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最終章 全てを統べる者と暗殺者
アイラと瑠璃
日本の昔ながらの風景が残る栃木市。最前線から最も近い都市で、数名の剣士と妖術師達は溢れてきた改造妖怪と混乱して人里へ降りてきた妖怪を倒したり追い返したりしていた。
「ぐぎゃあ!!」
また一体、改造妖怪の命が絶たれる。胸に氷の太い槍が刺されるという何とも痛々しい死に方だ。
「ふんっ!『串刺しキラー』を舐めるんじゃないわよ!!」
氷の槍で串刺しを行ったのは金髪碧眼の少女、早川壱郎の恋人であるアイラ・オリバー・ゴールドマインである。
「アイラちゃん、意外とそれ気に入ってんだ・・・」
「ううん、あんまし好きじゃない。けど、イチロウがかっこいいって言ってくれたから名乗ってるだけ」
「早川君意外とセンスが尖ってるね・・・」
更に隣に猫耳の少女田端瑠璃。彼女も壱郎と同様に流派の家紋が付いている袴を着用した本気スタイルである。
「てゆうかトウキョウとかは守らなくて良いの?中心都市なのに」
「真中よりも端っこの方が危ないからね。それでも、最前線の人達が守ってくれてるから侵入してくる改造妖怪は本当に少ないけど」
アイラと瑠璃も当初は最前線での戦いを志願していた。だが、経験が浅い事に加え壱郎とローガンに止められた事により、仕方なく最前線から最も近い都市である栃木市を守っているのである。
しかし、彼女らの会話に入っていた通り、最前線の剣士妖術師の頑張りによって都市に侵入してくる改造妖怪は20分に1体程度であった。
「何でイチロウとかローガンだけOKで!あたし達だけ待機なのかなぁー!!これって男女差別!?良くないよー!!」
「お、落ち着こうよ?あの2人はベテランの人よりも強いって言われてるんだから・・・」
「それだったら瑠璃だってベテラン並みに強いじゃん!?あたしだって師匠に認められてるざゃん!?イチロウ達も何でダメって言ったのー!!」
「それは多分・・・傷ついてほしくないからじゃないかな?私だって、友達が傷ついてるのを見ると胸が苦しいし・・・恋人が傷つく姿なんて誰も見たくないと思うよ?」
「えっと。じゃあ、イチロウは・・・あたしが大事だから最前線への参戦を反対したわけ?」
「きっとそうだと思うよ!だからそんなに────」
「えへへ!そうだったんだー!!もーっ!イチロウったら言葉足らずなんだから!!」
さっきまでの怒りは何処へ言ったのだろう。怒り心頭からスイーツ脳へと一瞬で返還される。
時々沸いてくる改造妖怪を2人で協力して倒していると、瑠璃のスマホが鳴り始めた。
「ん?誰からだろう・・・ローガン君からだ」
「最前線にいるローガンから?出てみて頂戴」
「勿論─────もしもし?」
特に疑う事なく瑠璃は電話にでる。すると、少し呼吸が荒いローガンが電話に出てきた。しかとかなり焦っているようだ。
『タバタか!!出てくれて助かった!!今から言う事は全て事実だ!!受け入れてほしい!!』
「あ、うん。分かった・・・・」
ローガンの勢いに少し押されながらも話を聞く。
『そっちに龍嶋が向かってる!!タバタがいる都市の全妖術師と剣士を集めて迎え打て!!』
「え─────」
まさかの戦争の大本命がこちらの方へとやって来ている。その事実を聞いた瑠璃は硬直した。
嘘でしょう?と最初は思っていたが、話す前に全て事実だという事を宣言されていた為、嫌が応にも事実だと認めさせられる。
『私も今、ミス・イナガワのバイクに乗ってそちらへと向かっている!!ハヤカワもミスター・ケンゴウを探し次第向かうそうだ!!相手は龍だが、ミスター・アライのお陰で大分弱っている!!以上だ!!』
全てを言い終えたローガンは一方的に通話を終了させた。ローガンの話す声が大きすぎたせいで隣にあたアイラにも聞こえていたらしく、瑠璃どうように青ざめている。
「この都市に何人戦える人いたっけ・・・?」
