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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移
第二十八話 クソッたれ僧侶、幸助を助ける
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「ふう・・・今日も終わったわ・・・」
教会を背にワタシは大きく息を吐く。今日は週に1度のアモーラ教の礼拝の日。アモーラ教信者なら何も感じる事なく当たり前のように行う日常の一部。しかし、ワタシはこの1時間の礼拝に不満を感じていた。
何故なら強制だからである。例えその日に大事な用事があっても、礼拝を第一優先しなくてはいけないのだ。普通の信者なら特に違和感を感じずに礼拝に向かうのだろうが、ワタシは昔から女神アモーラに対しての信仰心が薄い。
きっと、生まれた時から入信させられて信仰を両親から強制されてきたからだろう。人は強制されると途端にやる気を失う。その事を両親は知らない。
親の許可を貰ってやっとの思いでなれた冒険者も、性癖が邪魔をして友達が上手く作れない(それは自分のせいだが)。
第一見た事のない存在を崇めろっていうのがおかしいんだ。神を信じるくらいなら貴族を信仰した方がマシだ。
「せっかく組んだパーティともワタシのせいで解散になっちゃったし・・・これからは性癖がでないように気を付けないとな・・・」
あの3人の冒険者には改めて感謝しに行こう。多分同じギルドの人だったから・・・。
『たす・・・けて・・・』
「・・・・え?」
ぼーっとしながら帰っていると、耳にかすれた助けを呼ぶ声が聞こえてくる。風前の灯火のような今にも死んでしまいそうな声。決して気のせい何かではなかった!!
『たす・・・けて・・・』
次は意識して聞いたからはっきりと聴こえた。誰かが助けを呼んでいる!誰かが生に縋りつく為に必死になっている。気づけばワタシの頬は赤く染まっていた。
「落ち着けワタシ・・・性癖に負けずに人名救助しなさい・・・!!」
そう自分に言い聞かせながら声が聞こえてきた裏路地に入って行く。血の匂いがしてきたので辿ってみるとそこにいたのはまさかの──────
「あ・・・あ・・・」
4日前、ワタシを平和的に助けてくれた若い冒険者の男の子だった。他には腹部から多量出血を起こしている男と顔面を殴られたであろう男の2人。倒れている2人の男は見覚えがある。確か指名手配だったか?その横には若い冒険者のものらしき血まみれの剣が転がっている。
憶測でしかないが、若い冒険者はこの2人の犯罪者を捕らえようとして相打ちになったんだ。
「ア、アンタ・・・4日前の・・・」
「・・・!まだ意識があるんですね!待っててください!すぐに怪我を・・・・怪我・・・を・・・///」
若い冒険者の死にかけている顔、生にしがみ付いて離れようとしない顔が目に入ってしまう。ああ・・・駄目だ!興奮する!!
「はぁ・・・はぁ・・・や、やべぇ・・・目が霞んできた・・・」
目から光が消え、虚ろになっていく。
「駄目!死なないで!!」
急いでワタシは彼に治癒の魔術をかけた。ワタシの魔力で生み出された緑の光が彼の背中の傷を塞いでいく。彼からの流血もピタリと収まった。
「あ、危なかった・・・」
あのまま彼の顔に発情していたら、数秒遅れていたら、今頃命の恩人である彼はどうなっていただろう。考えるだけで自分の事が嫌になる。人の生死がかかっているというのに何で自分は快楽に浸っているんだ・・・。
「ワタシって本当に最低・・・」
「そうかもしれないけど、結果的に俺を助けてくれたじゃないか・・・」
顔を上げると、そこには上半身を起こしてこちらを見上げる若い冒険者がいた。冒険者は少し辛そうな顔をしているが、峠は越えたようだ。
「はぁ・・・めっちゃ疲れた・・・治癒って結構体力持っていかれるんだね」
「あ、はい・・・無事で、良かったです・・・」
「とにかくサンキューな。ついでで悪いんだが、アイツらも治してやってくんねぇか?死んでたら治さなくて良いから」
「わ、分かりました」
ワタシは若い冒険者のお願いのまま動き、倒れていた2人の怪我を塞いでみせた。腹部を刺されていた男は幸運にも死んではいなかったらしく、ワタシの治癒で一命を取り留めた。
「ありがとうな。全く関係ないのに手伝わせちまって」
「いえ、あの時の助けてもらったのでお互い様です」
「そっか・・・・そういえばアンタ名前は?」
助けてもらったのに名前を名乗っていなかったことを思い出し、赤面。すぐに名前を答える。
「ボニー・カエターニ・・・26歳です」
