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五章 魔獣人の根源
124話 平和的思想と憎しみ
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治癒魔法で傷痕を埋め更に『聖女の光』で除菌。こういう時は輸血もするべきなのだろうが、輸血するための道具はこの世界に無いし、そもそも血液型が同じなのかも分からない。なので、血液は自分で補給してもらう必要がある。
血液は1.5リットル失うと命の危険があるとされているが、この人が失ったのは精々が500ミリリットル。貧血である事には変わりないものの、死ぬ量ではないはずだ。
「んう・・・頭が痛い・・・」
血液を大量に失ったのにも関わらずそれなりに暴れたんだから頭痛ぐらいはするだろう。献血をした後に思い切り走り回った高校生時代を久しぶりに思い出した。あれは本当にきつかった。
「これ食べて、干し肉だけど鉄分は取れるだろうから」
「鉄分?なんだそれ。敵からもらったものをどうして食べられると思う?普通毒か危険物だって疑うでしょ」
「アンタに死なれたら二重の意味で困るんだよ、情報源的にも国際的にも」
「いつから私が王族だって気づいてた?」
「所有者無き土地で王女が調べものをしているって知ったんですよ。捕まえた魔獣人に」
「その裏切り者の名前を教えろ。解放した暁には首を刎ねてやる」
「・・・・・・城にいた従者から借りたスキルでその魔獣人の頭の中を読み取ったんだよ。だからそいつに罪は無い。あるとするなら俺だ」
「ふん、まあ良い。貴方は一体何が目的?私も目的に入ってそうだけど」
「コンパス人はなんで魔獣人が自分らを目の敵にするのかまるで分からないそうだ。そもそも、魔獣人のルーツが分からないからそれを調べれば色々と分かるんじゃないかって事で俺をここに派遣したわけ」
すると、貧血で青ざめていたパンジグの王女様の顔は怒りで真っ赤になっていく。魔獣人からしたらいじめっ子がいじめてたことを忘れてしまったような状態なのだろう。
「落ち着け、俺に怒っても意味はないだろう。怒るならもっと公の場で更にコンパス人がいる所でしてくれ」
「確かに貴方に怒る理由はないわね。むしろ感謝する所だわありがとう。おかげで死なずに済んだわ。質問にできる限り答えてあげるから私からも質問を1つなげさせてちょうだい」
「答えられる範囲であればぜひ」
「貴方はどうしてこの戦争に参加しているわけ?聞いた話によると、貴方は積極的には魔獣人は殺さない。コンパス人を助ける為に戦っている。けれども私達魔獣人には敵意を抱いていない。仕方なく戦っているだけ。それは何故なの?」
「互いに平和的に解決するために動いてる。魔獣人のルーツを知りたい理由もそこからきている。この戦争は互いに歩み寄ることができれば解決できると思うんだ。それが俺が戦争に参加している理由だ」
「そう、素敵な理由ね。でも私達の恨みは消えないわ。コンパス人が消えるまでね」
流石は国をまとめる王族と言った所だろうか。どの魔獣人よりもコンパスに対する憎しみが強い。俺に向けられた殺意ではないのに、鳥肌が立ってしまう程には。
「じゃあ、こっちからの質問良いですかね?」
「ええ、どうぞ」
「まずお名前と、ここに来た目的を」
「名前はトラコ。第一王女ってヤツ。来た目的は2つあって1つは昔の魔獣人が残した最強兵器探し。そしてもう一つは貴方と同じよ。魔獣人について調べにきたの」
「それじゃあ、一緒に探す?」
「名案ね。私達が敵同士じゃなければだけど・・・背に腹は変えられないわね。良いわ、乗ってあげる。あくまで利用するだけだからよろしく」
今の所、2人の王女と出会ったが、想像していた王女とは解離した性格で混乱する哲郎なのであった。
血液は1.5リットル失うと命の危険があるとされているが、この人が失ったのは精々が500ミリリットル。貧血である事には変わりないものの、死ぬ量ではないはずだ。
「んう・・・頭が痛い・・・」
血液を大量に失ったのにも関わらずそれなりに暴れたんだから頭痛ぐらいはするだろう。献血をした後に思い切り走り回った高校生時代を久しぶりに思い出した。あれは本当にきつかった。
「これ食べて、干し肉だけど鉄分は取れるだろうから」
「鉄分?なんだそれ。敵からもらったものをどうして食べられると思う?普通毒か危険物だって疑うでしょ」
「アンタに死なれたら二重の意味で困るんだよ、情報源的にも国際的にも」
「いつから私が王族だって気づいてた?」
「所有者無き土地で王女が調べものをしているって知ったんですよ。捕まえた魔獣人に」
「その裏切り者の名前を教えろ。解放した暁には首を刎ねてやる」
「・・・・・・城にいた従者から借りたスキルでその魔獣人の頭の中を読み取ったんだよ。だからそいつに罪は無い。あるとするなら俺だ」
「ふん、まあ良い。貴方は一体何が目的?私も目的に入ってそうだけど」
「コンパス人はなんで魔獣人が自分らを目の敵にするのかまるで分からないそうだ。そもそも、魔獣人のルーツが分からないからそれを調べれば色々と分かるんじゃないかって事で俺をここに派遣したわけ」
すると、貧血で青ざめていたパンジグの王女様の顔は怒りで真っ赤になっていく。魔獣人からしたらいじめっ子がいじめてたことを忘れてしまったような状態なのだろう。
「落ち着け、俺に怒っても意味はないだろう。怒るならもっと公の場で更にコンパス人がいる所でしてくれ」
「確かに貴方に怒る理由はないわね。むしろ感謝する所だわありがとう。おかげで死なずに済んだわ。質問にできる限り答えてあげるから私からも質問を1つなげさせてちょうだい」
「答えられる範囲であればぜひ」
「貴方はどうしてこの戦争に参加しているわけ?聞いた話によると、貴方は積極的には魔獣人は殺さない。コンパス人を助ける為に戦っている。けれども私達魔獣人には敵意を抱いていない。仕方なく戦っているだけ。それは何故なの?」
「互いに平和的に解決するために動いてる。魔獣人のルーツを知りたい理由もそこからきている。この戦争は互いに歩み寄ることができれば解決できると思うんだ。それが俺が戦争に参加している理由だ」
「そう、素敵な理由ね。でも私達の恨みは消えないわ。コンパス人が消えるまでね」
流石は国をまとめる王族と言った所だろうか。どの魔獣人よりもコンパスに対する憎しみが強い。俺に向けられた殺意ではないのに、鳥肌が立ってしまう程には。
「じゃあ、こっちからの質問良いですかね?」
「ええ、どうぞ」
「まずお名前と、ここに来た目的を」
「名前はトラコ。第一王女ってヤツ。来た目的は2つあって1つは昔の魔獣人が残した最強兵器探し。そしてもう一つは貴方と同じよ。魔獣人について調べにきたの」
「それじゃあ、一緒に探す?」
「名案ね。私達が敵同士じゃなければだけど・・・背に腹は変えられないわね。良いわ、乗ってあげる。あくまで利用するだけだからよろしく」
今の所、2人の王女と出会ったが、想像していた王女とは解離した性格で混乱する哲郎なのであった。
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