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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移
第二十七話 刺された幸助
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どんな国、どんな世界でもルールを破る者は必ず存在する。ルールを破る理由は様々だ。お金が欲しいから、快楽に浸りたいから、自由になりたいから。大体の理由に同情できるし、同じ境遇だったら俺もルールを破っていただろう。
しかし、同情はしても捕まえなくてはいけない時がある。俺は今、その状況に置かれている。
「待て!逃げるな!!」
「くっ・・・!なんちゅー速さだ・・・!レベル1には到底思えん・・・!!」
俺は今、ギルドの依頼で城下町に現れた指名手配犯を走って追っている。罪状は窃盗5回と銀行強盗1回と殺人未遂2回。罪状だけみればとんでもない犯罪者である。
犯罪者の顔や経歴は既に割られており、名前もジョンという事まで分かっている。犯罪者になった理由も既に判明している。何でも親が多額の借金を背負わされたせいで返済が自分の方へと回ってきて、仕方なく犯罪者へと落ちたのだそうだ。
同情はするが、既に許されない所まで来てしまっている。可哀想だが、大人しくお縄についてもらおう。
「しっかし、速いな・・・!この町の構造を良く理解している!」
フラム城下町は色んな形の建物で構成されている町な為、若干迷路のような町になってしまっており、初めて訪れた人は地図が無ければ道に迷ってしまう。
そんな迷路町をあの犯罪者は地図無しで完璧に把握している。だから中々追いつけない。近づいてきたと思ったら、曲がり角を曲がられて、近づいたと思ったら屋根にのぼられてを繰り返され、こちらの体力が減る一方だ。
あまり回転の良くない頭を使い、どう捕まえるか考える。
「そうだ・・・!教会付近の路地裏に追い詰めよう!」
アモーラ教会付近には背の高い建物ばかりが建っている。高い建物との間にできる行き止まりに追い詰めたら、いくら町の構造を理解していてもよじ登って俺から逃げる事は難しいはず・・・。
「よぉーーし!やってやるぜぇぇ!!」
「はん!そんな大声を出して体力は大丈夫なのか?」
「心配するな!すぐに追いついてやるからよ!!」
それから俺はとにかく追った。追って追って追って追いまくった。バカなりに追いながら誘導し、ついに教会付近の路地裏まで連れてくる事に成功した。
「くそ・・・!これが目的だったのか!!」
狙い通り、流石のジョンも屋根によじ登って逃げるのは難しかったようだ。
「諦めてお縄につけ。手荒な真似はしたくない」
「何が『手荒な真似はしたくない』だ!俺の事なんて全く分かってないくせに!!」
「ああ、分からないさ。お前が今まで物を盗んできた店の店主の気持ちを分かっていないようにな」
「くっ・・・!」
「何も言い返せないか・・・どうする?俺はレベルはまだ1だが、アンタより戦える自信はあるぜ」
「そうだろうな・・・だが・・・!!」
瞬間、背中に鋭い痛みが走る。痛みだした箇所はまるでやけどしたかのように熱くなる。
「不意打ちには慣れてねぇみてぇだなぁ!!」
後ろを振り向くと、そこにはジョンと瓜二つの男がナイフを俺の背中に突き刺していた。
「良くやった!ジョセフ!」
「うん!兄ちゃん!!」
喜ぶ2人を尻目に俺は地面にうつ伏せになるように倒れた。
「クソ・・・!双子だなんて聞いてねぇぞ・・・!!」
いや、双子だと把握していなかったのかもしれない。
刺された箇所がものすごく熱い。全身の力がドンドン抜けていく。前とかなり違うが、この感覚を忘れはしない。俺は間もなく死ぬ。前は末期癌だったが、今回は出血多量でゆっくりと死ぬ。
せっかく、自由を手に入れたのにこんな程度で死んで良いのか俺。こんな奴らに人生を滅茶苦茶にされていいのか?・・・・・・良い訳がない。
「自警団が来る前に逃げようよ!兄ちゃん!」
「ああ・・・・ちょっと待て。コイツの様子がおかしいぞ」
ふつふつと水が沸騰するように怒りが混みあがってくる。怒りが刺された俺の体を立ち上がらせる。
「立った!!コイツ立ったよ兄ちゃん!背中刺されて血が出てるのに立ち上がったよ!!」
「クソ!化け物が!ジョセフ!ヤレ!!」
ジョンの声かけと共にナイフを持ったジョセフが俺を刺そうとナイフを構えて襲ってくる。だが、今回は不意打ちではない型もクソもない突撃。これなら俺でも──────
「チェストォォォォォォ!!」
殺せる!!