「始まる前に聞いた話によると・・・54人?」
「す、すぐに集めなきゃ・・・じゃなきゃまたあの時みたいに・・・・」
早川君がいなくなったあの夜の事をトラウマとして覚えているらしく、アイラちゃんは私を置いて他の戦える人達に声をかけに行った。
退屈から地獄に変わった瞬間でもあった。
★
「剣豪さぁーん!!いたら返事して下さい!!」
場面は大きく変わって最前線の森林内。壱郎は大声で名前を呼びながら剣豪を探していた。
すぐに見つかると思っていたが中々見つからなかった。目立つ体格、目立つ言動、目立つ声量を鑑みて数秒で見つかると思っていたのだが、これがびっくりどんなに大声で呼び掛けても返事は無い。
龍嶋が都市へと向かっていった事も大変な事態だが、剣豪さんが見つからないというのも中々に厄介な事態だ。戦力の2割を担いでいると言っても過言ではない人がいなくなったのだから。
いや、もしかしたら何処か遠くにいて聞こえないのかもしれない。それはもしくはもう向かっているのかもしれない。
そう思ってスマホを取り出し、電話をする。前に連絡先を聞いておいて本当に良かった。すぐに電話をかける。しかし─────
「出ねぇ~。電話に出ねぇ~」
1つ目標を定めたら他の事ができなくなる人だ。寧ろ希望があると思ったのが間違いであった。
やはり自力で探さなければならないのかとタメ息をついたその時であった。
「─────けてくれ・・・!」
「ん?何か今聞こえたような・・・」
「助けてくれぇ!!」
「っ!!?今の声は・・・」
何処かからともなく助けを呼ぶ声が聞こえる。それにこの声は小さいが間違いなく────
「剣豪さんの声だ!!」
か細いが剣豪さんの声だ。急いで聞こえてきた方向へと足を向かわせる。すると、そこにいたのは傷だらけの剣豪さんと、3個の顔と、6本の腕を持ち、1本の手に1本の武具を装備したクローンの龍嶋だった。
「「「フヒッ!来ちゃったかぁ!!こりゃあ残念っ!!」」」
「は、早川隊員・・・・」
剣豪さんを追い詰めるクローンの龍嶋の姿はまるで、神話に出てくる阿修羅のようであった。
「ぐぎゃあ!!」
また一体、改造妖怪の命が絶たれる。胸に氷の太い槍が刺されるという何とも痛々しい死に方だ。
「ふんっ!『串刺しキラー』を舐めるんじゃないわよ!!」
氷の槍で串刺しを行ったのは金髪碧眼の少女、早川壱郎の恋人であるアイラ・オリバー・ゴールドマインである。
「アイラちゃん、意外とそれ気に入ってんだ・・・」
「ううん、あんまし好きじゃない。けど、イチロウがかっこいいって言ってくれたから名乗ってるだけ」
「早川君意外とセンスが尖ってるね・・・」
更に隣に猫耳の少女田端瑠璃。彼女も壱郎と同様に流派の家紋が付いている袴を着用した本気スタイルである。
「てゆうかトウキョウとかは守らなくて良いの?中心都市なのに」
「真中よりも端っこの方が危ないからね。それでも、最前線の人達が守ってくれてるから侵入してくる改造妖怪は本当に少ないけど」
アイラと瑠璃も当初は最前線での戦いを志願していた。だが、経験が浅い事に加え壱郎とローガンに止められた事により、仕方なく最前線から最も近い都市である栃木市を守っているのである。
しかし、彼女らの会話に入っていた通り、最前線の剣士妖術師の頑張りによって都市に侵入してくる改造妖怪は20分に1体程度であった。
「何でイチロウとかローガンだけOKで!あたし達だけ待機なのかなぁー!!これって男女差別!?良くないよー!!」
「お、落ち着こうよ?あの2人はベテランの人よりも強いって言われてるんだから・・・」
「それだったら瑠璃だってベテラン並みに強いじゃん!?あたしだって師匠に認められてるざゃん!?イチロウ達も何でダメって言ったのー!!」
「それは多分・・・傷ついてほしくないからじゃないかな?私だって、友達が傷ついてるのを見ると胸が苦しいし・・・恋人が傷つく姿なんて誰も見たくないと思うよ?」