「ええ!?26ぅ!?俺の8コ上かよ!道理で大人っぽいと思った!俺、小林幸助!よろしくね・・・じゃないや、よろしくお願いします。カエターニ」
「ボニーで良いですよ、ボニーで・・・18歳、か・・・」
年下だって言うのは分かっていたが、まさか8歳も歳が違うとは思わなかった。こんなにもワタシよりもしっかりとしている18歳・・・見ていると自分という存在が恥ずかしく感じてくる。変わりたい・・・こんな自分は嫌だ・・・。
心の底から変わりたいと思ったのは初めてだった。いつも口先では変わりたい変わりたいと言っていたが、その気はなく、欲望に負けてしまっていた。口先だけの駄目人間。そんな自分が変われるかもしれないチャンスは今、目の前に来ていた。
ワタシよりも若くて、ワタシよりもしっかりとしている冒険者コウスケ。彼といれば変われるかもしれない。だが、あんな性癖を見られた上でOKを出してくれる人がいるだろうか?いや、多分いない。だが、聞いてみなくては分からない。ワタシは勇気と声を雑巾のように振り絞って声を上げた。
「あ、あの・・・!」
「ん?どうしたんです?ボニーさん」
「ワタシ、ご存知の通り自分の欲望に忠実な人間なんです!」
「・・・はい」
「そんな自分が凄い恥ずかしくて、仕方が無いんです!」
「・・・・・・はい」
「そんな自分をワタシは変えたい!だからお願いです!!ワタシを!コウスケ君のパーティに入れてはもらえないでしょうか!!」
勢いに任せて言い切った。言う事に成功した。まだ、パーティに入れていないのに言えたという事だけで内心喜んでしまっている。駄目だ!まだ、OKは貰えていないんだぞ!まだ喜b──────
「良いよ」
「へっ?」
「良いよ、丁度問題児の扱い方も分かって来たし。それに、回復役が欲しかったし。これからよろしくね!!」
屈託のない笑顔と同時に差し出されるコウスケ君の手。剣を握ってきたからだろうか、手の平の皮膚は固くなっており、タコができている。ワタシはそんな勇ましい手を握り返してしまってもよいのだろうか?
「ん?どうしたんです?もしかして握手は嫌でした?」
「い、いえ!決してそうではありません!・・・・・・・・・・これからよろしくお願いします」
そう言ってワタシは彼の手を握り返した。
教会を背にワタシは大きく息を吐く。今日は週に1度のアモーラ教の礼拝の日。アモーラ教信者なら何も感じる事なく当たり前のように行う日常の一部。しかし、ワタシはこの1時間の礼拝に不満を感じていた。
何故なら強制だからである。例えその日に大事な用事があっても、礼拝を第一優先しなくてはいけないのだ。普通の信者なら特に違和感を感じずに礼拝に向かうのだろうが、ワタシは昔から女神アモーラに対しての信仰心が薄い。
きっと、生まれた時から入信させられて信仰を両親から強制されてきたからだろう。人は強制されると途端にやる気を失う。その事を両親は知らない。
親の許可を貰ってやっとの思いでなれた冒険者も、性癖が邪魔をして友達が上手く作れない(それは自分のせいだが)。
第一見た事のない存在を崇めろっていうのがおかしいんだ。神を信じるくらいなら貴族を信仰した方がマシだ。
「せっかく組んだパーティともワタシのせいで解散になっちゃったし・・・これからは性癖がでないように気を付けないとな・・・」
あの3人の冒険者には改めて感謝しに行こう。多分同じギルドの人だったから・・・。
『たす・・・けて・・・』
「・・・・え?」
ぼーっとしながら帰っていると、耳にかすれた助けを呼ぶ声が聞こえてくる。風前の灯火のような今にも死んでしまいそうな声。決して気のせい何かではなかった!!
『たす・・・けて・・・』
次は意識して聞いたからはっきりと聴こえた。誰かが助けを呼んでいる!誰かが生に縋りつく為に必死になっている。気づけばワタシの頬は赤く染まっていた。
「落ち着けワタシ・・・性癖に負けずに人名救助しなさい・・・!!」
そう自分に言い聞かせながら声が聞こえてきた裏路地に入って行く。血の匂いがしてきたので辿ってみるとそこにいたのはまさかの──────
「あ・・・あ・・・」
4日前、ワタシを平和的に助けてくれた若い冒険者の男の子だった。他には腹部から多量出血を起こしている男と顔面を殴られたであろう男の2人。倒れている2人の男は見覚えがある。確か指名手配だったか?その横には若い冒険者のものらしき血まみれの剣が転がっている。
憶測でしかないが、若い冒険者はこの2人の犯罪者を捕らえようとして相打ちになったんだ。
「ア、アンタ・・・4日前の・・・」
「・・・!まだ意識があるんですね!待っててください!すぐに怪我を・・・・怪我・・・を・・・///」
若い冒険者の死にかけている顔、生にしがみ付いて離れようとしない顔が目に入ってしまう。ああ・・・駄目だ!興奮する!!
