・・・」
「瘴族です!!」
「マジか・・・!!190年前の出来事が再び起きるのかよ!させねぇ!絶対にそんな事は許さねぇぞ!!」
「お前うるさいよ。感電死でもしてろ!!」
小柄な瘴族の指から一筋の電撃が放たれる。電撃はオルタ副団長の鎧に着弾すると、ビリビリと彼の全身をしびれさせた。
「あれ?あんまり強くなかったな・・・まあ、こんなものか。それじゃあ、覚悟してね」
3人の瘴族が迫って来る。幸いにもまだ浄化の奇跡を行えるくらいの体力は残っている。祈りの部屋全体を浄化できるくらいの威力を放って3人の動きを止めるしかない。
「ん?ねぇねぇ、なんだか瘴気が薄くない?」
「言われてみれば確かにそうだね。さっきまでは体が見えなくなるくらいまで瘴気が満ちていたのにどうしてだろうねぇ?」
「君、何かしたか?」
「僕?僕は何も・・・」
確かに瘴気の量が減っている。視界も明瞭になったお陰で先程よりも3人の顔がはっきりと見えるようになった。口にした通り、僕には瘴気を減らす特別な力なんてものはない。そんな力を持っているのは────。
「わたしだよ!!」
「トキ!!」
いつの間にか眠りから覚めていたトキだった。起こさなかったからか、少し怒っているみたいだ。ごめん・・・・。
「ガル!コレ!!」
投げ渡されたのは身無しの騎士の剣。得物を手に入れた僕は、最初に出てきた瘴族に袈裟斬りをお見舞いした。
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