「えっと。じゃあ、イチロウは・・・あたしが大事だから最前線への参戦を反対したわけ?」
「きっとそうだと思うよ!だからそんなに────」
「えへへ!そうだったんだー!!もーっ!イチロウったら言葉足らずなんだから!!」
さっきまでの怒りは何処へ言ったのだろう。怒り心頭からスイーツ脳へと一瞬で返還される。
時々沸いてくる改造妖怪を2人で協力して倒していると、瑠璃のスマホが鳴り始めた。
「ん?誰からだろう・・・ローガン君からだ」
「最前線にいるローガンから?出てみて頂戴」
「勿論─────もしもし?」
特に疑う事なく瑠璃は電話にでる。すると、少し呼吸が荒いローガンが電話に出てきた。しかとかなり焦っているようだ。
『タバタか!!出てくれて助かった!!今から言う事は全て事実だ!!受け入れてほしい!!』
「あ、うん。分かった・・・・」
ローガンの勢いに少し押されながらも話を聞く。
『そっちに龍嶋が向かってる!!タバタがいる都市の全妖術師と剣士を集めて迎え打て!!』
「え─────」
まさかの戦争の大本命がこちらの方へとやって来ている。その事実を聞いた瑠璃は硬直した。
嘘でしょう?と最初は思っていたが、話す前に全て事実だという事を宣言されていた為、嫌が応にも事実だと認めさせられる。
『私も今、ミス・イナガワのバイクに乗ってそちらへと向かっている!!ハヤカワもミスター・ケンゴウを探し次第向かうそうだ!!相手は龍だが、ミスター・アライのお陰で大分弱っている!!以上だ!!』
全てを言い終えたローガンは一方的に通話を終了させた。ローガンの話す声が大きすぎたせいで隣にあたアイラにも聞こえていたらしく、瑠璃どうように青ざめている。
「この都市に何人戦える人いたっけ・・・?」
「始まる前に聞いた話によると・・・54人?」
「す、すぐに集めなきゃ・・・じゃなきゃまたあの時みたいに・・・・」
早川君がいなくなったあの夜の事をトラウマとして覚えているらしく、アイラちゃんは私を置いて他の戦える人達に声をかけに行った。
退屈から地獄に変わった瞬間でもあった。
★
「剣豪さぁーん!!いたら返事して下さい!!」
場面は大きく変わって最前線の森林内。壱郎は大声で名前を呼びながら剣豪を探していた。
すぐに見つかると思っていたが中々見つからなかった。目立つ体格、目立つ言動、目立つ声量を鑑みて数秒で見つかると思っていたのだが、これがびっくりどんなに大声で呼び掛けても返事は無い。
龍嶋が都市へと向かっていった事も大変な事態だが、剣豪さんが見つからないというのも中々に厄介な事態だ。戦力の2割を担いでいると言っても過言ではない人がいなくなったのだから。
いや、もしかしたら何処か遠くにいて聞こえないのかもしれない。それはもしくはもう向かっているのかもしれない。
そう思ってスマホを取り出し、電話をする。前に連絡先を聞いておいて本当に良かった。すぐに電話をかける。しかし─────
「出ねぇ~。電話に出ねぇ~」
1つ目標を定めたら他の事ができなくなる人だ。寧ろ希望があると思ったのが間違いであった。
やはり自力で探さなければならないのかとタメ息をついたその時であった。
「─────けてくれ・・・!」
「ん?何か今聞こえたような・・・」
「助けてくれぇ!!」
「っ!!?今の声は・・・」
何処かからともなく助けを呼ぶ声が聞こえる。それにこの声は小さいが間違いなく────
「剣豪さんの声だ!!」
か細いが剣豪さんの声だ。急いで聞こえてきた方向へと足を向かわせる。すると、そこにいたのは傷だらけの剣豪さんと、3個の顔と、6本の腕を持ち、1本の手に1本の武具を装備したクローンの龍嶋だった。
「「「フヒッ!来ちゃったかぁ!!こりゃあ残念っ!!」」」
「は、早川隊員・・・・」
剣豪さんを追い詰めるクローンの龍嶋の姿はまるで、神話に出てくる阿修羅のようであった。
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