幸助のブロードソードがジョセフの腹に深々と突き刺さる。幸助の背中の刺し傷よりも深くて大きな傷を負ったジョセフは血を吐き、仰向けに倒れた。
「ジョセフゥゥゥ!テメェ!よくもジョセフを・・・!!」
「やかましいわボケェ!!」
「ブヘェ!?」
ジョンには右頬に強烈なパンチを一撃お見舞いする。パンチの衝撃で吹き飛ばされたジョンは建物の壁に激突し、打ちどころが悪く気絶した。
「はぁ・・・はぁ・・・ざ、ざまあみろ・・・」
結果、最後に立っていたのは幸助のみ。幸助の逆転勝利である。しかし、勝利に勝てても傷は癒える事はない。ジョセフが付けた背中の刺し傷はジワジワと幸助の血液を体外へと放出し、順調に彼を死へと誘っていた。
しかし、同情はしても捕まえなくてはいけない時がある。俺は今、その状況に置かれている。
「待て!逃げるな!!」
「くっ・・・!なんちゅー速さだ・・・!レベル1には到底思えん・・・!!」
俺は今、ギルドの依頼で城下町に現れた指名手配犯を走って追っている。罪状は窃盗5回と銀行強盗1回と殺人未遂2回。罪状だけみればとんでもない犯罪者である。
犯罪者の顔や経歴は既に割られており、名前もジョンという事まで分かっている。犯罪者になった理由も既に判明している。何でも親が多額の借金を背負わされたせいで返済が自分の方へと回ってきて、仕方なく犯罪者へと落ちたのだそうだ。
同情はするが、既に許されない所まで来てしまっている。可哀想だが、大人しくお縄についてもらおう。
「しっかし、速いな・・・!この町の構造を良く理解している!」
フラム城下町は色んな形の建物で構成されている町な為、若干迷路のような町になってしまっており、初めて訪れた人は地図が無ければ道に迷ってしまう。
そんな迷路町をあの犯罪者は地図無しで完璧に把握している。だから中々追いつけない。近づいてきたと思ったら、曲がり角を曲がられて、近づいたと思ったら屋根にのぼられてを繰り返され、こちらの体力が減る一方だ。
あまり回転の良くない頭を使い、どう捕まえるか考える。
「そうだ・・・!教会付近の路地裏に追い詰めよう!」
アモーラ教会付近には背の高い建物ばかりが建っている。高い建物との間にできる行き止まりに追い詰めたら、いくら町の構造を理解していてもよじ登って俺から逃げる事は難しいはず・・・。
「よぉーーし!やってやるぜぇぇ!!」
「はん!そんな大声を出して体力は大丈夫なのか?」
「心配するな!すぐに追いついてやるからよ!!」
それから俺はとにかく追った。追って追って追って追いまくった。バカなりに追いながら誘導し、ついに教会付近の路地裏まで連れてくる事に成功した。
「くそ・・・!これが目的だったのか!!」
狙い通り、流石のジョンも屋根によじ登って逃げるのは難しかったようだ。
「諦めてお縄につけ。手荒な真似はしたくない」
「何が『手荒な真似はしたくない』だ!俺の事なんて全く分かってないくせに!!」
「ああ、分からないさ。お前が今まで物を盗んできた店の店主の気持ちを分かっていないようにな」
「くっ・・・!」
「何も言い返せないか・・・どうする?俺はレベルはまだ1だが、アンタより戦える自信はあるぜ」
「そうだろうな・・・だが・・・!!」
瞬間、背中に鋭い痛みが走る。痛みだした箇所はまるでやけどしたかのように熱くなる。
「不意打ちには慣れてねぇみてぇだなぁ!!」
後ろを振り向くと、そこにはジョンと瓜二つの男がナイフを俺の背中に突き刺していた。
「良くやった!ジョセフ!」
「うん!兄ちゃん!!」
喜ぶ2人を尻目に俺は地面にうつ伏せになるように倒れた。
「クソ・・・!双子だなんて聞いてねぇぞ・・・!!」
いや、双子だと把握していなかったのかもしれない。
刺された箇所がものすごく熱い。全身の力がドンドン抜けていく。前とかなり違うが、この感覚を忘れはしない。俺は間もなく死ぬ。前は末期癌だったが、今回は出血多量でゆっくりと死ぬ。
せっかく、自由を手に入れたのにこんな程度で死んで良いのか俺。こんな奴らに人生を滅茶苦茶にされていいのか?・・・・・・良い訳がない。
「自警団が来る前に逃げようよ!兄ちゃん!」
「ああ・・・・ちょっと待て。コイツの様子がおかしいぞ」
ふつふつと水が沸騰するように怒りが混みあがってくる。怒りが刺された俺の体を立ち上がらせる。
「立った!!コイツ立ったよ兄ちゃん!背中刺されて血が出てるのに立ち上がったよ!!」
「クソ!化け物が!ジョセフ!ヤレ!!」
ジョンの声かけと共にナイフを持ったジョセフが俺を刺そうとナイフを構えて襲ってくる。だが、今回は不意打ちではない型もクソもない突撃。これなら俺でも──────
「チェストォォォォォォ!!」
殺せる!!
幸助のブロードソードがジョセフの腹に深々と突き刺さる。幸助の背中の刺し傷よりも深くて大きな傷を負ったジョセフは血を吐き、仰向けに倒れた。
「ジョセフゥゥゥ!テメェ!よくもジョセフを・・・!!」
「やかましいわボケェ!!」
「ブヘェ!?」
ジョンには右頬に強烈なパンチを一撃お見舞いする。パンチの衝撃で吹き飛ばされたジョンは建物の壁に激突し、打ちどころが悪く気絶した。
「はぁ・・・はぁ・・・ざ、ざまあみろ・・・」
結果、最後に立っていたのは幸助のみ。幸助の逆転勝利である。しかし、勝利に勝てても傷は癒える事はない。ジョセフが付けた背中の刺し傷はジワジワと幸助の血液を体外へと放出し、順調に彼を死へと誘っていた。
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