大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移

第十五話 戦を終えて・・・

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「それじゃあ!コボルト軍団殲滅を祝って──────」

「「「「「乾杯っ!!」」」」」

 時と場所は流れ冒険者ギルドの酒場。70体を超えるコボルト軍団を倒した幸助を含む冒険者達は夕日が沈む中、勝利の酒で喉を潤わせていた。

「皆頑張ったが、今回のMVPはコイツだ!!・・・・えーーっと名前なんだっけ?」

「・・・コバヤシランマル。ランマルで良い」

「親分コボルトをたった一撃で倒してしまったランマルだぁぁぁ!!」

「「「「「うおおおおおおお!!」」」」」

 盛り上げ上手の冒険者が笠の武士さん改め、ランマルさんを持ち上げる。相変わらず口数は少ないが、ほんの少しだけ頬が緩んでいる気がする。

 「コウスケ~~飲んでる~~?アンリはね、い~~っぱい飲んでる!!」

 宴が始まってからまで30分しか経っていないのに既に仕上がっている。そして、一人称が『私』から『アンリ』に変わっている。ちょっとかわいい。

「くっそぉぉぉ!!あんなに怖い目に合ったのにもらえた金額は3万アモって・・・酷すぎないか!?そう思うだろ?異世界人!!」

「はいはいそうだな~~」

 魔術師君も出来上がってしまっている。アンリも魔術師君も絡み上戸なのか引っ付いてきて凄い酒臭い。こんな感じの酔っ払いと発展途上の酒場の店主は毎日のように渡り合っていたのか。慣れだろうか?

 酔いつぶれ無いようにゆっくりと飲んでいると、笠の武士さん・・・ではなく、ランマルさんが少し頬をあからめた状態でやって来た。ほろ酔いしているのだろうか?

「・・・少し話せるか?」

「はい。じゃあ、外に行きましょうか」

 2人の絡みがだるいので、ランマルさんの誘いに乗って話をする為に外に行く。外に出た瞬間、冬の冷たい風が俺達の体にぶつかってくるが、酒でほてっている体にはとても心地が良かった。

「楽しんでいる所すまない。実はお主に聞きたい事があってな」

「はい。答えられる事なら何でも答えますよ」

「・・・つい先日。このぎるどに異世界からやって来た者がいると噂を耳にしたのだが・・・それはお主で間違いないな?」

「はい。そうです」

「そうか・・・『では、この言葉は理解できるかな?』」

 ランマルさんは笠を外しこちらを虚ろな目でしばらく見つめると、唐突に喋りだした。しかし、使う言語はフラム語ではない別の言語。全く法則の異なる言語を使って会話を始めたのだ。だが、俺はその言語を理解する事ができた。だってその言語は俺の故郷の言語・・・日本語なのだから。

「『日本語・・・!もしかして貴方も・・・!!』」

「『女神あもーらと名乗る女にこの異郷の地へと送られた・・・異世界人と呼ばれる者だ。名を小林蘭丸と言う』」

「ご丁寧にどうも。自分は泉康介と言います。どうぞよろしく」

 この世界の日本に当たる国の人だと勝手に思っていたが、予想は大きく外れた。自分と同じ境遇の人・・・しかも同じ国の出会えるなんて思ってもいなかった。

「『お主の剣筋・・・まだまだ未発達の部分も多くあるが見どころがある。何処の道場に通っていた?』」

「『いえ、剣を持つようになったのはこの世界に来てからです。それまでは学生をやっていました』」

「『がくせい?一体何だそれは?お主の故郷特有の職か?』」

「『え?いえ、学生は職業じゃない・・・いや、一応は職業なのか?バイトの職業欄にも書いてあるし』」

「『ばいと?何だそれは?拙者が住む土地にはそんなものは無かったが・・・お主、本当に日本男児か?』」

「『蘭丸さんこそ、まるで戦国時代の武士みたいな事を言って・・・』」

「『何を言っているのだ?当たり前だろう?今は各土地を納める武将が天下を目指して殺し合う時代・・・戦国の世ではないか?』」

「『何を言ってるんですか。戦国時代はとっくのとうに終わったでしょう?』」

「『え?』」

「『何?』」

 かみ合わない会話が今の言葉で変化を生み出す。

「『待て、お主!戦国の世が終わったというのはどういう事だ!』」

「『どういう事も何も1615年でしたっけ?大阪夏の陣で幕を閉じたでしょう?』」

「『嘘を付くでない!今は千五百三年だろう!!』」

「『今は2022年のはずですが・・・』」

「「・・・・・・」」

 成程ようやく理解できた。俺の話と蘭丸さんの話が合わない理由。もう少し会話が続いていたら喧嘩になっていた所だった。何でこんな簡単な事に気付けなかったのだろう。確かに俺と蘭丸さんは同じ世界の同じ国からやって来た。だが、唯一違う点がある。それは──────。

「「『『別の時代から来たのか!!』』」」

 時代だ。
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