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一章 貴方のスキル買い取らせて下さい
11話 見つかる2つの希望
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「どういう事だ?何で俺に引き継がれたのに、どうして錆びないんだ?」
「ええと・・・多分なんですけど、『商品』だからじゃないですかね?」
「商品?」
「はい。あたしから買い取った『発錆』は、商品として買い取られて貴方の商品となった。もしくはその『買取』ってスキルが『発錆』を商品だと認識しているから使用できないんじゃないですかね?」
「そうなのかな?」
「いえ!分かりません!バカなりに考えただけですので、参考程度に認識しておいて下さい!!」
とにかく、発動しない事に越したことはない。金属に触れる事ができないだなんて不便以外のナニモノでもないのだから。
「それにしてもよかったね。これで鍛治職人になれるじゃん!」
「はい!よぉーしそうと決まれば、早速腹ごしらえだぁぁぁ!!おばちゃん!特盛でお願い!あたしこれから頑張る事になりそうだから!!」
「はいよ!話は作りながら聞いてたよ!良かったじゃないか!特盛の分はタダにしてあげちゃう!」
それから提供されたトカゲ定食のボリュームは満点で、想像していたトカゲの姿焼きではなく、尻尾をステーキにしたとても食べ応えのある料理だった。
肉汁を滴らせながら尻尾ステーキにかぶりつくハガネさんの目からは涙が溢れていたが、それは悲しみや苦しみとは無縁の涙であった。
俺も何故だか自然と涙が目から溢れていた。良い事したなと。感じたからだろうか?いいや、違う。彼女が夢を追う事を純粋に嬉しいからだ。
その後、親方さんに報告すると親方さんも自分の事のように喜んでくれた。親方さんだけではない。集落にいるドワーフ全員が喜んでいた。彼女が愛されているが故だろう。
その日は、結局みんな仕事どころでは無くなり、ハガネさんを祝う宴を始めてしまった。
宴は日が登るまで続けられたみたいだが、俺は気づいた時にはベッドの上にいた。
二日酔いに苦しめられながらも、本当に金属が錆びないのかを確認する。ベッドの金具、形見の剣、どれを触っても錆びる事は無かった。
しかし、改めて分かった事がある。それは俺の体の中に力が宿っている事が。
元いた世界ではあり得ない感覚だったので今になるまで気づかなかったが、俺の中に確かに宿っている。昨日までは無かった彼女の『発錆』が。
しかし、力は何か殻のようなモノで覆われており、俺の体に浸透しないようにしているらしい。これが、スキルが使えない理由みたいだ。
便利なスキルだなと思うと共に、ふと思いついてしまった。
「俺、もしかして最強になれるんじゃね?」
あの王女に一泡吹かせる事が可能ではないのか?と。
「ええと・・・多分なんですけど、『商品』だからじゃないですかね?」
「商品?」
「はい。あたしから買い取った『発錆』は、商品として買い取られて貴方の商品となった。もしくはその『買取』ってスキルが『発錆』を商品だと認識しているから使用できないんじゃないですかね?」
「そうなのかな?」
「いえ!分かりません!バカなりに考えただけですので、参考程度に認識しておいて下さい!!」
とにかく、発動しない事に越したことはない。金属に触れる事ができないだなんて不便以外のナニモノでもないのだから。
「それにしてもよかったね。これで鍛治職人になれるじゃん!」
「はい!よぉーしそうと決まれば、早速腹ごしらえだぁぁぁ!!おばちゃん!特盛でお願い!あたしこれから頑張る事になりそうだから!!」
「はいよ!話は作りながら聞いてたよ!良かったじゃないか!特盛の分はタダにしてあげちゃう!」
それから提供されたトカゲ定食のボリュームは満点で、想像していたトカゲの姿焼きではなく、尻尾をステーキにしたとても食べ応えのある料理だった。
肉汁を滴らせながら尻尾ステーキにかぶりつくハガネさんの目からは涙が溢れていたが、それは悲しみや苦しみとは無縁の涙であった。
俺も何故だか自然と涙が目から溢れていた。良い事したなと。感じたからだろうか?いいや、違う。彼女が夢を追う事を純粋に嬉しいからだ。
その後、親方さんに報告すると親方さんも自分の事のように喜んでくれた。親方さんだけではない。集落にいるドワーフ全員が喜んでいた。彼女が愛されているが故だろう。
その日は、結局みんな仕事どころでは無くなり、ハガネさんを祝う宴を始めてしまった。
宴は日が登るまで続けられたみたいだが、俺は気づいた時にはベッドの上にいた。
二日酔いに苦しめられながらも、本当に金属が錆びないのかを確認する。ベッドの金具、形見の剣、どれを触っても錆びる事は無かった。
しかし、改めて分かった事がある。それは俺の体の中に力が宿っている事が。
元いた世界ではあり得ない感覚だったので今になるまで気づかなかったが、俺の中に確かに宿っている。昨日までは無かった彼女の『発錆』が。
しかし、力は何か殻のようなモノで覆われており、俺の体に浸透しないようにしているらしい。これが、スキルが使えない理由みたいだ。
便利なスキルだなと思うと共に、ふと思いついてしまった。
「俺、もしかして最強になれるんじゃね?」
あの王女に一泡吹かせる事が可能ではないのか?と。
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