「はぁ・・・はぁ・・・や、やべぇ・・・目が霞んできた・・・」
目から光が消え、虚ろになっていく。
「駄目!死なないで!!」
急いでワタシは彼に治癒の魔術をかけた。ワタシの魔力で生み出された緑の光が彼の背中の傷を塞いでいく。彼からの流血もピタリと収まった。
「あ、危なかった・・・」
あのまま彼の顔に発情していたら、数秒遅れていたら、今頃命の恩人である彼はどうなっていただろう。考えるだけで自分の事が嫌になる。人の生死がかかっているというのに何で自分は快楽に浸っているんだ・・・。
「ワタシって本当に最低・・・」
「そうかもしれないけど、結果的に俺を助けてくれたじゃないか・・・」
顔を上げると、そこには上半身を起こしてこちらを見上げる若い冒険者がいた。冒険者は少し辛そうな顔をしているが、峠は越えたようだ。
「はぁ・・・めっちゃ疲れた・・・治癒って結構体力持っていかれるんだね」
「あ、はい・・・無事で、良かったです・・・」
「とにかくサンキューな。ついでで悪いんだが、アイツらも治してやってくんねぇか?死んでたら治さなくて良いから」
「わ、分かりました」
ワタシは若い冒険者のお願いのまま動き、倒れていた2人の怪我を塞いでみせた。腹部を刺されていた男は幸運にも死んではいなかったらしく、ワタシの治癒で一命を取り留めた。
「ありがとうな。全く関係ないのに手伝わせちまって」
「いえ、あの時の助けてもらったのでお互い様です」
「そっか・・・・そういえばアンタ名前は?」
助けてもらったのに名前を名乗っていなかったことを思い出し、赤面。すぐに名前を答える。
「ボニー・カエターニ・・・26歳です」
「ええ!?26ぅ!?俺の8コ上かよ!道理で大人っぽいと思った!俺、小林幸助!よろしくね・・・じゃないや、よろしくお願いします。カエターニ」
「ボニーで良いですよ、ボニーで・・・18歳、か・・・」
年下だって言うのは分かっていたが、まさか8歳も歳が違うとは思わなかった。こんなにもワタシよりもしっかりとしている18歳・・・見ていると自分という存在が恥ずかしく感じてくる。変わりたい・・・こんな自分は嫌だ・・・。
心の底から変わりたいと思ったのは初めてだった。いつも口先では変わりたい変わりたいと言っていたが、その気はなく、欲望に負けてしまっていた。口先だけの駄目人間。そんな自分が変われるかもしれないチャンスは今、目の前に来ていた。
ワタシよりも若くて、ワタシよりもしっかりとしている冒険者コウスケ。彼といれば変われるかもしれない。だが、あんな性癖を見られた上でOKを出してくれる人がいるだろうか?いや、多分いない。だが、聞いてみなくては分からない。ワタシは勇気と声を雑巾のように振り絞って声を上げた。
「あ、あの・・・!」
「ん?どうしたんです?ボニーさん」
「ワタシ、ご存知の通り自分の欲望に忠実な人間なんです!」
「・・・はい」
「そんな自分が凄い恥ずかしくて、仕方が無いんです!」
「・・・・・・はい」
「そんな自分をワタシは変えたい!だからお願いです!!ワタシを!コウスケ君のパーティに入れてはもらえないでしょうか!!」
勢いに任せて言い切った。言う事に成功した。まだ、パーティに入れていないのに言えたという事だけで内心喜んでしまっている。駄目だ!まだ、OKは貰えていないんだぞ!まだ喜b──────
「良いよ」
「へっ?」
「良いよ、丁度問題児の扱い方も分かって来たし。それに、回復役が欲しかったし。これからよろしくね!!」
屈託のない笑顔と同時に差し出されるコウスケ君の手。剣を握ってきたからだろうか、手の平の皮膚は固くなっており、タコができている。ワタシはそんな勇ましい手を握り返してしまってもよいのだろうか?
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「い、いえ!決してそうではありません!・・・・・・・・・・これからよろしくお願いします」
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